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【第162通常国会】 衆議院・議院運営委員会
過去の法律に反した郵政民営化を強行するために本来所管である総務委員会から独立した特別委員会を設置しようとする与党の動議に強く反対した。
○川崎委員長 穀田恵二君。 ○穀田委員 小泉内閣が、連休前四月二十七日になって国会提出した郵政民営化法案は、郵便、貯金、簡保という郵政三事業が担ってきた国民への基礎的な通信・金融サービスと、それを支える郵便局の全国ネットワークを重大な危機にさらすものであり、我が党は、本法案の撤回を強く要求してきました。 そもそも何のための民営化なのか、小泉首相は、いまだにまともな理由を示さないまま、改革の本丸と一方的に称して、残り会期一カ月というもとで審議入りし、成立を図ろうとしていることは容認できません。 重大なことは、本法案が審議の前提を欠く欠陥法案であることです。 この間、議運理事会で議論になったように、本法案は、一九九八年に制定された中央省庁等改革基本法第三十三条一項六号と真っ向から矛盾するものです。この規定は、郵政事業庁を郵政公社に移行させる方針を盛り込むに当たって、「民営化等の見直しは行わない」と明記したものです。この規定は、当時、郵政公社化が民営化の一里塚ではないかという批判にこたえたものであり、当時の小里行革担当大臣は、「これはこの形態でいきますよという精神をきちんと明記」したものだと答弁していたのであります。 「郵政公社を民営化せず」は、国会と国民に対する政府の約束として法律に明記したものです。政府は、この規定を踏みにじったまま郵政民営化法案を提出することは許されないのであります。 さらに、法案の骨格にかかわる重要な事項が百三十項目以上も政省令に委任されていること、また、法案提出直後から政府・与党内部から法案修正が公然と取りざたされていることも重大です。およそ責任ある法案審議はできないと言わなければなりません。 こうしたもとで、なぜ特別委員会を設置するのか。議論は極めて不十分です。 与党筆頭、自民党の山口理事は、郵政民営化にかかわって、金融、物流など広範な議論を時間をかけて行う必要があると言いました。しかし、郵政を所管する常任委員会は総務委員会であり、現に総務委員会で金融、物流を含めた広範な議論が行われており、信書便法案も郵政公社法案も総務委員会で審議されました。所管であり、蓄積もあり、専門性もある総務委員会で審議することにいかなる不都合があるのでしょうか。 昨日、公明党の遠藤理事が定例日にとらわれず集中して審議できると述べたことは看過できません。結局、総務委員会ではなく特別委員会とするのは、定例日にとらわれないということだけではありませんか。反対意見を無視して、法案にどんな欠陥があっても短期間で押し通そうという姿勢は、議会制民主主義に反するものであり、断じて許されません。 以上、郵政民営化特別委員会の設置に反対する意見表明とします。(拍手) |
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