国会会議録

【第169通常国会】

衆議院・国土交通委員会
(2008年4月9日)

道路特定財源と一般財源化の問題について冬柴大臣に質問

○竹本委員長 次に、穀田恵二君。

○穀田委員 私は、道路特定財源と一般財源化の問題について、少し冬柴大臣に質問をします。

 四月一日から、暫定税率が期限切れで、ガソリン税などの暫定税率上乗せ分がなくなって、ガソリンの価格が値下げされました。同時に、ガソリン税である揮発油税を道路整備に充てなければならないとしてきた道路財源特例法も、三月三十一日で期限が切れました。その結果、四月一日からは揮発油税は道路特定財源ではなくて一般財源となっている、この点は、確認したいんですが、間違いありませんね。

○冬柴国務大臣 私どもは、法案を提案して、今、参議院で道路整備の財源特例法についても審議をお願いしているところでございますので、これがなくなったからもう、税収は今入っていませんけれども、しかしながら、道路特会、特別会計というものは厳然としてあるわけでございますので、今おっしゃったように、それが一般財源になりましたということではないと私は思っております。

○穀田委員 それはおかしいですね。財源のそういう根拠法がなくなっている、切れている現実のもとで、じゃあ何なのか、一般財源しかないじゃないですか。だから、法律家として聞いているわけです、大臣に対して。法律が三月三十一日で失効している、そのもとで新しい法律が通っていない段階で、じゃあ特定財源なんですか、お答えください。

○冬柴国務大臣 今入らなくなっておりますけれども、未来永劫入らないというわけではなしに……(穀田委員「今の段階を聞いているんです」と呼ぶ)今の段階では入っていません。切れています。したがいまして、年間にすれば暫定税率の部分だけでも二兆六千億失っていますし、財源特例法がない限り、地方の道路整備の臨交金も交付できない、そういう状況に陥っております。

○穀田委員 要するに、今の段階では一般財源になっているということなんですね。

 それは大体、税を管轄する人たちはちゃんと言っているんですよ。これは私どもの佐々木憲昭議員が二月二十二日に財務金融委員会で、道路整備特定財源の法律ができなかった場合はガソリン税や石油ガス税は一般財源になるなと。それに対して主税局長は、税法上の使途の制約はございません、そのとおりですと言っているんですから、そこはちゃんと、現実はどうなっているかということをはっきりしなくちゃならぬということを言っているわけですよ。

 そうすると、現在提出され、大臣がおっしゃった、参議院に回っている道路財源特措法というのは、四月一日を境にして性格が変わったということになる。なぜか。三月三十一日までは、提案趣旨にあるように十年間延長する法案だった。しかし、期限は切れてしまった。そうすると、四月一日から、財源を縛る法律の延長ではなくて、一般財源化されたものを改めて特定財源として縛る法律を復活するという性格だなということは確かですね。

○冬柴国務大臣 私はそう理解していないんですが。三条には、その税収は道路整備に充てなければならないと書いてありますし、超えた部分があれば、その部分については一般財源とするということが三条のただし書きに書いてあります。それが私どもが今提案している法案の内容でございますから、性格は変わっていない、私はそう思います。

○穀田委員 変わっているんですよ。だって、法案は成立していないんですから。今現在は法律がないんです。そのことを自覚せなあきまへんで。

 だって、今までの法律が三月三十一日で切れた段階で、延長するという法律は、それが生きていたら延長なんですよ。そうじゃなくて切れた。全く今は白紙の段階になって一般財源になっているんですよ。したがって、新しく法律をつくらなければ、それはできないんですよ。したがって、性格が変わったと言っているんですよ。わかりますか。そこの法律論をはっきりさせなくちゃだめですよ。

 そこは大事なことでして、例えば総務大臣は昨日の参議院総務委員会で、地方税法改正案が、暫定税率の期限切れで、維持、継続する法案から税率を引き上げる性格の法案になったことを認めているんですね。ほかはちゃんと認めているのに。しかも、切れている、新しい法律は通っていない、そういう段階での性格をはっきり認めなければ、では、あなた方は、提案しているということについて言うなら、その責任がないということに下手するとなりますということをあえて言っておきたいと思うんです。

 そこで、福田康夫首相は二十七日の記者会見で、道路財源制度はことしの税制抜本改正時に廃止し、二十一年度、私に言わせれば二〇〇九年度から一般財源化すると述べました。さらに、七日の参議院予算委員会で、道路特定財源を平成二十一年度から一般財源化する新方針については、いずれ閣議決定することになると改めて明言しています。

 首相は、与野党協議が不調に終わった場合の一般財源化の方針についても、変わらないと表明しました。この首相の方針について、国土交通大臣は同じ立場ですか。

○冬柴国務大臣 この「道路関連法案・税制の取り扱いについて」という一枚紙が総理の意思であるというふうに思います。

 したがいまして、この三項に書いてあるように、「道路特定財源制度は今年の税制抜本改正時に」、ということは、そのときは、ことしの年末、後半を指していると思いますよ。それまでは廃止していないですよ。廃止した場合に、「二十一年度から」、二十一年度というのは二十一年四月一日からということになるんだろうと思いますが、「一般財源化」と書いてあって、あとマルを打ってあるだけです。ですから、これをどうするかを与野党協議会を設置してやってください、こういうことを言っているわけでございます。私は、それが総理の真意である、そのように理解いたしております。

○穀田委員 どうもニュアンスが違うということがはっきりした。要するに、首相は方針だと言っている、与野党協議が不調でもその態度は変わらないと言っているということを、私は同じかと聞いているんですよ。廃止するとか廃止しないの話じゃなくて、そう言っていることについて同じ方針かと聞いているんですよ。どうもわかっていないみたいだから。いいですよ。

 そこで、文章にもあるように、先ほど私が述べたように、特定財源をいわば復活するそういう法案というのは、特措法は今後十年間という期限を設けています。そうしますと、総理が示した〇九年度、来年から一般財源化するということで、この復活法案を通すということは、総理の一般財源化という方針とは相入れない、全く矛盾するんじゃないかと思うんですが、いかがですか。

○冬柴国務大臣 今、通常会が開かれて、参議院で今この審議をお願いしているわけです、始まっていませんけれども。ですから、これは、総理が言っているのは、ことしの末にそういうふうにすれば来年から、こういうことでございますので、それまでは、協議が成立するかせぬかというようなことと、我々は成立しないようなことを前提に話はしていません、考えもしていません。ですから、総理が言っていることと私は矛盾していませんよ。

 時間的に考えてください、時間的に。今やっているわけです、参議院で。そして、変えるのは来年の四月一日のことを、年末の税制協議でやりましょう、それに向けて与野党で協議をしてください、こう言っているわけですから、時間的にはそれでいいんじゃないでしょうか、時系列的に並べれば。

○穀田委員 法律は、今後十年間という時間なんですよ。その最初の一年間の中で一般財源化するという考え方なんですよ、総理は。そうすると、先ほど来質疑の中でありましたように、そういうものを担保するということになりますと、十年間は実行するという法律を通しちゃえば、法律があるんだから、一年間だけという担保がなくなるということじゃないですか。そうでしょう。

 だって、今出されている法律は、十年間という法律ですやんか。総理は、どんなこんな言ったって一般財源化は九年度にするんだと。ということになれば、九年度以降はその法律は要らないということになるじゃないですか。それが時間というものですよ。だから、時間と経過というものをよく見なくちゃならぬと。

 だって、総理大臣が、〇九年度やるんだから、それ以後は法律は要らないということになるじゃないですか。その法律を通そうということに無理があると。私どもは……(発言する者あり)わからぬ人やな。十年間しか……。まあいいわ、そんなの、どうせわからぬのやから。

 要するに、私らは、特定財源を直ちに一般財源化すべきだという意見ですよ、私らは。でも、福田首相の新提案のように、今の道路特定財源を〇九年度以降に一般財源化する以上は、今出している法律は使途を道路だけに限るという法案なんですから、そうすると、その使途を道路だけに限るという法律は、〇九年度以降は一般財源化するわけだから、要らないということになるわけなんですよ。そこを私は言っている。それはわかりますよね。どうですか。

○冬柴国務大臣 〇九年まではどうするんですか。〇九年までのことを言っているんですよ。それは、現在の法律を提案しているわけですから、それは、道路特定財源としてそれを道路整備に使いますという約束をしている法律を今審議していただいているわけですから。そうでしょう。それが通った後、九年からどうするかは別問題じゃないでしょうか。

○穀田委員 だから総理の提案とあなたの話は違うと言っているんですよ。〇八年度どうするんですか。簡単じゃないですか。予算は通っているんですよ。一般財源にしているということは、予算で使えばいいというだけの話ですやんか。それを道路に使うかはそれは勝手だという、理論上はそういうことなんですよ。なかったって別にできるんですよ。総務大臣も財務担当の大臣も、それはできると言っているんですよ、それ自身は。財政担当の人たちが全部できると言っているんですから、それを、できないなんということはあり得ないということだけは言っておきましょう。ですから、とんでもない話だと思っています。

 問題は、結局、あなたの言うことは、要するに、そうなると、総理の提出している新提案とは、逆に言えば、実行しようとしている人たちは話が違うということだということが我々には見えてくるということになりますわな。皆さん、そうでしょう。

 だって、十年間続けるという法律を通して、いや、実際は一年間だと。では、法律を通さなくてもできる一年間だけやればいいじゃないかという理屈があるのにもかかわらず、それを通すということは、まさに衣の下によろいじゃないけれども、それは話としては違うんだということを言っているにすぎないと私は思うんです。

 したがって、一般財源である揮発油税を特定財源として復活させて、今お話ししたように、十年間も道路に縛る法律を通しておいて、一年後に縛りをなくしますよというふうに、法律は通す、総理大臣は口約束すると言われても、だれも信用できないということなんですね。

 どうするんだと。先ほどありましたように、それは一般財源として使ったらいいんだと。そして、手続としては、先ほど大臣がおっしゃったように、政府は修正できないんだというわけなんです。どうしたらいいか。道路財源のそういう復活法案は廃案にすべきだ。そうしたら、別にどうもならないんですよね。

 だから、通してくれ通してくれということ自体の中にそういう矛盾があるんだということをしっかりとどめなくちゃならぬじゃないですかね。どうですか。

○冬柴国務大臣 総理提案の第一項には、「地方財政や国民生活の混乱を回避するため、平成二十年度」、〇八年ですね、「歳入法案の年度内成立。」これが書いてありますよ。そして、しかる後に第三項とか第七項があるわけでございまして、総理は第一項をちゃんと入れてありますよ。私はそれを言っているんです。

○穀田委員 だからあかんと言っているんですよ。だから、法律は年度内に成立させて十年間をやるということは、それはおかしいじゃないかとみんな言ったわけですよ。

 そこで、では別な点から聞きましょう。既に予算は成立しているわけです。予算の執行というのは、それはできるわけです。歳入法案が欠陥が生じていると。それは、入ってくる金が何ぼか減るという話ですよ。それで地方自治体がどうのこうの、それはあるでしょう。そのことについて言えば、普通、家計だってそうですよ、収入が減ったら支出を直すのが当たり前なんですよ。支出はこうだから絶対にそれに合わせなくちゃならぬ、そんなことありますかいな。

 国家財政だってそうですよ。歳入が減った場合には、それに合わせて歳出を縮める、地方自治体に対しても、そういうことについて責任を、国家としてそういうものについてはどうしたかというのは、何回もやっているわけです、今まで歳入欠陥あったわけですから。それはやっているんですよ。そんなこと別に、お互いに知っている話なんです。

 そこで問題は、今言いましたように、道路財源は法律上既に、理論上は一般財源化しているわけだから、本当に必要な道路整備だけ〇八年度に予算措置でやればいいんじゃないですか。それは確かでしょう。

○冬柴国務大臣 予算措置するためには、するという政治決断が要りますし、そのためには財源をどこから持ってくるかという手当てがなければ、空手形は振れないじゃないですか。そして今の状況で国債発行してそういう欠陥を埋めるということは、総理はしないと言っているんですよね。そういう状況でもないと言っているわけですよ。したがって、できないわけです。

○穀田委員 そこはそこで議論をするとして、では、もう一つ聞きたいんですけれども、一般財源化と道路中期計画について聞きたいんです。

 一般財源化するということは、法案の第三条にある、道路整備の事業量を閣議決定する必要はなくなるはずなんですね。道路整備の事業量は、特定財源であるガソリン税などを納めた納税者、ユーザーに説明する目安として示したものだと答弁してきたわけです。そうすると、実際、道路整備だけに使うわけではないわけだから、一般財源化するということは、事業量を決める必要はないということになりますよね、理論上は。いいですか。

○冬柴国務大臣 それはそうですけれども、真に必要な道路は、まだつくらなきゃいけないものは日本国じゅうたくさんありますよ。穀田さんの地元の京都だってありますよ、私はよく知っていますよ。日本じゅうありますよ。

 ですから、それをどういう財源で、いつ、どういう方法でつくっていくかということが大問題なんですよね。私はそう思っています。

○穀田委員 今、最初に認められました、理論上はそうだと。私が言っているのは、事業量を言っているんです。どこをつくるかどこをつくらないかというのは議論したらいい。少なくとも、特定財源があって、何兆という金が入ってくる、それを使いますという事業量の関係はなくなると言っているんです。それは確かですね。

○冬柴国務大臣 今提案している法律の中には、閣議決定するという規定がありますから、これがある以上、こういう法律があれば、今まだないんですよ、まだ成立していない、成立すれば閣議決定する必要は出てくるでしょうね。しかしそれは、その後、与野党協議とか、あるいは年末の税制改正で違う決定、政治決断が国会において行われた場合にはどうするかというのは、また新たな問題として考えなきゃならないのではないでしょうか。

○穀田委員 必要な道路についていろいろ検討する、それは道路をつくるときにどうすればいいかと検討するのであって、一般財源化するということは、特定財源がこれだけ入ってくるというわけじゃないわけですから、理論上はそういうことはないんですよ。それは先ほどお認めになったとおりです。

 そこで、では、福田首相の新提案は、中期計画を五年にすると言っていますけれども、十年で五十九兆円という事業量はどうなるのか何も言っていないんですね。そこで、事業量はどうするのか、五年間にして示すのか、それとも示さないのか、そこだけお聞きします。

○冬柴国務大臣 もし一般財源化するということになれば、大変困難になりますね、幾ら使うかという。

 しかし、今までの社会資本整備という観点からは、直近の過去では、五年間で三十八兆を道路整備に使うということは決めていました。したがいまして、そういうものは決めなきゃならないだろうと思う、真に必要な道路をどれだけ今後つくっていくのか、例えば五年なら五年の間にどれだけつくるのか。三十八兆といったら、十年に伸ばせば七十六兆ですから、すごい金額ですね。しかしながら、今、直近の五年間ではそのような取り決めがされておりました。

○穀田委員 それも違うんです。道路計画という前の法律がありまして、それで、少なくとも、収入がこれだけあるからこれだけ使いますとあったんですよ。一般財源化するということは、事業量について言えば、示す必要はないんです。今ありました社会資本整備重点計画だって、道路を含めて、少なくとも成果目標による計画を示しているわけで、河川だって上下水道だって全部、それは必要なものはあるんですよ。それも、これだけの事業量でやりますというのはないですよ、ほかは。ありませんよ。それは、これだけのパーセンテージを目的にしようという計画はありますよ。だけれども、事業量を決めたのはないんですよ。

 だから、一般財源化するということは、道路も同じようにしなければ一般財源化している意味がないということだけは、それはまさに総理大臣の方針との関係でそのようになるんですよ。

 だから、もし、今冬柴大臣が言っておるように、三十八兆円を五年間使ってきたということは、それは過去の事実はそうかもしれないけれども、そういうことを今後やるという表明だというふうにはならないですわね。だとしたら、一般財源化という、少なくともことしは、大臣が言っているように生きているかもしらぬけれども、一般財源化する来年からはそういうことはなくなるわけやから、そういう方針については、また今度は相入れないということになりまっせ。それはいいですよね。

○冬柴国務大臣 まだ通っていないんですよ。これは、道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律というものを今提案しているわけですよ、私は。そして、今審議をお願いしているわけです。

 したがいまして、この中には、揮発油税は、「毎年度、次に掲げる額の合算額に相当する金額を道路整備費の財源に充てなければならない。」ということまでこの中に規定されているのは、今まだ私がこれを審議してくださいとお願いしている法律の内容なんです。衆議院ではこれは可決していただいているわけです。

 そういうものを全く無視して、そういう秩序というものは全く無視して、総理がおっしゃっていることですから現実味はありますよ、ですけれども、それは通した上でどういうふうにするかということをおっしゃっているわけであって、私は、この法律を通してくださいということを、私は今最良だと思ってやっているわけで、その中では、道路の事業量も閣議で決定するということになっているわけですから、それを前提に考えてください。

○穀田委員 それは残念ながら、総理の方針として、もしそうだとすると、総理の方針は、簡単に言えば口約束にすぎなかったということになるんですよ。なぜか。十年間ということで特定財源を決めて、そのことによって事業量を決めるということになっているんです、法案の仕掛けは。その法律は今ないんです、通っていないんです。そうすると一般財源になっているんです。それを復活する以外にないんです、その方法は。

 そのときに、一年間だけは堪忍させてくれというのが総理の提案なんですよ。新提案というのはそういう内容なんですよ。だって、来年度でやめちゃおうというんだから。そこをあなたは十年間通そうというから、それは矛盾になるよと。

 そうすると、一般財源というのは、結局、十年間、道路特定財源を続けることになる、十年間、事業量を決めることになる、五年間ですけれどもね。それはおかしいということを言っているんですよ。それはわかっていただけると思います。

 ほかに方法は、今言いましたようにあるんです。それは、廃案にして、一般財源になっているのを予算の執行をするという関係で、もちろん歳入の問題はありまっせ。そこで、実は総務大臣はきのうこう言っているんですね。総務大臣は、一般財源化すれば地方の裁量が広がる、減収により歳出構造の見直しのきっかけになる、こう言っているんですね。だから、現実はそういうところにしっかり目をやることが必要だし、可能だということを言っておきたいと思います。

 最後に、国土交通省設置法案について質問をします。

 今回の国交省組織再編は、一つは観光庁の新設、二、航空・鉄道事故調査委員会と海難審判庁の改組、三、船員労働委員会の廃止の三つの内容があります。私は、それぞれの組織の必要性、あり方について十分検討した上で個々に法案を出すべきと違うのかということを思うんですが、大臣、いかがですか。

○冬柴国務大臣 今挙げられたいずれの組織の改廃も、本年十月一日、実施を予定しております。

 さらに、行政改革の趣旨を踏まえまして、政府予算上も、海難審判庁及び船員労働委員会等を廃止して観光庁及び運輸安全委員会を設置するスクラップ・アンド・ビルド、この関係として整理されていることから、同時に成立する必要があります。

○穀田委員 今、わかりやすく言うと二つおっしゃっているんですよね。

 同時に成立させる必要があると。私が言っているのは、法案は、本来組織の内容も違うのだから、別々に出して審議すべきと違うかという話をしているんですよね。

 もう一つ言っているのは、スクラップ・アンド・ビルドだと。観光庁を設置するために組織削減をセットで提案していて、どういう組織であるべきかの議論よりも、今言ったように、仄聞するのは、全体の人員削減の縛りがかかっているのだということなんかも初めとして、しかも、はしなくも言われたように、スクラップ・アンド・ビルドという考えが根底にあるということが出されたと私は思うんですよね。

 それは、あなた方国土交通省が、この時期までに一緒にやらなきゃならないという出口を決めている。それは、全体としての人員を動かすときとかはそうでしょう。だけれども、問題なのは、大臣は、国民の要望や、組織をどうするか、今観光庁はどういう任務があるのか、それから航空・鉄道事故調査委員会というのはどうあるべきか、その変更をどうするべきか。それは、たまたま人数をこっちから異動する、こうするということはあるかもしれない。しかし、今大事なことは、それぞれについて法案を出して個別に審議をしてやる必要があるのじゃないのかということを言っているんです。それはいかがですか。

○冬柴国務大臣 それは一つの考え方だと思いますよ。

 しかし、国土交通行政をより適切、効果的に行おうということから、いろいろ考えた末、私の方でこのように三条委員会というものを二つつくる、これはなかなか認めていただけません。したがって、既存のものをこのようにしてということで、スクラップ・アンド・ビルドというのを、そういうふうにみんなが呼んでおりますけれども、そういうことで、今回同時期に、しかもそういう精神でやるということを明らかにするために一本の法律で、しかし、その中にはきちっとそれぞれの目的とかそういうものが書かれてありますので、これで御了解をいただきたいというふうに思います。

○穀田委員 もう終わりますから。

 国民の側からしますと、やはりこういう問題というのは一つ一つ個別に出すべき話だ。スクラップ・アンド・ビルドというのはそちらの都合であって、国民の側からすれば、海難審判庁どうするのか、組織のあり方どうするのかというしっかりした議論をすることこそ求められているのだということだけ述べて、質問を終わります。