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【第163特別国会】 衆議院・国土交通委員会
木村建設社長・木村盛好氏、木村建設東京支店長・篠塚明氏、シノケン社長・篠原英明氏、ヒューザー社長・小嶋進氏、イーホームズ社長・藤田東吾氏、平塚市都市政策部長渡辺貞雄氏が参考人として出席、姉歯設計事務所の姉歯秀次氏は欠席した。
○林委員長 穀田恵二君。 ○穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。 今回の耐震強度偽造事件で、出席している参考人についてはそれぞれの立場で今回の問題の責任がある、このことは明確に指摘しておきたいと思うんです。その上で、今回の事件は、建築物の耐震強度という、まさに居住者とさらには周辺住民の安全、生命にかかわる問題であって、なぜ偽装が起こり検査の見落としが起こったのか、その真相解明のために、具体的事実について聞きたいと思うんです。 まず、木村建設に聞きます。 東京支店長は先ほど、鉄筋を減らせ、大枠としてこれは認めた。姉歯以外にも要求したことがありますか。 ○篠塚参考人 済みません、ちょっと意味が……。聞こえなかったものですから。 ○穀田委員 あなたは、鉄筋を減らせ、こうこうこうこう何ぼ減らせとは言っていないかもしれないけれども、全体として減らしなさいと要求をしたと。そういう要求を姉歯以外の事務所にしたことはありますか。 ○篠塚参考人 構造計算事務所には、大体、話すときには同じような状況を話します。 ○穀田委員 そうすると、断られたことがある。そういうことについて言えば、大体話をしたと。 オーケーをした事務所は、姉歯以外にありますか。 ○篠塚参考人 それなりに努力してくるところが大多数だと思います。 ○穀田委員 そういうことを言っているのではなくて、減らしなさいと言ったことに対して。 それじゃ、聞きますよ。例えば、報道では、木村建設の子会社、平成設計が、北九州市のホテル建設設計に絡んで、最初に構造計算を請け負った広島市の設計会社に対してもう少し経済設計をしてほしいと求め、断られた、この事実はありますか。 ○篠塚参考人 私の方では認識しておりません。 ○穀田委員 社長、どうですか。 ○木村参考人 私の方でも、全くそのことについては知りませんです。 ○穀田委員 知らないじゃ済まないんですよ。東京支店長が知らないというのは、それは東京のことが範疇で知らないかしれないけれども、広島市で起こった事実について、では、あなたは管轄内なんですか、外なんですか、一言。 ○木村参考人 それは全くわかりません、現場に行くことはほとんどないですから。 ○穀田委員 それでは、全くそういう問題について責任を負っていないという意味ですね。 それでは、聞きます。支店長は、キックバック要求は、先ほど言ったように、姉歯を信頼しているから言っているというふうに言っていましたけれども、では、彼は何でうんとうなずいたんですか。どう考えていますか。 ○篠塚参考人 済みません、ちょっと。うんというのは……。 ○穀田委員 わかったということですよ。いいですよ、もう。 要求に対して断れない関係にあったということですね。そういうことですね。 ○篠塚参考人 信用していましたので、断られないと思っていました。 ○穀田委員 あなたは信用と言う。相手はどう言っているか。自分のところの仕事の四割を占めている大口の発注者であって、それは断れないということでしたね。そういう理解でいいですね。 ○篠塚参考人 姉歯のことはわかりません。 ○穀田委員 そういうことです。 次に、イーホームズに聞きます。 国土交通省は二十四日に検査に入ったというふうにあなたはおっしゃいました。二十一日にも検査に入っていますか。 ○藤田参考人 今のは十月の二十四日でよろしいですね。二十一日というのは十月の二十一日のことですか。十月二十一日に検査は入っておりません。 ○穀田委員 報道では十月二十一日に入っていると書いていましたので。それでは、十月二十四日に入ったと。 先ほどの報告では、緊急異例だったと。まず、二つ答えてください。今までと違って、通常は事前に報告がある、しかし、今回の場合には九時半に電話があって緊急異例だった、特別だったということですよね。 その場合の目的を何というふうに国土交通省は言いましたか、正確にお答えください。 ○藤田参考人 国土交通大臣の命による立入検査ということだけで、目的については何もおっしゃいませんでした。 先ほど申しましたけれども、三年前に他機関で業務停止、違法なものがあったときには、立入検査が緊急にあったんです。ですから、今回もそのような状況が他機関でもあるのかなということで知っている機関に電話等をしたら、どうやら当機関だけであったということで、そういう意味では粛々と立入検査を受けたということです、当日。 ○穀田委員 それでは、その検査を受けて、検査を行った国土交通省はどういう指摘とどういう指導を行いましたか。 ○藤田参考人 十月二十四日の立入検査は、本省の建築指導課と住宅生産課による二つの立入検査があったわけです。いずれも、帳簿の内容、台帳の整備についての状況をかなりチェックされました。 やはり誤記とか転記漏れ等がございまして、建築指導課の方からは、今後注意するようにと。確認書等も書いたんですけれども、その後特に何も御指導は出ていないです。住宅生産課においては、一週間以内の間に本省の方に出向きまして、今後は帳簿の方をしっかり作成するようにということです。ですから、誤記やそのような誤謬等がないように注意しなさいというのを課長名でいただきました。 ○穀田委員 つまり、国土交通省は、立入検査に入ってこの問題を見抜けなかった、いわば耐震強度偽造問題については全く見抜けなかったという事実があった、それは当然だ、そういうことだったですね。耐震強度偽造問題については、国土交通省はこの立入検査では発見できなかったという事実は残っていると。 それから二つ目に、それはそうでいいんですけれども、確認しておきたいんですが、では、社長は少なくとも、一連の報道で見ますと、十月六日ぐらいから自分のところの内部検査を、監査を始めているという記事がありました。そして、正確に言いますと、二十日に内部監査でわかったと。そうすると、一刻を争う重大事態のもとで、監査に入ったのが仮に二十四日としますと、数日間その間はあったわけですよね、当然期間は。そうすると、その問題について、立入検査に入った国土交通省に対して事実を伝えることはできたはずだ。それを伝えなかったのはなぜですか。 ○藤田参考人 十月二十四日に立入検査に入られたときに、口頭で言ったかどうかの記憶がちょっと定かではないんですが、あくまでもヒューザーの事件の本質を内部的にはわかったと。ですが、先方を呼んで事実を確認しないと報告を上げられませんので。そもそも、報告する義務は各特定行政庁にあるんです。特定行政庁と申請者に対してあるんです、私ども、法的には。ですから、翌二十五日に、関係事業者さんを呼びまして、事実を確認した。その上で、二十六日に報告をさせていただいたんです。 ただ、その中で、先方の小嶋社長よりこちらに来いと言われたので、これは堂々と行って確かめようと。そういうことで二十七日に、さっき、呼ばれたというふうにどなたかおっしゃっていましたけれども、呼ばれたんではなくて、こちらから乗り込んでたださなければいけないという意識だったんです。社長にちゃんと伝わっているのかな、この事件の重大さが、そういう気持ちで行ったんです。(発言する者あり) ○林委員長 参考人に注意します。不規則発言を控えてください。 ○穀田委員 地方自治体に報告したり関係の役所に報告する、それは、建物を建築確認として違反だということで取り壊したり、そういうことを、確認を取り消すという意味で必要なことは、地方自治体に対して報告する義務はあります。そういう権限は持っています。 しかし、問題は、既に建っているものもあるわけです。それは、そういう関係ではなくて、命にかかわる問題として起こっている事態です。したがって、地方自治体や国交省に対して、その確認にかかわる問題として言うのではなくて、そういう耐震強度が偽造されていて命が危ないという問題があるということについては言えたはずなんです。それは、建築確認にかかわる、そういう行政上の手続に関する問題ではなくて、命にかかわる問題について少なくとも言う権限はあったし、言う機会はあったと思いませんか。どうですか。 ○藤田参考人 私どもが内部監査で発見した事実は、偽造の有無の可能性なんです。それがどの程度低減されているかというのはわからないんです、実際のところ。報道では、すぐに簡単に見抜ける、簡単な差しかえじゃないかというふうに報道されておりますけれども、実際、この事件が発覚して各行政庁に連絡が行ったのはもう十月の末の段階です。それから各行政庁でも調べた結果、ようやく一カ月たって、平塚市の発表からだんだんと出てきた。それだけ複雑で難しいのです。 つまり、私どもが認識したのは、偽造がどれだけ危険なのかというよりも、偽造の有無、偽造があったということなんです。だから、それがどれだけかを本省のもとで調査していかないとわからないわけです。具体的には、本省の方と調整した上で十一月の十日から一挙にかけてやっていったんですが、ようやくこの問題の複雑さというか、そういったことが理解されていった。その中で、大臣認定プログラムだけじゃなくてその取り扱い等の問題も、それもあったというふうに私としては理解しています。 問題が複雑だったので、そのとき、人命に直接かかわるというよりは、どれだけのものかわからなかったんです。だから、先方に事実を確認したら、やはり意図的に人為的に行われていた。だからこそ本省に行ったわけです、二十八日に。もう重要なことですよ、当機関だけで起きている問題ではなくて、他機関、行政でも起きていますよと。そういうことであれば、私どもの力では何ともなりませんので、本省の方に報告をさせていただいたということです。 ○穀田委員 複雑で多岐にわたってそれ自身が非常にわかりにくい問題だというのは、これは当然です。問題は、その疑問を持ったときにいち早く言えるかどうかということを私は提起しているわけです。 そこで、あなた方は建築確認を行うのは当然の仕事なんですけれども、建築基準法にのっとって安全かどうかをチェックする仕事、大事な部門です。国交省がさらに十一月二十四日、二十五日の両日に立入検査を行っています。その際にはこういう指摘があります。昨年十一月以降に建築確認を出した十階建て以上のマンションやビル計五百棟のうち、九十八棟を抽出して再点検したところ、建築基準法どおりだったと確認できたのは二棟しかなかった、残る九十六棟については、構造計算書に記された計算過程を詳細に審査する必要があったが、あなたの会社は、計算過程の最初の部分以外については十分な審査をしていなかった、国交省令で必要な認定書が添付されていないにもかかわらず独断で検査を省略していた物件もあった、これは事実ですね。 ○藤田参考人 二十四日、二十五日において行われた立入検査の結果、審査内容のチェックについて確認書、最終的に確認書にするんです、主観的、客観的な意見のやり合いの中でやりますので。横浜支店における確認書にのみそれは記載されておりますが、そこではチェックされていたという合意になっております。 先ほど言いましたけれども、この九十八件のうちの二件というのは、図書省略制度が行われているというものです。それ以外のものについては計算図書が添付されていて、チェックはされていたということになっております。横浜支店の確認検査……(穀田委員「それはいいです。もうわかったから」と呼ぶ)よろしいですか。 ○穀田委員 最後に、ヒューザー社に聞きたいと思うんです。 先ほども不規則発言がありましたけれども、あなたは、販売コストを下げるためには安い建設費用の木村建設を使う、そして建築確認の早いイーホームズを使って、そうやってやってきたんですよ。だから、その責任は極めて重大だと言わなければなりません。 そこで、一つ聞きたいんですけれども、まず、あなたは、今度の事件の問題で、慎重にだとか公表をおくらせるという話をいろいろしています。しかし、人命にかかわる問題で、まず一刻も早く明らかにして、公表をして、関係省庁と連絡をとったり、すべてのところへ連絡をとったりするのが当たり前ではありませんか。その点について簡単にお答えください。 ○小嶋参考人 全くそのとおりであると認識しております。 ○穀田委員 にもかかわらず、あなたは、先ほどのお話し合いで、十月の二十七日、関係者が集まって話し合いをし、対策会議を行った際に、三年間見過ごしてきたのだから公表をおくらすことができるはずだといった発言をしたのは事実ですね。 ○小嶋参考人 事実とは違います。 三、四年も見過ごしてきている物件というのが何なのか、どこのどんな物件なのかも、口頭でございますので、こちらとしてはそのようないいかげんなことは絶対やってはならない。そして、そのような、聞いたならば驚天動地となるようなことに対して、全く予備知識も何もなくていきなり公表などということはとんでもない、お客様方にとっても大問題であって、それはとにかく事実確認をさせていただく時間はないのかという意味でございます。 ○穀田委員 それは違いますよ。少なくとも三年間見過ごしてきたんだからという話は、当然そういう論理にはなりません。 それから、じゃ、もう一つ聞きましょう。あなたはこの問題について、天災地震にて倒壊したとき調査し発覚したことにしたい、お願いごとです、役所もその方がよいのではないか、全員同罪ですというふうに語ったと記されていますが、まずこの点については、じゃ、傍証から聞きましょう。イーホームズさん、こういう発言があったことは事実ですね。 ○藤田参考人 そのとおりです。事実です。 ○穀田委員 では、小嶋さん。 ○小嶋参考人 これは全くひどい捏造でございまして、私の方が申し上げたことは、阪神大震災によって六千人以上の方が亡くなり、そして二十万棟以上の家屋が倒壊し、四十万世帯以上がなくなったんです。これはすべて非耐震だったのですかということになるわけでして、それぞれがいずれも耐震構造での確認だったはずのものが、なぜこのように倒れてしまったのか、そこを追及するということがどうなのかという問題で、私どもとしましては、これを地震があってから調査した方がいいなどということは全く申し上げてございません。 ○穀田委員 今の阪神大震災の件について言うならば、全然論理は通らないわけですよ。だから、少なくとも今度の事実を公表するということについておくらせる、さらには、少なくとも今の発覚したときにやったらいいじゃないかというのは全然違う話なんですよ。ですから、そういう発言をしたというのは、今までの脈絡からいえば、それはイーホームズ社が言っているのが確かだと思うんです。 ほかの方に、必要だったら確認する必要があると思うんです。イーホームズ社は、ほかの方に聞いても大丈夫だという自信はありますよね。お答えください。 ○藤田参考人 もちろんそのとおりです。 ○穀田委員 終わります。 |
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