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【第163特別国会】 衆議院・国土交通委員会
耐震強度偽造問題で姉歯秀次元建築士、木村盛好木村建設元社長・篠塚明元木村建設東京支店長、内河健総合経営研究所所長4氏の証人喚問が実現。
姉歯証人には吉井英勝議員、木村建設関係証人には笠井亮議員、そして内河証人に対しては穀田がそれぞれ尋問を行った。 ○穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。 愛知県岡崎のサンホテルの建設に絡んで聞きます。 内河証人、あなたは、岡崎市の渡辺良江さんに、東海銀行の紹介でビジネスホテルの建設を働きかけたことは事実ですね。 ○内河証人 もちろんお会いをして話しましたが、私から働きかけたのか、向こうから持ってこられたのかの話は、ちょっと私の記憶の定かではありませんが。 ○穀田委員 今、二つ言っているんですね。東海銀行の紹介で一緒に行かれましたね。 ○内河証人 はい。そのとおり、参りました。 ○穀田委員 これは大事なことでして、あなたの建設のパターンというのは、一つは、セミナーをやる、こういう形で広く顧客を募る、同時に、不動産やその他の状況を知っている銀行を通じてやる。先ほど東海銀行と言いましたが、旧東海銀行の問題です。 そこで、私は支配人でオーナーの渡辺さんにお会いし、直接話を聞き、資料もいただいてまいりました。 実は、これは構造設計概要書です。このすぐ最初のページに構造設計概要書、「構造設計者氏名 姉歯秀次」。さらに、いわゆる構造計算書にかかわる利用者証明書、これですね。契約証明書。これにも「契約者氏名 姉歯秀次」。全部書いています。これを改めてこの問題が起きたときに、発覚したときに見た渡辺さんのショックはいかばかりかと私は思うんです。 そこで、証人は、雑誌「レジャー産業」で、二〇〇〇年七月のインタビュー、構造設計士に通常七十万の坪単価を六十万に下げる工夫を提案してきたと述べています。 実は、もう一つ資料がありまして、ホテル事業概算計画書、これはあなたが示した増築計画です。これによりますと、やはり建築費については三億三百万、そして延べ床面積は五百二十坪。つまり、これを計算すると、坪単価が五十八万三千六百円で建設することになっている。こういう指導を行っていたことも事実ですね。 ○内河証人 そのとおりです。 ○穀田委員 この物件を施工したその会社はどこですか。 ○内河証人 お持ちのは増築計画だろうと思うんですが……(穀田委員「こっちのはね」と呼ぶ)はい。(穀田委員「もともとのやつ」と呼ぶ)もとの一号館、あれは名古屋の建設業者やったと思います。 ○穀田委員 名古屋の工務店で、浅井工務店という名前ですね。 ○内河証人 そのとおりです。 ○穀田委員 あなたは先ほど来、発注者の意向、発注者の代理ということが基本だ、常にその意向に従い努力をするということを再三申し上げています。 しかし、この例について言いますと、私、聞いてみますと、オーナーの渡辺さんは地元の工務店に最初お願いした、ところが、総研のあなた、証人の強い指導で、それを申しわけないということで断らざるを得なかったと私に語っています。それは事実ですか。 ○内河証人 地元の企業に出したいという話は私の記憶の中にはありません。 ○穀田委員 私が聞いてきました。それは二度三度にわたって地元の工務店ということでお話をし、岡崎の工務店のお話もした。ところが、地元ということを余り言われるのでということで、名古屋を持ってきた。これが地元かと思ったということを渡辺さんは証言をしています。 そこまで実は証人が固執したのは、自分の息のかかった工務店が必要だからです。建坪の単価を、坪単価を六十万以下で実行する工務店でなければならないからです。 そして、証人が、先ほど述べた雑誌「レジャー産業」で、建築コストを削減するには設計の中でも構造の問題が重要で、建築物の坪単価を安くするには構造設計士に工夫してもらうことだと言っています。 結局、コストダウンのかぎである構造設計について、皆さん、だれもが注目しているように、あなたはこれほどまでに言っているわけだから、結局、だれが建築士になっているかについて最大の注意を払うのは決定的事柄ではありませんか。そのことに注意を払わなかったというのは解せません。いかがですか。 ○内河証人 先ほどから申し上げているように、型枠の工法があります、早い。その工法で六カ月でできるところへ出してもらった方が、六カ月間商売が余計できるというふうな話をしたことはあります。 ○穀田委員 それを聞いているのではなくて、あなたがこの構造計画について注意を払うということが、あなたの事業の核心部分なんですよ。息のかかった工務店を使い、そのことを従う人でなければならないから、したがって、その中心部分である構造設計の問題について注意を払わないはずないんですよ。 午前中の証人尋問で姉歯さんはこう言っています。構造断面が最初から小さく、無理がある、総研、平成ラインのプランはそれがパターン化されている、こう言っているわけです。 これほどまでに実は、あなたが行っている仕事の関係は、構造設計の問題から先ほど一気通貫という話がありましたけれども、とことんまでここの問題に注意を払って、しかも現場にまで出かけてその問題を注意をしている、これが実態なんです。違いますか。 ○内河証人 私は、ホテル指導部の人間が現場へ行って、建築のことをわからぬし、全部ホテル屋さんばかりですから、私はそこまでやっているとは思わないんですが、自分がついていってやってないんで、ちょっと返答に困っております。 ○穀田委員 あなたはいつも、自分が行っているか行っていないかという話にすりかえるんです。違うんですよ。総研という会社がぐるみでやっていて、先ほどあったように、一級建築士の四ケ所さんなどを初めとして行っているんですよ。それでできないはずはないということですよ。 そこで、聞きます。 平成十六年三月八日、マンションの耐震強度の問題で、関係者が二回目の協議を行っています。総研の四ケ所、平成設計の徳永、姉歯建築士、千葉設計の二人、アトラスの渡辺の各氏です。 姉歯氏は、単純な計算ミスではなく、低減と語り、意図的な改ざんを行ったと理解してもらったと語っています。そして、渡辺さんは、私のこの間の参考人質疑の中で、構造計算の偽造によって耐震性のない建物ができるとして、その重大性を皆さんに指摘したと言っています。一級建築士である四ケ所さんがその問題をわからないはずが、その重大性がわからなかったとあなたは今でも思っているんですか。しかも、そういう重大性を報告しなかったということは不思議に思いませんか。 ○内河証人 ホテルを指導している人間がそんなことができるはずがないんですがね。 ちょっと、こんなことで聞いてください。うちは、ホテルの指導部と建設業の指導部があるんだ。ホテルをやるときにはホテルの連中だけでやっているんです。四ケ所は建設業指導部ですから、建設業へ指導に行ったときにはそんなことを教えているかもわかりませんが、実態はちょっと、その指導部の違いのために、私はホテル指導部ができるはずがないような話が今聞いたので、頭を悩ませているところなんだと思ってください。 ○穀田委員 頭を悩ませているなんという話じゃないんですよ。人の命がかかっている問題を、今ごろになって頭を悩ませているなんということはだめだと言うんですよ。 大体、そのときにあなたはこう言っているじゃないですか。大変なことになる、使うなということまで指示しているんでしょう。四ケ所さんが、そういうことについて使うなと指示しているんでしょう。その後使っているじゃないですか。そのことについて、報告も受けず、そういうことも聞きもしないシステム、それがあなたの会社だということですよ。まさにそういうものを見逃すシステムだったということですよ。以上じゃないですか。 ○内河証人 今おっしゃられたように、四ケ所が一たん、あれは納期もまともにいかないだろうからもうやめさせろというふうなことを言ったというふうなことですが、あくまでも、先ほどの組織でも言われていますが、我々は、そこまで全部変えたのかどうなのかというふうなことは言えるような、そこまでの緊密な会社ではありませんので、断っていたのかどうなのかもわからなかったというふうに私は報告を聞いております。 ○穀田委員 そんなあほなことありますかいな。コンサルタントというあなたの業務の中では、建築から開業から、その後の営業まで全部指導すると書いているんですよ。ということは、その間のすべての問題についてあなたが責任を持つということなんですよ。いいですよ。 そして、じゃ聞きますけれども、まさにマンションやホテルの安全を損なってコンサルタントは成り立たないんですよ。しかも、そういう指摘を受けた後、あなたは、あなた方の会社は、羽村市駅前のSGホテル、さらには奈良市三条本町SGホテル、こういうものを全部やっているんですよ。正す機会はあったということなんですよ。そういうことをしなかった。まさに総研が会社ぐるみでそういう偽造を行ったと断ぜざるを得ない、このことを述べて、終わります。 |
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