国会会議録

【第164通常国会】

衆議院・国土交通委員会
(2006年4月5日)

 「まちづくり3法」の見直しに係わって、都市計画法と中心市街地活性化法の改正案の審議。
 大規模小売店舗立地法の13条は、自治体が条例で大型店の出店を規制することを禁じている。まちづくりの主体は、地域住民であり、住民を構成員にする各種の団体であり、NPOであり自治体である、と、この条文を廃止を求めた。


○林委員長 穀田恵二君。

○穀田委員 都市計画法の改正について質問をします。

 今回の都市計画法の改正案は、まちづくり三法の一つとして見直されるものです。ですから、私はこの際、まちづくり三法についても、大きく、広くこの点を大臣と議論をしたいと考えています。

 これまで当委員会でも、中心市街地の疲弊、そして都市の無秩序な拡散のひどい実態が議論されてきました。さらに、先日、前橋に、私ども委員会として調査視察に参りまして、そこでもそうなんですけれども、全国どこでも深刻な状況が広がってきています。この点での認識については大体異論がないと思うんです。

 では、問題は、なぜこうなったかという点に私は議論が必要だと思うんですね。こういう中心市街地の疲弊、それから都市の無秩序な拡散、いわば町壊しをしてきたその原因はだれであり、だれがやってきたのかという問題についてはっきりさせないとだめだ、そして、それを放置してきた政治と行政の責任についてどうなのか。この辺のいわば大きな議論といいますか、その立て方が大事であると思うんです。

 したがって、私は、政治と行政の責任について、まず、大臣がどのように認識しておられるか、お聞きしたいと思います。

○北側国務大臣 多くの地方都市におきまして、大規模集客施設の郊外立地等によりまして都市機能の無秩序な拡散が進行して、中心市街地の衰退傾向に歯どめがかからないという状況でございます。

 この背景は、一つは、あの九〇年ころまでの本当に異常な地価の高騰、そして、その後のバブルの崩壊による経済の長い低迷、これが大きな背景にあると思いますが、一つは、やはりモータリゼーションの進展による大規模な集客施設の郊外立地が進んだこと、さらには、役所や病院や学校という公共公益施設までが、建てかえ等のときに、狭いということで郊外の方に移転してしまう、この郊外移転などが公共公益施設でも進んでいること、さらには、そうした公共公益施設が郊外に移転するわけですから、当然居住する人口だって減ってまいります。中心市街地での居住人口が減少して、そもそも中心市街地というのはコミュニティーとしての魅力が低下をしていること、そしてまた、中心市街地の中の商業者の方々等が顧客のニーズに合った対応が必ずしも十分できていない地域もあると思われること、こうしたさまざまなことが要因となって中心市街地の衰退傾向というのが続いているというふうに思います。

 平成十年の際に中心市街地活性化法の制定や都市計画法の改正をしたわけでございますけれども、しかし、こうした施策におきましては、商業振興策が中心となっておりまして、中心市街地に住むなり生活するなりという、こうした生活空間としての中心市街地としてのとらえ方が十分でなかったというふうに考えておりまして、町中居住の促進や都市機能の集積というものをこれからしっかりとやっていく必要があると考えております。

 また、今は自動車交通が発展していますので、一つの市町村でさまざまな規制をやっても、隣の市町村で大規模集客施設が来れば大きな影響をこうむってしまうわけでございまして、やはり広域的な観点からの適正立地が必要だと思います。

 そうした措置が十分でなかったというふうに考えているところでございます。

 今回、こうした反省点を認識しまして、中心市街地の振興のための支援策の充実や、都市機能の適正な立地のための都市計画制度の充実について改正をお願いしているところでございます。

○穀田委員 まず、現象はそのとおりだと思うんです。

 二つ目に、ただ、要因も、それはあったと思うんです、モータリゼーションを初め、経済の変容、また広域都市化などあったと思います。反省も一定された。でも、一番大事な点は、行政と政治に責任があるということを深く認識するかどうかだと私は思うんですね。

 といいますのは、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、全国商店街振興組合の四団体は、まちづくり三法の改正を提案し、そこには、まちづくり三法の効果は得られなかった、そして、中心市街地の衰退を地域全体の危機と言える状況だと、現状を厳しく指摘しています。これは、大体お互いにそういう認識だということは、そのとおりです。そこから、大型店を含むアミューズメント施設等も対象にした大規模集客施設立地法の制定を求めている。つまり、政治と行政に今、新しい、その意味で、まちづくり三法というところに問題があった、そして、それを行政に責任ありと訴えたと言っても過言ではないと思うんです。

 この間の委員会の中でも、各党それぞれ、焼き畑商業という話までありました。それで、私も自民党の機関紙を見ますと、焼き畑商業と書いていまして、批判をしているんですね。

 だから、きのうもあったんですけれども、町というのは、まちづくりというのは文化なんだ、風土なんだ、それを一時のもうけだけでどんと来られては、それでやられてしまった日にはもう壊滅だという話もありました。

 問題は、その意味で、商店街や住民が長い間築き上げてきた町、生活の場を、もうけのためならそれを壊しても構わない、さらには、もうからなくなれば平然と撤退する、こういう身勝手な商法を大手商業資本がとってきた。ここにこそ、私は町壊しの最大の罪があるということを考えています。

 そして同時に、こういう町壊しに対して、それに対応するルールをどうしたらできるかということで努力せずに、それを改めるような有効な手だてをとってこなかった政治の責任が大きい、こう私は考えています。

 そこで、九八年に大店法を廃止し、規制緩和が行われました。今、その点を今度は見てみたいと思うんです。

 今私が言いましたように、大型店規制の有効なルールをつくらなかっただけではなくて、十分ではないけれども今まであった規制をさらに緩和し、大手商業資本の身勝手な町壊しに手をかしてきた。

 きのうもこれは参考人質疑でありましたけれども、当時の大店法の改正というのは、アメリカの市場開放の要求だったことはもう紛れもない事実です。今日の事態というのは、その三法が機能しなかったというんじゃなくて、町壊しを加速したと考えるべきだと私は思うんですね。

 当時、私どもは、大店法を廃止するのに反対をしました。強化すべきだということを提起した。なぜなら、当時も既に中心市街地の空洞化は深刻であったし、大型店の郊外への出店ラッシュ競争もすさまじいものでした。中心市街地から、さらには既存の大型店の撤退が相次いだりする。そのもとで、まちづくり三法では大型店の身勝手な出店はとめられないという不安が多く商店街や国民からも上がっていたわけです。

 それでも、出店規制というのは都市計画法の用途規制で行って、空洞化した中心市街地活性化のために一兆円規模の支援をするから大丈夫だ、これは先ほども随分議論になりました。一兆円の使い方の話も出てきました。そう言って、大型店の立地そのものの是非を問わない大店立地法に変えました。

 その結果はどうか。大型店の出店は野放しとなって、中心市街地活性化は見るべき成果がないということが今日の事態ではないかと思うんです。だから、大店法廃止が町壊しを加速させた、この総括と反省が私は政治には必要だと考えています。

 大臣は、この町壊しの現状、状況というのをつくり出した要因として、大店法の廃止そのものが影響しているという認識はあるでしょうか。その辺を問いたいと思います。

○北側国務大臣 旧大店法でございますが、これは廃止をされたわけでございますけれども、これは中小小売業の事業活動の機会を確保するための経済的規制でございまして、これを継続することは適切ではないという判断に基づいて行われたものというふうに承知をしておるところでございます。商業調整について行わないという趣旨だと思うんですね。

 今回私どもが考えておりますのは、そういう商業調整の次元ではなくて、都市計画という観点から、まちづくりという観点から、やはりこの大規模な集客施設の立地というのは、都市の構造やまたインフラ整備に少なからぬ影響を与えていくことになるわけでございまして、そういう観点から、立地について、きちんと都市計画という観点から適正な立地を確保しなければならないというふうに考えて、今回の法律の改正をお願いしているところでございます。

○穀田委員 いや、大店法の影響については余りなくて、商業調整を行わないということなんだと。

 ただ、きのうも議論になっているんですけれども、二つ言いたいと思うんですね。

 まちづくりというのは、やはりその町の商業も含めた文化もあるわけですよね。そのところに例えばどんと乗り込んでくるということは、町がずたずたにされるということも、きのうの参考人質疑で議論になっているんですね。商業も含めたのがまちづくりなんだ、その一構成部分だということなんですね。

 それともう一つは、商業調整を行わないということが何かあたかもいいことかのように言うんですけれども、肝心の市場開放を要求しているアメリカはどうかというと、商業調整、社会経済規制は行わないというふうな議論がありますけれども、そうじゃないんですね。社会的規制や経済的規制というのは混然一体とやっておって、地方自治体を中心としたところで、アメリカ全体の政府はやらないけれども、それぞれの自主的な力に基づいてやっているんですよね。それがまちづくりなんですよね。

 だから、私は、まちづくりと商業、その及ぼした、大店法の廃止による事態があるじゃないか、ここを言っているわけなんですね。だから、国交省は、商業調整を行わないという議論から始まって、まちづくりなんだと論理展開をすぐ切りかえるわけですけれども、そうじゃないんですよ。まちづくりの中に商業調整もあるんだということが世界の考え方なんですよ。そこをしっかり見ないとだめだ。そうでないと、逆に、なぜ町壊しが進行したのかということが説明できないわけですよ。

 だから、簡単に言えば、商業調整、規制というのはなくして、どんどん大型店が入り込むようにしちゃったという結果なんですよ。私は京都なんかにいますと、その事態がどういう事態になっているかということを本当に感じますよ。いわば町壊しが京都で行われて、京都が京都でなくなるような事態がずっと生まれる、その先兵としてそういう役割を果たしたところがあるということが多くの方々が思っておられるところです。

 しかも、昨日の参考人質疑において、矢作参考人はこう言っていますし、彼の著書でもそう書いています。「この十余年、大型店問題に関して日本は、世界の先進諸国・都市が目指してきた方向とは、ひたすら逆に疾走してきたという事実である。その認識からスタートしなければ、効果的なまちづくりははじまらない。」と発言しているんですね。

 だから、今私が言いましたように、規制緩和万能でいって、商業調整はしないんだ、こういうやり方が実は世界の流れから逆行している、そのことが、やはり効果的なまちづくりをする上では、その反省から始めないとだめだと言っているのについても少し着目していただきたいと思っているところです。

 そこで、今、私はアメリカの例を言いました。大店法を廃止しただけじゃなかったんです。かわりにつくった大店立地法、大規模小売店舗立地法の十三条では、自治体が条例などで大型店出店に対して商店街に与える影響を勘案するということを事実上禁止したんですね。大型店出店の抑制策をとろうとする自治体の手足を縛ってきた。

 今回のまちづくり三法の見直しでは、大店立地法については手をつけていません。これはまちづくりの原則といいますか根本にかかわる問題ですが、まちづくりというのは、きのうも青森そして富山の両市長が参加されましたが、地方自治体や住民、NPO、そういういろいろな方々が参加をして、主体性を持って計画を実施してこそ意味があるということが強調されました。

 その意味で、今回の法案の提案理由でも次のように書いています。地域の主体的な判断により的確に対応するためと言っているわけです。だとすると、こういった大店立地法の十三条というのは、この精神自身も真っ向から否定する条文であって、廃止が必要とちゃうのかというふうに思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

○北側国務大臣 大規模小売店舗立地法、これは経産省の所管の法律でございます。合同審査の際に経済産業大臣にぜひ答弁をお願いしたいというふうに思いますが、やはり、まちづくりに関しては、これは、都市計画の策定手続を通じて、地方公共団体が、住民の意見というものを十分に反映して、適切に判断を行っていくことが適当というふうに考えているところでございます。まちづくりという観点から都市計画等の規制ができるように考えております。

○穀田委員 肝心な点は、それはそっちに聞けと。だから、私、ほかの局長じゃなくて大臣に答弁を求めたわけですよ。それは、大臣、確かに所管はあっちなんですよ。だけれども、先ほど大臣も最後に、まちづくり、まちづくりと言わはるわけでしょう。まちづくりにとって、主体がここにある、その主体がやろうと思ってもこれはできない仕掛けにある、こういう問題はどうなのか、こういういわば仕掛けに関する議論なんですよ。だから、その辺は言ってもらわなくちゃだめじゃないでしょうか。

 先ほど、私、アメリカの例を述べましたけれども、欧米諸国では、大型店などの抑制策というのは、建築のサイドからも禁止しているんですよね。原則禁止による土地利用の規制とともに、中心市街地への影響がない場合のみ郊外立地を認められるなど、厳しく規制をしている。これはイギリスの例です、御存じのとおりです。だから、地域商店への影響も、今お話ししたように、まちづくりの一つとしてとらえて、大店立地法のような、商業調整を排除する、それを自治体がやっちゃならぬというふうなことについての法令は存在しないんですよ。

 だから、私が今言っているのは、二つの角度から言っているんですよ。まちづくりということからすると、商業というのは大事な部分を占めている。それから、まちづくりという観点からすると、地方自治体がかぎだ。そういうものをやった場合に、独自にいろいろなことをできる権限を失わせているのはおかしいんとちゃうか、こう言っているんですよ。だから、大臣に聞いているんです。だから、それは何も、あっちに聞いてくれじゃないんですよ。その辺、いかがでしょうか。

○北側国務大臣 商業的な需給調整として大規模店舗の立地を規制していくというのは、私は、率直に申し上げて、やはり違うんじゃないかと思うんですね。

 私は、都市計画、まちづくりという観点の中から、この地域についてはこういう都市のあり方をしていくんだ、それを都市計画の中で市町村がつくっていくということ、こういうあり方がやはり正しいのではないかと私は考えております。

○穀田委員 どうも舌足らずのように思いますけれどもね。ちょっとえらいはしょって言ってはるから、それだけでは本質的議論になりませんわな。

 というのは、商業調整と今言わはるけれども、ゾーニングでやれ、要するに、簡単に言えば、都市計画でやれ、ゾーニングでやれということですわね。それは、都市計画のサイドからいうとそうなんですよ、それもあり得るんですよ。だけれども、まちづくりというのは、商業も含むまちづくりだということを私は言っているんですよ。

 しかも、アメリカなんかの場合には、おらが町、おらが町、その商店街もおれらの町だと。そういうのにふさわしいかどうかという商業調整をするんですよ。社会的規制、経済的規制、混然一体となってやっているんですよ。だから、私はそこを言っているということを、ぜひこの機会に少し理解していただきたいと思うんです。

 それほどゾーニングと言うんだったら、大型店出店規制というのは、先ほどあったように、商業調整から、土地利用の規制、ゾーニングで行う、こう言っているわけですが、九八年の特別用途地区制度だとか二〇〇〇年の準都市計画区域制度の導入で、では、どれだけ大型店出店規制が実施されたかというと、ほとんど有効に働いていないわけです。だから、今回も見直そうということになっているわけです。

 そこで、なぜ有効に働かなかったかということの総括も必要だと私は考えます。

 調べてみますと、九八年、二〇〇〇年の都市計画法の改正というのは、店舗の規模制限を可能とした特別用途地区や特定用途制限地域の導入もあった。しかし、これはほとんど使われなかった。一方、当時の中心的な改正内容である市街化調整区域の開発基準の緩和、これはよう使われたんとちゃうか、こういう規制緩和が中心になったんじゃないかという点では、局長、いかがですか。

○柴田政府参考人 都市計画のゾーニングの点につきましては、先ほどから答弁いたしておりますように、現行の都市計画法におきましては、広い地域で大規模集客施設の立地が可能であるというような状況の中で、一つの市町村が特別用途地区等によりまして規制をしたところで、近隣の市町村の方で立地がされるというようなこともございまして、なかなかうまく機能しなかったということは事実でございます。

 それから、市街化調整区域についての規制の緩和という御指摘がございますが、平成十二年には幾つかの市街化調整区域についての改正をいたしてございます。

 これは、いわゆる既存宅地制度を廃止しております。これは、市街化区域に近接、隣接する地域等において、市街化調整区域が決定された際に既に宅地であった土地について、これは都市計画法第四十三条の許可を受けずに建築行為ができるとする制度でございます。これによりまして、市街化調整区域におきまして、非常に大規模な建築物だとか、周辺環境と調和しない建築物が無秩序に立地するなど、大きな問題となっておりました。そういった中で、この既存宅地制度というものを廃止しました。

 あわせて、新たな立地基準を追加しております。これは、既存宅地制度の対象とされておったような地域、要するに、市街化区域に近接し、あるいは隣接する等の土地の区域につきまして、その区域と周辺の地域の環境の保全上支障があると認められるものを禁止する用途制限を条例で限定すれば、例えば第一種住居専用地域と同様の用途制限を条例で限定すれば、当該条例に適合するものについて開発許可の対象となるとしたものです。

 ちょっと複雑でございますが、この改正、一見、開発許可の基準を緩和したようにも見えるんですが、実際は、問題の大きかった既存宅地制度を廃止するとともに、当該制度の対象地域に相当する地域において、これまでのように無秩序に立地するんではなくて、許可対象となる用途を限定しまして無秩序な開発を抑制しようとするものでありまして、むしろ逆の方向であったというぐあいに我々は考えております。

○穀田委員 そういう言い方もようあるなと私は思いますが、現実を見たら、実際は、例えば特別用途地区の導入なんかでも、全国市でも、広く見積もっても全国でわずか六市町村だ、活用されていない、こういう問題もありますし、それから、後半の方で言うならば、実際は無秩序に広がったという現実が意味をなしていないということだけ言っておきたいと思います。

 時間があと五分なものですから、では、一つだけ質問しておきたいと思うんですけれども、私は、制限地域という問題で、まず、商業地域も含めて、本来、原則禁止しなくちゃならぬと思っているんですね。ただ、今回の場合、準工業地域は大型店の出店が急増している地域であり、原則禁止すべきだというふうに考えています。

 そこで、二〇〇〇年以降、準工業地域に一万平米以上の大型店が立地した実績はどうなっているか、地方都市と三大都市別にお答えいただきたいと思います。

○山本政府参考人 平成十二年から平成十六年までの五カ年間ですが、全国で一万平米を超える大規模商業施設は五百二十五件立地しておりますが、このうち、準工業地域につきまして、地方圏で五十六件、三大都市圏で五十二件でございます。

○穀田委員 そういう非常に大きなところで、準工業地域にも出ている。だから、ここにやはり歯どめをかける必要があるということを言っておきたいと思います。

 では、もう一つだけ。

 法案では、床面積一万平米以下の大規模集客施設は規制の対象外となっています。そこで、今回一万平米を超えるものの規制対象となる地域に、九六年から二〇〇四年までの間に、三千平米を超え一万平米以下の大型店の立地状況は、地方と大都市、先ほど言いました点でそれぞれどうなっていますか。

○山本政府参考人 数字だけ申し上げます。

 地方圏で千六百四十二件、三大都市圏で五百八十七件でございます。

○穀田委員 今、地方圏で千六百四十二ですね。三大都市圏で、山本さん、五百八十七ね。

 それで、一万平米を超えるところと比較するとよくわかるんですよね。地方圏では六百四十件で二・五倍、大都市圏では四百十件で一・五倍もある。つまり、今回規制対象となる地域の立地が全体の立地の半分以上。だから、先ほど問題にした、規制から外れた準工業地域を含めると七五%にもなる。したがって、このうち多くが一万平米以下の大型店で規制対象からは除かれたことになる。こういうものになっちゃうわけですね。

 だから、今二つ、準工業地域、そして今言ったように一万平米を超えるというだけでは不十分じゃないか、この点がすごく大事だと私は思うんですね。その点、大臣、最後、こういう点についても規制を強化すべきではないかという点、いかがでしょうか。

○北側国務大臣 準工業地域にも規制しろ、また一万平米以下についても規制を検討すべきではなかったか、こういう御質問でございます。

 これは、率直に言うと相当議論がありました。相当議論がありまして、政府・与党間の最終的な取りまとめの際に、準工業地域については規制対象といたしませんが、ただし、準工業地域に大規模集客施設が立地した場合の中心市街地への影響が異なることから、特別用途地区の活用によって準工業地域における大規模集客施設の立地規制を促進することとしまして、これを中心市街地活性化法に基づく基本計画の大臣認定の要件というふうにさせていただいたわけでございます。

 したがって、中心市街地活性化法に基づく認定を受けませんと支援が得られないことが多いわけでございまして、そういう認定を受ける要件として、地方都市の場合については、そういう特別用途地区の活用によって立地規制を促進するということを前提とさせていただいておるということでございます。

○穀田委員 一言だけ。

 ただ、私が言いたいのは、何でこれ、議論があったことは知っています。ただ、準工業の問題でいうと、やはり報道によると、不動産協会をバックにした日本経団連の強い意向に配慮した自民党の政治裁定により、最終的には三大都市圏と政令市に限って準工業地区での立地が引き続き可能となった、こういう報道もあるぐらいなんですね。

 私は、やはりこの問題というのは、事実とすれば、不動産協会などの圧力で規制対象から外されたんと違うのかという点を、あえて、私は問題意識を持っているということだけお伝えをして、終わります。

○林委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。