国会会議録

【第168臨時国会】

衆議院・国土交通委員会 第5号
(2008年1月9日)

大臣は、ことしの日本の景気、国民生活への影響はどうなると考えているのか、その点で国交省としてどのように対応するおつもりか。


○竹本委員長 次に、穀田恵二君。

○穀田委員 年の初めの質疑ですから、大臣にことし全体の景気動向や国民生活への影響に対する認識を聞きたいと思います。

 ことしは年明けからニューヨーク市場で原油先物が初めて一バレル百ドルを突破し、その影響もあって株価が急落するなど、市場の大混乱で幕をあけました。昨年夏のアメリカで起きたサブプライムローンの破綻が引き金となって欧米での金融危機に発展したり、察して行き場を失った投機資金が原油などの商品市場に向かって、原油、さらには農産物の高騰を加速させました。これが日本国内へも波及して、灯油やガソリン、食料品という生活必需品の値上げが続いています。

 昨年十一月の消費者物価は前年よりも〇・四%上昇し、値上げ圧力はさらに高まって、消費者は生活防衛へ傾きつつありまして、物価の上昇が消費をさらに萎縮させるという悪循環が心配な状況になってきています。

 その上に、各同僚議員からもお話がありましたように、建築基準法の審査についての行き過ぎた厳格化によって建築確認が滞る混乱を生んで、住宅着工が大幅に落ち込んでいます。あわせて、建築資材などの偽装も相次いで発覚するなど、消費者の不信は広がっています。これらが一層景気の足を引っ張る心配があります。

 そこで、大臣に、ことしの日本の景気、また国民生活への影響はどうなると考えているのか、また、その点で国交省としてどのように対応するおつもりか、基本的な認識をお伺いしておきたいと思います。

○冬柴国務大臣 平成十九年の十二月十九日に閣議了解されました「平成二十年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」というものがございますが、これによれば、平成十九年度の経済動向については、「景気は、一部に弱さがみられるものの、回復している。」「企業部門の底堅さが持続し、景気回復が続くと見込まれるものの、改正建築基準法施行の影響により住宅建設が減少していること等から、回復の足取りが緩やかになると見込まれる。」その一方で、「サブプライム住宅ローン問題を背景とする金融資本市場の変動、原油価格の高騰等が我が国経済に与える影響については注視する必要がある。」このようにしているわけでございます。

 また、平成二十年度の経済の見通しにつきましては、「世界経済の回復が続く下、十九年度に引き続き企業部門の底堅さが持続するとともに、家計部門が緩やかに改善し、「自立と共生」を基本とした改革への取組の加速・深化と政府・日本銀行の一体となった取組等により、物価の安定の下での民間需要中心の経済成長になると見込まれる。」とされているわけであります。

 なお、民間住宅投資についても、「改正建築基準法施行の影響による減少から回復する。」とされているわけであります。

 このような政府の公式的な立場を踏まえまして、国土交通省としては、原油の高騰あるいは改正建築基準法が景気や国民生活に与える影響が極力小さくなるように引き続き取り組んでまいらなければならないし、非常に大事な局面であるというふうに判断をいたしております。

○穀田委員 私は、少し違った角度でいうと、例えばこの間、日経新聞や朝日新聞も書いていますように、日本の経済動向の中心問題がやはり軸足を移さなければ大変なことになるんじゃないかということを述べていることに注目する必要があるんじゃないかと思っているんです。例えば朝日新聞は、「家計の個人消費を加えて双発エンジン型にできるかどうか。それが問われている。」こう書いています。

 私は、家計、個人消費をいかにしてエンジンとして稼働できるかどうかというところに軸足を移さなきゃならない。政府の発表している月例報告などでも、やはり企業の成長が家計に波及している割合が非常に少なくなっているという問題を提起しているわけですよね。そういう問題として今見なければ、いわゆる経済動向一般論じゃなくて、政府の置く軸足の問題をどうすべきかということに着目する必要があるんじゃないかなと思っているものですから、そこを少しお聞きしたわけなんです。

 その際におもしろかったのが、「目下、景気の足を引っ張っている最大の犯人は、耐震偽装に端を発した建築基準法の規制強化だ。」こういう指摘まであるわけですから、その意味では私は、二つ目に言ってほしかったのは、こういう言い方がいいかどうかはあれですけれども、国交省不況ということ自体があるんじゃないかと言われているぐらい問題があるということだけは指摘をしておきたい。その二つを私としては言いたいなと思っています。

 そこで、サブプライムローンの破綻が先進国の金融市場を揺るがせましたが、このローンをもとにした金融商品が最先端の証券に仕立て上げられて欧米や日本などの金融機関に拡散していったことにあるわけです。住宅ローンが不良債権化したのも、住宅ローンのままだったら他に波及することはないわけですが、証券化され、他の債権と組み合わされ、証券化して金融商品として販売されたら、その商品のリスクは見えないまま拡散する。まさに証券化のマイナスの部分だと言えます。

 証券化といえば、政府は、住宅ローンを証券化することを国を挙げて推進しています。住宅金融公庫を独立行政法人日本住宅金融支援機構にして、住宅ローンの証券化の支援をする仕組みに変えました。

 極めて単純な質問なんですけれども、日本の住宅ローンの証券化についてサブプライムローン問題のような心配はないのか、日本はそのような事態にならないという根拠はあるのかということについてお聞きします。

○冬柴国務大臣 実は、独立行政法人改革におきまして、ずっと議員の中で都市再生機構についてだけいろいろ質問を受けましたが、今、独立行政法人住宅金融支援機構について穀田委員から質問がありました。

 私は、これを株式会社化することは今委員が危惧されるような問題が惹起する、だからそれは困る、そうしない方がいいということを強く訴えて、総理もそれは認めていただいたというのが現状でございます。

 どうしてかといいますと、この住宅金融支援機構が発行する社債というものは、住宅ローンとは全く切り離されています、切断されております。これは、支援機構が、低利で長期で、しかも一番大事なのは固定金利でのローンに対して、それを買い取るという制度をとっているわけでございます。買い取ったローンは信託会社に信託をいたしまして、信託受益権というものを売るのではなく自分のところに保有して、それを引き当てに社債を発行しているわけでございます。

 この社債については、スタンダード・アンド・プアーズといういわゆる格付会社にAAAという最高の格付をつけていただいておりますから、非常に安い金利で、集めたお金をそういう政策に沿った、固定金利で長期で安定したローンに対してだけ補給するという形をとっておりますので、サブプライムローンのようないわゆる変動金利、そういうものは一切とっておりませんので、私はこれは絶対に安全だというふうに思っております。

○穀田委員 アメリカとは違うということについて異論があったんですけれども、私は、そういうことでそんなに楽観視していて大丈夫かなと。また、当時の質問の中で、証券化の問題について、それはあかんでという話は私はしていますので、お忘れなきよう言っておきたいと思います。

 そこで、原油高騰対策について聞きます。

 これは、国民生活への影響は重大だと思うんですね。原油高騰が引き金となって原材料の価格が高騰している。あわせて、他の製品価格が上昇し、穀物価格も高騰する。また、先ほど述べた建築不況というものも連鎖して、景気の減速は必至だと思うんですね。

 政府は昨年末に、原油高騰対策、「原油価格の高騰に伴う中小企業、各業種、国民生活等への対策の強化について」ということを発表して、打ち出しています。その内容を私聞きましたけれども、値上がりした価格はそのままにして、価格の転嫁や負担軽減策を基本としています。もちろん、福祉灯油など、私どもの要求した内容もあって、それはそれとして必要なことだと思うんです。しかし、国交省の対策は、先ほど、離島の話は大臣が割と説明していらっしゃいました。でも、それ以外の、確かに高速道路料金の引き下げの方ははっきり説明していましたけれども、地方バス路線の維持のためなどでいうと、欠損が出た場合や燃費のよい車両にかえるなら補助というものであります。

 問題は、これで対策は十分なのか、そういう認識でいるのかということなんですね。そこはどうですか。

○冬柴国務大臣 我々としては、政策として発動すべきものは現状においては十分にした。しかし、自由経済のもとにおきましては、それぞれが買う商品が暴騰したからといって、それを国民の税金で補助するということについては限界があると思います。

 したがいまして、例えば、トラック業界は大きな、六千三百億と、これはとてもじゃないけれどもその業界で吸収できないというものについては、トラック業界がなくなればだれが困るか、やはり製造業が困るわけでございまして、ですから、元請、下請というものについての秩序があります。したがって、そういう法的な枠組みがある部分についてはそれをもちろん駆使させていただきますけれども、値上げ交渉にやはり応じてほしいということを関係業界に我々としては訴えるということも一つの方法だと思ってやっているわけでございます。

○穀田委員 それは当たり前のことでして、ただ、私は、十分にしたというふうな認識でいるとなると、ちょっとそれは違うなと思っているんです。

 例えば地方バス路線の維持にしたって、今お話ししたように、運行により生じた欠損にいくわけですよね。それから、車両購入で燃費のよい新型車両へ更新を図ればいいとか、船もそうなんですね。全部、そんな買うお金があるのやったら苦労せえへんわけで、その前段で困っているわけです。

 市場経済云々かんぬんと言われましたけれども、本来であれば、もちろん、その市場経済を混乱させている投機マネーに対してどのように規制するのか、その規制のためにどのように手を打って、また、この間、ドイツでもサミットがありましたけれども、そのときには日本はどういう態度をとったのか、また投資マネーの自由化に対して、今現実、政府はどういう対策をとっているのか、そのことがすべて問われるわけですよね。その辺を抜きにして語ることはできないし、私は逆行しているということだけ一言言っておきたいと思うんです。

 問題は、他の同僚議員からもありましたけれども、やはり価格そのものを引き下げる対策は見当たらない、そのことを検討するつもりはないのかということなんですね。私は、いろいろ立場はあると思うんです。ただ、事は緊急を要する問題だ、燃料にかかわる税金の減税措置は当然あってしかるべきだと私も思うんです。

 その前に少し言っておくと、いろいろな要請をしていると言っていますけれども、なかなか、価格転嫁の問題でも、国土交通省のアンケート調査によっても、対等な値上げ交渉ができる環境にないというふうに、トラック運送業者の八七・三%の方々が答えているわけですね。また、逆に契約条件の低下につながるという方が三六・三%というぐあいに、荷主がそういうものをきつくやっているということは百も承知なんですね。

 そこに対しては、そういうやり方をやるのは当然としても、やはりそういうトラック業界や運輸交通業界、さらには一般自動車ユーザーから出されている要望、ガソリンや軽油にかけられている税金のうち、せめて暫定税率上乗せ分、これを引き下げてほしいという要求。例えば、ガソリンでいえば約二十五円安くなるんですね。これは緊急措置として有効な手段だと思うんですが、それはいかがですか。

○冬柴国務大臣 その点につきましては、国家百年の計ということを先ほど申しましたけれども、物価の対策とそのために国家百年の計をつぶしてしまうということは、私はできないというふうに思います。

 例えば、トラックでいえば軽油引取税、これが、先ほどもあれいたしましたけれども、本税が十五円、それで暫定税率が十七円十銭ということなんですね。これはどこへ行くかというと、全部地方なんですね。総額で一兆円です。それで、暫定税率の分は五千億を超える金額なんですが、それを失うんですね。そうすると、地方は道路整備ということには大きく後退してしまわざるを得ないわけでございまして、それでいいのか。

 私が申し上げたように、あかずの踏切とか、あるいは学童が毎日使っている道路、四万四千キロ、こういうものが歩車道の区別がなくて、四十人以上の子供が並んで通学しているところに自動車が突っ込んできて死傷するというのは、こんなことをこの国で許してはいけないわけでありまして、そういうものもすべて道路特定財源で賄われております。また、トラック業界に対しては、私どもは手厚く通行料金の引き下げを考えようと思っております。実行しようとしています。

 そういうことで、この道路特定財源を失うということは、先ほども申しましたけれども、二兆六千億という税収がなくなるんですよ。そうしますと、国レベルで一兆七千億、地方で九千億、こういうものが、これは揮発油税ですけれども、失うということになりますと、京都府においてもあるいは市町村においても大混乱が生ずると私は思います。

○穀田委員 それを言うと、大体そういうふうに言うんですよね。だけれども、すぐ例を出すのは、子供たちの歩道なんというのを例で出すんですけれども、中期計画の一番最初に出ているのはそれじゃないんですよね。国際競争力の強化という話をしているんですよね。だから、そういう道路まで削れとか、そんなことを言っている話じゃないのです。緊急にこういうのを削ったらどうやと。しかも、国家百年の大計と言うけれども、もともと百年の計を暫定税率でやっているということ自体が、暫定という言い方自体が百年の計でないということを証明しているじゃないですか。

 それから、地方財政がこれほど苦しくなっているのは何か。それは、道路の財源が欲しいというよりも、全体の財源が大きく落ち込んでいることから実は出ておる事態なんですよね。そのことの根本を抜きにしてそういうことは言えないということについては言っておきたいと思うんです。

 しかも、ついでに言っておけば、あなた方が調べた自治体や多くの方々の要望は、渋滞の緩和であり生活道路なんですね。それを、国際競争力の強化に基づいてでっかい道路をつくるなんということをだれも要望しているわけじゃないということも明らかだと思っています。

 ですから、私は、国民生活を守るということからすれば、ずっとやると言っているんじゃなくて、そういうものも含めて、当然、私どもは議論としては一般財源化も主張していますから、立場が違うことは明らかにしつつ、当面緊急にそういうことをすべきだということを言っておきたいと思うんです。

 最後に、建築確認の問題に関して一つ二つ言っておきたいと思うんです。

 大臣は、昨年十月二十四日の当委員会で私が国交省の責任について質問したときに、なかなかうんと言わなくてどう言ったかというと、何となくそうは言っているんですけれども、せんじ詰めれば運用面の問題だった、建築確認手続が延びて着工が大幅に減少している事実について真摯に受けとめる、回復するために努力することこそ責任のとり方だなんて言っているんですね。

 その後、福田首相は十二月十九日の閣議で、こういう結果が出ることを十分予期しなかった、経済的な悪影響を及ぼしたことはよく反省しなければならない、そう反省の弁を述べた。大臣は、十月の時点では経済的な悪影響まで言及されていなかったし、反省するとも言っていなかった。

 私は、経済的な悪影響を及ぼしていて、しかもそれが、マクロの事態だけじゃなくて、ミクロで見ればどれほどの事態が起きているかということからして、どう認識し、現在の責任をどう感じておられるのか、改めてお聞きしたい。

○冬柴国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、震度五強で崩壊するような十階建て以上のマンションが公然と売られたということは驚きであり、私ども国民の安全、安心を担当し、またそういう建物についても我々担当させていただいているものとしては、この国で二度と再びこういうことは出さない。そういう意味で、学者その他の方々の意見も十分に聞き、そして皆様方の国会における審議もいただきながら改正をいたしました建築基準法というもの、これを誠実に履行しようとしました。

 しかしながら、先ほどから御指摘をいただきました大臣認定プログラム、こういうものが予想に反しておくれている。この二十一日には仮という形で認定をして動き出すにしても、去年の六月二十日に施行されたということから見て非常に遅延をしたということは、私は率直に国民に対しておわびを申し上げなければならないというふうに、今そのように思っております。

 しかし、後戻りはしてはならない、そういう事態があっても、何とかこれを一過性のものにして国民経済へ及ぼす影響を最小限のものにしなきゃならない、こういう思いで、一生懸命努力する、あらゆることをやる、これが今私がとる責任の内容だろうというふうに思います。

○穀田委員 おわびするということがありましたから、それはそれでいいんだと思うんです。

 ただ、大臣は十二月四日の会見で、通常のようになるまでには若干の時間が欲しい、温かい目で見守ってほしいと発言しています。これに対して建築実務者からは、実務を知らないでの無責任な発言だということが報道されているし、また、温かい目で見ている間に何百件の工務店がつぶれるか私も楽しみといった皮肉を込めた意見などの声も上がっています。

 私も十二月にある建築会社の社長から話を聞きましたけれども、十一月、十二月は通常の三分の一の売り上げしかない、来年回復する見通しは立っていない、深刻さが増している、この間、建築確認さえ進めば数カ月後には事業も回復すると考えていたが甘かった、単体建築物の建築確認が済んでも事業が間に合わず、全体の事業計画そのものが取りやめになったり延長されたりなどの事態が続いています。

 こういう事態について、実情について、国交省として本当に認識されているだろうかということをお聞きします。

○冬柴国務大臣 もちろん認識をしているつもりでございますし、そのために、特に中小企業者に対する政府系金融機関の貸付限度額二億四千万というものを四億八千万に広げ、据置期間一年というものを二年にし、そして金利についても、特段に低利で、そしてまた、担保がなくても、若干金利は上がるにしても、融資の道を広げようということを早くから手を打っております。

 そしてまた、中小企業信用保証協会の保証枠というのは二億円が限度で、もう全部使っている人がたくさんいるんですが、今回の問題につきまして、別枠でもう二億を保証する、そういう措置も講じました。

 また、当初、建築関係十五業種という人たちに対してこの保証ということにしましたけれども、それでは漏れているところがあるという御指摘をいろいろなところから受けまして、これは財務省、もちろん経済産業省と十分協議をして、もう二十業種を追加指定していただきまして、三十五業種についてそのような保証をさせていただいているわけでございます。

 何とかこれを一過性のものにして、この期間を切り抜けていただきたい。このような融資制度によって切り抜けていただきたい。民間の需要が落ち込んでいるわけではありません。したがいまして、必ずこれは近い将来回復すると思うわけでございますから、何とか持ちこたえていただきたいというのが私の気持ちでございます。

○穀田委員 そこで、私は、二つあると思うんですね。

 今、内容が少しずれているのが一つ二つあったと思うんですけれども、十月二十四日にもそういう中小企業対策を要望したところであります。それはお互いに共通している認識なんです。問題は、そういうもとで、結果として、この一連の確認厳格化によって、一年過ぎてみれば中小業者、工務店が多くつぶれたという結果にならないように、私は、そこのところをしっかり見ておかないとあかんということを言っておきたいと思うんです。

 そこで、今後問題が起きる四号建築物に対する確認審査の特例問題について聞きます。それは、廃止時期を慎重にすべきだということなんですね。

 御承知のとおり、この建築確認審査担当者が構造面の審査をしなくてよい特例があります。この特例が改正法に基づいて二〇〇八年末に廃止される予定です。中小の建設業界などから、四号特例を拙速に廃止すれば、ようやく正常になってきている四号建築物の確認審査がまた停滞するおそれがある、この建築物の設計、施工の実務者は中小事業者が多いので、再度の停滞を招かないように行政に配慮を望むという要望が出されています。

 今回の建築確認停滞の混乱を考えれば、慎重に対応すべきだと私は考えていますが、その点の大臣の見解をお聞きします。

○冬柴国務大臣 慎重にやらせていただきます。

○穀田委員 これは慎重の上にも慎重を期してほしいと思っています。

 最後に一点だけ言いますと、例えば、全建総連などは、見直しに当たって過度な負担とならないよう配慮すること、これは皆さんのところに要望していることは御承知だと思うんです。

 あわせて、私は、結局のところ、地場における地域工務店などの業者排除につながることのないように、ある意味では、四号特例のそういう拙速な施行をやめて、そういうことの凍結だとか現場の意見を聞くということもしっかりしないと、慎重にと言っている意味は、いや、慎重にやっているんですよ、というのは、この間、法の実行のときに、慎重にやっています、慎重ですと言ってやって、この結果でしょう。そのことがまた重なる時期なわけですよね。それは重々御承知だと思うんです。

 ですから、私どもの言っている慎重というのは、よく意見を聞きながら、もう時期が来たからやりまっせというような話にしたらあかんでということを言っているんですが、そこは大丈夫でしょうか。そこだけ最後に言っていただければありがたい。

○冬柴国務大臣 お説のとおりでございます。

○穀田委員 終わります。