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【第171通常国会】 衆議院・国土交通委員会 ○望月委員長 次に、穀田恵二君。 ○穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。 きょうは、四人の参考人の皆さん、本当に貴重な御意見をありがとうございました。それでは、座って質問をさせていただきます。 まず、中越参考人にお聞きします。 中越さんは、町の中で、特に森と水ですか、風と光ということで、生かすまちづくりということでは有名でございます。私はいただいた資料を見まして、改良率、舗装率、いずれも一般県道それから町道が低いということが明らかであります。 そこで、私は二月の予算委員会でも総務大臣と質疑を行ったのですが、やはり維持補修の費用が市町村の単独事業となっている、さらには、その補助の場合の採択基準の引き上げが国の方針となっていることによって、現実の問題としては、道路やその他をつくる場合でも非常に大変になっているというのがあるんだと思うんです。その辺の改善が私は必要だということを申し述べたのですが、その点についての御意見をまずお伺いしたいと思います。 ○中越参考人 町の大きな基本的なことは、環境と健康と教育ということを大きな柱として進めています。その中に、森を使い、水をつくり、風を生かし、光を生かすという中で取り組んでいる。が、そうした中で、まだまだ社会基盤の整備ができていない。その中では、維持補修、我が町には実は雪も降ります。除雪も四国でありながらしなければならない地域でもあります。 しかし、このことについては我が町では、地域の皆さん方がつくっていただいた、あるいは日ごろ利用させていただいている道というのは、自分たちの責任でその方向性を見出してしっかり守っていかにゃいかぬという強い力がその地域にあるということから、我が町では、今おっしゃられたような極端なその方向性ということに不便を感じているという状況にない。地域の皆さんと一緒に社会基盤を有効に活用する手だてをとっているということであって、そんな町でありますので、そんな思いをしているところであります。 ○穀田委員 私は、地方自治体の長としての中越さんに改めてお聞きしたいのですが、今の地方自治体の道路関係経費ということの現実を見ますと、そういう大きな角度で少し御意見を承りたいんです。 地方自治体の道路関係費の推移を見ますと、ピークの九八年から十年間で地方単独事業や補助事業が半減しています。その一方で、借金返済に充てる公債費が一・七倍に増加しているわけであります。九〇年代につぎ込んだ道路事業のツケが重くのしかかってきていることは、これは総務大臣も認めているところであります。 そこで、住民の暮らしなどに身近な生活道路への投資が困難になっているということのあかしではないかと私は見ています。そこで、高速道路など大型事業を続けるほど、直轄事業負担金を初め、地方自治体には借金返済とともに負担が膨らむという構図があるというのも現実ではないかと思っています。 したがって、これらの問題について、地方財政と道路のそういう投資という問題についての大きな視点から、今何が改善が必要かという点をお聞きしたいんです。 ○中越参考人 高速道路や直轄事業という大きな予算と、我々の市町村に補助事業あるいは単独事業で行う事業というのは、おのずと違っています。そういうことから考えると、我々の整備をしなければ、地域の皆さん方の日常の生活を守らにゃいかぬ立場とすると、やはり優先順位をつけてその整備を図るというのが基本になっています。そこに対する財源手当てというものをしっかりとってほしいという願い。 もともと、その整備をするに当たっても、あるいは経済対策上からも地域を守る上からも、ある程度投資をした時期と、その投資が少なくなって、今基本的にやらなければならない整備ということとの区別が今できてきた。そのことから考えると、しっかりやらなければならない総花的な整備というよりも、やはり基本的に優先順位をつけた整備推進を図るということが地方に求められているというふうに思っています。 ○穀田委員 私も、無駄か無駄でないかというだけではなくて、優先順位だと思うんですね、やり方というのは。そういうふうに私もその点は思うんです。 次に、橋本参考人にお聞きしたいと思います。 道路建設について反対だというのは、一般的にはなかなかわかりにくいことなんです。ただ、私は、私自身が京都に住んでいまして、京都でも京都のど真ん中に、これは実は昔、山崎参考人ともいろいろ議論したことがありまして、京都の市内のど真ん中に高速道路を持ち込むなどという、はっきり言わせてもらえば、ばかげたことがやられようとしているということについて議論しました。 それで、この国土交通省のやり方というのは、先ほど意見の陳述でもございましたように、まず建設ありきというのが来るわけですね。 高尾山のトンネルの例についてお話しいただければありがたいのですが、ダム建設の場合でも、しょっちゅうこの目的が変わるわけですよね、いつの間にか。そういうものが極端な形であらわれているのではないか、道路建設の事業目的の変化が時としてあるんじゃないかと私は思うんですね。そういう例として皆さんが取り組んだ例があるんじゃないかと私は推察するんですけれども、それを少しわかりやすく言っていただければありがたいんですが。 ○橋本参考人 私が直接取り組んでおります首都圏中央連絡自動車道、圏央道については、全線が三百キロありますから、例えば神奈川の人、それから埼玉、千葉、茨城、そして東京と、それぞれ事情が異なってくるわけですね。ですから、必ずしも全部の沿線の人たちが反対をしているというわけでは決してないわけです。 ただ、それにはやはり、もともとの圏央道をつくる目的が、先ほど私が申し上げたように、都心の渋滞を緩和するということと、もう一つが、並行する十六号の渋滞を緩和する、国道の幹線道路の、この二つがありました。もちろん、中核都市を育成して都心にあった機能を分散化させるという機能も最初はあったんですけれども、最近はその機能は実際にはもうほとんど、四、五十キロ圏の計画が頓挫していまして、さらにこの経済状況ですから、大変事情が変わってきています。 そういう点では、裁判なんかをやったりいろいろなことの中で国が主張していることは、変わるということはもちろんありますし、よくあるんですけれども、これはやはり、三十年も前に計画されたものが、大体人間でもそうじゃありませんか、十年たつと世の中というのは変わるんじゃないですか。それが三十年前のものをそのまま押し通すということにやはり無理がありますよ。 ですから、そこはきちっと、こういうふうに事情が変わったのでこのようなことで御理解いただけないだろうかと、こういうことは話し合いにはなるわけですよね。 それから、先ほど申し上げましたように、絶対反対という立場は私はとっていません、初めからとっていません。それはなぜかというと、圏央道の本当に必要かどうかという必要性についてきちっと説明してほしいということを私は何度も言っております。 それともう一つ、高尾山のようなところというのは、何でミシュランが三つ星ですか。僕は、外国の方が評価したからといって喜んでいるわけでは決してございません。だけれども、富士山と並んで、何でそんなにミシュランの三つ星になるんだと。これはやはり理由があるんですね。それはいろいろな植物学者や何かにも聞いても、これだけの照葉樹林を持ったすばらしい山が、そして里山的な山が都心からわずか一時間で行けるというところで、この至便性。今、ミシュランの三つ星になってからはまた人がふえまして、現在ではオーバーユースかと思われるぐらい、年間三百万人を超えているんですよ。こんな山ありませんよ、富士山が二十万人ですからね。だから、そういう意味では、やはり使い勝手のいい山、そして、そういうことがあった。 それで、これは外国のあれで本当に申しわけないんですけれども、やはり、イギリスとかフランスとか、スウェーデンとかデンマークでも、建設計画はどんどんあるんですね。ところが、そういうところは初めから計画をしないというのが前提なんですよ。ですから、そういう、本当に貴重な自然があったり、それから平城宮のような本当に貴重な史跡があるようなところは、初めから計画をしないということがやはり前提。 それからもう一つは、人が本当に住んでいて、ついの住みかとしているようなところを、強引にそこに道路を通すということは、やはりもともと合意形成は難しいですよ。だから、そういうところは初めから前提で考えなきゃいけないというふうに考えております。 ○穀田委員 次に、では全参考人に一つお聞きしたいと思います。 昨年の道路国会と言われた、道路特定財源問題をめぐっての議論がずっとやられてきました。その中で、結果として何が起こったかというと、私は、交通量予測データの見直し、それから費用便益や評価の見直し、そして計画決定、事業の着手の手続などについて見直す、これだけは確かに決まって、どういう評価はあったとしても、それは変化したことなんです。 そこで、私は、まず第一に、高速道路計画そのものを見直すべきではないかと思っています。 先ほども杉山参考人からありましたが、一万四千キロのネットワークを全部つなぐ必要があるんだという話がありました。でも、政府は、九千三百四十二キロを超える部分については白紙と明言しました。それが今また事実上復活しているんだと思うんですけれども。 これは、確かに、参考人の御意見もございましたけれども、当時バブルの時代のこの一万四千キロ、全総で倍にはね上がったという経過があって、それをつくった方々は鉛筆なめなめこれをやったんだなんという証言まで出るぐらい、私はそういう経過があったのだと思うんです。 しかも、その中で、単に高規格幹線道路というだけではなくて、地域高規格道路、これが大体六千九百五十キロあります。しかも、それは、東京湾口、伊勢湾口、それから紀淡海峡、豊後伊予というふうな、私は六長大橋と言ったんですけれども、そういうものまで含まれている。そういうものが果たして今日本の経済状況の中で必要か、この見直しが求められているんじゃないかということについて、四人の方に一言ずつでも結構ですからお願いします。 ○杉山参考人 高規格幹線道路一万四千キロというのは、実は、効率性の基準ではなくして公平性の基準ですね。ですから、かつての七千六百キロは全国どこに住んでいても二時間でアクセス、二時間のアクセスが厳しいので、じゃ一時間にしようということから出てきたのが、一万四千キロ。 ですから、国民の公平性を担保する、交流の機会あるいは市場への接近機会、こういうものを確保する上で、私は、今もって一万四千キロは必要である、このように判断しております。 ○山崎参考人 私は、道路は人のためにあるんだ、そのためにつくるものだと思っております。 まず、全体的に言えば、ネットワークというのはつながらないと意味がないということが第一です。 ただ、ドイツに行けば、高速道路の横に人が歩く歩道、そして自転車が通る道が同時に必ず整備されております。そして、ミュンヘンのような古い町には、高速道路どころか、そもそも自動車を入れない。だから、観光客が世界から来るわけですね。高速道路は町の外れまで来て、そこから人は歩いたり電車に乗って古い町を歩くからこそ、世界じゅうから人気が出る。 だから、日本は、工場は出ていった、そうしたら世界じゅうから人が来て、日本はすばらしいなと。ここからこれが、食べることは農業だったり観光だったり、そういう次の産業。ヨーロッパはこれで大成功しているんですから、それをまねしてはどうかというふうに思います。 ○中越参考人 私は、道路はやはりネットワーク化されて初めて、地域の皆さん方も、先ほども申し上げましたけれども、企業一つ誘致をするにしても、道路の整備率によって企業の誘致が決まる。また一方では、救急車や地域の皆さん方、生活する方々を守るためにも、まさしく命の道であったり福祉の道であったりということを考えて、本当にまだ特に山間地域は必要だというふうに思います。 ○橋本参考人 先ほど公平性ということがございましたけれども、私は、先ほどもう一回言ったのは、三十年前の計画が今本当に、バブルの時期の計画をそのままやっていいのかどうかということは、これはやる、やらないを含めた見直しということは当然なんじゃないかとまず考えます。 と同時に、もう大都市部では、私は、京都ももちろんそうですけれども、その町の景観を壊したり、自然または、高尾のようなところもそうですけれども、本当に大事なところ、それから人がまだ住んでいて、そうした生身の人間がいるところに道路計画の線を引く、これは僕は乱暴と言うほかない。だから、そういうところは、やはりきちっととめて、もう一度見直す。これは、BバイCが一・二以上だったらみんないいなんという、そんな単純なことではないと思いますね。 そして、やはり本当に地方の人が欲しいといって望むのであれば、その公平性からいっても、東京だけがいい思いをしているということは、これはやはり僕は間違いだと思います。 そして、最後に申し上げたいのは、外郭環状道路や圏央道をつくらなかったら、地方は幾らでも道路ができますよ。私は、そんなところに十兆円、二十兆円という、外環だって一メートル一億円ですからね。それのお金があったら、ストレートとはいかないでも、地方は一メートル五百円もあればできるんですから、そういう点でもやはり考え直すべきだと思いますね。 ○穀田委員 それで、見直しという問題で出ている点について私の意見を言いますと、先ほど皆さんからありました、道路の評価と手続における住民参加について若干質問をしたいと思うんです。 この間、新聞を見ていますと、公共事業改革ということで、道路計画でも住民参加が必要じゃないかという意見が載っていました。 先ほど、パブリックインボルブメント、難しい言葉で、PIと略しているそうですが、道路の計画策定における住民参加は、一定これになり出しました。これについて、全員の皆さんから御意見をお伺いしたいと思います。 一つは、私は先日も質問したんですけれども、六長大橋、この国家的プロジェクトみたいなものが、実は、だれが認定し、決めるのかという問題なんですね。これは、地域高規格道路といって、実際上、道路局長が決めるというものになっています。私は、少なくともこういうやり方というのは間違いじゃないかというふうに思っているわけであります。 したがって、そういう計画と、その実行過程における、だれが決定するのかという問題でいいますと、大きな道路は御承知のとおり国幹会議で決めます。一応、国民的な議論をするという形式にはなっています。ところが、今述べた地域高規格道路の六長大橋などは、そういうものとは無関係に道路局長の決定で進行できるというやり方がいいのか、私はあかんのと違うかと思っているんですけれども、その辺の御意見をひとつお伺いしたい。 二つ目に、もう一つお伺いしたいのは、私が今言いました住民参加という問題でいいますと、同じ公共事業でも、九七年に河川法が改正されました。私は、いろいろな不十分さがあるということは承知の上ですが、少なくとも法律の中では、地域住民等の意見を反映して定める、地方公共団体の長の意見も聞くということになっています。したがって、計画の決定段階において、学識経験者や地域住民の意見を聞く場を設けるということを法律で規定しているわけであります。その意味でいいますと、私は、道路法を改正するなどしてそのような、同じ公共事業なわけだから、せめてそういう仕組みをつくるべきではないかと思っています。 その二点について、それぞれ参考人から御意見を伺えれば幸いであります。 ○杉山参考人 二点、共通しているのは、住民参加、パブリックインボルブメントですけれども、私は、これは実行すべきではないかというように思います。 六長大橋に関しましては、私自身の考え方は、国と地方が相談してそこで決めるべき、そういう対象ではないかなというように思います。その際に、今後、仮に山崎先生の無料化論が通らなかったとした場合、有料でやらなきゃいけない。そうした場合、ちゃんと償還できるのか。そういうことをきちんとやるべきではないか。そういう情報を示して、そして地域住民の判断、そして国、地方公共団体が検討すべき、そういう対象ではないのかなと思います。 それから二点目も、私は、大いに結構だというように判断しております。 ○山崎参考人 非常に難しい御質問で、一つのいい答えはないというふうに私は思います。というのは、全国の計画には統一性がなきゃいけませんから、衆議でみんなが参加してやると、結局何も決まらないという現象が片方で起きがちということですから、いい計画というのは、しばしば独裁の中で起きる。ですから、その独裁者が、見識ですね、民主制か独裁制かではなくて、要は、見識の質をいかに民主主義の中でも高めるか、それには、次善の策として情報公開と衆議ということになると思います。 六長大橋ができるかどうかは高速道路無料化が実現するにかかっているとおっしゃったのは、某ゼネコンのトップの方です。アクアラインがただにならないと第二アクアラインができるはずもないし、四国の三本の橋がただになって四国の人口が一千万にならないと、紀淡海峡や九州の橋をつくるだけの需要は起きない。 アメリカ、ヨーロッパ、中国の考え方でいえば、あの六大橋ぐらいとっくにできているということでありますから、長い五十年、百年で見れば、私はつくるべきだろう、ただし、そのときには、ガソリンも要らない、交通事故も起きないような自動車社会になり、かつ、地方が豊かになって、ますますどの地方にいても道路が便利だという時代は、無料化がないと実質そこまではいかないだろう。 ただ、住民参加のときは、先ほど申し上げました、道路はだれのためにということになると、やはり人のため。特に文化的価値が高いところ、京都であるとか高尾山、こんなところにど真ん中に通せば、これから日本は経済的にも文化国家で生きていくしかないわけですね、その文化国家で一番大切なものを真ん中でぶっ壊すということは、外から見ても変ですし、やはりその地域の方がそんなことはやめてくれと言うときには少なくとも避けるべきではないか。そういう意味での住民参加というのは大いにやるべきではないかと思います。 ○中越参考人 実は、先ほどの最初の話でも申し上げましたが、我が町では、道路の整備をするために、地域の皆さん方が、それをどのように生かし、将来にどうつなげるかという組織をつくっていただいて、実は用地買収まで住民の方々が行っていただいていますので、そのことを考えると、そのことによって、皆さんが思ったことが実現をすることができるのか、あるいは実現できないものはどういうことがあるのか、そこが選別をされる。官公民、まさしく一体的に取り組むという中から、住民の声をしっかりと吸い上げて行うということが必要だ。 町の中を、我が町が、国道四百四十号ですけれども、七百メーターやりました。五十八戸の一般の家庭がかかりました。用地買収も工事の施工も、二年間ですべて終わりました。といったように、それは、地域の住民の皆さんが主体的になって、将来につながる、公共事業がまちづくりの将来につながるという思いと、自分たちが発案をしたことがしっかりと実現できたという強い思いがありました。 今後進めていく事業についても、我が町では、そういったように、地域の住民の方々と、何でここが必要なのか、よって、その将来をどう生かすかということをともに考えてやるということですので、先ほどお話にあったように、住民参加というのは、一方で非常に大切な、必要な項目だと思います。 ○橋本参考人 だれが道路の建設を決めるのか。率直に言いますと、今は、国土交通大臣が内部で審議してよしと決まれば、あとは財政上の問題。私がはたから見ていますと、国会での審議にほとんどなじんでいない、やられていない。個別の道路についても、やはりきちっとやるべきだろう。 それは、国幹会議が形だけのものになっているということも一つありますし、委員の選定もかなり偏っていると私は感じております。率直に言って、審議会等の委員が、例えばトンネルを掘って大丈夫かといったら、トンネル技術検討委員会等もあります。しかし、どこの委員会でも、どれでもどれでも全国一律で同じ人がやっています。ということは、もう結論が最初に出ているというふうに私は見ています。 それともう一つは、確かに衆愚ということを心配される向きはあろうかと思います。ただ、私は、今の日本の国民は愚かではないと思います。そして、自分のところは、そこの住民が一番歴史も何も知っているんです。ですから、中越町長さんがおっしゃられたように、そこの住民のことを本当に把握してやられているそこの自治体が積極的に関与して、一方的に上からおろすことはやはり間違いだろうというふうに考えております。 そういう点で、住民手続は大変重要だし、形だけのものであってはならないし、そこにきちっと形があるのなら魂を入れないといけないというふうに思います。 ○穀田委員 では、最後に一点だけ、橋本参考人にお聞きします。 この間、私は、公共事業のあり方という問題についていろいろ考えまして、議論をしているところであります。特に、道をつないでいる橋など、十五メートル以上の橋が、市町村などでいいますと、多くの橋が点検されていない実態があったり、それから河川の堤防の点検がおくれていたり、さらには下水道が壊れていたりする今日、社会資本、つまりインフラの維持管理の問題が非常に大きな焦点として浮かび上がってくるんじゃないかと私は考えています。 そこで、大型公共事業、大規模公共事業から小規模へ、それから二つ目に、今私が述べた、高速自動車道という新規の開設から維持補修へ、そして地域循環型へというのを、私自身は今提起しているところであります。そういうふうな転換が必要な時期に来ているのと違うかと私は思っているんですが、参考人の御意見をいただければ幸いです。 ○橋本参考人 先ほども答弁の中で申し上げたんですけれども、余りにも大型の道路建設に偏り過ぎている。そのために、予算も何もそちらに引っ張られてしまって、実際やりたい道の補修だとか、でこぼこ道とか、それから災害があったときに補修をするとか、本当に地方の方たちが困っているというふうに思います。 それと、余りにも都市部に集中し過ぎていると私は思います。お金の使い方も、東京がひとり勝ちのような状況です。決してこういう状況は好ましくない。だから、先ほどちょっと言ったように、三つの環状道路をつくるお金があったら幾らでもできるでしょうということをさっき申し上げた。 それから、維持管理。これは、この間も新潟県の知事さんも大変反発されているように、やり方の透明性も説明責任も十分果たさないままに、一方的にお金だけ請求される、こういうことで新潟県知事が怒っていましたね。私は当然だと思います。だから、そういう面からいっても、彼もそうですけれども、もう日本は量的ストックはかなりありますので、これからはどうしたって壊れてきますから、維持管理をして、そして、人に優しい道路、お年寄りや子供さんや赤ちゃんたちが安心して町で暮らせたり田舎も暮らせる、そういう道づくりが必要なんじゃないかなというふうに私は思います。 ○穀田委員 どうもありがとうございました。終わります。 |
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