国会会議録

【第171通常国会】

衆議院・国土交通委員会
(2009年3月25日)


○望月委員長 次に、穀田恵二君。

○穀田委員 昨日、小沢一郎氏の大久保秘書が起訴されました。私は、今回の問題の重大性なんですが、単なる政治資金報告書の記載ミスといういわゆる形式犯ではなくて、西松建設から長年にわたって多額の献金を受けた事実を国民の目から覆い隠そうとした疑いであって、極めて重大だと思うんです。これは検察の指摘ですが。したがって、この問題について、昨日の小沢氏の記者会見ではこの点に対する反論はなく、また、説明も国民の納得を得られるものではないと思います。

 さて、西松建設のダミーと呼ばれる新政治問題研究会、未来産業研究会から資金提供を受けていたのは、小沢氏だけではありません。多数の政治家、団体に渡っています。

 そこで、加納時男副大臣にお聞きします。

 二〇〇四年の加納時男後援会の収支報告書によれば、未来産業研究会と新政治研究会からパーティー券をおのおの百万円購入してもらっている。副大臣は、どういうきっかけでこの二団体に購入を依頼しましたか。

○加納副大臣 おっしゃるとおり、平成十六年四月六日でございますが、開かれました私を励ます政治資金パーティーに際しまして、今おっしゃった二つの団体から会員券代金をいただいております。

 これはどういうきっかけかという御質問でありますけれども、私は経済界から政治の世界に入りましたので、多くの企業の方々、それから経済界で働いていた方々、たくさんの仲間がおりますので、そういう方々に御案内をしたというところで、この二つの団体もそのときに払い込んで、振り込みですけれども、振り込まれたというのがきっかけであります。

○穀田委員 そうすると、その団体も、要するに依頼をした団体の中にあったということだというわけですな。すると、経済界の団体だと知っていたということですな。

○加納副大臣 この二つの団体に振り込みを依頼した記憶はありませんし、関係者にも尋ねましたけれども、この二つの団体に対して何かアクションを起こしたということはございません。

○穀田委員 それはまたおかしな話で、そうすると、依頼もしていないのに金が来たということですか。あなたの今の話でいうと、依頼したことはない、振り込み要請をしたことはない、勝手に来たということでよろしいね。

○加納副大臣 そのとおりであります。

 多くの方々に私は依頼をして、私というか、この後援会では依頼をしております。そして、その方々が、その人の、自分のところで振り込む場合もありますし、あるいはお金をお持ちになる場合もあるし、その方からの紹介で応援してくださる方がまた出てくるということもあります。

○穀田委員 そうすると、副大臣はしていないが、だれかがやったんだろうということを今しゃべったということですな。

○加納副大臣 そのとおりであります。

○穀田委員 そうすると、多分今、副大臣は私と同じものを持っているんだと思うんです。みずからの、二〇〇四年分の加納時男後援会の収支報告を持っていると思います。そうすると、今、どこからお金をもらったのかということを確かめましたか。

○加納副大臣 この年は選挙の年でありました。私も全国を走り回っておりましたので、私が一件一件確認することは必ずしもしていないのでありますけれども、当然、私のスタッフが、現金の収入、それから、これは振り込みでございましたけれども、振り込まれたということの確認はしております。

○穀田委員 そんなに多くの団体からもらっているわけじゃないんですよ。副大臣がおっしゃっている、励ます会じゃなくて、正確には参議院議員かのう時男を激励する会ですけれども、その中に団体からのパーティー券の購入というのは三つしかないんですよ。三団体しかないんですよ、たった。何か大げさな話をしてはるけれども、二つは今言ったところと、あとは製薬産業政治連盟なんですよ。

 ということは、大口のパーティー券を買ってもらった人に対して、これはたくさん買っていただいたなということで、どういう団体かということは当然スタッフからお聞きになっているということですね。

○加納副大臣 今委員がおっしゃいました、たくさんの団体からもらっているんじゃない、わずか三つだと言われたのは、これは二十万円を超えますと公表するということになっておりまして、公表しているのがこの三団体であることは、おっしゃるとおりで間違いありません。

 しかし、そのほかにたくさんの団体からいただいておりますので、そのたくさんの団体、それからまた個人もいただいております。個人からもパーティー券を買っていただいておりますので、そういう中で、しかも選挙戦をやって走り回っている中で、そこまで確認はしなかったというのが事実でございます。

○穀田委員 それは納得できないですよ、そんなもの。私が言っているのは、二十万円以下の人は記載しないと決まっているんですよ、そうすると、大口の人は三つしかいない、そのうちの大口がだれかということも聞かないなんということはあり得ないということを言っているんですよ。普通そうですやんか。だって、相手もせいないですやんか、買ってもろうたのに確かめもしない。そんなことでよう選挙ができますな。私はそれはかまへんけれども。それはそういう人なんだろうけれども、いいけれども。

 では、聞きますけれども、この二団体となっているのは、実際は西松建設が購入したものでないのかということについては確かめましたか。

○加納副大臣 二団体の住所は確認をしました。二団体と西松が違う住所であることも、調べましてわかりました。日付は、二つの団体は、一つが四月の二日、一つが四月の六日だったと記憶しています。

 西松は四月二日に、たしか西松さんは振り込んだと記憶しております。

○穀田委員 今、西松さんは四月二日に振り込んだと言ったんですよ。ということは、西松建設だということを知っていたということですね。

○加納副大臣 違います。西松が同じ会社ではないかという御質問であったと思いますけれども、同じころにあった話で、西松建設は全く振り込んでいないのかというと、西松建設は、だから、今回もいろいろなことを新聞で言われたときに、最初見まして、西松建設が振り込んでいるのかなと思ったら、これは調べましたら、帳簿にちゃんとありました。四月二日に西松建設は、これは二十万円だったと思いましたけれども、振り込んでいます。

 この二つの会社というのは違う住所で振り込まれていますので、私は違うなと思っていたんですけれども、新聞記事等、それからその後にさまざまなことがあって、いわば同じようなところというか、同じものが違う名前でやっていたということがどうもはっきりしてきたというので、私は、これはお返しするというか、受け取れないということにしたということであります。

○穀田委員 今わかって受け取れない。受け取ったんでしょう。受け取ったからこれは記載しているんでしょう。受け取れないということはどういうこと。受け取ったのを受け取れないというのはどういうこと。

○加納副大臣 受け取ったのは事実であります。それは平成十六年のことでありました。そして、返すと言ったのはことし、平成二十一年の今月、この三月であります。

○穀田委員 そういうのは、受け取れないと言うのではなくて返すと言うんです。どこに返したんですか。

○加納副大臣 返そうということで、私は三月五日に返すという方針を記者会見というか、記者の方が聞きたいというのではっきり申し上げました。

 そして、返すべくアクションを起こしました。しかし、相手方の会社が既に消滅しているということでございました。そこで、現在は、弁護士等とも相談しまして、返却口口座をつくりました。平成十六年四月六日加納時男を励ます会、講演会ですかね、激励会か、それの会費の返却口という口座を設定しまして、そこに現在、お金はあります。

○穀田委員 はしなくも、政治団体ではなく会社にと言っていましたから、やはり会社だということを自覚しているんですね。どうもあなたの答弁はそうなるんですね。

 そこで、西松建設が〇七年四月から〇八年三月までで実施した工事施工金額の公共事業分は九百三十七億円になるんですね。これほど多額の公共事業を受注している。

 副大臣、就任する際に、国交省が監督権限を持つゼネコン各社からの献金があるかどうか、尋ねなかったのですか。

○加納副大臣 私は、この公共事業に関する仕事は一切やってまいりませんでした。そこで、特に今御質問がありましたけれども、どこの会社がどういう関係になっているとか、いろいろな企業からパーティーの参加をしていただいていたのは事実でありますけれども、特に私は東京電力の出身でありますけれども、この公共事業というものについては、私はノータッチであります。

○穀田委員 あなたが公共事業に今までノータッチかどうか知りませんよ。これは、西松建設というのは公共事業を受注している会社だ。あなたはそれを監督する官庁の副大臣になられた。そういうときに、身の回りをただしたかということを聞いているんですやんか。

○加納副大臣 何をただしたのかということでありますけれども、私は自分に、良心に誓ってやましいところはないということであります。

○穀田委員 良心について聞いているんじゃないんですよ。客観的な事実を聞いているんですよ。

 あなたは、こういう西松建設を初めとする公共事業を所管して、監督指導する国土交通省の副大臣になった。そういうときに、そういう問題がなかったか、公共事業受注関係者からなかったか、ただしたかと聞いているんですよ。だから、そういうことなんですよ。

○加納副大臣 私は一銭も献金を受けたことはございません。そこで、そういうこともただしませんでした。

○穀田委員 ただし、相手方は、西松建設は、そういう意味でいうと、政治献金というのをやっているということを公言していますからね。それは理屈は成り立たないということだけ言っておきましょう。

 そこで、では最後に、副大臣、政治資金規正法の目的というのは何と理解しておりますか。

○加納副大臣 政治資金の御質問がありますけれども、その前に、ぜひ一つだけ申し上げておきたいのは、私は政治献金はいただいていないということでございます。政治献金とパーティーの会費は違うということで、パーティーの会費をいただいたのは事実であります。これは西松からはいただきました。それからまた、今話題になっている二つの会社、ダミーと言われている会社からは、かつて私はいただいて、今返すというところにあることも事実であります。

 その上でお答えしますけれども、政治資金規正法の目的は、政治資金の透明化にあると思っています。国民に対する説明責任がしっかりと果たせるように、政治資金の透明化を図っていくということ、そして、いやしくも誤解を受けるような行為をしないような仕組みをつくっておく。細かい話になりますけれども、そのためにいろいろな金額の規制だとか対象の規制とかをつくっているというふうに理解をしております。

○穀田委員 相手はそうは言っていないんですよ。相手は、あなたにやったかどうかというのは別ですよ、そのパーティー券を買っているのは、少なくとも企業献金を政党支部以外は、それから政治資金を政党や政党支部以外は受け取ってはならぬということになっているからそれはまずいというので、それを迂回してやっているということを彼らは言っているんですよ。

 私は、そういうことについての事実を確かめる必要がある、そういう点でのあなたのやり方はおかしいんと違うかということを言っただけなんですね。ですから、私は、そういう事実関係を少なくともあなたが知っていたのと違うかということだけ言っておきたいと思います。

 それはなぜかといいますと、新聞にも書いているんですね。先ほど副大臣は、自分の振り込み先に書いているんだと言っているんですけれども、例えば、私、一つだけ最後に聞いておきますけれども、政治家はパーティー券に番号をつけて管理しているケースが多い、後でどこから代金が振り込まれてもわかるようになっていると言っていますけれども、あなたもそうしていましたか。

○加納副大臣 ちょっと今正確には覚えておりませんけれども、普通は、振り込み票に番号をつけるということは多いように思います。ただし、振り込み票といっても、渡した振り込み票でそのまま払う場合、現金をお持ちになる場合とかいろいろなケースがあります。それから、振り込み票なしで、その渡した振り込み票じゃなくて払う場合もあったような気もします。

 ちょっと正確に覚えていなくて、ここは、申しわけありません。

○穀田委員 それはないと思いますよ。自分がやっている政治団体のパーティー、何回もやっているわけですやんか。それについて、その振り込みの用紙に番号を書いたか書かないかというのは通例の仕事ですやんか。どっちかですやんか。一つやっているということはずっとやっているということですよ。それをわからぬと言っているのやから不思議だ。またそれは次回にはっきりさせましょう、どうも記憶が正しくないようだから。

 そういうことだけれども、少なくともこの問題について言えば、やはりいろいろおかしいなというふうに感じることは、だれもがわかると思います。

 では次に、ちょっと話をかえます。先日、私、公用車管理業務の入札状況についてただしました。それについて再度聞きます。

 三月の期末を迎え、聞くところによると、仕事がなくなる労働者が全国で二千人近くに上るかもしれないと言われていまして、やはり客観的に言いますと、物すごく大変な事態になりかかっている。そして、二〇〇九年度発注の入札で落札した事業者が、この間言いましたように、十四万から十六万などという低賃金で運転手を募集していると指摘したところであります。

 問題は、労働者に生活のできないような低賃金を押しつけることにしかならないような低価格で落札していいのかということなんですね。そこを私は聞きたい。予定価格の六〇%を下回る低入札価格調査について報告を求めたいと思います。

○増田政府参考人 お答えいたします。

 平成二十一年度の車両管理業務の発注の手続を今進めているところでございまして、集計中でございますが、今の御質問の件を取り急ぎ取りまとめて御報告いたしますと、二十一年度の契約四百五十七件、今入札契約手続中でございますが、そのうち低入札調査の対象になっている件数は百四十一件、三〇・九%でございます。

○穀田委員 大臣に聞きたいと思うんです。

 今官房長から報告がありましたように、三〇・九%が保留されている。首都圏では、聞くところによると、その保留の割合というのは五〇%に達しているという報道もあります。国交省の十八年度における公共事業全体に占める保留の割合は、約一〇%だと言われています。こういうことからしますと、極めて異常な事態だと言わざるを得ないと思うんですが、いかがでしょうか。(金子国務大臣「ごめんなさい、保留って何、低入のこと。ちょっと質問を聞いていなかった」と呼ぶ)

 低入で保留する、要するに、調べるために保留するわけじゃないですか。それが、普通のところでいうと、調査する対象というのは一〇%程度だと言われている、平成十八年度で公共事業全体に占める割合は。これの三倍近くある、三〇・九%だから。こういうのは異常事態だと思わぬかと。

    〔委員長退席、奥野委員長代理着席〕

○金子国務大臣 確かに、好ましい事態であるとは思いません。

○穀田委員 好ましい事態でないというふうな、少しはいいみたいな話をしたら、それはあきまへんで。これは大変なことや。だって、この間は、六〇%のそういう低入札率の問題は大事だよねとおっしゃったばかりじゃないですか。だから、それでいいです、また続けますから。

 大臣は、この間、その後続けてこう言ったんですよね。低入札をやったがゆえに労務費が著しく下げられる、こうならないようにしてあげないといけないと。異常に安い価格に下げられるような契約というのは、やはりきちんと正していかなければいけないというふうに答えました。労務単価を適正な価格に引き上げ、生活できる賃金を保障するべきだ。そのためにも低入札価格調査を、これからあるわけですけれども、厳正にやるべきと違いますやろか。

○金子国務大臣 先日、穀田委員の質問に対して、低入札のために労務費が著しく引き下げられることのないようにという意味で、政治家としての気持ちを述べさせていただきました。

 やはり、今行っています低入札の調査、これは保留とおっしゃったんですか、低入札の調査について、履行体制の確認を厳正に実施していくとともに、今後、入札結果を詳細に分析してもらいまして、改善すべき事項があれば次回以降の入札にはきちんと生かしていくようにしていきたいと思っております。

○穀田委員 この間より少し後退しているように私は思いますね。

 大臣が言っているのは、先ほどは前の方を言っているんですね、私の質問に対して。我々の共通の概念、政治家としてということを言っているのが一つなんです。ただ、後ろの方でもう一回言っていまして、そういう異常な安い価格に下げられるような契約というのは、やはりきちんと正していかなければいけないと思っておりますとも答えているんですよ。だから、それは次に生かしてじゃなくて、まさにこの調査の中自身に生かさなくてはならぬ。これで終わったからじゃなくて、この調査自身の中でもう一度これをやり直したとかを含めて、きちんとやらねばならないと思うんです。

 というのは、大臣、入札といいますけれども、機械の話をしているんじゃないんですよね。管理業務というのはほとんど人件費なんですよ。これはみんな人件費と知っているわけですやんか。だから、一方じゃ、それを入札してくる側が十四万、十六万でやっているという現実がある。それをもし国交省が派遣先とか派遣元とかいう話でやり出したらえらいことになる、だからきちんとやらなあかんよということを私は言うたわけですやんか。

 それは、国を挙げて今、雇用の拡大と格差の是正に取り組まなくちゃならぬときに、国が発注する仕事で官製ワーキングプアというのはつくっちゃならぬというお互いの今向かっていく先のこととして、本当に共通認識にして頑張っていただかなくちゃいかぬと思っています。よろしゅうございますね。よろしいということで。

 それじゃ、道路財特……(金子国務大臣「念のため、ちょっと発言し直しましょう。せっかくだから発言させてください」と呼ぶ)いいですよ、もう。

○金子国務大臣 私、二段階で申し上げたつもりなんですよ。前段は、低入札調査については厳正に実施するということを申し上げたんです。

 だから、今、穀田委員がおっしゃられたことは、その段階でおかしなのが出てくる。あるいは、低入札を厳格にやりますから、はじかれて、ある意味、適正化に向かうだろう。さらに、結果を分析して、また改善するべき事項、次の事項についても、入札についても、やはり改善するべき事項はちゃんと積み上げていきたいという、二段階で申し上げたつもりです。

○穀田委員 次に、法案の関係についていきたいと思います。

 今回の改正案というのは、道路特定財源制度の廃止を趣旨としていて、多くの国民が一般財源化を求めてきたことからすれば、当然の改正だと私は思っています。

 同時に、私は、昨年の国会で、道路行政のあり方を根本から見直すべきだと求めてきました。政府・与党の道路政策の中心というのは際限なく高速道路をつくり続けることにあって、私はそこを指摘し、抜本的な見直しをすべきだと求めてまいりました。

 一連の道路特定財源の問題の議論を通じて、結果として、一つは将来交通需要推計、二つ目は費用対便益など道路事業の評価手法、第三に、高速道路の事業実施に向けた手続のあり方などについて社会資本整備審議会等で見直しの議論がされた、こういう経過だったと思うんですね、大体の柱は。

 そこで私は、きょうは、高速道路、すなわち、高規格幹線道路、地域高規格道路の事業実施に向けた手続のあり方について、大臣と少し議論をしてみたいと思います。

 昨年の二月の予算委員会や当委員会で、高規格幹線道路一万四千キロメートルのうち、高速自動車国道、いわゆるA路線というものですが、一万一千五百二十キロメートルの基本計画、整備計画は、国幹会議、正確に言えば国土開発幹線自動車道建設会議に諮り、国土交通大臣が内定しています。しかし、圏央道や京奈和自動車道などの一般国道自動車専用道路、いわゆるB路線約二千四百八十キロメートルは、どこにも諮らず、道路局長が決定していました。その他、いわゆるバイパス、高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路、Aダッシュ路線というものや地域高規格道路についても同様だということで、私は見直しを求めました。

 当時の冬柴大臣は次のように述べました。大きな道路は社会資本整備審議会などに諮るようにすると答弁しました。手続をどのように見直したか、先ほど述べた区分けごとに簡単に報告されたい。

○金井政府参考人 簡単に御説明を申し上げます。

 先生御指摘のとおり、高速自動車国道にいわゆる国幹会議という手続がございます。それと同じように、一般国道の自動車専用道路についても、基本計画それから整備計画の段階で、社整審、これは道路分科会でございますが、それの意見を経て、最終的に、基本計画、整備計画を、例えば、実際、一般国道の自動車専用道路であれば国土交通大臣が決定をするというような手続にさせていただいております。

 なお、整備計画の決定に際して関係都道府県等の意見を聴取する、これも、いわゆるA路線、高速自動車国道と同様な手続にさせていただきました。

 なお、地域高規格道路というのがございまして、いわゆる一万四千キロの外でございますが、それを補完するような路線でございますが、それの非常にネットワーク機能の強いもの、それについても、あわせて社整審の道路分科会の意見を聞いて、また関係都道府県の意見も聴取する、そのような手続を定めさせていただいたところでございます。

○穀田委員 今お話があったものをわかりやすくしたのが、今皆さんのお手元に資料として出しています「高規格幹線道路等の事業実施に向けた手続きの見直しのイメージ」というものであります。

 そこで、見たらわかるんですが、大体、点線で囲ったり、それから斜めに書いたりしていますけれども、新たな追加となる手続なわけですが、今まででいいますと、関係都道府県ということについて意見を聴取するとなっているわけですけれども、なぜ整備計画段階での意見聴取をするのは関係都道府県だけなのかということと、対象となるのはこれから事業化するものだけなのか、それとも、現在事業中のものについては対象としないのか、そのあたり、お答えいただければと思います。

○金井政府参考人 関係都道府県の意見は、御提出の資料にありますとおりでありますが、基本計画、整備計画の段階で承っております。

 なお、都道府県の意見を承るわけでございますが、基本的には、地元の市町村の意見も踏まえて、意見はいただけるものというふうに期待をいたしております。

 これらはいずれも、手続を踏むときに、例えば、先ほどのB路線でありますと社整審の道路分科会にかけますので、基本的に手続が進んだ段階で意見を承る、このようなことになろうかと思っております。

○穀田委員 それは私は少し違うと思うんだけれども、事業化するものだけだというのは、そこはもう一度。訂正、もう一度言うね。

 都道府県という話はわかりました。私は、それを通じてじゃなくて、じかに市町村に聞かないとだめよということを言っておきたい。

 事業化の問題についてはどうですか。それは答えがなかったんだけれども。

○金井政府参考人 基本的に、整備計画と事業化がほぼ同じイメージであるとは思っておりますけれども、いずれにしても、手続的には、先ほど御説明しましたとおり、基本計画それから整備計画の段階において、社整審の道路分科会の御意見を承るという手続であるかと思っております。

 なお、例えば、高規格道路全般であるとか、その他ネットワーク型の地域高規格であるとか、その辺の事業全般のあり方であるとか基本的な方針については、道路分科会のようなところで基本的なところは常日ごろ御議論をいただくのかなというふうに考えております。

○穀田委員 続いて、確認ですけれども、地域高規格道路の調査区間や整備区間の指定はだれが行いますか。

○金井政府参考人 御指摘のいわゆるネットワーク型の地域高規格道路の手続でございますが、従来から道路局長の指定とさせていただいております。

 今回、一万四千キロの対象の範疇は、御指摘のとおり、大臣ということに変えさせていただきましたが、一応、一万四千キロの範疇を大臣、そのほかを道路局長ということで決めさせていただきまして、特段明確な線引きというか区分けがあるわけではございませんが、とりあえずそのようにやらせていただいております。

○穀田委員 特段というふうにおっしゃっていますけれども、そこは大事なんですね。

 地域高規格道路というのはどういうのがあるかというと、アクアラインもそうなんです。それから、今後の問題でいいますと、私、昨年のときに取り上げましたけれども、いわゆる六長大橋、東京湾口道路、伊勢湾口、紀淡海峡横断の道路、豊後伊予連絡道路、島原・天草、そして関門海峡、そういうのがもともとこの地域高規格道路の中の候補路線に入っているんですね。

 それを指定するときに、今皆さんのところに図がありますが、この一番右の方、「高規格幹線道路を補完する広域的な機能を有する地域高規格道路」というところの一段目、二段目にありますように、最終の決定のところでいいますと、指定というのは、「調査区間指定(道路局長)」「整備区間指定(道路局長)」となっているわけです。そうすると、今言った六長大橋の計画も、結局、道路局長の決裁で進められるということになりますよね、理論上は。

○金子国務大臣 地域高規格につきましては、候補路線の中から計画路線を指定する際には大臣が定めます。それから、新規に事業着手するか否かについては大臣の判断を受けて決定する。大きな節目で大臣が決定して、その間の調査の進捗状況に応じた調査区間及び整備区間の指定等の実務的な手続は道路局長が行う、こういう整理になっています。

○穀田委員 いや、実務的な性格じゃないんです。それだったら同じなんですよ。基本計画の決定、調査区間の指定、それはいずれも同じ大事なことなんですよ。

 大臣、こっちの方を見てくださいよ、この表を。この表、お渡ししていますやろ。この中にありますように、一番右ですよ、地域高規格道路について言えば、調査区間を指定し、そしてまた整備区間を指定するというのは道路局長なんですよ。だから、私は、これはだめなのと違うかと。こうなってくると、それはだめだよねと言っているわけですよ。そう思いますやろ。

 今お話ししたように、大きな道路だし、それから広域にまたがるし、各府県もつながっていく。だから、そういう意味でいうと、大臣もおっしゃったように、それは、どういう段階かという詳しい個別の問題はあるけれども、こういう筋書きでいうと、ここのポイント、ポイントでいけば、大臣が最終的に判断をするということが必要ですよね。(金子国務大臣「そうなっておるわけです」と呼ぶ)いや、なっていないんだけれども、それが必要だと思いますよね。いや、大臣に聞いているので、それはもういいから。違う話をされると困るのやわ。

○金井政府参考人 先ほどから御説明しているとおりでございまして、どこで厳密に線を引くか、非常に難しい問題でございますが、ネットワーク型の地域高規格についても、先ほど大臣が御説明しましたとおり、計画路線の指定、それから事業着手については大臣の判断でやらせていただいております。

 それから、社整審の道路分科会についても、先生御提出の資料のとおり、判断をいただいているものでございますので、非常に数がふえますので、一万四千キロについてはすべて大臣でやらせていただいておりますけれども、ネットワーク型の高規格、数も多いので、この中間の二つの手続については道路局長でとりあえずやらせていただいているということでございます。

○穀田委員 いや、それは違うんですよね。私は、地域高規格道路の指定というのを道路局長レベルで実施するのは認めがたいと。

 というのは、前、冬柴大臣は私の質問に対してこう言ったんですね。県をまたぐような大きな道、これは、第三者の公平な意見も伺って、そういうものを経由して、透明性も図られるわけだから、そういう手続が必要だということを言っているんですよね。だから、私はそれを言っているだけなんです。だから、少なくとも同じレベルにする必要がある。そんな大して多いというわけじゃないんです。

 では、もう一度聞きますけれども、そういう話で、今度は、外枠じゃなくて中身の問題について次は聞きたいと思うんです。

 だとすると、今お話あったように、透明性を図るということで、しかも第三者の公平な意見も伺うということになるわけですから、では、社会資本整備審議会の幹線道路部会では何が決められているかということについて論を進めたいと思うんです。

 この間、三月九日にこの部会が開催されました。先ほどの事業実施に向けた手続について承認されたことと、それから、新たに十二の区間の新規着工計画を承認しましたよね。そこで聞きますが、その十二区間の計画を幹線道路部会に諮ることを、いつ、どのように決めたのか、それを聞きたいと思います。

○金井政府参考人 いつ開催を決めたかということでございます。ちょっと正確な日取りは記憶しておりませんが、非常に日程が詰まった中で先生方の御都合を調整いたしましたので、そんなに余裕はなかったか、たしか一週間も余裕がなかったような気がいたしております。

 三月九日については、御指摘いただきました、十二の路線ごとに、路線の概要であるとか道路交通上の課題であるとか、それからアセスメント、都市計画、地元調整の状況、整備効果その他について説明をいたしまして、当日出席をされた六名の委員から熱心な御議論をいただいて、手続を進めていくことについては了解をいただいたものと思っております。若干反省点は、説明を丁寧にし過ぎまして、ちょっと議論の時間が足らなかったということもありますので、また今後、運営については気をつけてやりたいというふうに考えております。

○穀田委員 運営についてはまだ聞いていないので、それは後で聞く話なんですけれども。

 今ありましたが、招集の日を聞いているわけじゃなくて、何を諮るかということについて、いつみんなに知らせたかということを聞いているんですよ。あなた方のホームページによりますと、それは、三月九日の報道発表では、議題が追加となりましたので再度記者会見いたしますということで、実は、三月六日の報道発表では、議題は手続について等となっていたものが、もう三月九日の報道発表では、議題が追加になりましたと。

 要するに、私が言いたいのは、いつ開催するかということを聞いているんじゃなくて、部会に諮ることの中身をいつ提示したかということを聞いているんですよ。それは、このホームページによれば九日になるじゃないか、それは余りに無理があるのと違うかと。もちろん、事前に少しは、前には配ったこともそれはあるかもしれません。それは委員の方からもそういうお話があるわけですけれども、しかし、いずれにしても、短期間にこういう問題を出しているというのは問題だと思います。

 そして、今、議論はどうだったかということについて反省点がありまして、報告が長引いて、それから討議の時間が短かったと最初からお話がありましたが、十八時三十分から二十時三十分、もう少し時間はオーバーしたようですけれども、わずか二時間ちょっとで十二件の計画について審議をした。

 そこで、短いとはいえ、反省点はあるとはいえ、実際の委員からの、十二区間についてどういう意見や質問が出されたのか、そして、計画を承認することに対する慎重論や反対の意見はなかったのかについてお聞きします。

    〔奥野委員長代理退席、委員長着席〕

○金井政府参考人 三月九日の道路分科会につきましては、先ほども申し上げましたとおり、非常に、年度末、いろいろ手続が詰まった中で急遽お願いをしたということで、事前の準備の期間であるとか事前に広報をする時間が非常に少なかったということは我々も反省点の一つでありますので、今後、十分時間的余裕を持って対応したいというふうに考えております。

 それから、もう一つ、御審議の内容でございます。

 全部御紹介するまでの時間はございませんが、幾つか御紹介を申し上げますと、例えば、国道九号線、山陰道の関係が四カ所ございました、これを一括で事業化する理由は何か。それから、特に、非常に時間帯によって込んだりすいたりいたします、そういったところの改善方策。それから、例えば九州でいいますと、高千穂鉄道の廃止みたいなものがございまして、鉄道がもう生活の足になっていない、こういったところで道路計画をどうその代替として考えていくのかということが個別の議論でございます。

 総論として一番大きかったのはいわゆる費用便益の議論でございまして、とりあえず今回は、三便益、特に時間短縮を中心とした便益で中身を説明させていただいて、BバイCも三便益ではじかせていただいていますが、それに関する是非の議論をたくさんいただきました。やはり、今もいろいろ御指摘いただいているとおり、命の道であるとか災害の防除であるとか、そういったものをきちっと効果として見込まなくていいのか、何か一部のみの評価をしているのではないかという、いろいろ御意見もいただきまして、その辺については、またこれから、地方の提案も含めて、いろいろ我々の方でも検討してまいりたいと考えております。

○穀田委員 その場に、承認することに異論は出なかったというのがうかがい知れるということですな。

 この十二区間の中に入っている京奈和自動車道大和北道路について聞きます。

 審議会では、先ほど局長から答弁ありましたように、初めに各計画の中身、概要について長い説明があったということになっていますけれども、大和北道路についてはどういう説明をしたんでしょうか。

 というのは、私は大和北道路について発言しているんですね。昨年の二月、当委員会で福田首相に、平城京跡の埋蔵物遺産が破壊されるなど、世界遺産にふさわしくない事態、悪影響を及ぼす可能性がある、そういう意味での有害な道路はやめるべきであるというように指摘をしました。

 同じく当委員会で意見陳述をした小井参考人は、渋滞解消を理由にしているけれども、大和北道路をつくれば新たに誘引する交通量がふえ、差し引きすれば渋滞は解消されないなどと指摘をして、明確に反対の意思を示しておられました。

 計画にこういう異論があったことについて、報告したでありましょうか。

○金井政府参考人 大和北道路についてでございますが、最初に事業化の内容をちょっと簡単に御説明申し上げたいと思います。

 大和北道路全体十二・四キロのうち、今回事業の対象とさせていただいているのは南側の六・三キロ、これは大和郡山から奈良インターまでの間、これを主に高架構造で事業化させていただいて、今、委員御指摘の平城宮の跡地、そこに該当する部分については、とりあえず高規格としての事業化は見送りまして、県、市で街路事業をやっていただいて、その部分は当面街路でしのぐという計画になっておりまして、平城京跡地に大きな影響を与えるような計画にはなっていないのかなという認識を持っております。

 恐縮でございますが、先日の委員会の中で、先生から昨年の国会で御指摘があったということは、明示的に説明をしておりません。

 ただ、景観や地下水への配慮から、例えばその区間であれば、今回事業化の対象にしておりませんけれども、大深度トンネルの計画にしているとか、今までの環境対策、環境に対する議論について御紹介をさせていただいて、御審議をいただいたというふうに理解をいたしております。

○穀田委員 直接の話をしていないことは知っています、対象と。ただ、その流れがそういうことにあるということを私は言ったわけですね。それで、小井参考人の場合は、具体的な問題としてまた指摘をしたわけですね。

 だから、少なくとも国会で審議になったところで明確に異論が出ていた、その後につながる問題について意見があったということは、やはり言うべきだと私は思うんですね。

 景観問題なんという話だけではなくて、やはりそれは世界遺産につながる問題と同時に、先ほどありましたけれども、BバイCとか、それから時間短縮とかという問題の根本は、どうしたら渋滞解消になるかという問題も含めて異論があったわけですよね。それは、渋滞解消にならないということについての論があったわけです。しかも、その道路について言えば、右折信号をきちんとつければ、それはいけるという話まで、具体的な問題まで出たということなわけであります。

 ですから、私は、国幹会議でしたら国会議員も参加しており、それは発言できるんですね。でも、立法府で、参考人質疑だとか、この問題について議論になった、行く末の問題を含めていろいろな点があったというのは、それはきちんと報告してもらわなければならないと思うんですね。

 それで、二月十三日の中間答申では、社整審の道路分科会で議論する際には、それまでに各地域の構想段階PIや、パブリックインボルブメントの略ですが、都市計画等の手続の中で、実施されたさまざまな意見反映に向けた取り組みや議論を踏まえ、それらの結果を参考にしつつ審議することが大切であるとわざわざ書いているんですよね。

 大和北道路は、パブリックインボルブメント、いわゆるPIを近畿で初めてやったわけであります。

 したがって、私は、そういう中間答申で決められた内容からすれば、さまざまな意見反映に向けた取り組みや議論を踏まえてやるべきだと言っていることからしますと、そういう点での議論の中身を報告するのは、少なくとも国交省、事務方の責任ではないでしょうか。

○金井政府参考人 御指摘のとおり、件数が多かったもので、大変説明が、時間をかけた割には非常に不十分であったということは反省点であったと思います。

 今後、例えば立法府でどのような御議論をいただいたか、また、例えば今の御指摘にありましたとおり、平面街路、市内の渋滞全体をどう扱うかとか、PIの経緯であるとか、きちっと説明をさせていただいて、御判断をいただくように努めたいと思っております。

○穀田委員 それはしっかりしていただかないと、形骸化する。

 といいますのは、大臣、ちょっと聞いておいてほしいんですけれども、この大和北道路全体の計画そのものについては、有識者会議だとか、それから費用のあり方だとか、いろいろな議論があったんですね。それで、公聴会でも、十数人の発言のうち、七人が賛成で五人が反対とかというふうなことまで出たり、それから、有識者会議それ自身で、この金をかけるんだったらもう少し安くできるんじゃないかとか、いろいろな意見があったことなんですね。そういうのを私はよく知っているものだから、きちんとやらぬとあかんのと違うかと。

 ですから、今ありましたように、そういう改善をすると言ったことは明記しておきたいし、今後ともきちんとやっていくことにしてほしいと思うんです。(発言する者あり)必要とか必要でないかという話を、そういう話をしちゃあきませんよ。私が言っているのは、国民がしっかり審議をするという話をしているわけで、それはあきまへんで、そういうことを言っていたんじゃ。だから、ああいう調子やからあかんのやね。

 私は、では審議会の責任は何なのかと。ああいう意見だけやればいいのかじゃなくて、審議会というのは落ちついてきちんと議論をする場なんだということが大事じゃないでしょうか。だから、私は、今の意見からも明らかなように、お墨つきを与える審議会や部会であっては決してならないと思うんです。

 そこで、先ほど、おくれの問題がありました。こう言っていました、年度末だったと。それから、資料がなかなかそろわない、それから、皆さんに対してさっさと早目に渡すという点でも問題だったということがありました。

 私は、今後、それぞれの地元でさまざまな議論がされてきたことを報告し、委員が議論できるようにすると。大臣、大体、十二の路線を二時間余りで、そのうち三十分近くこれは説明しているんですよね。そうすると、何分だと思いますか。残っているのは一時間半ぐらいなんですよね。九十分で十二の路線を議論すると。それこそ、やれ行けやれ行けという、ああいうふうな意見があるわけだから、そういう人たちも含めて本当にしっかり議論しようと思ったら、これは多過ぎるほどなんですよ。

 だから、形骸化させちゃならぬということをやはり肝に据えて、やり方をすべきじゃないかという点は、最後、その点だけ大臣にお聞きしておきたいと思います、その件は。

○金子国務大臣 この大和北について、今、委員、この委員会の一点だけ取り上げておっしゃられているんですが、ここにたどり着く前に、五千四百人、四千五百人も意見聴取を有識者からずっとやってきていますよね、お地元で。ですから、ここに上がってくるまでに、地元あるいは有識者、あるいは文化財の関係、世界文化遺産のを含めて、かなり幅広く、四千五百人からの意見を、これまでに開いてきているということ。それから、訪問アンケート調査も五千四百人をやってきているという、そういう経緯等もあるものですからね。

 それを、この一点、穀田委員はこの十二本やったという委員会の一点だけいろいろ言われているんですけれども、それだけではない。やはりそういうここに上がってくるまでのプロセス、そのプロセスの中で、穀田委員のような御意見は当然ですけれども反映されて、意見として述べられているんだと思います。

 ただ、今、道路局長が言っていましたように、こういう委員会のときにも国会での議論をお伝えするということは、彼が言ってくれたのですから、そうしましょう。

○穀田委員 それで、知らない方は何かすごくそれで随分やったように思われますけれども、PIというやり方でやっているのは、例えば、東京の場合なんかは違うんですね。二週間に一遍会議を開いて、きちっとやっているわけなんです。

 ここの場合のPIは何か。そこで、皆さん知らないから、わかるんだけれども、やっているのは、三つしかやっていないんですよ。PI、三つしかやっていないんです。アンケートをやったんです。これが五千四百なんです。ヒアリングをやった、公聴会をやった、これだけなんです。この程度だったら、今までもPIというやり方でなくてもやっている従来の方式なんです。

 だから、大臣は、この大和北問題について、今あった、多分事務方からもらった資料の中に、アンケートをもらっているとか、有識者会議をやっているとか、それは私は……(金子国務大臣「ヒアリングね」と呼ぶ)ヒアリングをやっているとか、いろいろ有識者会議はやっているんですよ。そんなことはPIという方式以前から、全国でやっておられる方式の三つなんですよ。それをさらに酌み上げてやるPI方式というのを新しく組み立てたわけですよ。

 だから、大臣、それをやっているから立派だなんという、それは経過はどこだってそんなことをやっているんだということは、知っておいてもらわぬと困りますよね。だから、私の方がそれはよく知っているんで、そこは現場も知っていますから、プロセスというのは、その程度のプロセスは、これは今までもやってきたプロセスですよということだけ言っているんです。

 その上に立って、その中で出た意見でも、この問題というのは非常にいろいろな意見が出ていますよと。だから、私は、何もやみくもに時間だけふやせばいいとか言っているんじゃなくて、そういう両方の意見をしっかり踏まえてきちんと審議すべきじゃないかということを言っているんです。

 最後にしますけれども、私は、この十二件の計画というのは、もともと〇八年度に新規事業化する計画でして、本来、〇七年度末、つまり昨年の三月三十一日までに新規事業として評価し、〇八年度予算で配分すべきものだったし、そういう案件だったわけですね。もちろん道路特定財源問題があって、それで見直そうということになって、交通需要推計やBバイC、費用対便益の見直しを実施したという計画なんです。

 それを見ますと、一言だけ少し言っておきたいんですけれども、大和北道路のBバイCは四・四ということになっているんですね。ところが、一昨年の見直し前には、BバイCが三・二という路線に含まれているんですね。だから、普通この見直しで、需要推計だとかいろいろなことをやって、それから二割から三割が下がると言われているんだけれども、なぜ上がるのか。同じ区間で検証すればどうなるのか。他の区間も同様の傾向があると私は思うんです。

 そこで、今度、国土交通委員長に提案したいと思うんです。私は、やはりこういう高速道路計画については当国土交通委員会で審議する、少なくとも審議会や国幹会議に提出しようとする議題、内容については当委員会に提示してもらう、こういうふうなことについて、大臣の見解を求め、そして諮っていただければと思います。

○金井政府参考人 ちょっと数字だけ先に御説明いたします。

 一回前の数字は詳細に承知をいたしておりませんが、BバイCについては、交通量、それから事業評価の見直しについて、押しなべて見れば二割ちょっと下がる数字が普通かなと思っております。ただし、その路線の、例えばネットワークのとり方であるとか、それから、今回事業区間を半分にいたしております。

 その辺の事業区間のとり方の問題であるとか、幾つかの要素によって数字はかなり変わりますので、その辺はまた精査をさせていただければと思います。

○穀田委員 それで、私はさっき言ったんだけれども、やはりこういうものというのは、国幹審というのはでっかい道路をやるわけですけれども、今言いましたように、当高速道路計画については当国土交通委員会で審議する。そして、そのためには、少なくとも審議会や国幹会議、これは国幹会議なんてたった四十分ですよ、そういうものに提出しようとする議題や内容というものについては、せめて当委員会に提示してもらうというのは必要じゃないでしょうか。大臣、いかがですか。

○金子国務大臣 国幹会議は、与野党国会議員が入って開かれるんですよね。そういう重要なテーマだということで、審議会だけではない、政治家も入って、これはしかも与野党問わず入っているということであります。

 そういう現在の国幹会議でありますが、当委員会にかけるのがいいのかどうか、ちょっとこれは預からせてください。

○穀田委員 私は、要するに、内容や議題については提示してもらうということを今後当委員会でも取り計らっていただければということを委員長に最後提案して、終わりたいと思います。

 終わります。