日本共産党の穀田恵二議員は二十一日の衆院国土交通委員会で、高速道路建設の是非についてマイナス要因を考慮せずプラス要因だけで評価している問題を追及しました。
国交省は、今後も高速道路をつくり続ける根拠に、「(時間短縮などの)社会的便益が費用を上回る」ことに加え、採算性と必要性を客観的基準で評価していることをあげています。
穀田氏は、建設を続けるかどうかを判断する最初の段階で、「環境や景観に与える悪影響を評価しているか」と質問。国交省の佐藤信秋道路局長は「定量的・明示的には入らない」と、建設の是非の判断には、マイナス要因を算定していないことを認めました。
穀田氏は、「プラス要因だけで判断すれば当然、“建設先にありき”になる。ムダな建設を続ける根拠になる」と批判しました。マイナス要因の例として京都市の中心に高速道路が乗り入れる計画をあげ、景観・環境破壊を生むとのべ、「渋滞は車の乗り入れ規制で解決すべきだ」と提案。平城跡を壊す高速道路計画にもふれ、「歴史都市の真ん中に高速道路をつくるなど世界では聞いたことがない」と強調しました。
穀田氏は、採算がとれないとして国と地方自治体の負担で建設することになった阪神高速淀川左岸線二期工事について、大阪市の負担が六十億円から三百八十億円に増大し、自治体財政を圧迫していることを指摘。「建設の根拠は崩れている。こういう路線は凍結し、中止を含めた見直しを決断すべきだ」とのべました。
写真=質問する穀田議員=21日、衆院国交委