国会会議録

【第174通常国会】

衆議院・国土交通委員会
(2010年4月13日)


○穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。参考人の皆さんには、貴重な御意見を本当にありがとうございました。

 私は、まず、航空労組連絡会議長の山口参考人にお聞きします。

 私は、当委員会における日本航空問題について質問した際に、次のように指摘しました。企業再生支援機構による再建が進められているが、そもそもなぜこうなったのか。再建する上でも、改めて経営破綻を招いた原因と責任を明確にすることが不可欠だと言ったわけです。

 その上で、さらに、企業再生支援機構もJAL再生タスクフォースも、JAL窮境原因について、事業構造また組織体制の両面が非効率かつ硬直的だと言っていますし、航空産業が装置産業であるがゆえに、大型機材の保有や不採算路線を抱えていたことなどと、同様の分析をしています。問題は、なぜ大型機材の大量保有や不採算路線を維持しなければならなかったのか、なぜ硬直的な組織体制から抜け出せなかったのかだと。すなわち、政府の空港、航空政策にまで踏み込んで考える必要があると述べて、その原因をはっきりさせぬとあかんということを言いました。

 そういう意味では、山口さんの陳述は、なるほどと感じたところであります。

 そこで、巷間、ぬるま湯とか癒着構造とかの指摘があります。したがって、さらに突っ込んで、そのような構造が何ゆえにつくられたのか、その背景についての所見をお聞きしたいと思います。

○山口参考人 お答えいたします。

 昨年来の報道で、企業年金等の問題で経営危機ということが随分報道されまして、私ども、破綻の原因につきましては、先ほど冒頭の陳述の中でも触れましたけれども、昨年の十月のタスクフォースの報告といいますか、また一月十九日に企業再生支援機構が日航の支援に当たって分析した内容のように、窮境原因については、事業の硬直化があったのではないかというふうに考えております。また、最大の問題であります大型機材の大量保有の問題、これは日米間の問題等について先ほどお話しさせていただきましたけれども、この問題。また、不採算路線の維持の問題があったというふうに考えています。

 これはまた、不採算路線の維持については、いろいろ、地方自治体からの要求や、また地元出身の政治家の先生方のいわゆる陰に陽にの圧力があったのではないかということも報道等でされておりますけれども、そういった問題がある。

 加えて、私たちが見ているのは、これまでナショナルフラッグキャリアとして政策的に運航してきた問題は非常に大きいのではないかと。これは国内にとどまらず、国際線等については、特によくお話に出るのは、南米線の日系人の人たちの要求とか、さまざまな日本の国益といいますか、そういうことに関して、国策的に日本航空が運航に当たってきたという面があると思っています。

 先ほど資料を委員会の前にお配りしたかと思いますけれども、欧米各社のジャンボ機の保有内容を見ていただけるとおわかりかと思うんですけれども、保有の数そのものもですけれども、全体の事業規模に対する保有機数というんですか、これが、日本航空の場合にはジャンボ機が異常であるということが言えるのではないかなというふうに思います。特に、アメリカの大手でありますアメリカン航空やデルタ航空は全くジャンボ機は買っておりません。そういった中で、日本航空だけが突出してジャンボ機を買ってきているというようなことが、資料を見ておわかりいただけるのではないかなと思います。

 不採算路線の問題ですけれども、現在九十八空港が供用されているということなんですけれども、特に、先ほどいろいろ圧力という話がありましたけれども、私、これまで日本航空の社内で見ておりまして、私は一九七二年に日本航空に入りまして、ずっとその間、映画で出ているような光景といいますか、あるのではないかなというふうな内容をじかに見てきておりますので、その点、若干、どうしてそういうところが吹っ切れなかったのかといいますか、そういう点をちょっとお話しさせていただきたいと思うんです。

 日本航空の場合には、八七年の完全民営化まで半官半民という歴史がありまして、政府とのつながりが非常に強い企業の一つであったのではないかなというふうに思います。当時から、日本航空設立以来、運輸、大蔵、郵政、また自治省関係の警察の官僚の方が天下りして、大体社長をやられたり、また役員になられてきたというような歴史がある天下り先でもありました。

 そしてまた、そういった場だけではなくて、よく報道に出ていますけれども、運輸族と言われる先生方との関係も非常に強かったというふうに私たちはずっと見てきておりますし、実際にそうであったことは幾つかの状況から言えるのではないかなというふうに思います。

 特に、新聞にも一部ありましたけれども、政治家が食い物にしてきたのではないかなということが報道されております。食い物にしたために、逆に言えば、日本航空のいろいろ批判の中で、政治、経営者がそういった強いつながりがあるために、一般的には癒着と言えるのではないかというようなことだと思うんですけれども、いわゆる安全、安心、ぬるま湯体質ということで、長年、今日まで来たというふうに言えるのではないかというふうに思います。

 私の体験で非常に恐縮なんですけれども、一つの参考になればということで、一九八二年の二月の九日に羽田沖事故で、当時の機長の精神状態ということで、逆噴射事故が起きました。そのときに何が問題になったかといいますと、パイロットの身体検査問題というのが非常に大きな社会的な問題になりまして、それまでは産業医が検査をしていたわけですけれども、航空身体検査のやり方を改めて、航空医学センターというのが結果としてはできたわけです。

 当時その問題は非常に大きな問題で、ちょうど御巣鷹山の事故の後、これは八五年ですけれども、当時は山下運輸大臣でしたけれども、その後、亡くなられた橋本元総理が運輸大臣をされておりました。私はちょうどそのときに、日本航空内に乗員組合という組合があるんですけれども、そこの委員長をしておりまして、当時のカネボウから来られた伊藤会長が、そんな問題があるんだったら直接運輸大臣と話したらどうかということで、私と、当時の機長会と、それからフライトエンジニアといいますか、航空機関士の会と一緒に議員会館に会いに来たわけです。私ども、私なんかは初めて大臣に会うということで非常に緊張していたわけですけれども、ドアをあけて開口一番、日本航空の皆さん、株でもうけさせてくれてありがとうということから話が始まって、ああ、やはり世間で言われていることはこういうことなのかなというふうに率直に感じたことがありました。

 それだけではなくて、代理店の問題なんかでも、東京、大阪、札幌、宮城県の古川に代理店があるようなところが日本航空等の切符を売るというんですか、そういった状況もあって、私たちは、そういったつながりが、なかなか日本航空経営が独自にいろいろ判断できなかった理由もあるのではないかというふうに思っています。

 特に、自民党には毎年日本航空から出向しているということも報告されておりまして、なかなか独自に環境の変化に臨機応変に対応できなかったということは言えるのではないかと思います。

○穀田委員 もう少し短くお願いします。

 先ほどの陳述では、日常運航を支えているのは人間の労働、さらに、労働者の安全のレベルというのは肌で感じているんだということがありましたし、現場の労働者の声に耳を傾けるようという話がございました。

 そこで、余りこういう機会がないんですから、この機会に、働く人々、例えばパイロット、それから整備、グランドハンドリングというんですか、地上支援というんですか、それから客室乗務員のモチベーションといいますか、今日の置かれている現状について一度お聞きしたいと思います。

○山口参考人 お答えいたします。最近の職場の状況について御報告させていただきます。

 先ほどパイロットの話というのが出ましたけれども、私の同僚などのいわゆるベテランと言われるパイロットは、会社に来て同僚と話をすれば、もう退職の話ばかりだと。早期退職に応じる、応じないの話で持ち切りであり、フライト中も、つい雑談、話があるということになりますと、退職されるんですかというようなことを聞かれたり、そういった会話が日常的に職場のどこででも出るような状況ということがあります。こういった点ではモチベーションがなかなか保てないというのが今の現状です。

 整備の方からの報告によりますと、これはまた深刻なことで、五十歳以上が五月三十一日で相当数退職されるということで、既に多くのベテラン整備士が特別年休消化に入っているということで、中で仕事の引き継ぎができないという声が上がっております。

 また、グランドハンドリングといいますが、飛行機をトーイングといいますか牽引したり、また貨物の搭載をやる職場ですけれども、既に、うわさによると、半分ぐらいが管理職がもうやめるそうです。中からの報告によりますと、一体組織はこのままいったらどうなるんだろうかというような不安が出ているという報告が来ております。

 また、三十五歳の制限のない子会社が一部にあるんですけれども、ここは予想外に、入社して間もない、一年、二年、三年の社歴の労働者が、組合員がやめますと。その理由は、昨年年末にボーナスがなかった、ところが、特別退職一時金が六カ月出るということで、ああ、いいタイミングだったということでやめていくという。せっかく仕事を覚えた人たちがいなくなるということで、非常に深刻というふうな状況が報告されています。

 また、客室乗務員につきましては、お客様と接するという点がありまして、かなり一層深刻で、早期退職の面接というのが行われているわけですけれども、女性のマネジャーが、あなたが会社の負担になっているのよ、わかるということを聞かれるそうですけれども、そうしてやっているうちに、最後は女性マネジャー自身が泣き出すというふうな報告も聞いております。

 また、エピソードといいますか話としては、福岡空港で、仕事を終えて空港の売店でからしめんたいを買おうとしたら、後ろから男性に、税金で買うめんたいはうまいかねと、本当に悲しくなったというような報告もありますし、羽田の帰りにモノレールで座っていたら、税金をもらっている会社の社員が座っていいのかねと、そういう状況が出ております。

 これはマスコミの影響等も非常に大きいのではないかなというふうに思います。そうした組合員からは、本当にモチベーションを保つのが大変だ、今の状況は何とか改善してもらいたいというふうな報告がされております。

 以上です。

○穀田委員 リアルな実態を本当にありがとうございました。

 では、次に、有識者会議の委員でもあった山内弘隆参考人、そして、元JALタスクフォースリーダーの高木新二郎参考人、経済ジャーナリストの町田徹参考人のお三方にお聞きします。二点です。

 一点は、再建を行う際、国民への説明責任と透明性の問題です。平野官房長官も二月十二日の予算委員会で答弁していまして、政府としては、より透明性、衡平性を確保しつつ、国民の目線に沿った確実な再生を行う、こう述べているんですね。これが実行されているのか。また、今後、このような視点に立てば、企業再生支援機構やJALはどのような対応をすべきかということが一つ。

 もう一点は、安全運航を支えるのは、今お話があったように、モチベーションといいますか、大事だと思います。必要な要員と労働条件の確保が当然大切なわけですが、そういう点を考えます。

 タスクフォースの調査報告書説明では、JALで働く人々の特徴として、航空機の現場に近いセクションにいる人々ほど活気があると。さらに、昨今の経営危機報道、人員削減報道が流れる中で、JALが安全運航面でかつてのような大きな問題を起こさずに運営を続けていることは、JALの現場で働く人たちのモチベーションの高さの一つの証左と言えようと指摘しています。

 先ほどの現場の実態もありました。この辺についての御意見をお三方に順番にお聞きしたいと思います。

○山内参考人 御指摘の第一の点でございますけれども、こういう形で公的資金を入れて再建する、その説明責任と社会的な納得性というのは非常に重要な点だというふうに思っております。ただ、一方で、再建でございますので、非常にスピード感といいますか時間が大事でございまして、その点で、今回の決定に至る過程で、ほかの参考人が御指摘のように、十分な説明がなかったということについて認めざるを得ないところはございますけれども、やはり一方で、そのスピード感ということをどうとらえるか、こういう問題であろうかというふうに思っています。

 それから、現状でどのような情報公開をして、そして皆さんと議論をして、国民に納得していただくかということでございますけれども、これも相反する二つの面がございまして、先ほども御指摘がございましたけれども、経営計画でございますので、ある程度守秘的なところは持たざるを得ないということだと思います。

 私も昨年の夏にこういった委員をさせていただきました。そのときに、これは私は、経営の具体的なところまで入っていったわけではございませんけれども、マスコミの皆様に非常に多くの取材を受けまして、私の持っている情報をどこまで出していいのかということについて、非常に困った経験がございました。現在も、いろいろな報道がされる中で再建計画をつくるということの難しさ、これはあろうと思います。一方で、委員御指摘のように、これは公的な資金を入れているという中で、透明性、衡平性ということを確保していかなければならない、この辺のバランスをうまくとっていくべきであるというふうに考えております。

 それから、二点目の御指摘でございますけれども、非常に重要な点でございます。私も冒頭の陳述の中で、航空輸送、航空産業の実態というのは、極めて重要な生産プロセス、これは従業員の一体化あるいはすり合わせというものがなければできないということを申し上げました。特に安全運航ということにかかわる点についてはおっしゃるとおりだというふうに思っております。

 これも非常に難しい問題でございまして、一方では再建計画、具体的に雇用をどこまで維持できるのかという問題と、それから各従業員の士気を、モラールをどこまで高めていられるのかという問題、これを経営側としてぎりぎりの線でやっていただきたいというふうに思っております。

 以上でございます。

○高木参考人 まず、公正、透明性の問題でございますが、これははっきり申し上げて、上場企業でございますから、かなりの情報は開示しなきゃいけない、何もこういうことがなくてもですね。いろいろ法令で定めておる情報は公開していると思います。

 それから、裁判所の記録も、利害関係人は全部閲覧できることになっているんです。だから、それを全部コピーをとってきてお配りすればいいんですよ。裁判所は決して秘密主義じゃありません。私も裁判所におりました。特に新会社更生法になってから、利害関係人は書類を全部コピーできることになっています。それを全部コピーをとって先生方にお配りしても、これはかなりの資料になる。

 余計なことを言うと、アメリカの裁判所へ行きますと、三光汽船のときにお願いしたんですが、記録を見たいと言ったら、枚数を数えて小切手はこれだけだと。そうしたら、段ボールいっぱい送ってきまして、それだけ、利害関係人でもないのに情報公開が進んでいる。日本の裁判所も今かなりそれをやっていますので、どうぞ御遠慮なくやっていただければ、先ほど来、ないないとおっしゃっているんですけれども、あるんです、裁判所に。それは利害関係人が言えばコピーをとれますので、よろしくお願いいたします。

 それから、モチベーションの問題。従業員、労働者のモチベーション、これが一番大切なんですね。この企業文化というものを変えないというと事業再生というのはできないんです。幾らデューデリで一生懸命企業価値を計算して、それでこれだけ負債を減らさなきゃいけない、そんなことを何回もやったって、これはしようがない。その前にこれは黒字化しなきゃいけない。もちろん、黒字化するためには、機材を入れ直すとかそういうことが必要なんですけれども、やはり皆さんが本当にやる気になって、これはお金にかえられないんですよ。それをやはり先頭に立って、今、稲盛さんがやっていただいているんだと思います。

 私がちょっと心配していたのは、稲盛さんにお目にかかったとき、ちょっと年配でございますので、それなりのスタッフを連れていっていただけているかなということを気になっておるのが一つ。

 それから、私どもが考えていたのは、もっとぐっと若返って四十歳代の方が社長になっていただく、こういうつもりでおったんですが、どうやら五十歳代の方になって、しかも前の経営者の何か御推薦があった方みたいに、これはちょっと間違っているかもしれませんので、申しわけございません。私らは、もっと若返って、元気出して、今までの官僚体質に関係のない人、五十二年、五十三年からは採用方式を随分変えましたから、そういう新しい人たち、私のせがれが四十代の半ばでしょうか、このくらいあたりを社長にして、こういうふうに実は思っていたんですが、そんなことがモチベーションに随分大切なことかなと思ったりしております。

○町田参考人 最初の透明感の問題からお答えさせていただきます。

 この問題、実はわかりにくいところが何点かあるかと思っていまして、単なる企業再建ではなくて国が支援する企業再建ですから、なぜ国がこれを支援するのかについて、当然、監督官庁なり所管大臣なりがきちっと説明しなきゃいけないわけですね。ところが、前原さんが言ったことをるる思い出していただきますと、内閣ができてすぐのころ、自主再建ということをしきりにおっしゃいました。ところが、現時点で仕上がっている姿は法的整理です。

 自主再建というのは、これはもう本当に書いたとおりで、自分の力で再建することを普通いいます。間の過程で議論にあった私的整理についても、これは金融機関から金融支援を受けますから、この段階で既に自主再建とは言わないと思います。さらに、法的整理で、裁判所の力をかりて強制的に債権カットに応じてもらうという手法を使っていますから、ますますもって自主再建とは言えないと思います。

 ここがなぜこう変わったのか。自主再建であれば国が支援することではなかったはずです。ここが決定的に変わったことについて、所管大臣から一切説明がなされていないことが物すごく不透明だというのが一点あると思うんです。

 それから次に、一般的な企業再建として考えたときも、アメリカのゼネラル・モーターズのケースが比較的似ている、あるいは参考になると思うんですけれども、あのケースは、二カ月間で、むしろGMサイドに、会社サイドに、自分たちで通用する再建策をつくって持ってきなさいと言って、支援する政府側はそれを判定する委員会をつくっただけです。

 ところが、日本の場合は、今回のタスクフォースにしろ企業再生支援機構にしろ、むしろ主導的に役割を担う立場に入っちゃっているわけですね。そうではなくて、やはり、会社側から持ってこさせたものに対してどういう評価を下したんだ、持ってきたものはどういうものであり、どういう評価を下して、どういう支援をするんだという、この役割分担がきちっとされていなきゃいけないのに、それがもう一緒くたのまま走っちゃったというのが今回のケースだと思うんですね。これが、純粋の、政府が関与しない企業再建であれば、こういう形で走ってもいいんでしょうけれども、政府が関与する以上は、ここをきちっと分ける必要があったということだと思います。

 スピード感に関しては、補足になりますけれども、ゼネラル・モーターズの場合は二カ月でつくらせました。一方、今回、九月からとりますともう七カ月です。これは全く意味がないと思います。

 それから、節目節目で、どういうことになりましたという再建策の具体策が言われなければいけません、説明されなければいけません。

 それも、ゼネラル・モーターズの場合は一年以内に再上場するとか。これから更生計画が承認された場合に、出資を受けて国有化に近い、国有化の状態に入って、それを再度上場して株式を売却するという、延々とスケジュールがJALの場合想定されるわけですけれども、ゼネラル・モーターズの場合は、それを一年間でやるということをはっきり言いました。そのためには、持っている自動車のブランドのこれとこれとこれは売却するとか、これとこれとはどこと交渉しているとかということまで、全部オープンにしました。

 対する日本航空には、いまだに削減する路線数すら決まっていなくて、何路線にふやすとかふやさないとかやっています。これは公的資金が担保されてきちっと計画が立ってということになっていませんから、これを至急詰めて出していただく必要があると思います。

 それから、モチベーションですけれども、これは、そういう計画さえきちっと出されていて、再建のめどさえついていれば、どんなに苦しくても頑張ってくれる社員たちはいると思いますし、モチベーションはわいてくると思います。だから、大切なのは、そういうかっちりした計画を早く見せることだと思います。

 失礼しました。

○穀田委員 ありがとうございます。

 最後に、全日空社長の伊東信一郎参考人と柳正憲参考人に聞きます。一点だけです。

 社会資本整備事業特別会計の空港整備勘定、いわゆる俗に言う空港整備特別会計、これをどのように改善すべきとお考えか。それぞれ御意見があればお聞きしたいと思います。

○伊東参考人 空整特会と言われるものであろうかと思います。空港をつくるために一定の役割を果たしてきたというふうに思いますが、現時点では、空港は既に、概成しているというふうな言葉が使われておりますけれども、まさにそういうことだと思います。

 そういう意味では、国土交通省の中の成長戦略会議というのが、六月に向けて、結論といいますか何かの案を出されるというふうに聞いておりますけれども、我々にとっては、この空整特会と、先ほども申し上げましたが、いわゆる着陸料だとかそういったものとの関係といいますか、ぜひともそういう意味では公租公課を下げてほしいということは重ねて言っておりますけれども、これと空整特会との関係について整理がされて、より競争力を持つことができるような公租公課にしていくための空整特会の見直しになってほしいということを申し上げたいと思います。

○柳参考人 意見を申し上げる立場にないので差し控えさせていただきますが、いずれにせよ、合理的に計画をつくられることを願っております。

○穀田委員 では、最後に一点だけ、山口参考人にお聞きしたいと思うんですが、今後の再建について提言などあれば、一言お訴えいただければ幸いです。

○山口参考人 お答えいたします。

 二点ほどあるんですけれども、一つは、人員削減の今のやり方ですね、これを変えてもらいたいというのが大きな点です。

 それから二つ目に、今、全日空の伊東社長がお話しされましたけれども、空港整備特別勘定、約五千億円あるわけですけれども、そのうちの二千五百億円が首都圏空港です。これは羽田、成田の両空港ですけれども、羽田はことしの十月にはD滑走路が完成するということですから、もうこの二千五百億というのは、率直に言うと首都圏で必要ないということですね。

 日本航空の場合、先ほども出ていますけれども、約一千五百億円の公租公課を払っているわけです。これを更生期間中の三カ年だけでも、半分、七百五十億で三カ年進めただけでも、国民の税負担なり公的資金の問題というのは相当負担が軽くなるのではないかということで私たちは要求しております。

 以上です。

○穀田委員 終わります。