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【第171通常国会】 衆議院・国土交通委員会 ○穀田委員 昨日発表された、費用便益比、いわゆるBバイCの点検結果について私も聞きます。 この間の見直しを踏まえ、十八カ所の事業が、BバイCが一以下の値となったため、〇九年度の事業執行を当面見合わせ、再評価を実施して事業継続の可否を決定するとしました。さらに、BバイCがわずかしか一を超えていないものは、関係地方公共団体の意見を聞いて事業を執行するとしています。つまり、この発表は、各地方整備局等において〇九年度の事業を執行する予定ですと書かれていますように、凍結以外の区間は〇九年度から執行するものと読み取れます。 そこで、一点確認ですが、点検結果に記載されている近畿自動車道名古屋神戸線の関係です。これを聞きます。 大津ジャンクションから城陽、そして城陽から高槻第一ジャンクション区間は、国土開発幹線自動車道建設会議において抜本的見直し区間として含まれていますが、これも執行するおつもりですか。 ○金井政府参考人 お答えいたします。 いわゆる新名神高速道路の大津から城陽まで二十五キロ、それから八幡から高槻十キロにつきましては、平成十八年の二月に開催されました第二回国幹会議において、先生御指摘のとおりでございますが、主要なネットワークの供用後における交通状況等を見て、改めて事業の着工について判断することとし、それまでは着工しないこととされたところでございます。これは御指摘のとおりでございます。 主要なネットワークと申しますのは、基本的には、そのときの説明で、第二京阪みたいな主要な幹線道路が完成した後ということで御説明を申し上げたところでございます。 この路線につきましては、いわゆる抜本見直し区間でございますが、法律上の扱いは事業をしている路線でございますので、とりあえず、BバイCは点検として算出をさせていただきました。 一方、この国幹会議で御説明をした、それまでは着工しないと決められた内容については、現時点において変更はございませんので、そのとおり運用させていただければと思っております。 ○穀田委員 現時点ではその国幹会議のあれは生きているということだと確認します。 そこで、いわゆる執行を凍結した十八区間、先ほど山本委員からもお話がありましたが、地方の路線が多いです。私も、これについてはいろいろ意見があります。問題は、では、逆に見てみたらどうかと。首都圏、中部、京阪神の三大都市圏で凍結されたところはありますか。 ○金井政府参考人 これも先生御指摘のとおりで、BバイCが点検で一を割りました十八事業については地方部の路線が大半でございまして、現時点で、三大都市圏の、いわゆる都市部の事業は入っておりません。 ○穀田委員 都市圏についてはないと。 先ほど、参考人質疑の話もされました。私も同様に、やはり、せっかく参考人に来ていただいたんですから、その方々の意見をこれに反映させるということが大事だと思います。 この参考人の質疑で、道路公害に反対し、環境や住民生活を守る運動を続けている橋本参考人は、次のように語りました。税金の使い方と、それから予算についてであります。 大型道路に偏り過ぎている、予算もそっちに引っ張られて、実際にやりたい道路の補修などができなくて困っている、それと、余りにも都市部に集中し過ぎている、一メートル一億円もかける外環など、首都圏に三つも環状道路が要るのか、こう陳述しました。 橋本氏も、高速道路そのものに反対しているわけではありません。なぜ、住民の生活や自然環境を壊してまでも環状道路をつくるのか、その必要性をきちんと説明してほしい、さらに、住民の声を聞いて見直しをしてほしいと、切々と訴えておられました。 圏央道の各区間のBバイCを見ると、ほとんどが二以下の数値であります。そういう首都圏を含めた三大都市圏の環状道路こそ見直すべきではないんですか。その辺については政治的な見地をはらんでいますので、大臣がお答えいただければ幸いです。 ○金井政府参考人 お答えいたします。 これも先生御指摘のとおりで、例えば、地方といいますか中山間地域の道路、非常に過疎化をしておりましても、高齢化社会で、現在その地域に住んでいる方々、例えば八十歳まで運転しなければいけないというような状況でございまして、地方部の道路の安全、安心を確保するということは非常に大きな課題の一つであると思っております。 一方、都市部につきましても、これも御承知のとおりでございますが、例えば東京の環七、環八あたりの慢性的な渋滞を解消するためには、どうしても、将来的に、外郭環状道路であるとか首都圏中央連絡道路であるとか、そういったネットワークを一定部分整備して、いわゆる都心部に入り込む車を外へ回して都心部の負荷を軽減するということも非常に重要な施策であるかなと思っておりまして、御指摘のとおり、地域の住民の方々の可能な限りの御理解を得て、できるだけネットワークを完成していく、いわゆる都市部、地方部あわせて必要なネットワークを完成していく必要があるというふうに考えております。 なお、先日、例えば首都高速道路の中央環状線の一部、例えば王子線であるとか新宿線の一部が開通いたしましたけれども、それによって、都心部の道路は二割、三割交通量が減って、渋滞が非常に緩和したところもございます。 そういう意味で、都市部の環状道路も現時点でかなり大きな効果を有しているというふうには考えておるところでございます。 ○金子国務大臣 ちょっと個別の路線に触れることは避けますが、大都市部、東京、大阪、名古屋、あるいは福岡も入ってくるんでしょうか、都市の機能をやはり国際的に競争力を持たせるという意味では、これは決して道路だけではなくて、港湾、空港、こういう観点から、将来の我が国の国際競争力を持った都市にするという意味で整備していく必要があると思っているんです。 そういう意味で、少し穀田先生の御質問から離れますけれども、首都圏について言えば、空港でいえば羽田、成田を一体化してハブ空港化していく、あるいは関空も、もっともっと活用できるようにしていかなければならない。それで、大阪についても、道路がまだ必ずしもそれに向けて十分できているとは思いませんので、必要な整備というのが要るだろう。東京についても、それに資するような環状線というのは、そういう意味で地方部とは違った意義づけで、それぞれの主要インフラとして長期的に整備をしていく必要がある。そこは、地方部と、こっちの建設コストが高いんだから要るか要らないかということの議論だけではないことは必要だと思っております。 地方の必要性、これはもう山本委員からお話がありましたように、地方も生活をしている、コスト的に見ればはるかに地方の方が安い、命の道、学校の道、それぞれの必要があると思っておりまして、地方軽視なんてことはさらさら考えておりません。しかし、大都会は、やはり道路、港湾、空港、そういったような意味での競争力を持った機能として、整備の必要はあるんだと思っています。 ○穀田委員 論理がちょっと違うんですよ。 私は京都に住んでいて、高速自動車道ができています。二つばかりできましたが、その利用率たるや惨たんたるもので、予定の二割しか使われていないという現実があります。 また、先ほどの渋滞という問題について、一たん道路がふえたら、それは、一定の期間は渋滞は減るんです。しかし、再び渋滞はふえるという傾向が常に起こってくるというのがこの間の経験則です。問題は、渋滞が起こる、つまり、都市部に流入してくるものを減らすということを根本に考えなければ、途中で幾ら、通過交通を減らすという論理を今までやってきて、成功したのは余りないんです。一時的には成功するんです。しかも、その論理で、国際競争力ということでいきますと、それで全国三十五からの港湾をばかすかばかすかつくって、全然船の来ない港をつくり続けてきたという論理の中心は、常にそうでありました。したがって、今、改めて考え直すべき時期に来ているということを根本から私どもは問いかけているわけであります。 そこで、いただいた資料で、二〇〇九年度の高規格幹線道路、地域高規格道路の予算配分はどうなったかということを見ますと、〇八年度に比べて減っていません。三大都市圏環状道路については、三千二百五十五億円から四千百二十七億円になっています。参考人も指摘していましたけれども、予算配分が都市部に集中し過ぎているという指摘は当たっていると思います。こういう予算の使い方こそ問題だと改めて指摘しておきたいと思います。 そこで、角度を変えて少し聞きますけれども、大臣、追加経済対策で高速道路建設を前倒しして促進するという案が出ているという報道もあります。大臣もそういう意向でしょうか。 〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕 ○金子国務大臣 きのう、麻生総理大臣から景気対策の指示が与党に対してありました。これを受けて、これから検討してまいりたいという、今その段階でありますが、ネットワークとしてもう少しでつながるというような、もうちょっとでネットワークするという、やはり、道路がネットワーク化されれば、先ほど来議論が出ていますように、つながってこそ効果は非常に著しく上がるというのはもう御指摘のとおりでありますので、そういう、あと一息というようなものを支援するということは念頭にあります。 ただ、それが今度の経済対策という中で、用地の問題、地元の調査の問題、住民の問題等々さまざまありますから、そこは枠をとって何かやるということでは今はありません。 ○穀田委員 今はまだ、簡単にはニュートラルという感じですな。 ただ、私は、念頭にあるということも言っておられましたので、やはり今、さまざま議論してきたことを無にして、とにかく高速道路だけつくればいい、それでそこだけネットワークすればいいという、そうすると、残りのところがまた必要だからと、次々と道路を高速道路を中心につくっていくというやり方は、もはややめなくちゃならぬと。しかも、都市部のど真ん中にそういうものを入れるということは、世界でこれはだめだということについて、みんな外側のところに入れているのはあるんだけれども、中に入れるなんというのは余りないんだよね、このごろ。そういうことはもうやめるべきだと。 そういう意味で、高速道路など道路以外にも予算を回すべきであって、そういう点での一般財源化の趣旨に反することになるということを最初からくぎを刺しておきたいと思うんです。 大きな二つ目に、地域活力基盤創造交付金について聞きます。 この交付金は、地方道路整備臨時交付金の廃止に伴って、いわばそれにかわるものとして創設されたものと考えていますが、私、二つばかり疑問があるんですけれども、では、なぜ法律で規定しなかったか。それと、それをわざわざ法律で規定しないで予算措置で可能だということにもしなるとすれば、国交省の裁量の範囲内ということか。こういう問題はあるわけですが、きょうは、大枠のところと違って、もう少し縮めて聞きたいと思います。 私は、この問題について、臨時交付金というのは地域高規格道路にも使えるものだということを何度も聞いてきたし、指摘をしてきました。これもいただいた資料によりますと、臨時交付金の対象となっていた地域高規格道路は、首都高道路、それから阪神高速道路、京都高速道路のほか、千葉の中環状道路、静岡の南北道路、北九州の新若戸道路など都市部の高速道路が目立ちます。 今度の新交付金、地域活力基盤創造交付金も地域高規格道路に使えるんでしょうか。 ○金子副大臣 新たに創設いたします地域活力基盤創造交付金についても、地方道路整備臨時交付金と同様に、地方公共団体が地域のニーズを踏まえ作成する計画に対し交付金を交付し、個別事業箇所への配分は、地方公共団体の裁量にゆだねることとしております。 道路のネットワークというのは、幹線道路と生活道路が一体となってその効果を生み出すものでありますので、御指摘の地域高規格道路についても、地域の課題解決のために、地方公共団体が交付金の対象とすることはあり得ることと考えております。 ○穀田委員 一言言っておきますと、生活と幹線という意味で、一般論は否定しないんです。京都へ一度来てごらんなさい。あんなところに地域高規格道路の高速自動車道が要るかと。京都の市内のど真ん中に来て、東本願寺の前にあんな格好の悪い排気塔みたいなものが、三十メートルのものが来て、それで京都を壊したと言われぬようにした方がよろしいで。それだけは言っておきたいと思うんです。 私は、高速道路をつくり続けるための援助はする一方で、維持補修や交通安全など、身近な生活道路が実は削られてきたということを、この間、何回も言ってきたわけですね。二月の予算委員会でも指摘しましたが、三位一体改革で予算が削られ、市町村の維持補修費など、これは単独事業とされているわけですね。橋梁などの点検すらできない状態になっている。 市町村の単独事業とならざるを得ない維持補修なども、事業規模に関係なく対象となるんですか。 ○金子副大臣 これまでの地方道路整備臨時交付金と同様に、道路の舗装とか橋梁の補修など道路の修繕については、今回の地域活力基盤創造交付金の対象ではございますが、今言われました除草や路面清掃などの道路維持につきましては、原則としては対象としておりません。しかし、今回、新たな交付金につきましては、地方公共団体から強い要望があったものについて、道路維持のうちの豪雪等の緊急時に行う除雪とか火山灰、降灰除去事業につきましては、地域の安全、安心の確保のために必要な事業であることから、今回、交付金の対象といたしました。 ○穀田委員 新たに少し拡大をしつつあるということでありますね。 私は予算委員会で、工事の規模が大きいほど労働者の数が減る、雇用が減るという統計資料を示して、大規模事業よりも小規模事業ほど雇用政策の面から見ても大きな役割を果たすということを指摘しました。そして、維持補修など身近な小規模工事というのは地域の中小企業が受注し、仕事起こしになる、地域の雇用にもなるし、ふえる、したがって、小規模事業への手厚い支援こそ、雇用対策、地域経済活性化にも役立つということを言いました。 さらに続けて、住民の命、安全、暮らしに密着した社会資本整備の維持補修など、小規模公共事業への思い切った投入へ転換することで、内需の拡大、雇用、地域経済活性化を図るべきだと提起しました。つまり、経済対策全般の基本の問題について、内需拡大というのはどうあるべきかということと公共事業の関係を私どもは提起したつもりであります。 この間、聞きますと、ある自治体では、通学路へのガードレールや信号機の設置、道路の段差解消、落石防止対策、河川の防護さくの設置などを対象とするという考え方を、まず対象というものを出して、入札方式についても地域の雇用創出などに配慮した総合評価方式を試行するということで、具体的には、自治体内の下請会社を採用したり、主要資材をそこから調達するということを加点する、加えるということで、公募型安心・安全整備事業といって、住民の安全や安心にかかわる身近な小規模事業に限定して実施する制度を計画しておられます。〇九年度で約六十億円だそうです。 地域活力基盤創造交付金というのであれば、このような取り組みを支援するなど、維持補修など市町村が単独事業でやらなければならない小規模事業に全面的に使えるようにすべきではないかと思っているのですが、見解をお聞きしたい。 ○金子副大臣 今、道路につきましては、改築それから修繕、維持とあるんですが、穀田先生がお話しになった維持補修ということの定義がよくわかりませんが、今言われたお話の中で、ガードレールの補修とか、例えば陥没したところというものは、修繕事業ということで、この事業の中に含まれております。 ○穀田委員 国交省は、いわゆる点検、見回り、維持というものを全体としては分けているんですけれども、私はそこも含めてやるべきだということを言っています。拡大していることについては、そのとおりでいいんだと思うんです。 ですから、今後どこに軸足を置くかということでいうと、やはり点検がされないというのがまずあるんですよね。この間も言いましたように、橋も、市町村でいえば八割が点検できていない、この現実がある。だから、点検ということに対する補助が要るんだ、そういうことを私は言っているわけです。だから、わざと点検、維持補修と言っているわけだけれども、そういうことをよく理解していただければと思っています。そういう拡大する方向についてやっていただきたいと思います。 最後に、国直轄事業地方負担金の問題について若干お聞きします。 国直轄事業の地方負担金をめぐる問題で、道路や河川といった事業以外でも、国道事務所などの庁舎、さらに人件費、退職金までも負担金に含まれていたことが明らかになって大問題になっています。 この直轄事業負担金というのは、国交省関係で見ると、二〇〇七年度で一兆百五十六億円もあります。五年前、二〇〇三年には九千九百三十六億円。ずっと見ますと、やはりふえているんですね。公共事業予算が国も地方も毎年削減が続いている、そういう中で、地方にしてみれば、借金返済、公債費の増額とあわせて、この直轄事業負担金の負担の割合は重くなっていると言わなければなりません。 そこで、報道されていることが事実なのかどうかを確認したいと思うんです。河川国道事務所など庁舎の建設や建てかえなど営繕費、人件費、退職金が負担金に含まれているのかどうか、事実であれば問題があるのかないのかについて、簡潔に明らかにしていただきたい。 〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕 ○増田政府参考人 お答えいたします。 直轄事業負担金の対象となります直轄事業費の中には、今御指摘ありました庁舎、直接事業に必要となる庁舎も含まれておりますし、また、御指摘のありました、専ら直轄事業の実施を担当する現場の職員の人件費等々も含まれております。いわゆる業務管理費として計上しているものということでございます。 ○穀田委員 問題があるかということについてはなかったんだけれども。まあ、いいです、時間がないさかいに。 多分、大臣は、河川法や道路法の中で、こういう法律だということで、あれはどう読み取るかという問題がいろいろあるんですけれども、そこはちょっと、きょうは時間がないので省きたいと思うんです。 ただ、増田さんは、人件費等々と言って、私は退職金と聞いているのに、すぐそういうところだけ外すんだよね。なかなかうまいんだよね。退職金も含んでいるんですよね。 私は、この問題を考える場合、二つ必要だと思うんですね。国民の常識から見ればどうなのかということなんですよ。つまり、国民の常識から見れば、例えば請求書に明細がないとか、これはやはり不十分だとみんな普通思うわけですよ。また、法律云々を言う前に、簡単に言えば、今言いましたように、明細も示さずに請求するのは国、中身を確かめずに支払ってきた地方も地方、こう言えると思うんですよね。 したがって、私は、この点で、まず国も地方も税金をいかにいいかげんに使っていたかということの、ある意味では、明細は出ないわ、それは質問せえへんわなんて、それで今ごろになってこんなになっているということについては両方責任があるということで、ぜひ正すべきだと思っています。これは正すのは当たり前だ。 だから、一つは、国民の常識から見て当たり前のことをしようということが一つ。二つ目に、やはり直轄事業負担金そのものをどうするかという問題はあるんだけれども、国直轄事業そのものを見直すことから始めるべきじゃないかと私は思っています。 先ほど来、ずっと言ってきましたように、高速自動車道の事業だとかダム事業など、大型の新規事業が多い国直轄事業が何ら見直しもされず、どっちが負担するかだけ議論されるという点では、やはりまずいんじゃないか。これまでも指摘してきましたように、公共事業のあり方が問われている、そういう問い直す契機にすべきではないだろうかと考えます。 道路でもダム事業でも、評価手法や手続を不十分だけれども見直しています。例えば、広島市では、国の直轄事業、県の事業、市の事業について抜本的見直しをやって、中止するところ、縮小をするところ、そのままやるところなど見直して、それぞれの事業に優先順位をつけています。やっている事業が全部正しいという意味じゃなくて、その区分けの仕方という考え方をこういうことで議論しているということを私は引用しているわけですね。例として出しているわけです。 したがって、国直轄事業についても、優先順位が低いから負担金は出せませんよということで、たしかあそこは五十三億円でしたかね、地方整備局と協議し、これだけの範囲内でということをやっているわけであります。整備局も、それでは予算づけはここは保留しましょうというふうなことをやっているということは聞いています。 ですから、こういう直轄事業そのものを見直すことから始める。その上で、国が全額負担すべきところ、地方に移管すべきところなど整理して、負担金の廃止を含めた見直しをすべきじゃないんだろうかというふうに思うんですが、大臣の見解を問うておきたいと思います。 ○金子国務大臣 まず、直轄事業負担金で香川県で起こりました事象については、本当に情けない出来事であると思っておりまして、自治体に対して、その他で丸めて中身を説明していないということに対して、これはきちんと開示をするように、説明責任を果たすように、香川だけでなくて全整備局に対してそれは指示し、また一方で報告も求めたところであります。 これは、やはりこの香川県だけではなくて、負担金を分担していただいている地方自治体に対してきちんと理解をしていただく。県議会、市議会にきちんと理解をされるようなことは、当然ですけれどもやっていかなければいけないということでありまして、それについては、さらにきちんと進めてまいりたいと思っております。 それから、直轄事業負担金のあり方そのものでありますけれども、これはさまざまな議論があることは穀田委員もよく御承知のとおりでありまして、今、県の財政事情がとても厳しいので払いたくても払えないというようなものから、いや、あんなもの払いたくない、国で全部やってくれという御意見から、いろいろ出ております。 今、広島の例を挙げられましたが、これは、地方整備局と広島市が負担ができる、身の丈に合ったというんでしょうか、財政力に合った事業をやっていく。したがって、国と自治体で話し合って、ある意味、行うべき事業の優先順位を決めていくということを進めているんだと思います。 これは一つのモデルケースだと思っておりまして、ただ、直轄事業でありますから、地方の自主性を大事にしなければいけないんですが、一方で国としてやらなければいけない事業という部分もありますので、地方自治体の首長の御意見だけで工事がやれる、やれないというのも一方である。そういうものをどういうふうにこれから整理していくのかということについて、国と地方のあり方という長期的なテーマも含めて議論をしてまいりたい。四月に入って、全国知事会とこの問題についていろいろな切り口から議論をし、そして少しでも前進、解を得られるように進めていきたいと思っております。 ○穀田委員 終わりますが、私は、今ちょうどいい時期だと思っているんですね、こういうものを見直す時期だと。だから、負担をどうするかというのは、それは、瑣末な問題とは言いませんよ、それはそれであるんですけれども、やはりこの機会に国直轄事業というのはどうあるべきかということについて議論する、そういう契機にしなくちゃならぬ。それとあわせて、さっき言いましたように、国民の目から見てこれはおかしいなと思うことは正すという常識の範疇からしっかり物を見るということが必要だ。その二点を我々は提起しているんだということを認識していただければ幸いです。 終わります。 |
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