【第159通常国会】
衆議院・国土交通委員会(午前) (2004年5月19日)
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
自動車関係手続における電子情報処理組織の活用のための道路運送車両法等の一部を改正する法律案(内閣提出第八二号)(参議院送付)
国土交通行政の基本施策に関する件
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○赤羽委員長 穀田恵二君。
○穀田委員 私は、法案について質問します。
本法案で一番大事なのは、個人情報の管理、保護の問題だと言えます。不参加の自治体が存在する住基ネットの活用や、新たに登録情報処理機関を民間企業として設立しようとしていることについて、国民の個人情報保護の観点から慎重に検討する必要があると考えます。
そこで、登録情報処理機関と個人情報保護について聞きます。
ソフトバンク、ヤフーBBが四百六十万人、コスモ石油で最大二百二十万人、あるいは銀行なども含め、顧客情報の流出が報じられています。早急な法的な整備も含めた対策が必要です。
国交省は、参議院の質疑や先ほど来の質疑で、登録情報処理機関の個人情報保護は大丈夫だ、こういう答弁を繰り返しています。
具体的に、少し突っ込んでみたいと思うんです。
この機関の従業員には公務員のような守秘義務はないとのことだが、この従業員や情報処理の外注先が管理者の許可なく情報を持ち出した場合、例えば従業員などが自分のCDに情報をコピーするなどして情報を流出させた場合など、その個人に対して何らかの罰則は科せられるのでしょうか。
〔委員長退席、望月委員長代理着席〕
○峰久政府参考人(国土交通省自動車交通局長) 登録情報処理機関、民間の機関との関係でございますが、本法案におきましては、登録情報処理機関は、国が定める基準に適合する方法により情報処理業務を実施しなければならないというふうにしております。この基準といたしまして、国のシステムと同程度のセキュリティー、安全管理を確保するという観点から、技術面でのセキュリティー対策、それに加えまして、運用面での個人情報の適切な管理運営を行うことを定める予定でございます。
仮に、これに反して業務が行われ、個人情報が漏えいされたような場合でございますが、それにつきましては、国土交通大臣が業務方法の改善を命ずることができまして、それに従わない場合には登録の取り消しあるいは業務の停止命令を行うことができ、その停止命令に違反した役員、職員については、罰則、一年以下の懲役または五十万円以下の罰金の適用があることになっております。
それから、一般的な個人情報保護法であります個人情報保護法におきましても、個人情報取扱事業者に対するさまざまな義務として、利用目的の特定でありますとか公表、正確性の確保、安全管理措置、従業員の監督、第三者提供の制限等と同時に、罰則の適用が来年の四月から適用されることになっております。それで、不適切なものにつきましては、主務大臣の勧告、命令があり、それに従わない場合については、罰則の規定、六カ月以下の懲役または三十万円以下の罰金が適用になることとなっております。
それから、本法案の方におきまして、登録情報処理機関におきましては、あわせて業務規程を定めるということにしておりますけれども、それで、個人情報を流出させた者には、個人情報を取り扱わせない旨の処分基準を定めた業務規程、こういうものを定めるということを課しまして、そういう情報を流出した職員については当該業務を行い得なくなる、そういうことにする予定でございます。
こういうふうな対策によりまして、情報漏えいの未然防止に努めることとしております。
○穀田委員 最後に業務規程などという話もありましたが、ただ、四百六十万人の顧客データが流出したヤフーBBでは、社内協力者がいる可能性が高いと言われているんですね。それは皆さんも新聞、マスメディアで御承知のとおりです。
だから、問題はここなんです。この社内協力者に対する対策は非常にあいまいで、個人情報保護としては一つの穴になっていると私は考えるものです。
したがって、民間企業での個人情報保護の仕組み自体がまだ十分でないのに、民間企業である登録情報処理機関を新たにつくることだけが先走るということについては、課題と問題が多いということを指摘しておきたいと思います。
次の質問に移ります。
この間、三菱の自動車欠陥隠しにかかわる問題を、私、三月三十一日に質問しました。
それとの関係で、この間、宇佐美三菱ふそうトラック・バス前会長らが逮捕される、今取り調べが行われている。ハブの欠陥を隠し、国土交通省に整備不良とうその報告をされたといいます。三年前、ユーザーからのふぐあいの指摘、苦情一万件余りを運輸省に隠していたリコール隠し事件に続く三菱自動車の不祥事です。逮捕者の中には、リコール隠し事件で国民の前で再発防止を誓った三菱自動車幹部役員も含まれている。ユーザーである消費者、国民を欺く許しがたい企業犯罪です。
まず、国土交通省として、三菱自動車に対してどのようなペナルティーを科したのか、お聞かせ下さい。
○峰久政府参考人 今回のリコールに関しまして、三菱自動車工業株式会社、これは当時でございますが、それに対しまして、道路運送車両法のリコール業務についての虚偽報告が判明したということで、神奈川県警警察本部に告発したところでございます。
それと同時に、同日付で、三菱自動車工業株式会社及び三菱ふそうトラック・バス株式会社の社長に対しまして、改善策等の警告書を交付しました。
それから、このほか、物品購入に係る指名停止、これは重い十八カ月でございますが、指名停止を行うと同時に、型式審査についても厳格に行うこととしております。
○穀田委員 私は、三月三十一日に当委員会で国土交通省の責任についてただしました。
その際、二〇〇〇年の一月、とうとい人命が失われた横浜でのタイヤの脱輪事故について、事故の原因がハブ等の欠陥による疑いがあるため、立入検査して、リコールを含めた検討をすべきだと提起した我が党の議員の質問を紹介しました。
同時に、この質問に対し、当時の自動車局長が、ホイールナットなどの締めつけが適正な方法で行われ、かつ適切な点検整備がなされていればハブの異常摩耗は生じない、実際に調査した結果におきましても、そのような実態であることから、設計上のミスで、定性的に摩耗は発生するというものではないということがはっきりしている以上、リコールには該当しない、こういう答弁を詳しく紹介し、これではまるで三菱側の代弁者じゃないかという紹介もしました。そして、国交省が安全、命を守ることを企業の社会的責任として第一の柱に据えて指導する姿勢に欠けていたと指摘したことは御承知のとおりだと思います。
そこで、その反省が必要だと私は述べたんですが、今日はっきりしていることは、結果として、国土交通省の姿勢がリコール申請をおくらせ、虚偽の報告、欠陥隠しを許してしまった。その責任をどう認識し、どのように反省しているのか、お答えいただきたい。
○峰久政府参考人 安全対策でありますとか環境問題への対応を最優先すべき自動車製作者において、このような事態が生じたことは、まことに遺憾であります。特に、三菱自動車におきましては、平成十二年にも虚偽報告により告発され、処罰されているにもかかわらず、再度、同じ違反行為を行ったことは極めて遺憾でありまして、その企業姿勢が問われるものでございます。
国土交通省におきましては、十四年一月の横浜の事故の原因となったハブの破損の重要性にかんがみまして、同事故の後、三菱に対して、再三にわたり報告の聴取あるいは立入検査などを行って、原因究明と再発防止策を指示してきました。その際、もちろん整備上の問題ということだけでなくて、設計上の問題も含めて、どういう原因があったのかということを、事実の報告を求めるなどしてきました。そういう意味で、現行制度の中でできる限りの対応はしてきたと思います。
ただ、国土交通省としましては、今般の事案を踏まえまして、今後、リコール制度の運用に必要な改善を加えまして、再発防止に万全を期していきたいと思っております。
○穀田委員 結論は、できるだけの対応をしてきたということですね。私はそうは思いません。
この間紹介しましたように、当時、立入調査をすべきだという指摘に対して、する必要はないと答えた。設計上のミスがあるんじゃないかと言ったら、そういう事態はないと答えた。そういうことについて、一連の経過の中であなた方がこの国会で発言したことを忘れてはならないですよ。あなたが発言していなかったか知らないけれども、当時の交通局長がそう発言したということを、私、紹介したじゃないですか。
そういうことで本当に、ああいう事故が起きる、その事故が続いて、しかも、私どもは、当時瀬古議員は、警察の調査があるんだから、そのことも踏まえてやるべきだと言ったことに対して、それも踏まえず、いや、大丈夫なんだと言ったことについては、歴然とした事実じゃありませんか。
そういうものについて、できるだけのことをしたなどということを言うんだったら、それは許しがたいと私は思いますよ。三菱が許せぬのは、そんなことは当たり前ですよ。そのときに、あなた方も三菱と同じ答弁をしていたということについて、恥じないんですか。私は、それを人間として聞きたいですよ。
○峰久政府参考人 先ほど申しましたけれども、横浜の事故の後、当然そういう国会での立ち入りをすべきだというような御趣旨もございました。それで六月には立入検査もしているわけでございますが、その事故の後から、当然、リコール対象、設計上の問題じゃないかということも含めまして、いろいろ実際の担当のところではやりとりされているわけでございまして、そういう意味で、できる限りの対応はしていたということでございます。それに対しまして、整備の問題だということで繰り返し答えがあったということでございます。
○穀田委員 それはだめですよ。立入調査をしたというのも、その後なんですね。私どもはしなさいと言ってあげたら、する必要はないと答えたのは事実じゃないですか。なぜあなたは、そういうことを、やったことだけ言うんですか。
では、聞きましょう。
例えば、いかに国交省の姿勢が怠慢であったかということはマスメディアに報道されていますが、国交省は、〇二年の一月の横浜の事故が起きたときに、三菱が作成した過去のハブ破損事件のリストに基づいて、全国の事業者に自動車事故報告書を提出させています。同年三月に十通ほど集まっているんですね。この自動車事故報告書が、安全対策室のファイルに保管されたまま、三菱と協議していた同じ局内の審査課に回されなかった。ことしの三月、リコールに当たって、審査課が過去のいきさつを洗い直す中で見つかった。
その報告書の中に、富山の運送会社が一九九九年十一月に石川県内でトレーラーのタイヤ脱落事故について報告した報告書があり、そこには、ハブに欠陥があるのではないか、メーカーから整備不良と指摘されたが、整備に問題があったとは考えにくい。運送会社ですから、その整備に絶対の自信を持っているところが言っているんですよ。
そして、この件について、清谷安全対策室長は、反省していると言っているんですよ。あなたの言葉なんか、さっきは一言も反省がないじゃないか。省内の連絡体制がどうなっていたのか、調査していると述べたとされている。
この報道は事実でしょう。
○峰久政府参考人 五月九日の読売新聞の事故報告書に関する報道でございますけれども、これは、当該事故報告書がリコール担当に報告されていなかったということでございますが、これは、もともと安全対策室はリコール担当からこういう情報をもらっておりまして、それをもとに、運送業者の方から、事業者の方から事故報告書が出されていなかったということで、そういう案件の報告を求めたものでございます。
そういう意味で、リコール対策室からの情報に基づいて安全対策室が事故調査報告書を求めたものでございますので、安全対策室としては、リコール担当が当然詳しい情報を把握しているんだろうということで提出しなかったということでございます。そのこと自体につきましては、関係各課に事故報告書の情報が共有されるように徹底を図る必要があると思っております。
ただ、この内容自体につきましては、当時リコール担当におきましても、当然報道にあったような摩耗量の件につきまして、平成十四年の六月のリコール監査において確認しておりまして、若干のおくれはございますけれども、実態的な支障を生じたというふうには思っておりません。
○穀田委員 要するに、その時点でわかっていることを共有していればよかったんですよ。
皆さん、ああいう、タイヤが脱落して、それで事故が起こって、調べ直して、安全対策室と審査課というのは、何も経済産業省にあるわけじゃないんですよ。おたくの二つの、下にあるんですよ。
みんなでこの問題は大問題だと騒いでいるときに、しかも、この事故について、いや、違う原因だぞ、やっぱり不備があるぜという話をしてつかんでいる人たちが、それを報告も共有もしない、そういう事態が見過ごされていたという責任が極めて大事ですと私は言っているんですよ。そういうものについて、だから、反省しているという人たちは、もちろん共有できなかったことを反省していると単純に言ったかもしれない。しかし、人間として恥じないかと私言っているのですよ。
その問題について、私が今言ったように、当時の瀬古議員の質問に対して、あなた方は、全く三菱と同じ説明をしていた、立入検査はしない、そして設計上のミスはない。一体全体だれだということを、これ、皆さんに紹介したんですよ、私。それぐらいやっていることについて、およそ反省がないのかということを言っているわけですね。
こういう点について反省がないとしたら、私、人倫の道にもとるということだけは厳しく指摘しておきたいと思います。情けないと言わざるを得ないですね。今後ともそういう態度でやるとしたら、およそ今後とも期待できへんなということだけ言っておきたいと思うんです。
では、もう一つ聞きましょう。
〇二年の横浜の事故直後、三菱自動車から他社がつくったハブとの比較を示す資料の提出を受けた事実はありますか。
〔望月委員長代理退席、委員長着席〕
○峰久政府参考人 それはございます。
○穀田委員 そうなんです、あるんですよね。これも大事なんですね。他社のハブの構造図で、ハブのフランジ、つばがあるんですね。そこの肉厚が、三菱は二十ミリなんです。他社が二十五ミリなんです。これは、厚さは二乗、そしてその疲労度は六乗というふうに普通、計算の社会では言われているぐらい大変なものなんですね。だから、そういう点もあったわけですね。
だから、私、全部傍証をずっと並べているんですよ。前回、当時あなた方が実際上の回収をしているという事実を知っていた、そのときに対して非常に不誠実な態度をとっているということも把握していた、それでやりなさいとも言っていたと。
そういう問題について、では、結局なぜだまされたのかということでいうと、体制がやはりなかったという問題も我々指摘しているんですよ。ただ同時に、体制がなかったじゃ済まないよということを私は何度も指摘しているんですね。その反省ぐらいしないとあかんということだけ言っておきたいと私は思うんです。
そこで、こういう問題について、例えば、あなた、ハブなんかでもそうなんですが、壊れたものを全部収集するという体制は余りとっていないんですよね。この前でも、私、指摘しましたけれども、あなた方が調べた二十三件のハブの問題に関する故障で、十二件は原因不明だったんですよ。十一件の中にそういう摩耗はなかったという証拠を挙げてやられたんですね。それでは残りの十二件はどうだかといったら、原因不明だと言っているんですよ。その原因不明は、なぜ原因が突きとめられないかといったら、そのハブを回収できない、どこかへ行っちゃった、こう言うんですね。だから、そういうふうなことも全部指摘しているんですよ。
だから、私は、だれが考えたって、こんなに五つ、六つの話を全部並べてやっているときに、いや、うちはできるだけ対応したなんというのは、もしそんなことを平気で言っているとしたら、およそ私は信じがたいというふうに思うんです。したがって、そういうきっちり反省してこそ生きた再発防止対策ができると。
そこで、私どもも提案しておきたいと思うんです。情報収集について、メーカーが保有するユーザーからのクレーム情報の収集、分析。そして、技術検証体制でも、第三者機関による検証体制の確立。あわせて、人員確保を含めたリコール業務体制を主張してきました。この点、何かの改善方向について、最後に聞いておきたいと思います。
○峰久政府参考人 国土交通省にしましても、本件の事実関係を踏まえまして、改善すべき点は改善し、同種事案の再発防止に努めることとしております。
具体的には、特定車種に特定のふぐあいが集中するなどリコールの可能性が高いふぐあい事案を早期に把握するということで、自動車メーカーの保有するふぐあい情報のうち、事故につながるおそれのある安全上重要な情報につきましては、定期的に報告を求めるなど、ふぐあい情報の収集、分析の充実強化を図ることとしております。
それから、重大事故につながるおそれのある案件等につきまして、専門的知識による実証的かつ統一的な検討と判断が行えるようにするために、実務専門家による検討会の設置、あるいは必要に応じては現車確認、試験を通じたふぐあいの原因究明を実施する、それと同時に、国土交通省がリコール及び勧告の判断を行うに際しまして、外部の専門家からの意見を聞くための委員会の設置など、技術的検証体制の強化を図ることとしております。
それから、リコール業務の的確な実施のための組織の充実、あるいは、監査の際に協力体制をとるなどの充実等、国土交通省のリコールの業務体制の強化を図ることとしております。
こういうことで再発防止に努めていきたいと思っております。
○穀田委員 終わります。
○赤羽委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
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○赤羽委員長 これより討論に入ります。
討論の申し出がありますので、これを許します。穀田恵二君。
○穀田委員 日本共産党を代表し、反対討論を行います。
自動車の検査・登録手続を簡素化することは当然です。しかし、本法案は、膨大な個人情報を取り扱うシステムに関するものであることから、その個人情報の保護のために慎重に対応することが求められていることは、言うまでもありません。
法案に反対する理由は、年間四千万台を超える自動車とそのユーザーにかかわる情報を取り扱うシステムなのに、個人情報保護のための法整備が全く欠落しているからです。
民間機関である登録情報処理機関の役員や従業員などには、公務員のような守秘義務はなく、情報漏えいした者が処罰対象となるかどうかはあいまいで、個人情報に対する漏えい防止策は不十分なままです。さらに、ワンストップサービスシステムに欠かせない住民基本台帳ネットに対して、今でも国民の間に強い不安と反対の声が上がっています。
個人情報保護法によっても、取り扱われる個人情報の漏えいを防ぐ仕組みが十分とは言えません。
こうした個人情報保護の法的整備や仕組みが不十分なままe―Japan計画により、二〇〇五年度までのスタートを目指し見切り発車することは、余りに拙速過ぎることを指摘し、反対討論といたします。
○赤羽委員長 これにて討論は終局いたしました。
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○赤羽委員長 これより採決に入ります。
自動車関係手続における電子情報処理組織の活用のための道路運送車両法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○赤羽委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
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○赤羽委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、衛藤征士郎君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の三会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者より趣旨の説明を聴取いたします。古本伸一郎君。
○古本委員 ただいま議題となりました自動車関係手続における電子情報処理組織の活用のための道路運送車両法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。
自動車関係手続における電子情報処理組織の活用のための道路運送車両法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。
一 自動車関係手続のワンストップサービス・システムの導入に当たっては、個人情報の漏えいを未然に防止することが特に求められることから、国のシステムにおける個人情報の保護対策に万全を期することはもとより、登録情報処理機関における個人情報の厳格な取扱いが確保されるよう、登録基準の厳正な運用を図るとともに、情報処理業務の実施に係る法定義務が確実に遵守されるよう、適切な指導・監督に努めること。
二 ワンストップサービス・システムの導入に当たっては、国及び各都道府県の関係機関が統一してシステムの開発に参加し、その導入が円滑に進むよう努めること。また、その運用に当たっては、国民が安心して利用できるシステムの安全性と信頼性の確保に万全を期すること。
三 本サービスの円滑な実施とその普及を図るため、自動車所有者等の利用者に、本サービスの仕組みや利用方法、効果などについて、関係省庁が連携して十分な周知を行うとともに、高齢者や身体障害者をはじめ全ての利用者にとって使いやすく分かりやすい操作方法とすることなど、利用者利便の一層の向上に努めること。
四 自動車所有者等の負担の軽減を図るという制度の趣旨にかんがみ、自動車関係手続の電子化に伴う国や登録情報処理機関における業務の効率化によるメリットが自動車所有者等に還元されるよう努めること。
五 本サービスの導入と併せ、電子化に対応できない自動車検査証等の受渡しに係る手続負担の軽減を図るとともに、現在数日を要している自動車保管場所証明書の標準処理日数の短縮等について指導すること。
六 ワンストップサービス・システムの利用については、新規登録自動車のみならず、中古車、抹消登録をする自動車、軽自動車等についてもその利用が速やかに可能となるよう、これらの自動車を含めたシステムの稼動に努めること。
以上であります。
委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
【「しんぶん赤旗」2004年5月20日】
三菱ハブの弱点 国交省「資料、ございます」 局長が受領を認める 衆院委で穀田議員に 構造欠陥も監査時確認
国土交通省の峰久幸義自動車交通局長は十九日の衆院国土交通委員会で、二〇〇二年一月に起きた三菱製大型車のタイヤ脱落・母子死傷事故直後、車輪と車軸とをつなぐ三菱製の部品ハブの肉厚が他社製に比べて薄く、強度上の弱点を抱えていることを示す資料の提出を受けていたことを認めました。日本共産党の穀田恵二議員の質問への答弁。本紙十七日付で国交省が事故直後からハブの構造的弱点を把握していたことを報じましたが、これを認めたものです。
穀田氏は「事故直後、三菱自動車から他社ハブとの比較を示す資料提出を受けたことがあるか」と質問。峰久氏は「ございます」と答えました。
これまで同省は「設計に原因はない」としてリコールを退け被害を拡大させてきましたが、事故直後から知っていたことを認めたことになり責任が厳しく問われます。
穀田氏は、三菱が作成したハブ破損事故リストに基づき全国の事業所に提出させた「自動車事故報告書」が、同省安全対策室に保管されたまま事故調査にあたっていた審査課に回されなかった問題を追及。報告書の中に「整備に問題はない。ハブに欠陥があるのではないか」との富山の運送業者の報告があったことをあげて、重要文書を放置していた国交省の責任は重大だとのべました。
峰久氏は「内容自体は二〇〇二年六月のリコール監査の際に確認している」と答え、この問題でも構造上に問題があることを以前から知っていたことを認めました。
穀田氏は、再発防止策としてメーカーが保有するユーザーからのクレーム情報の収集・分析、第三者機関による検証体制の確立、人員確保を含めたリコール業務体制の必要性を主張。峰久氏は「メーカーの保有情報の収集、実務専門家による検討会や外部専門家から意見を聞く委員会の設置、リコール業務、監査体制の強化を図りたい」と答えました。
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