こくた恵二
こくたが駆く

北朝鮮人権侵害対処法衆院可決。
「拉致問題の解決に有害である」と日本共産党は反対。

 衆院拉致問題特別委員会は本日、「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害への対処に関する法律案」を自民、公明、民主の賛成多数で可決。
 日本共産党と社民党は反対しました。
法案の最大の問題は、日本の主権を侵害した国際的犯罪である拉致問題と、北朝鮮の内政にかかわる「脱北者」問題という性格の異なる問題を同列に置いていることです。
もちろん、わが国に保護を求めてきた脱北者を人道的に保護することは当然です。しかし「脱北者」の「支援」を、政府に行なわせる法律を定めることは、北朝鮮からの脱出の動きを促進することを国家の行為として行なうことになり、内政問題の介入となります。
 国際的道理を持たない法の制定は、拉致問題の解決にとって極めて有害であり、問題の解決のためには、6ヵ国協議など外交的解決の努力を強めることが重要です。日本共産党の反対の理由は以上の点にあります。

 この法案は、民主党が昨年の国会に提出し、「脱北者支援」を明記した法案を今国会にも提出したもの。かたや自民・公明の与党は、「脱北者」にまったく言及しない法案を提出し、両者で修正協議を行なっていました。
 3党は、両案を一本化し、成立を目指すことで合意し、委員長提案として提出し質疑無しで採択しました。
 日本共産党は、このような重大な国際問題の法案を、会期末に、しかも国会での慎重な審議を抜きの採決は断じて認められないとの意見も表明して、反対しました。


(Update : 2006/06/12)