こくた恵二
こくたが駆く

要約筆記の公費負担 実現へ

 聴覚障害者が国会を傍聴する場合、手話通訳者については、これまでも衆議院の費用負担により派遣されている。ところが、要約筆記者については公費派遣が行われていない。
 国土交通委員会で行われたバリアフリー新法の質疑の際、「要約筆記者の公費派遣を実現して欲しい」と要望があり、国土交通委員会理事会、議院運営委員会で提起したところ、今日の議院運営委員会で「今後は要約筆記についても公費派遣を認める」ことが確認された。昨日の委員会審議には残念ながら間に合わなかったが、国会の審議のバリアが一つ取り除かれることになった。
 

photo 聴覚障害者が情報を得るために、光や音増幅、振動、文字表示などの対応が必要だ。とりわけ、災害時に危険を知らせる「ストロボ付き電光文字表示」の設置が強く要望されている。昨日の委員会では、こうした声を紹介し、バリアフリーの基準に盛り込み、交通事業者や施設管理者に設置を義務づけるよう求めた、
 写真は、新潟中越地震の教訓を踏まえて新たに開発された、ストロボ付き電光文字表示器。これまで文字入力にはパソコンが使われているが、地震や火事など緊急の際には、パソコンを使う余裕がない。そこで、リモコンやボタン操作により、「火災発生!! すぐ避難せよ」など、あらかじめセットしておいた文字表示が流れるように改良されたという。コンパクトで持ち運び可能。

photo 中越地震の際、避難所で放送による案内があっても聴覚障害者は分からず困ったということだったが、こうした文字表示器があれば、「入浴は○時から」「○時から弁当を配ります」「○○さん、××へお越し下さい」などの情報を伝えることができる。病院やホテルでも必要だと、開発された会社の社長である中園秀喜さんは説明して下さった。

(Update : 2006/06/15)