国会会議録

【第164通常国会】

衆議院・国土交通委員会
(2006年4月11日)

 都市計画法の修正案を提案

○穀田委員 ただいま議題となりました都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律案に対する修正案について、日本共産党、社会民主党・市民連合の提出者を代表して、提案理由及びその概要を御説明申し上げます。

 法案では、近年、都市の無秩序な拡散が進み、中心市街地の空洞化のみならず、高齢者等が病院等の公共公益施設に歩いて行くことができなくなることや公共投資の非効率性、環境負荷の増大などの問題が生じていることから、今後、都市機能を集約したコンパクトなまちづくりを進めるため、大規模集客施設や公共公益施設について、都市計画の手続を通じて、地域の判断を反映した適切な立地を確保するとして、三つの用途地域や白地地域を大規模集客施設は原則として建築できない地域とするなどの改正をしています。

 今回の改正案によって、大型店等の立地を原則建築禁止とする地域を拡大する方向は評価できます。しかし、準工業地域が原則として建築できない地域から外され、建築してはならない店舗等の規模を一万平米超としたことは、これまで多くの大型店等が準工業地域に出店し、規模も一万平米以下である実情から見て不十分です。また、新たな地区計画として開発整備促進区を設け、開発事業者等を都市計画の提案者に加えることは、大型店等の立地規制に対する抜け道となるおそれがあります。これでは地域の住民主体のまちづくりを進めることが徹底されません。

 したがって、地域の判断を反映するという本法案の趣旨をさらに徹底するため、以下の修正を提案します。

 第一に、一定の大規模な店舗等の立地が新たに制限される用途地域に準工業地域を追加します。

 第二に、立地が新たに制限される大規模な店舗等の規模要件について、床面積一万平方メートルを超えるものを三千平方メートルを超えるものに変更することとします。

 第三に、一定の大規模な店舗等の立地が新たに制限される用途地域等において、用途を緩和する地区計画制度(開発整備促進区)を削除するものとします。

 第四に、一定の開発事業者が都市計画の決定等について提案することができるよう、都市計画提案権者の範囲を拡大することを削除するものとします。

 以上が、修正案の提案理由及びその概要です。

 委員各位の御賛同をお願い申し上げ、修正案の趣旨説明とさせていただきます。

○林委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。