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【第162通常国会】 衆議院・議院運営委員会
他にも高額給与を受けている職員(人事院総裁,各省事務次官等)は放置したままで,国立国会図書館長の給与のみを引き下げるのは,まともな理由がなく,国立国会図書館の地位低下につながるとして,反対討論を行った。
特別職の国家公務員や国会職員の高額給与の見直しは当然です。 しかし、今回の法改正は、国会図書館のみを対象としたものです。その点で、全く理屈の通らないものです。国会図書館長と同じ水準の給与である人事院総裁、会計検査院長や各省事務次官などは何ら検討されていません。 館長の給与が議員より高いのは問題だといった理由だけで、国会図書館の使命や目的、役割に照らした十分な議論もなしに、館長の待遇規定をいじり、館長の格付を下げるやり方は、余りにも早計です。 館長の待遇は、四条の規定の中でトータルとして見るべきです。法改正後の館長の給与について、法制局長並みとする方向だとされています。しかし、なぜ館長給与を法制局長並みとするのか、まともな理由が立ちません。 第四条によれば、図書館長は、両院議長が人選を協議し、議運での協議を経て衆参本会議で承認を得るという、極めて慎重な手続で任命することとしています。任期無期限、政治的理由で罷免しない等の規定でその地位を保障し、待遇もそうした地位規定の一部をなすものであります。 こうした館長の地位は、衆参両院の事務総長(各議院において国会議員以外の者から選挙)や衆参の法制局長(衆参それぞれの議長が本会議の承認を得て任免)に比べても重い位置づけです。したがって、国会図書館の位置づけそのものを低めることにつながりかねません。 最後に、館長、副館長及び専門調査員の待遇規定は、国立国会図書館の設立の経緯並びにその使命と目的に立脚するものです。図書館法の前文は、「国会図書館は、真理がわれらを自由にするという確信に立つて、憲法の誓約する日本の民主化と世界平和とに寄与することを使命として、ここに設立される。」と明記されています。 どうすれば現実に国会図書館がその使命と目的にふさわしい活動ができるのかという点こそ、大いに議論する必要があると私は考えます。まともな議論もなく館長の格付だけを引き下げることは、国会図書館の地位低下につながり、余りにも浅薄な議論と言わねばなりません。 以上の理由から反対いたします。 |
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