国会会議録

【第170臨時国会】

衆議院・国土交通委員会
(2008年11月12日)

滋賀、京都、大阪と三重県知事も含めた四知事が、淀川水系の河川整備計画案から大戸川ダムを外すことを求める四府県知事合意をまとめて、正式表明しました。これは、河川法に位置づけられた整備計画案に対する地元意見としては、初めて計画案に反対する表明

○*望月委員長* 次に、穀田恵二君。

○*穀田委員* 私は、ダム問題についてまず最初に質問します。

 昨日、滋賀、京都、大阪と三重県知事も含めた四知事が、淀川水系の河川整備計画案から大戸川ダムを外すことを求める四府県知事合意をまとめて、正式表明しました。これは、河川法に位置づけられた整備計画案に対する地元意見としては、初めて計画案に反対する表明だと私は思うんですね。

 まず、この知事の四府県知事合意を受けて国交大臣としてどのように対処するか、改めてお聞きをしたいと思います。

    〔委員長退席、福井委員長代理着席〕

○*金子国務大臣* 四府県知事の共通認識をきのう確認されたもの、共同記者会見をやられたものと承知しておりまして、私としては、今回の合意事項、内容をしっかり伺ってまいりたいと思っております。

 なお、知事の正式な御意見というのは近畿地方整備局に提出されます。そういう各県からの、知事からの正式な御意見を伺って対応してまいりたいと思っております。

○*穀田委員* 先ほどから正式の意見ということだとか手続という問題をしきりに大臣は強調しますが、問題の結論は、四府県知事合意は、大戸川ダムを整備計画から外すということを合意しているんですよね。その内容はもう別に異動はないんですよ。その中身についてはもう決着がついているんです、彼らの中では。

 問題は、だから、手続はどうかというのではなくて、肝心の大戸川ダムをそういう整備計画案から外すということについてどうお考えなのかと聞いているんですね。

○*金子国務大臣* 共同記者会見で拝見しているだけなものですから、整備計画、今回は外すのか、白紙なのか、意見がちょっと二つ聞こえてくるんです。とりあえず天ケ瀬があれば大戸川はいいのではないかと。どうも少し御意見が違う
やにも聞こえてくるんです。

 ですから、そういう意味で、皆さんどういうお考えになっているかというのをきちんと聞きたい。白紙なのか、それとも、とりあえず時間差で外してほしいということなのか、それも伺いたいと思って、そういう意味で先ほどから直接のお話をお伺いしたいと申し上げておるわけであります。

○*穀田委員* それは四府県知事合意を見ればはっきりしていると思うんですよね。大戸川ダムは、中・上流の改修の進捗とその影響を検証しながら、その実施についてさらに検討とされている、これは淀川水系の考え方なんですが、とされており、施策の優先順位を考慮すると、河川整備計画に位置づける必要はないと断言しているんですよ。整備計画に位置づける必要はないということは、これは必要ないということなんです。そういう解釈が当たり前なんです。

 そこをはっきりせえへんから……。聞こうって、それは、その内容、どないして今後進めるかという話はありますよ。だから、先ほど大臣は、同僚の議員の質問に対して修正はあり得ると言ったわけでしょう。だから、そこを踏み違えると私はだめだと思うんです。これは河川行政の根本的見直しのよい機会です。だから、計画案から除外すると直ちに決断するべきだと思うんですね。

 だから、修正はあり得るというような話じゃなくて、求めているのは外せと言っているわけだから、大戸川ダム建設を河川整備計画案からきっぱり除外するつもりはあるのか、そのことも視野に入れているのかと、では改めて聞きましょう。

○*金子国務大臣* 同時に、先ほど来お答えしておりますのは、これを整備計画から外した場合に、この後どういう対策をそれぞれの流域でとっていくのかというのもあわせて検討されませんと、ただこれはないと言うだけでは、やはり治水ということを守るという意味での責任を果たすことができないという意味で、これは大阪府知事も、大阪、京都は住民の犠牲も踏まえ、滋賀県と助け合って事業における責任を果たしていく用意がある、こういう極めて力強いといいますか、はっきりした意思もいただいていますけれども、では、これは具体的にどういうふうにするのかということについてもあわせてやはり我々は相談をしていく必要がある。だから、白紙だけ、修正だけという、白紙とか修正とかいう言葉が躍るのはちょっと危険でありますけれども、それだけではないということだと思います。

○*穀田委員* 大臣、その文書をつまみ食いしたらあきませんで。それは、大戸川ダム予定地の生活再建にかかわる事業や地域として云々かんぬんということで、その場合、犠牲も踏まえてやっているという話で、大戸川ダム建設を整備計画に入れない話と、その後どうするか、治水の考え方をどうするかという話とは違うんですよ。それは読み違えたらあきません。そういうことを最初から読み違えているようじゃ、ほんま、今後どないなるのかなと心配で心配でかなわぬという気がしますよ、私は。そこがだめなんですよ。

 私どもは一貫して、国政でも地方でも、淀川水系のダム建設については反対をしてきました。これは河川法の改正の時期からずっと問題になっているわけですよ。今大臣は、先ほど来、河川法第十六条の二の五項、関係都道府県知事または関係市町村の意見を聞かねばならないということが一つあるわけですけれども、三項には、河川に関し学識経験を有する者の意見を聞かねばならないとあるわけですね。これが淀川流域委員会なんですね。そこも、これはもうあかんという話を出しているわけですね、大戸川ダムについて言えば。支える二つの、ある意味では橋脚のところがだめだと言っているのに、相変わらずそんなことを言っているようではだめだ。

 では、今大臣は、大戸川ダム予定地の生活再建にかかわる問題について言ってはるから、あえてそこからもう一遍聞きましょうか。

 大臣は、これら知事が共同意見を調整する過程で、近畿地方整備局が、ダム建設を計画案から外した場合、建設に伴うつけかえ道路など整備費用を負担できないなどと説明したと報道されています。知事側は国交省の圧力だと反発しています。ダム建設をしないなら地元の周辺整備に金は出さない、こういうのは圧力というより脅迫に近いと私は考えます。こういう事実はあったのか、まず確認したい。

○*甲村政府参考人* お答え申し上げます。

 関係府県等への説明の事実関係でございますが、仮に大戸川ダムが中止になれば、これまでダムの補償工事として実施してきた、ダム建設に伴い水没する道路のつけかえ工事をダム事業予算で継続して実施することは困難になるということを関係府県に説明しております。このことは、大戸川ダムに限らず、ダム事業が中止となる場合の一般的な考え方でございます。

○*穀田委員* そういうのを脅迫まがいというんですよ。それは予算の分類の中でそういうことを言っている、それはいつもそう言っている、だから、いつも脅迫していると言っているんですよ。

 よく考えてみると、国土交通省というのはこれだけじゃないんですね。まず、私は前回、六月、前の前の前の大臣にやりましたけれども、淀川流域委員会が中間まとめを出したら、もうそれで意見を聞いたと。みずから設置した委員会が最終見解を出すと報告しているのに見切り発車する。大阪では今、意見調整中に、建設しないなら金を出さないと言う。今度は、四府県が共同会見の前日に国土交通省として記者会見すると報じて、ホームページに掲載と変更になったけれども、京都の有識者がまとめた見解に喜撰山ダムでわざわざ反論をする。

 ここには、ともかくダム建設に異論を唱える者にはかみつく、住民や地方自治体の意見をまず真摯に受けとめるという姿勢が全く感じられない。結局、現場では、ダム建設に固執する姿勢が如実に……。あれ、どこに行ったの。

○*福井委員長代理* 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

○*福井委員長代理* では、速記を起こしてください。

 穀田恵二君。

○*穀田委員* だから、現場ではそういうことをやっているというのは明らかに、先ほど大臣はこう言いましたよね、皆さんが生活再建にかかわる問題についての新しいルールづくりについて提案したということに対しては、それは考えてもいいと言いましたよね、そういうこと。ということは、こういうことは現場でやった、やらない、そういういわば文句をつけて、ちょっとやったら何か物を言うということをやらないということなんやね。

○*金子国務大臣* 先ほど、おまえは読み違えをしているというお言葉がありましたけれども、読み違えはしていません。ここでは大戸川だけに限定されていますけれども、この姿勢というのはやはり非常に大事だということを申し上げたつもりなんです。

 そして、おどしたか、おどさないかということについては、今河川局長から答弁をさせていただいたと思っておりますが、仮にダム中止ということになれば、ダム関連予算ということでの事業の執行というのは当然できなくなってまいりますが、そうはいっても、関係知事と協議して今後の対応というのは検討していきますよ。当然だと思っています。

○*穀田委員* だから、最初からそう言えばいいんですよ。そうじゃなくて、知事に対してそれは削りますよと言ったら、だれかてそう思いますやんか。だから、みんな反発しているんですよ。(金子国務大臣「そんなこと言っていないですよ」と呼ぶ)いや、知事がそう言っているんですよ。あなたが言っているんじゃないんですよ。知事が反発しているんですよ。それは事実でしょう。だって、わざわざ会見までしてけしからぬと言っているわけだから、圧力だと……(金子国務大臣「私はそんなこと言っていないよ」と呼ぶ)いや、わかっていないな、あなた。知事がそういうふうに言っていると言っているわけ。圧力だと感じたと言っているわけ。だから、そういうことについてはあかんの違うかと言っているわけですよ。

 あなた自身は、考えていく必要があるかな、議論した方がいい、ルールづくりの問題だみたいなことを言うわけでしょう。だとしたら、そういうことが、ルールづくりだとかその他について今後のあり方を考える際にそういうのをやめるんだなと言っているわけですよ、私は。いいんですね、それは。いいと。

○*金子国務大臣* そういうやり方とおっしゃいますけれども、おどしというようなことをやったということは否定しているわけですから、現場では。ですから、単にそれをダム事業ではやれなくなったよということをおどしと受けとめたかどうかという話じゃないですか。だから、これは、その話はもうどうでもいいから、それはどうでもいいというよりも、その話よりも、私が今申し上げた、関係知事と協議して今後の対応は検討するということを受けとめてくださいよ。

○*穀田委員* それは受けとめると言っているんですよ。だから、だとしたら、相手がそういうことについて、この間一連の、一人の知事だけじゃないんですよ、大阪の知事も言っているし、そして京都の知事もそういう発言を、やったことに対して何か言うとこう言ってくるというやり方がいかにもおかしいのじゃないかということを相手方が言っているということを私は言っているんですよ。

 だから、そっちの方からすれば法律どおり言った程度だというけれども、相手は、そういうことを議論している際にそう言われるということは圧力であり脅迫じゃないかと言っている。そこをしっかり認識して、本当に地方自治を推進し、ダム問題について真摯に話し合おうと思えば、そういう態度が必要と違うのかと言っているわけですよ。わかっていただければいい。

 そこで、やはりもう一歩踏み込んで、先ほど、考えていく必要がある、議論した方がよいというのであると、私はもう一歩進めて、これを共産党としては提案しているんですけれども、ダム建設の中止後の住民の生活再建、地域振興を促進するための法整備を進めるべきじゃないのかと思っているんです。その点について見解をお聞きしたい。

 というのは、川辺川ダムの五木村の再生、振興でも、蒲島熊本県知事は、県議会における発言で、五木村の皆さんは、下流の安全のために、住みなれた家や代々受け継いできた農地、御先祖の墓所などを手放すという苦渋の選択をされました、だから私は、だれよりも強く五木村の苦難の歴史にこたえなければならない、夢のある五木村振興計画策定に取り組む決意ですということをわざわざ言っておられるわけですね。そして最後に、国に対しても、県とともに対策を講じるよう強く求めていく考えですということで、ダム計画が中止になってもやはり地元住民の生活再建や地域振興に国が責任を負うということについて明確にメッセージを送り、なおかつ、そういう点での法整備へ一歩踏み込んだ形でやる時期が来ているのじゃないかと思うんですが、それはいかがですか。

○*金子国務大臣* 先ほど三日月委員からの御質問に対して、やはりこういう大きな公共事業、特にダムについてのこういう御意見が出てきている現状で、こういうダム、あるいは公共事業も含まれるのかもしれません、あり方について見直すということは、私、事務方とは全く相談をしておりませんけれども、必要な時期あるいは必要な事項になってきているんだろうという認識を持っています。

 ただ、どういうふうにこれを進めていくのかということについては、全くまだそこから先は具体化しているわけではありません。そして、御党が提案されているという内容の一端だけを今お伺いいたしましたが、これについては、ちょっとまだ思いが及んでおりませんでしたので、御意見として承らせていただくにとどめさせていただきたいと思います。

○*穀田委員* 私は、十月二十二日に、金子一義大臣あてに日本共産党としての考え方をお届けしてあるんです。「「ダム建設ありき」を改め、住民参加を徹底し、「流域住民が主人公」の河川行政への転換を求める」ということを出して、私どもとしては考え方を出しました。その際に、ダム建設が中止されても、住民の生活再建と地域振興に責任を持って取り組むべきであるということを提案しています。私どもは、もっと突っ込んでいまして、公共事業の中止に伴う住民の生活再建・地域振興を促進する法律などを、仮称ですけれども、やはりそういうものを制定すべきだということも言っていることは御承知おきいただければと思っています。

 そこで、次に、川辺川ダムの問題について若干お聞きします。

 蒲島熊本県知事が九月に川辺川ダム建設の白紙撤回を判断し表明した後、十月二十八日に大臣は知事と会談をしています。その中で、大臣は、ダムによらない治水を極限まで追求する場を設けたいと県知事に提案し、県も一緒にやってほしいと提案したと報道されていますが、これは事実ですか。

○*金子国務大臣* 事実であります。

○*穀田委員* そうしますと、国土交通大臣が川辺川ダムでダムによらない治水を極限まで追求するという態度も表明したということを確認して、私はこれはこれとして極めて重要な発言だと思っています。

 問題は、それでは次なんですけれども、金子大臣が提案した、ダムによらない治水対策を極限まで追求するということについては、国としてどういうふうに考えているのか、イメージ、考え方。あわせて、ダムによらない治水を極限まで追求するということは、もうはっきり言えば、ダムはつくらないということを決断するということもあるということで普通は判断しますよね。そういうことでよろしいか。

○*金子国務大臣* 蒲島知事とお目にかかって、意思確認をし、いろいろ御意見を承っております中で確認されましたことが、建設省は川辺川ダムありきではないか、つまり、ダムをつくるということであって、それ以外の対策について、本気になって地元住民にデータ、あるいはコストをかけて提示をしてくれていないのではないかという知事の認識なんです。国交省としては、河川局としては代替案をいろいろ御提示を既にしているという、これはこれで事務方は意識はあるんですけれども、しかし、地元の知事さんは必ずしも、むしろダムありきだというところに、住民の皆さんもそういうお考えになっちゃっているという意識が非常に強い。

 そうであるならば、改めて、白紙とかありきとかではなくて、ダムによらないという代替案というものが、今度は本当に住民の皆さんも参加していただいて、あの流域委員会が東京の学者の先生ばかりじゃなくて、東京の学者の先生方ばかりが入って検討委員会をつくったわけですよ、あそこの場では。今度は、地域の方にも入っていただいて、そしてそういう代替案というものについて検討していただく、そういう場としておつくりになったらどうですかと。したがって、国としては、そういうデータ、人、材料、つまり代替案ですね、これを御提示させていただきますよということを申し上げて、最近そういう場ができたというふうに伺っています。

○*穀田委員* だから、知事はそういうふうに簡単には言っていないんですね。住民が提示した案に対して、ダムによらない治水の努力を極限まで行っていないと思います、知事はそう言っているわけですね。

 問題は、今、代替案を国が提示するという意味ですね、先ほど最後に言われたのは。

○*金子副大臣* それは、先ほど大臣からお話ししましたように、県と国が一緒になって、ダムによらない治水案というのを掘り下げて、どこまで治水安全度が向上するかということを検討する場でございます。

○*穀田委員* 検討する場はわかっているんです。今、先ほど大臣が言った、だからあなたに聞いているわけじゃない。あなたに聞くんだったら最初からそういうふうに言ってもらって詰めてもよかったんだけれども、それはいろいろあるからやめたわけだけれども。

 金子大臣は代替案を示すと言うから、国が示すんですねとただ聞いただけなんです。ただ聞いただけなんです。それで、どうなんですか、大臣。

○*金子国務大臣* さっき私は、検討の場が立ち上がったということをちょっと申し上げたんですが、実は、こういう検討する場のメンバー、スケジュールについて、九州整備局と熊本県土木部長とが議論が始まったと……(穀田委員「していると」と呼ぶ)ごめんなさい、そういう今まだ段階だそうであります。

 しかし、代替案について、そういう場ができてくれば、堤防をかさ上げする、あるいは堤防を広くするといったような、提示されている代替案というのがもう既にあるわけですから、それを検証していくということから始まっていくので、国が提供するとかしないとかいう議論では必ずしもない、もう既にそこに案があるんですから。それを検討していっていただければいいんだと思っています。

○*穀田委員* どうもその辺は定かでないんですけれどもね。そういう代替案というのは、ダムによらない代替案ということの考え方で言っているわけで、そこをはっきりしないとだめだと言っているわけですね、私は。しかも、そのことについて、県民やそれから少なくとも県の側はそういう議論をしてきた、そういうことに対して明確な答えがない。だからそれを言っているわけですね。私は、そちらの責任だよということを言っておるわけであります。

 私はやはりその点でもいつも思うんですけれども、先ほどもこの四府県知事の合意、それから蒲島知事の発言、これは発言というよりも判断なんですね。当時の谷垣大臣は、この判断を重く受けとめる、こう言ったわけですよね。だから、発言なんじゃないんですよ。結論の判断なんですね。そういうことが私は大事だと思うんですね。

 したがって、ダムによらないということを極限にやるということは、先ほどから何回も聞いているんだけれども、大臣はそこをはっきり言わないんだけれども、極限までいったらどうなるかといったら、ダム建設を中止はあり得るということなんですよね、普通はね。というふうに、そこを明言しないんだけれども、そこはどうなんですか。

○*金子国務大臣* せっかくダムによらない代替案、さっきの代替案というのは、ダムによらないでどこまで治水ができるかということを今まで並行してやってきたわけですから、これの代替案というのはダムによらないと。そこでどこまでたえ得るものができるのかという検討を改めてやり直そうということでありますから、まさにこれをいよいよ進めていただきたいと思っております。

○*穀田委員* 進めていただきたいのはもうわかっているんですよ。だから、それをつづめて言えば、最後は中止ということもあり得るなと言っているんですよ。普通、論理で言ったらそうだろうと。

 ただ、それを明言しないところに、私は何か不自然なものを感じる。みんなそう思っていますよ。だって、究極まで、極限までいってやったらどうなるか。ダムによらないと言ったら、極限までいけばどうなるかと。それはつくらないということですよ、普通は。それを明言しないところに、私は本当に変な感じがするということを何回も言っているわけですよ。だから、ちゃんと明言しなさいと言っているわけですやんか。わかりますやろ。

 そこで、最後一つだけ、ちょっと住宅問題について一言だけ聞きたいんですね。

 このごろ、民間賃貸住宅でゼロゼロ物件というのがあるのを御存じですか。

○*金子国務大臣* 存じ上げています。

○*穀田委員* これでトラブルが起きているのも御承知だと思うんです。これをきちんと解決するということが私は望まれていると思うんですけれども、国土交通省では、本来、賃貸のこういう問題を扱っている、不動産なんかを含めて所管しているところだけれども、きちんと、今この問題のトラブルの発生を防ぎ、そして対処するために、対応策は考えていますか。

○*和泉政府参考人* 委員御承知のとおり、住宅を貸すとか、あるいは住宅を借り上げて転貸する、こういったものについては、いわゆる業法的なものはないという実態がございまして、実態調査するについても任意で聞くことになりますので、いろいろ工夫はしなくちゃならないと思いますが、こういった社会問題化している事態を踏まえまして、何らかの方法で実態をしっかりと調査してまいりたい、こう考えております。

○*穀田委員* もう終わりますが、これは時間がなくて本当の実態はきょう言いませんでしたけれども、本当に深刻な事態が起きていて、いわばこれを一つの仕掛けにしたり商売にしているという問題が出てきている、貧困ビジネスと言われる事態があるわけですよね。これをやめさせるということが私は大事だと。

 ただ、あわせて、そのときに、今これは若者が対象になっているわけですね。困窮する若年単身者を助ける住宅セーフティーネット制度などがないというところが、私は根本にあるんだと思うんですね。その辺だけきょうは問題提起しておいて、時間ですので、終わります。