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【第163特別国会】 衆議院・国土交通委員会
羽田空港で17日に発生した電波障害について質問、この妨害の電波の発信源は、米軍艦船ではないかと報じられている問題で「米軍に周波数がバッティング(混信)しないよう要求する。アメリカではこういうトラブルはありえないという。アメリカは、自分の国では民間航空機に危険を及ぼさないように徹底している。ことは国民の命と安全にかかわる問題であり、日本の民間航空機の使用する周波数は使わないよう毅然と申し入れるべきだ」と強く迫った。
○林委員長 理事会で協議をいたします。 穀田恵二君。 ○穀田委員 羽田空港への電波妨害について質問します。 この十七日に羽田空港で着陸用距離測定装置、T―DMEというんだそうですが、外部からの電波の影響で誤作動し、滑走路が使用できなくなったトラブルが発生しています。発着便のおくれは最大約一時間半、計約百七十便に上っています。 二十一日には、羽田空港や伊豆諸島の空港を離着陸する旅客機が利用する無線誘導装置の周波数に別の信号が混信し、装置がダウンする障害が起きました。混信は三十分間続いたが、管制官がレーダー機器を使って誘導したためにダイヤに乱れはなかった。着陸用距離測定装置、T―DMEは着陸機が滑走路までの距離をはかる装置だが、これが誤った距離を示すと滑走路の位置を誤るおそれがあると言われています。まさに航空機の安全運航にとって大変危険な事態であります。 ことしは航空機のトラブル、それから管制官側のミスなども相次いで、航空輸送の安全確保が問われました。今回の妨害電波によるトラブルも一刻も猶予できない重大な事態だと思いますが、大臣の認識をまず伺いたい。 ○北側国務大臣 全くおっしゃっているとおりだと思います。 この電波障害につきましては、航空輸送の安全にかかわることでもございます。また、円滑な輸送を阻害することでございまして、非常に重大な問題だと認識をしております。 実を言いますと、私もこの飛行機に乗っておりましたので、大変遅延をしたわけでございますが、羽田空港に着くのが。 私、この十七日の日に、すぐに麻生総務大臣また大野防衛庁長官に対しましてこの電波障害の件についてお話をし、しっかり協力をしてもらいたいということをお願いいたしました。 また、国交省といたしましても、防衛庁や在日米軍に対しまして、航空局が使用しております無線施設の周波数等のリストを提示いたしまして、電波干渉をしないように要請もしておるところでございます。 また、米軍、自衛隊など関係者間の連絡調整の場を設ける必要がございますので、現在調整を行っているところでございます。 在日米軍につきましては、今調査を行っているというふうに聞いております。 ○穀田委員 この電波妨害の発信源は米軍艦船ではないかと報じられています。米軍の艦船の距離測定装置が羽田のそれと同じ周波数を使ったためではないかという見方です。 国交省は、今お話ありましたように、いろいろなところに協力を申し入れたり、さらには防衛庁、米軍にもいろいろなことを話しているわけですけれども、問題は、何を申し入れて、米軍からはどんな回答があったのか。ここをちょっとすっきり言ってください。 ○岩崎政府参考人 一つは、この十月十七日に起きた事案でございますけれども、なぜ起きたのか。先生今御指摘のとおり、十月十七日に起きた電波は横須賀方面から出ております。それから、こうした電波は通常余り一般に使われる電波ではございませんので、航空関係あるいは軍関係、自衛隊関係で使われる電波でございますので、そうした米軍から出ている疑いも強いということでございまして、一つは、総務省を通じて、ちゃんと調査してくださいというのを申し入れております。 それから二つは、調査をするとともに再発防止の観点から、私たちの羽田空港及びその周辺の航空保安無線施設でこういう電波を使っていますよということをちゃんと示して、これに対して在日米軍が使用する電波がそうしたものを干渉しないようにという要請をしたところでございます。さらに、こうしたことについて実務的な連絡調整の場を働きかけるよう申し入れをしたところでございます。 それから、十月の二十一日にも、これはILSではございませんけれども、無線施設で電波障害、電波干渉がございましたので、改めてそちらの件につきましても調査を依頼するとともに、電波干渉がないよう要請をしているところでございます。 ○穀田委員 回答はあったのかと聞いているんです。そこは。 ○岩崎政府参考人 本件につきまして、在日米軍の方から、この問題については米軍艦船からの電波障害の可能性について調査を行い、その結果について国土交通省と情報を共有すると公表しており、私どもの方にもそのような回答はございました。 ○穀田委員 あのね、本気でそれを言っている。大臣、そう思う。あれが回答、それは違うじゃないですか。こういうことについて共有したいという話であって、調査した結果どうなっているかという回答はあったのかと言っているんですよ。そんなあほなこと言ったらあかんよ、あなた。 ○北側国務大臣 その回答はまだございません。 ○穀田委員 そうでしょう。そんな、そういう話を聞くから、だれが考えたかて、回答があったかと聞いているのに、共有したいと話があった。それは回答じゃないというんですよ。 もうちょっと、恐れ入るというか、そういうことを平気で言えるという感覚がわからぬね、私。そう思うでしょう。 だから、米軍に申し入れたということは、やはり発信源は米軍の可能性が高いから頼んでいるんでしょう。防衛庁か軍にしかないという二つの大きなところがあるからやっている。そして防衛庁は、うちのところは違うとあったんですよ。米軍はどうかというと、共有したい。そんなあほなこと言ったらあきませんで。 そこで、米軍のプレスリリースを見ていると、こう言っているんですよ。航空機の安全、乗客及び地域の方々の安全は在日米軍にとって最大の関心事である、適切な調査を行うと。 十八日から幾らたっているんです。一週間以上たっているじゃないですか。二十二日の報道では、先ほど言いましたように、防衛庁からは使用していないと。その時点でも米国は調査中だった。いわば、先ほど私言いましたように、だから一刻もゆるがせにできない重大な事態だと。人の命にかかわる問題について、こんなずるずるずるずると、調査しているという話をして、しかも担当の航空局長は、共有していると回答があったなんて平気でいるということ自体が問題だと思いませんか。私はけしからぬと思いますよ。だから、米軍は一体どんな調査をしているのか、言ってくださいよ、簡単に。 ○岩崎政府参考人 調査の具体的な内容については承知をしておりませんけれども、米軍が調査をすると言っておりますので、その推移を見守りたいと思っております。 ○穀田委員 見守るというのは、いつまで見守るの。その間、飛行機飛ばないの、飛ぶんだよ。何を言っているのか。 私どもは、電波に詳しいパイロットや管制官に聞きました。そうしたら、電波の方向や強さから判断して、電波の発信源は米海軍横須賀基地に停泊していた空母キティーホークではないかと回答しています。それは調べたらすぐわかるんですよ、そんなこと、私が調べたかて。アメリカ軍に何でこんなおくれるのやと聞いたらいいじゃないですか、毎日電話して、どうなってんねんと。我々の命がかかっているんだと言ったらいいじゃないか、あなた。 そして、発信源は、空母に着艦する艦載機に艦の位置を知らせるTACANという装置の周波数が羽田の先ほど述べたT―DMEと重なった可能性が強いというのが管制官やパイロットの認識ですよ。総務省の調査でも発信源は横須賀あたりだとはっきりしているわけで、もう大体疑いないんですよ。母港としているのは第七艦隊で、これも調べました、TACANという装置を装着しているのは、空母キティーホーク、揚陸指揮艦のブルーリッジ、さらにはタイコンデロガ級イージス巡洋艦だというんですね。空母以外にTACANを搭載しているのは、空母に支障が起きた場合や中継艦として利用する場合などがあると言われているんです。 こう見たら、おのずとキティーホークだというのは、もうはっきりしているんですよ。信憑性を帯びてくる。だから、そういう話を私言ったわけだから、どうやと言ってくれますか。大臣に聞こう。 ○北側国務大臣 きょうこの委員会で委員の方からそのようなお話があったことも踏まえまして、米軍の方には早く回答するように、また、きょうこういう質問があったことも含めまして申し上げたいというふうに思います。 ○穀田委員 役人とは違う報告がありましたので、そのとおりやっていただきたい。 そこで、報道では、過去には同様のトラブル、周波数のバッティング、混信というんですかね、あったと言われています。ことしに入って、十日、それから十七日、二十一日と相次いでいますが、国交省は過去に同様の電波妨害の発生状況というのはつかんでいますか。 ○岩崎政府参考人 航空保安無線施設等への電波障害でございますけれども、これはいろいろな要因で障害が生ずることがございます。雷とか電波の異常な伝搬とか、そうしたもので障害が生ずることはあります。 ただ、今回の十月十七日の、今議論になっております羽田空港のILS、計器着陸装置が使えなくなったような件はまれでございまして、調査可能な最近十年間で調べますと、昨年の十月十八日、それから本年の十月十日の二度あったのみでございます。 ○穀田委員 問題は、これはなぜこういう問題として発覚したかというと、十七日にはおりられなかったから事態が浮かび上がったんですね。前からあったんですよ。これもまた調べました。そうすると、今までの事態というのは、二、三回あるということは、十年間はない、違うんですよ。実態は違っていて、そういう問題について、あったけれども調査依頼もしていないということが一つ。 もう一つは、日航のパイロットや職員の話を聞いてみると、過去にも何度もあったというんですよ、こういうことは。それで、実は空母ミッドウェー、それから空母インディペンデンスがいたときも電波障害があったというんですね。そして、どう言っているかというと、そのとき、日航の運航本部は、社内で掲示板に張り出したり告示をして注意を呼びかけているんですね。そこまでやっているんですよ。 そういう話がやはりあって、電波妨害というのはアメリカの艦船だというのは常識なんですよ。そういう常識を踏まえてどう対処するかという問題を私は提起しているということをぜひ知っていただきたい。 その上で、今、先ほど大臣もまた航空局長も、ここを使っているんだ、使っているんだという話をすると言っている、周知徹底させる。問題は、それは使うなと言えるかどうかなんですよ。何を言っているんだと。そんな、人の命の安全にかかわる話を、どないなってんねんということを、きちんと善処を求めるのは当たり前だ。それを、うちはこれを使っていますさかいによろしくというような話じゃないんですよ。使うなと言うかどうかなんですよ。 それで、調べると、国際民間航空機関、ICAOというんですがね、これが各民間会社に全世界で割り当てている周波数は約四十種類ぐらいだというんですね。そうしますと、民間航空機の安全を確保しようと思えば、この四十種類は軍といえども使うなということを申し入れる必要があるし、なおかつ日本の場合でいけば、仙台もそれからこの東京も羽田も実は同じ周波数を使っているんですね。だから、それを使っちゃ困るということについて約束させるということが当然必要なんですよ。 だから、当該周波数はこうなっていますじゃなくて、当該周波数は使うなということを毅然と申し入れるかどうかということを私は問いたい。 ○岩崎政府参考人 繰り返しになりますけれども、今米軍が調査をしているということでございますので、その調査結果を見てきっちり対応していきたい、このように思っております。 ○穀田委員 あのね、調査を見てではなくて、どんな調査結果が出るにせよ、常識はアメリカ軍の艦船であろう。しかも、私が言ったように、キティーホークしか考えられないということは、これは明らかなんですよ。そういった問題について、事実として把握できなくたって、これは米軍は使うなということを言うかどうかと言っているんですよ。そんな生半可な話じゃだめなんですよ。 大体、ニューヨークなんてどうなっているか。ニューヨークというのは、三つ飛行場あるんですよ。あそこでそういうバッティング、起こっているか。起こっていないんですよ。そうすると、米軍というのは、自分のところの本土ではそういうバッティングを起こすようなことをやっていないんですよ。何で日本だけやっているのかという話を毅然と申し入れるのは、国民主権、国家主権を持っている国として当たり前じゃないですか。そういうことをきちんと言ってほしいということを私は言いたいと思うんですが、大臣、それで最後。 ○北側国務大臣 在日米軍が今調査しています。その調査結果について早く回答するように、先ほども答弁しましたように申したいというふうに思います。 委員は、これはもう在日米軍で決まりということを前提にしておっしゃっているのかもしれませんが、それは今この調査結果を一応これは正式には、公式には待たないといけないわけでございまして、その結果を踏まえて、もちろん委員のおっしゃっている趣旨は、民間航空が使っている周波数を使うなということでございますから、それはもう全くそのとおりだというふうに思います。 ○穀田委員 ですから、そのとおりで、そのことを申し入れてくれと言っているんです。僕はアメリカ軍だろうと言っている。大体、そういうふうに見たら、キティーホークというのは大体間違いないと思っている。それを調べてくれと。 問題は、そのときに、そうであろうがなかろうが、アメリカ軍というのはニューヨークではそういうことをやっていない、そういうことが起こっていないわけだから、そうすると、少なくともこれは使うなよということ、使いませんということを回答を得るまで頑張れ、そういうことをきちんとやれということですよ。 以上です。 |
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