国会会議録

【第163特別国会】

衆議院・国土交通委員会
(2006年1月17日)

 耐震強度偽装事件で、ヒューザー社長・小嶋進氏を証人喚問。証言拒否を繰り返す小嶋社長を厳しく追及した。


○林委員長 穀田恵二君。
○穀田委員 日本共産党の穀田です。
 あなたは、委員長冒頭の尋問に対して、ヒューザー社が偽装に係るマンションの購入者への引き渡し、譲渡契約の締結を行っていることなどについて違法性の認識を問われ、違法性の認識はない旨の証言をされましたね。
○小嶋証人 ちょっと相談させてください。
○穀田委員 だめです。証言を拒否できるかできないかということだけ相談していいんです。あなたが一番最初に述べたことについて私聞いているんです。冗談じゃないですよ、こんなこと相談するなんて。
○林委員長 小嶋証人、お答えください。――穀田恵二君。
○穀田委員 一番最初に証言した話を私は聞いているんですよ。それについて補佐人に相談する必要はないんです。
○小嶋証人 おっしゃるとおりでございます。
○穀田委員 だとすれば、議院証言法第四条によると、証言を拒むことができるのは、刑事訴追を受けるか、有罪判決を受ける場合しかないんです。つまり、違法性がないというんであれば、証言を拒否する理由にはならない。証言を拒否することは、あなたが違法性があると思っているにほかならないということを私はまず言っておきたいと思います。
 そこで、小嶋社長、伊藤公介議員にいつから献金していますか。
○小嶋証人 いつからというはっきりした記憶はございませんが、やはり、いつからかわかりません。
○穀田委員 そのぐらい調べて来なさいよ。九九年、ヒューザーの前身、ハウジングの時代からやっています。
 伊藤氏と知り合ってから、あなたが理事を務める日本住宅建設産業協会で同じ理事の桃野氏、理事長の神山氏らと、伊藤公介議員を囲んで昼食会などを定期的に開いていますね。どういう名前の研究会ですか。
○小嶋証人 住宅政策研究会という名前でございます。
○穀田委員 住宅研究政策、あの、会の名前で、参加の各社が毎月一万五千円程度を桃野氏の会社に振り込み、積み立てて、伊藤議員に献金として渡していました。例えば、二〇〇〇年十一月には、明治記念館料亭「花がすみ」でその会合が開かれた。おくれて参加した伊藤氏に、桃野氏がその場で三百万円弱を渡しています。
 あなたもこの会合に参加していたはずですが、事実ですか。
○小嶋証人 覚えておりません。
○穀田委員 金を渡したのを覚えていないのか、行っていないのか覚えていないのかはちょっとわかりませんけれども、それは、私、桃野氏の元秘書である方に直接お聞きをして、社長に、伊藤氏に渡すから銀行からおろしてきてくれと指示され、現金を渡したと。そして、後で伊藤氏の秘書からそれぞれに十六万円の領収書を送ると言われたと。これが、あなたがずっと、九九年、二〇〇〇年と、毎年十六万円、政治資金収支報告書に記載されているとおりの金額です。ぴったり合うているんです。
 そこで、今お話しした日住協が発足した二〇〇〇年、あなたは理事ですが、〇四年、〇五年は中高層住宅委員長になっていますね。
○小嶋証人 そのとおりだろうと思います。
○穀田委員 書類に書いているんですわ。
 それで、日住協の中でも、だんだんにあなたは地位を高めてこられた。一方、二〇〇五年十二月十二日予定の「衆議院議員伊藤公介と明日の日本を熱く語る集い」という政治資金パーティーの発起人にあなたはなっていました。これが実はその招待状なんですけれども。
 そこで、あなたは、この事件が起こってから慌てて中止しています、この伊藤さんは。二〇〇四年九月にも、伊藤公介議員が開いた政治資金パーティーの発起人になっていますね。
○小嶋証人 はっきりとは記憶してないんですが、そのような記載があるということであれば、そのとおりだろうと思います。
○穀田委員 パーティーの発起人になって、何千枚というチラシが配られていることを知らないなどということはあり得ません。しかも、去年とおととしというたった二年、話をしているんです。
 伊藤公介議員は二〇〇二年に、自民党の住宅土地調査会の副会長に就任します。あなたは翌年の〇三年に、伊藤氏が所属する自民党の森派、清和政策研究会の政治資金パーティー券を百万円購入します。伊藤氏が住宅土地調査会の会長になった二〇〇四年には、先ほど確認したけれども、伊藤公介氏のパーティー発起人になり、百万円のパーティー券を購入し、あわせて森派からも百万円のパーティー券を購入しています。
 つまり、伊藤氏が土地住宅行政に影響を高めるにつれ、あなたの会社の献金の額もふえている。ここに献金の一つの目的があるわけです。
 昨年十一月二十九日の参考人質疑であなたは、「私どもの手だけでは解決できない問題が発生した時点で、どのような対処方法があり得るのか、一応相談を申し上げたことはございます。」と答弁している。解決できない問題とは一体どういう問題ですか。
○小嶋証人 ちょっと相談させてください。
○穀田委員 何度補佐人に指摘したらわかるんです。この問題は拒否できるかできないかという話を相談するだけなんですよ。それで、拒否するんですか拒否しないんですか。言ってごらんなさい、あなた。
○林委員長 証人にお尋ねしています。(穀田委員「とめてください」と呼ぶ)
 じゃ、ちょっと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○林委員長 じゃ、速記を起こしてください。
 再開します。小嶋証人。
○小嶋証人 申しわけございません。今何を御質問されたか、もう一度、申しわけございません。
○穀田委員 あなたが参考人質疑でお話のあった、解決できない問題があった場合には相談するといった発言をなすっているんです。あなたの発言の内容はどういうことかと聞いているんです。
○小嶋証人 一民間企業で解決のできない問題というのが、既に入居者に引き渡しされてしまったものが何棟もあるというような状況というのは、これはもう一民間企業の手ではなかなか解決できないということでございます。
○穀田委員 それは違いますよ。あなたの責任だということをはっきりしておかなくちゃならぬ。
 献金のもう一つの目的、今話ありましたように、今回の事件発生後の国への圧力、疑惑の経過の中で明らかになったように、国から公的資金を出させるために伊藤氏に事実上圧力をかけさせた。あなたが発言している間じゅうずっと横にいたということはそういうことなんですよ。そこが大事なんだということを、そのための保険だったということがはっきりしたのがこの間の問題だと思うんです。
 もう一つ聞きます。
 公明党の問題も出ています。今、公明党の、十一月四日に東京都の区議から連絡があって、十一月四日に国会連絡室に電話で聞いたということが既にはっきりしています。
 公明党の区会議員に依頼したことがあるのか、だれなのか、そして山口那津男参議院議員との面識はあるのか、その点をお答えください。
○小嶋証人 区議は大田区の有川先生でございまして、山口那津男様、先生という方とはお会いしたことはございません。
○穀田委員 終わります。