【第159通常国会】
衆議院・国土交通委員会 (2004年4月23日)
本日の会議に付した案件
高速道路株式会社法案(内閣提出第一一二号)
独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案(内閣提出第一一三号)
日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第一一四号)
日本道路公団等民営化関係法施行法案(内閣提出第一一五号)
高速道路事業改革基本法案(岩國哲人君外四名提出、衆法第三六号)
――――◇―――――
○赤羽委員長 御静粛にお願いします。
穀田恵二君。
○穀田委員 私は、昨日二十二日、圏央道をめぐる東京地裁の判決の問題について、最初に大臣にお聞きします。
東京都あきる野市、青梅市の一部の地域について建設を進めるのは違法であるとの判断を下しました。判決は、浮遊粒子物質などの影響で大気汚染の被害が発生するおそれもあると指摘する一方、事業の意味とされる交通渋滞の緩和は具体的裏づけを欠くとして、事業認定そのものを違法としました。
私は画期的な判決だと思うんです。大臣はこの判決を真摯に受けとめて対処すべきだと思いますが、その点について最初に御意見を伺います。
○石原国務大臣(国土交通大臣) この点は穀田委員との見解とは若干相違があるのでございますが、国がこれまで主張していたことが認められないということで、私は遺憾に存じております。判決内容を詳細に検討させていただきまして、今後適切に対応してまいりたいと思います。
それは、当委員会の御議論の中でもございましたように、やはり環状道路の整備というものは必要だと思います。圏央道は、多くの地域住民、自治体の皆様等々から早期開通を熱望され、首都圏の環境改善、渋滞等を改善していく上で、私は重要な道路であると考えております。
○穀田委員 それは再度言いますが、私の方は意見が違います。それに対して厳しい批判が下ったというのが私は判決の意味だと思います。
そこで、意見はいろいろ違うとしても、大事な問題は共通してあるのではないかと思っています。私は、大臣も御承知かと思いますが、当委員会で、道路建設を継続するかどうか判断する費用便益にマイナス効果が算定されていないと指摘しました。道路整備による大気汚染の被害や自然破壊、環境や景観破壊についてのマイナスの便益がきちんと算定されておらず、ただスピード効果だけ着目している現在の制度自身を改善するべきであるということを判決は示唆していると私は考えます。
態度はいろいろ違うんですが、例えば日経新聞も、「判決が投げかけた問題は真剣に受け止める必要がある。」こう断じています。そして、計画づくりの段階から「住民の参加、複数の選択肢の提示、費用便益分析への環境被害・環境対策費の計上など公共事業行政の執行方法を大きく変えることを迫られている。」と指摘しているところです。
ですから、私は、いろいろな判断、意見は違ったとしても、そういう根底にある考え方のところ、みんなで、費用便益の考え方や、そして、それについての評価の方法や住民合意の問題、これはついせんだっても政府参考人も、住民合意でという話で、東京新聞で座談会で言っているぐらいですから、そこのところを本当にやろうと思いますと、ここに近づけることが必要だということを私は指摘しておきたいと思います。
次に、別の問題についてやります。プレストレスト・コンクリート建設業協会の談合疑惑について質問します。
私は、二月二十三日の予算委員会で、例の道路公団三百六十一件をめぐる談合疑惑、天下り、政治献金問題を追及しました。そのときに、三百六十一件の工事入札の落札率が平均九八・一%であることを示して、私は大臣に、九五%を超える入札は異常と思わないか、こう聞きました。大臣は、落札価格と予定価格が近づくからくりは積算基準の情報公開によってであって、それが談合であるとは直ちに言うことは難しいと答弁されました。
そこで、私は、きょうは、落札率が高いことが談合を疑うに値するという事例を紹介したいと思うんです。
昨年の十二月三日の日経新聞に、建設二十社立ち入り、強化コンクリ橋工事めぐる、公取委、入札談合の疑いという記事が載っています。それによりますと、日本道路公団や自治体などが発注する強化コンクリート橋工事などの入札で談合を繰り返していた疑いがあるとして、公正取引委員会は、三日、オリエンタル建設、三井住友建設、ピーエス三菱など工事を手がける建設会社二十社の本社、支社と、業界団体プレストレスト・コンクリート建設業協会を独禁法違反の容疑で立入検査として報道しています。そして、今月の四月十五日の朝日新聞には「建設社長を公取委聴取 橋梁工事談合疑惑」と報じ、橋梁大手の建設会社ピーエス三菱の社長らから事情聴取をしたと報道しています。
公正取引委員会に聞くが、この報道は事実ですか。
〔委員長退席、高木(陽)委員長代理着席〕
○楢崎政府参考人(公正取引委員会事務総局審査局長) 御指摘のプレストレスト・コンクリートの入札談合事件につきましては、昨年十二月に立入検査を行いまして、現在、関係者から事情聴取等を進めているところでございます。
○穀田委員 だから事実だと。公取が調査に入るということは、それなりに確証をつかんでいるからだと思うんですね。
重大だと指摘しなくちゃならぬのは、その新聞にも、関係者によると、各社は、東北、関東、九州など各地方別に談合組織を形成、国発注工事では、各社のランクや過去の実績、天下りOBの有無などを判断材料に落札者を事前調整している、こう報じているんです。
つまり、天下りOBの有無などを判断材料としていることが事実とすれば、私が指摘をしたあの三百六十一区間の中で、受注したジョイントベンチャーで天下りがないのは一件だけだ、こう指摘しましたけれども、道路公団の天下りが各社に満遍なく行われている実態が何を意味しているかという一つの証拠だと私は思うんです。
したがって、この点で国交省は、このPC建設業協会をめぐる談合疑惑についてどのように把握しているか、お聞きします。
○澤井政府参考人(国土交通省総合政策局長) 平成十五年の十二月三日に、橋梁の公共工事発注で談合していた疑いがあるとして、御指摘のように、建設業者約二十社とプレストレスト・コンクリート協会に対し、公正取引委員会が立入調査を行ったということについては承知しております。
国土交通省といたしましては、公正取引委員会の調査の状況を見守ってまいる所存でございます。
○穀田委員 私、日本道路公団からまた資料をいただいて調べたんです。そうしたら、この間紹介した三百六十一件の工事を含め、九八年から二〇〇四年一月までの公団発注工事、未供用七十区間、十億円以上の工事の中で、PC建設業協会の役員企業及び地域別の事務局企業十七社の関係するジョイントベンチャーが受注した工事は六十七件もあるんですよ。その受注総額は、何と二千二百九十二億三千六百万円、平均落札率が九八・二%もあるわけです。
本当に、こういう実態を見なければならないと私は思うんですよ。これほどまでひどいのかということがここにもあらわれている。ぜひ見ておいてほしいと思うんです。
そこで聞きたいのは、大臣、公共工事、道路公団を含めて、入札に係る透明性あるいは公開性というものはこれからも高めていかなければならないと述べていましたね。そこで、何度も聞くんですけれども、入札契約適正化法ができて以後もこういう実態があることについて、どう思いますか。
○澤井政府参考人 入札契約適正化法におきましては、公共的な発注者が必ず守らなければいけないこと、あわせて、こういう方向に行くことが望ましいということについてのガイドライン、この二つを決めまして、毎年、こういったことの実施状況について調査をしております。そういった努力を積み重ねることによりまして、透明性、公正性、あるいは一方で、技術力が反映される入札契約というようなことを進めていきたいというのが私どもの考え方であります。
○穀田委員 私は、実は二つ言っているんですね。
大臣、こういう法律があってもこういうことがやられている。しかも、こういう事実を明らかにしても、何というか、省の方は、これを談合として厳しく取り締まって、本当に打開し、こういうものをなくすために努力するという立場になかなか立てないという問題を私は指摘しているんですよ。だって、そういうものが談合でないと言い張る人がトップにいるわけだから、それはなかなか大変だなと私は思った次第です。
大臣は、新規の道路をつくらない本四架橋公団を除いて、他の新会社には入札契約適正化法というのが適用されると答弁されました。そこで確認しますが、高速道路株式会社法案には、第三条で「政府は、常時、会社の総株主の議決権の三分の一以上に当たる株式を保有していなければならない。」とあります。新会社発足時は一〇〇%国が出資する特殊会社だが、新会社が株式上場するなどした後も、政府がこの新会社の株式を三分の一以上保有し続けるということですよね。国が一〇〇%出資し、工事を発注すれば、入札契約適正化法が適用されるのはそのとおりです。
しかし、国の株式保有比率が三分の一以上、二分の一未満となった場合にはどうなのか、対象にならないではないか、この点を確認しておきたい。
○澤井政府参考人 入札契約適正化法によれば、御指摘のように、国からの出資二分の一以上ということでございますので、二分の一以上という要件を満たさない場合にはこの法律の適用はございません。
○穀田委員 では、公正取引委員会に聞きます。
今述べた、国の出資比率が二分の一未満の会社の場合、いわゆる官製談合防止法は適用されますか。
○楢崎政府参考人 入札談合等関与行為防止法の対象となるのは、国または地方公共団体が二分の一以上出資している法人ということでございますので、二分の一未満の法人は対象になりません。
○穀田委員 おわかりいただいたと思うんです。
要するに、入札契約適正化法は二分の一未満となった場合は適用されない。そして官製談合防止法も適用されないということなんですね。だから、情報公開法、ここも総務省に確認したが、商法適用の株式会社になれば対象とならない。
つまり、情報公開、開示の三つの基本的要件であるこの肝心の法律の適用がされないということを私は言いたかったわけです。だから、これでどうして透明性が増すのかということを私は指摘しているんです。ここをぜひ見ていただきたいと思います。
そこで、民主党にもちょっと一つだけ質問させていただくけれども……(発言する者あり)いや、時間がないものですから。
私はたくさん聞きたいことがあるんですけれども、例えば民主党の案というのは、一般財源化した道路特定財源など税金によって債務返済するということであり、また、高速道路料金を無料にするという考え方ですね。
私は、この四十兆円の債務を本当にどうするかという問題について知恵は絞らなあかんと思いますけれども、新たな建設の中止などによって、年間二・五兆円の通行料金収入で賄うこととし、私たちの方は、債務負担を計画的に返済し、料金の段階的引き下げで将来の無料化に立ち向かう、こういうのが我々の案なんですね。それは岩國議員はよく御承知だと思うんです。
そういう点等を考えますと、やはり料金無料化を性急に進めれば、二兆円規模の税金を新たに結果的に投入しなければならなくなるということを私は思うんです。それは優先順位がちょっと違っているんじゃないかなというのが私の意見なんですが、それを聞き出すと長い間討論せなあきませんので、極めて短く討論できる点だけ聞きたいと思うんです。
法案は、道路関係四公団を廃止し、管理専門を独立行政法人とするとして、一時に多数の道路関係四公団の職員が再就職を必要となることにかんがみ、これらの者に関し、再就職の機会の確保及び再就職の援助等のための特別の措置を講ずるとしています。この多くの公団職員の再就職先を国が援助するとしていますが、具体的にどのような援助を考えているのか。
公団本体はもちろん、料金収受事業に係るファミリー企業の方々もいます。全体として大体五万から六万と言われています。国鉄の民営化の際にも大問題となって、今でも一千四十七名問題などが議論になっていて、再就職できない方がたくさん残されていて、重大な問題として引き続き残っています。
ですから、私は、この五万から六万とも言われている方々も含めた就職という問題になりますと、懸念があり、重大な社会問題になる可能性があるんじゃないか、この点だけお聞きしておきたいと思います。
○岩國議員 穀田委員の質問にお答えしたいと思います。
まず、民主党は、政策の中でもとりわけ雇用対策を重視しているところでありますから、決して、高速道路無料化ということについて、失業者が町にあふれるということを想定しているわけではなく、むしろ、これによって雇用の場が広がっていく。
例えば、日本の中で一番たくさんお金をかけ、そして付加価値の高いのは高速道路の沿線だと思うのです。あの高速道路の沿線に新しい職場をつくること。そして、改革の過程として、料金所に働いていらっしゃる方はその仕事がなくなるということは目に見えたロスでありますけれども、それ以外に、民間の職場があの近辺にふえる、インターチェンジの数もふえる、また、総体として経済の活性化によって日本経済自身が活性化していく、雇用の場が広がっていく。そういう面で、私たちは、再雇用の道にはいろいろな選択肢が広がっていく、そういうふうに考えております。
なお、道路の管理それから維持、そういったことにつきましては、高速道路が有料であろうと無料であろうと、これは当然だれかがやらなきゃいけない。そのだれかというのは、独立したそういう法人が必要だろう。また、専門の、あるいは経験を持った人たちは当然その職場で働いていただくことも必要だろうと思います。横への移動、新しい職場の開拓、それが高速道路無料化の結果として生まれてくる、そのように思っております。
〔高木(陽)委員長代理退席、委員長着席〕
○穀田委員 横への移動、それから沿線という話がありましたけれども、どうも、私は、それだけで五万か六万いる人が本当に吸収できるのかなと。時期的に言ってもこれはなかなか難しい問題はあるなと私は率直に思います。
そこで、政府にもう一度戻りたいんですけれども、沿線という話が出ましたので。
実は、民営化会社の事業の拡大という問題でいいますと、これは道路事業による収益は見込めないことから、SA、PAを活用した小売サービス業、あるいは道路用地やインター周辺を利用したホテルやリゾート、集客施設などの事業になると予想されます。
近藤総裁は、道路以外の事業をどう広げていくかについて、サービスエリア内にホテル並みの宿泊施設やコンビニを設けたり、新たなインターチェンジ建設と周辺開発を同時に進めたりすることを考えているなんということを新聞のインタビューに答えています。
そこで聞きます。
インターチェンジの周辺開発として、アウトレットモールのような集客力がある施設を建設、運営する場合、届け出だけで、何らかの制約を受けるのか。また、大型商業施設の場合、大店立地法などとの関係が出てくると思うが、問題は生じないのか。国交省としてこういう問題についての対策を検討したのか。この点だけ聞きたいと思います。
○佐藤政府参考人(国土交通省道路局長) 二つに分けてお答えすべきかと思います。
SA、PA事業について、これは届け出は不要でございます。
それから、インターチェンジの周辺で大規模な小売店舗、こうしたものを考える、立地させる、この場合には大規模小売店舗立地法の適用を受ける、こういうことになろうかと思いますので、この法律の手続を通じて、新しい会社と地域住民の間で、大型店と周辺の生活環境との調和を図るための必要な調整が図られるものと思料しております。
○穀田委員 国鉄の民営化のときには、JR会社法十条で、要するに中小企業に対して配慮しなくちゃならぬという規定があったんですよ。今度のはないということと、そういう意味でいうと、私は、この点は極めて不十分だなということだけ、時間がありませんので、指摘して、終わります。
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○赤羽委員長 これより内閣総理大臣出席のもと質疑を行います。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
○赤羽委員長 穀田恵二君。
○穀田委員 まず、総理に、閣僚三人が国民年金を払っていない問題について、私も聞きます。
政府は、今国会の最大の法案として年金法案を位置づけてきたはずです。国民年金の値上げ法を提案し、そしてサインをした閣僚の方々がその法案を守っていない、その責任をどうお感じになりますか。
○小泉内閣総理大臣 今後そのようなことがないように、十分注意していただかなきゃならないと思っております。
○穀田委員 先ほどもそういう話をしてはったんですけれども、私は、国民の感情からすれば、まさに許しがたいということの一語に尽きると思うんですよ。
総理は、四月一日の本会議においてこう言っているんですね。強制徴収を含めた徹底した収納対策を実施する、こう述べているんですね。
国民には強制でもということをちらつかせ、おひざ元は大甘。しかも、国民年金加入が義務化され、何度も、選挙のたびごとに保険料の納入についてみずからチェックする機会はあったはずなんですよね。そういうことができずに、まさにこういうていたらく、私は閣僚の資格さえ疑うということを指摘しておきたいと思います。
その上で本論に入ります。
私は、この間も、道路建設にかかわる談合疑惑と、それから公団から建設会社の天下りしている会社が工事を受注していることを示して、民営化すれば、政治家介入だとか政官財の癒着、腐敗が改善されるかということを質問しました。
なぜこの問題を質問しているかといいますと、いわゆる藤井総裁の解任問題をめぐる当時の社説はこういうふうに言っています。
各新聞は、道路公団改革の本質は、官僚、族議員、土建業者の構造的な癒着を壊すことにある。他のメディアも、道路行政に対する国民の不満は何も借金の大きさだけではない、巨額の道路予算、建設費をめぐる政官財の癒着構造こそ許しがたいと感じているものだ、こういうふうに指摘しているから、この問題についての解決を図らなくちゃならぬ、こういう角度から私は質問したわけです。
総理はどうお答えになったかというと、民営化した方がより透明になるんではないか、効率化が期待されるのではないかということで民営化を決断したとお述べになりました。
民営化した方が透明になるというその根拠は何か、総理にお答えいただきたい。
○小泉内閣総理大臣 今までの、きょうの当委員会の議論でもおわかりのように、与野党通じて、道路をつくってくれという声は全国に強いんです。そうなりますと、税金投入して、自分たちが負担しなくてもいいんだったらば必要な道路なんだからつくろうか、また、そういうふうに動けば住民から評価されるなということで、いわば必要性という方が費用対効果という採算性よりどの地域でも強いと思うのであります。だからこそ、道路をつくってくれという要望は強いんです。
これを是正するためには、必要はわかるけれども、この道路をつくるためにはこれだけの負担がかかるんですよということも考えてもらわなきゃならない。となれば、民営化会社になれば、赤字が出ればこれは倒産しちゃうというおそれがあります。常にやはり利益を出さなきゃいけない、同じものをつくるにも、コストを下げるよう努力しなきゃいけない、借金の負担を減らさなきゃならないということを考えます、いわゆる親方日の丸じゃなくなるんですから。
そうなることによって、幾ら必要でも、ここの道路をつくったら、自分たち、これはとても採算がとれませんという道路が出てくるでしょう。現に、今回の民営化法案におきましても、民営化後には、今までの道路公団方式の予定の区間は全部できるとは限らなくなる。
そういうことから、私は、まず民営化会社によって、だれかがどこかで負担してくれるからつくってくれ、ツケは後の人が払ってくださいという体質が直る。そして、利用者、収入が減ると料金を上げてきた、今まで道路公団というのは値下げしたことありませんから。今度は、まず民営化になるということで料金の値下げをするわけですから、これも初めてのことですね、公団方式じゃできなかったことをやろうとするんですから。
そして、あとファミリー企業の問題やいろいろな問題があります。これについても、一つの政治的圧力によって公正な取引が阻害されるようなことのないように、よく監視していかなきゃならない。民間だったら、やはりそういう競争原理が働くであろうということから、私はこの民営化の方が、より税金の負担が少なく、そして必要な道路をつくる、ある程度負担の能力がある方については、高速道ですから負担もしていただくということで、公団方式よりも効率的な透明性が図られるんではないかなと思っております。
○穀田委員 だれの話にも同じ答えをしているんですよ。それは、総理、ちょっとまずいですよ。
効率化論と採算性、むだ論という話はわかるんですよ、そういう哲学をお持ちだと。私が言っているのは、そういう問題の、政官財癒着、そして、そういう透明性が前進できるという根拠は何なのかというところを聞いているんですよね。そこをうまく答えていないということは皆さんお聞きだと思うんです。
私が言っているのは、この間も、総理は出てはらへんけれども、そういう公団工事三百六十一件におけるさまざまな癒着の資料を出したわけです。この資料は、今公団だから出るんだけれども、公団でなくなって民営化になったら出なくなるということを一つお示しをして、言ったわけです。
それで、私、きょう午後のこの委員会で、透明性を図り、みんなの、国民の監視ということからすると三つの基準があるということを示したわけです。
それは、第一に情報公開法の対象になるのか、二つ目に入札契約適正化法の対象になるのか、三つに官製談合防止法の対象になるのか、これを基準として見る必要があるということをわざわざ私はこの間言ったわけですね。そうしたら、それが全部適用されないということになるわけですね、民営化されたら。
そうしますと、情報の公開も弱まり、国民の監視、国民の目が行き届かないことになるじゃないかということを私は論として指摘しておきたいと思います。だから、そういう意味での国民の声にこたえた改革になっていない、国民の目から見た情報公開という角度から物を見てお話をしているわけです。
そこで、むだの話が出ましたから、それじゃ、言っておきましょう。
二つ目に、私、ずっとこの委員会で京都の話をしてきました。先ほどは、山とクマの話も出たので、どこでもつくれつくれと言っているというから、私はつくるなと言っている一人でございます。それで、八七年に閣議決定された四全総で、一万四千キロ、高速道路の建設を打ち出したんですね。近畿圏では、四全総と歩調を合わせて、すばるプランとして同じ年に策定されて、京都高速道路は呼応してつくられようとしているわけです。
この京都市内のど真ん中に高速道路を持ち込むことは、先ほどの自然の話からしても、山の話からしても、クマの話からしても、山紫水明の都、京都の自然と景観を破壊することになると思いませんか。
○小泉内閣総理大臣 私は、その道路をつくられる現場を見ていないんですが、京都は大好きですよ。ぜひともあの京都の景観は守っていただきたいですね。もしあのすばらしい京都の町に不粋な高速道路ができるということを想像すると、私も嫌ですね。できるだけ歴史的な景観を保存する形で必要な道路をつくってもらうように、京都にお願いしたいですね、私も。あの貴重な京都の歴史的な町並み、景観、これは壊すのはもったいない。私は、そういう点を十分京都も考えていただいて、必要な道路はつくらなきゃならないんでしょうけれども、ぜひとも、そういう歴史的な遺産とか景観を大事にした形で道路をつくっていただきたいと思います。
○穀田委員 貴重な御意見をいただきました。初めて率直な、京都に高速道路は要らないというお話を聞きました。事実上ですよ、事実上、景観を守ってほしいと。
そう言うと、すぐ石原大臣なんかは地下へという話をするんですね。地下、今どき、これほどの財政の赤字で大変な折に、しかも新直轄方式やその他で、国が負担をしない。そして、阪神道路公団も、自分のところは責任持たぬと言い出している。それが全部地方自治体の負担になる話じゃ、できやしないんですよ。まして、どんな形にしろ、京都の西本願寺ぐらいですかね、ちょうど真ん前に、真下から、三十五メートルも換気塔が出る。これはあきませんわなと私は思っていただけると思うんです。それは確認しておきたい。
同時に、この問題でなぜ私がこんなことを言っているかというのだけ一言聞いてほしいんですよ。
世界遺産条約に指定されたところなんだ、この京都は。しかも、それは、お寺だとか神社だとか、そういう建物を指定しているわけじゃないんですよ。京都の場合は、東山、西山、北山という三山とその地域を含めた一帯を指定しているわけなんですね。
しかも、世界遺産条約の第十一条に、これは何を守らなければならぬかということで、危険性を指摘して、こう言っているんです。「大規模な公共事業若しくは民間事業又は急激な都市開発事業若しくは観光開発事業に起因する滅失の危険、」ということで、まさに、世界遺産条約に指定されたということは、そういう危険から守らなければならないという義務を課しているわけなんです。そこの意味を私は言っているわけです。
だから、京都には高速道路は要らないんだということを何回も私、この委員会を通じて、道路という問題を議論する際に、このこと抜きには語れない。しかも、すばるプランであり、一万四千キロという政府の計画のもとで行われていることだから、これをはっきりしろと言ってきたわけです。いかがですか。
○小泉内閣総理大臣 京都のすばらしい景観、歴史的遺産、これを破壊することなく必要な道路をどうやってつくるか、よく京都市も皆さんも考えていただきたいと思います。
○穀田委員 先ほどの話とはちょっとトーンダウンしていませんか。守らなあかんということですよ。
そこで、圏央道の問題を一言だけ言っておきたいと思うんですけれども、私は、先ほどの同僚の意見に対して反対でして、それは画期的な意味を持っている。確かに、現実に進行している事態は複雑でしょう。しかし、その問題は、提起した中身をどう受けとめるのかということだと私は思うんですよ。やはり、総理自身ですら、自然や環境やクマや山という話をしておられるように、私は、今回の問題が提起した中身についてどう受けとめるかということがとても大事だと思うんです。
私は、この間の議論を通じて、マイナス効果というものもきちんと出さなければならぬ、それは、自然や環境へのマイナス効果がある。それと住民の理解。ですから、きのうきょうの新聞などでも、行政側に、公共事業の計画段階から十分住民の意見を聞くなど、地元への慎重な配慮を求めるだけでなく、公共の利益を言うからには、だれでも検証できるデータを提示すべきだという考え方まで出ている状況です。
私は、そういう問題を含めて、意見は違うと思うんです。この問題について、やるべきだという意見とそうじゃないという意見はあることは事実です。しかし、その問題の共通の基盤となっているのは、どういうふうに理解を求めるか、公共の利益とは何か、自然と環境の内容は加味されて必要じゃないか、こういうことだと思うんです。
この点の御意見だけ伺っておきたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 それは、道路の必要性と各町並みをいかに美しくしていくか、歴史的な遺産を保護していくか、そういう点のぜひとも両立を図っていかなきゃならないと思っております。
○穀田委員 最後に一言言っておきます。
何とかなるだろうという話でずっと続けてきたという問題が先ほど総理からも答弁ありましたし、きのうも、政府参考人も、そういうことでやってきたんだろうと言わんばかりの話をしておられました。
私は、確かに道路公団の責任も、それは決定的だし、重大だと思いますよ。しかし、民営化推進委員でさえ、例えば本四架橋だとか東京アクアラインなど含めて、あれはひょっとしてむだじゃなかったかということを言っているぐらい、やはりむだな道路をつくってきたことも事実なんです。
それが、ゼネコンが大もうけする、そしてそれで債務を膨らませる。それをやってきたのは、やはりその意味では、それを推進してきた歴代の政府と、それから道路族と言われる人々も含めた責任が改めて問われるということも含めて、私は、この四十兆円に膨らんだ債務が一体全体どうだったのかという問題が問われるということについて指摘をして、質問を終わりたいと思います。
○赤羽委員長 これにて内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。
質疑を続行いたします。岩國哲人君。
――――◇―――――
○赤羽委員長 これより各案を一括して討論に入ります。
討論の申し出がありますので、順次これを許します。
○赤羽委員長 次に、穀田恵二君。
○穀田委員 日本共産党を代表し、道路関係四公団民営化関係法案及び民主党提出の高速道路事業改革基本法案に対して反対討論を行います。
初めに、道路関係四公団民営化関係法案について述べます。
小泉構造改革の目玉とされた道路公団改革は、初めから民営化先にありきに終始し、国民の期待に背いて、むだな高速道路建設を続け、巨額の借金を国民に負わせ、政官財の癒着を温存する仕組みをつくり上げたにすぎず、到底改革と言えるものではありません。
反対する第一の理由は、高速道路の建設は新会社、借金は保有・債務返済機構にという上下分離の無責任体制によって、何の歯どめもなく、むだな高速道路建設を継続する仕組みをつくるものであるからです。
政府は、全総計画など高速道路整備計画を抜本的に見直すこともなく、環境や景観などへの影響も加味しない事業評価によって、道路建設の継続を決定しています。まさに初めに建設ありきです。このもとで、民営化すればむだな道路はつくらなくなるなど、全くの幻想です。民間会社が建設しなければ、国や地方の税金でつくる新直轄方式で、採算が合わなくてもつくり続ける仕組みも既につくられています。
反対理由の第二は、四十五年で確実に債務返済できる保証がないばかりか、新会社の資金調達に政府保証をつけることによって、建設資金の調達を容易にし、借金をふやし、新たな負担を国民に強いることになるからです。
第三は、民営化されることで、情報開示や監視が弱まり、天下りや談合、政治家介入など政官財の癒着が温存、助長されるからであります。
民間会社になれば、情報公開法は適用されず、談合防止法や入札適正化法も対象とならないことも、既に先ほどの議論で明らかであります。道路公団分割によって天下り先もふえることになります。国民にとってますます不透明になるのは目に見えています。
次に、民主党提案の高速道路事業改革基本法についてです。
本法案は、料金無料化を性急に進めるために、現在、通行料金収入による道路公団の債務返済をやめて、新たに税金を投入して返済しようとするものであり、税金の使い方として優先順位を間違っているので、賛成できません。
最後に、現在の高速道路整備計画は廃止し、新たな高速道路建設は凍結、見直すこと、四十兆円に上る債務は計画的に返済し、料金を段階的引き下げ、将来の無料化に向かうこと、道路四公団などへの天下りを禁止して、ファミリー企業を廃止し、国民の管理、監視のもとで債務返済と維持管理を運営する公共企業体として再生させること、この方向でこそ真の改革であることを申し述べ、討論といたします。
○赤羽委員長 これにて討論は終局いたしました。
―――――――――――――
○赤羽委員長 これより各案について順次採決に入ります。
まず、岩國哲人君外四名提出、高速道路事業改革基本法案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○赤羽委員長 起立少数。よって、本案は否決すべきものと決しました。
次に、内閣提出、高速道路株式会社法案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○赤羽委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、内閣提出、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○赤羽委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、内閣提出、日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○赤羽委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、内閣提出、日本道路公団等民営化関係法施行法案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○赤羽委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
―――――――――――――
○赤羽委員長 この際、ただいま議決いたしました内閣提出、高速道路株式会社法案、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案、日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案及び日本道路公団等民営化関係法施行法案に対し、衛藤征士郎君外二名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の三会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者より趣旨の説明を聴取いたします。玉置一弥君。
○玉置委員 ただいま議題となりました高速道路株式会社法案、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案、日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案及び日本道路公団等民営化関係法施行法案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることにいたします。
高速道路株式会社法案、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案、日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案及び日本道路公団等民営化関係法施行法案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。
一 高速道路は国民共有の財産であることにかんがみ、日本道路公団等民営化関係法の施行後五年後を目途に、各法の施行状況を踏まえ、必要な措置について検討すること。
二 地域経済の活性化、物流の国際競争力の確保等の観点から効率化を推進し、割引等弾力的な料金設定により高速道路の有効利用を図るとともに、厳密な評価に基づき真に必要があるものについて新たな高速道路の整備を行うこととし、高速道路事業に係る予算の重点化及び効率化を図ること。
三 金利の大幅な上昇など大きな経済変動等があった場合には、適時適切に債務返済計画を再検討し、四十五年以内の債務返済が可能となるよう財政上の措置も含め必要な措置を検討すること。
四 建設中及び調査中の道路については、新会社の自主性が確保されつつも、地域経済への影響、高速道路ネットワークの状況等を総合的に勘案し、最終的には国が責任を持って整備すること。
五 新会社の民間事業者としての能力が最大限発揮されるよう、経営努力に対する適切なインセンティブの付与等の環境整備に努めるとともに、その成果ができるだけ利用者に還元されるよう配慮すること。
六 新会社は、高い公共性を有する高速道路の建設・管理を行うことにかんがみ、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律に準じ、国民に対して、その経営状況、財務状況等について積極的に情報の開示を行うとともに、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律等の適切な運用を通じ、新会社の経営内容の透明性の確保に努めること。
七 ファミリー企業による高コスト体質を改善するため、排他的入札要件の撤廃等一層の競争促進に努めるとともに、各般の企業努力により、管理コストの低減を図ること。また、ファミリー企業で独占されている道路ビジネスを広く市場に開放し、地域企業の活用に配慮すること。
八 高速道路の利用の促進と利便性の向上を図るため、ETCの一層の普及を推進するとともに、ETC利用者に対する多様な割引制度の充実に努めること。
九 高速道路の安全性を確保するため、道路の適時適切な修繕等に努め、その維持・管理に万全を期すること。
十 道路関係四公団の民営化に当たっては、これまで維持されてきた職員等の雇用の確保に努めること。
十一 高速道路の整備に当たっては、交通機関相互の連携に配慮すること。
以上であります。
委員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。
○赤羽委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○赤羽委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
【「しんぶん赤旗」2004年4月24日】
道路公団民営化法案を可決 ムダ建設と癒着温存 自民、公明賛成 穀田議員が反対討論 衆院委
小泉「改革」路線の焦点となってきた日本道路公団など道路関係四公団を民営化する法案が二十三日の衆院国土交通委員会で自民、公明の賛成で可決されました。日本共産党は反対しました。同法案は四公団を、道路資産と債務を持つ「保有・債務返済機構」と、道路管理や建設を担う新会社(六社)に分離。四十兆円の債務は新会社が機構に払う道路リース料で返済する仕組みです。
採決に先だつ反対討論で日本共産党の穀田恵二議員は、(1)道路整備計画を抜本的に見直さず、新会社が建設しなければ税金で造るなどムダな建設を続ける仕組みをつくる(2)債務返済の保証はなくムダな建設で債務を膨らませ、新たな国民負担をもたらす(3)民営化で情報開示や監視が弱まり、政官業の癒着が温存される―とのべ、「とうてい改革といえない」と批判。(1)計画を見直し新規建設を凍結・中止する(2)債務を計画的に返済し、料金値下げ、無料化に向かう(3)天下り禁止、ファミリー企業廃止で公共企業体として再生させる―という方向でこそ真の改革ができると主張しました。
同委員会では、四十兆円の債務を国民負担で処理し、通行料を無料化する民主党の高速道路事業改革基本法案も採決され賛成少数で否決、日本共産党は反対しました。
穀田氏は反対討論で、「無料化を性急に進めるために新たに税金を投入するもので、税金の使い方の優先順位を間違っている」とのべました。
写真=小泉首相に質問する穀田議員=23日、衆院国土交通委員会
透明化の根拠示せず 道路公団民営化法案 穀田議員に首相 衆院委
日本共産党の穀田恵二議員は、道路公団民営化法案を審議した二十三日の衆院国土交通委員会で公団に適用されてきた情報公開法や入札契約適正化法、官製談合防止法が民営化で不適用となることを指摘し、「民営化で透明性が増すというが根拠があるのか」と追及しました。
小泉純一郎首相は「競争原理が働く」とのべるだけで透明性が増す根拠を示せませんでした。穀田氏は、民営化では国民の声にこたえた改革はできないと批判しました。
穀田氏は、民営化法案がムダな道路建設を続ける仕組みになっていることについて、歴史都市・京都のど真ん中に高速道路を乗り入れる計画があることをあげて、「山紫水明の京都の自然・景観を壊すと思わないか」と質問。小泉首相は「京都の素晴らしい町に無粋な高速道路ができると想像したら嫌だ」と答えざるをえませんでした。
さらに穀田氏は、圏央道(首都圏中央連絡自動車道)の事業認定を取り消した東京地裁判決にふれて「意見は違っても自然・環境への悪影響を判断に加えることや住民の理解が必要であることは共通の基盤となるはずだ」と迫りました。
小泉首相は「道路の必要性と街並み、景観の保護を両立しなければならない」と答えました。
穀田氏は、公団が四十兆円もの債務を抱えたことについて「ムダな建設を進めてきた政府、道路族の責任が問われる」と強調しました。
【「しんぶん赤旗」2004年4月24日】
閣僚には甘く、国民には強制 国民年金未納問題 穀田議員が追及
日本共産党の穀田恵二議員は二十三日の衆院国土交通委員会で、三閣僚の国民年金未納問題で、「国民の感情からすれば、まさに『許しがたい』という一語に尽きる」と批判しました。そのうえで、小泉純一郎首相が一日の衆院本会議で「強制徴収も含めた徹底した収納対策を実施する」と答えていたことを指摘。「国民には『強制でも』とちらつかせ、おひざ元(閣僚)には甘い。国民年金加入は義務化されており、自らチェックする機会はあったはずだ。閣僚の資格さえ疑う」と追及しました。
小泉首相は「今後、そのようなことがないよう十分注意していきたい」と答えるだけでした。
国民年金保険料納付状況についての閣僚の発言
(★は未納期間を認めた閣僚)
小泉純一郎首相(62)60歳まで保険料納付
★麻生太郎総務相(63)1966年8月から96年11月まで厚生年金あるいは国民年金に継続して加入。96年11月、経済企画庁長官就任時に国民年金への切り替え手続きを怠り、2000年9月に60歳になるまで約3年10カ月未加入
野沢太三法相(70)86年4月以前から日本鉄道共済年金の繰り上げ受給を受けている
川口順子外相(63)60歳まで保険料納付
谷垣禎一財務相(59)保険料支払い中
河村建夫文科相(61)60歳まで公的年金に加入し保険料納付
坂口力厚労相(70)60歳まで保険料納付
亀井善之農水相(67)64歳まで厚生年金に加入し保険料を納付
★中川昭一経産相(50)国会議員となった83年は国会議員の国民年金加入は任意扱いで、議員年金に加入した際に国民年金も含まれていると考え、加入手続きを行わなかった。改めて確認して国民年金保険料を納付していないことが分かり、過去二年分をさかのぼって納付した
石原伸晃国交相(47)保険料支払い中
小池百合子環境相(51)保険料支払い中
福田康夫官房長官(67)60歳まで保険料納付
小野清子国家公安委員長(68)60歳まで保険料納付
★石破茂防衛庁長官(47)02年9月分まで口座引き落としで掛け金を支払ったが、同年10月分から手違いで支払っていなかったので今後この分も含め支払いたい
茂木敏充科技相(48)保険料支払い中
竹中平蔵経財相(53)保険料支払い中
金子一義行革相(61)60歳まで保険料納付
井上喜一防災相(71)53歳で国家公務員を退職後、国家公務員共済年金の受給を開始し国民年金加入の義務はなくなった
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