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【第166通常国会】 衆議院・国土交通委員会
4月10日、衆院国土交通委員会で、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案」の参考人質疑が行わた。
○塩谷委員長 次に、穀田恵二君。
○穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。 きょうは本当に、今の質疑も含めまして、とても参考になりました。私は実は、随分話題になりました京都に住んでいるものですから、参考人の皆さんがそういう京都に触れられながらお話しいただいたことに、とても興味を持ちました。最後に森先生からお話のあった、車を入れないという問題も、京都などでは、私はそういう意見でして、ところが、国土交通省というのはなかなかのものでして、市内に高速道路を乗り入れようかという話まであるようなところでして、いかがかなと思ったりしているのを、本当に勉強になりました。 座らせていただいて、質問させていただきます。 まず、森地参考人と森参考人にお聞きします。 交通政策審議会交通体系分科会地域公共交通部会の中間取りまとめでは、地域公共交通の活性化、再生は、事業者の経営努力や利用者の負担だけでは限界としています。そして、地域公共交通は公共財的側面を有することから、国や地方公共団体による財源の確保のための仕組みが重要であるとしています。 森地参考人は、国による支援の中で予算制度という問題を触れられていました。また森参考人は、上下分離方式を初め、市民の理解という問題について触れられていました。今後の財源的手当てについて、もう一歩具体化が必要なんじゃないかという時期に来ているんじゃないかと私は思っているものですから、お二方にその点の御意見をお聞きしたいと思います。 ○森地参考人 財源ということと、それからどういう予算の仕組みにするというのはセットではございますが、今各省で、インセンティブ型といいますか、工夫をすればそれを後押しするようないろいろな制度が出てまいりました。これはこの数年間の画期的なことで、ヨーロッパ、アメリカはもう大分前から、均等に配分するよりも競争型にして、いいところには集中的に支援しよう、こういうふうにだんだん変わってきていたと思います。日本では、どちらかというと、全部まとめて交付税化するのがいいとかというような議論が盛んでございましたけれども、むしろ欧米では、そういうインセンティブ型、競争型の補助制度が国の役割として重要である、あるいは県の役割として大変重要である、こういう認識に立っている声が大きかったように思います。 財源につきましては、例えばアメリカで、七〇年代から都市鉄道を整備したのは全部消費税アップを条件にしてございます。連邦と州自治体、カウンティーそれからミュニシパリティーがそれぞれ分担してお金を出すのですが、自治体の方が財源がないものですから、それに見合うような財源として、消費税を何%か上げたらそこで初めて地下鉄をつくります、こういうことをやりました。 それから、先ほど申しましたイギリスのローカル・トランスポーテーション・プランは、最初、地方の、日本でいう裏負担分の財源がなかったので、うまくいきませんでした。二〇〇〇年代に入って改正するときに、ロードプライシング、込んでいるところを国の許可のもとに有料道路化してよろしい、それから公営だけではなくて民間が持っている駐車場にも駐車場税を課してもよろしい、こういうことをやって、導入したのがございます。 それから、この三、四年前にフランスは、社会資本整備のための財源調達庁というのをつくりました。昔から交通税があったのは御承知のとおりでございますが、そういうようにそれぞれの国がいろいろな工夫をしておりますので、この国でもそういう議論が必要ならやっていけばいいのではないか、こんなふうに思っております。 ○森参考人 財源という意味では、今の法律の中で自治体助成についての起債というようなことがありますので、この点は非常に高く評価をしたいと思っています。補助金として民間事業者に出そうとするときに、やはりどうしても一般財源だけでは限界がございますので、そういう点はそのとおりだろうと思っています。 もう一つは、僕は、さっきちょっと我が市の例で言いましたが、利用者は、運賃だけではなくて、一定程度、地域の足の確保ということに対してやはり地域で負担するということも必要だろうと思っています。それはどの程度まで許容できるのかというのは地域によって違うのでしょうし、ニーズの大きさにもよるんだろうと思いますが、そうでないとなかなか理解は得られないのかなという思いも持っています。 全く個人的な意見ですが、もしも可能なら、こういう公共交通の維持ということに、あるいは公共交通の質を上げるということに道路特定財源を使えたら大変ありがたいなというふうに個人的には思っています。 ○穀田委員 ありがとうございます。 |
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