国会会議録

【第177通常国会】

衆議院・国土交通委員会
(2011年3月30日)



○穀田委員 前回、前々回に続いて、また被災者支援の関係について聞きます。

 応急仮設住宅の着工状況について、簡単にお示しいただきたい。

○池口副大臣 お答えします。

 簡単に答弁したいと思いますけれども、応急仮設住宅については、三月の十九日、岩手県の陸前高田市で三十六戸着工しました。それ以降、順次着工しておりまして、三十日現在、きょう現在で三十三地区、三千二百十戸、あした一地区、四十五戸着工が決まっておりますので、トータル、今月中に三十四地区、三千二百五十五戸が着工済みまたは着工予定となっております。

○穀田委員 多くの方々が指摘しているように、大臣からおおむね二カ月で三万戸を供給するように要請している。着工予定を含めて現に着工しているのが、今お話があったように、数字を足すと、もうひとつだけれども、三千二百五十五戸と言われています。そうなりますと、約一割しかいっていない、極めてテンポが遅いと言わざるを得ない。

 私は二つあると思うんですね。津波で、地震による津波とで避難された方々がおられる。もう一つ、数字が余り明確になっていないんだけれども、原発事故に関連して避難をしている方々がこれもまたたくさんおられる。ですから、その方々が、確かにうちはあるんだけれども戻るわけにもいかない、そういう方々も含めてやらないと、だから、私は前々回に幾ら必要かと聞いたんですよね。そうしたら、つかめていないと。それは、県がつかめていないのはわかるんですよ、大変なんですから。だけれども、そういうものも含めて規模として見るならば、二つの固まりがあるということを押さえておかないとだめなんじゃないかと思うんですよ。大臣、そこは大丈夫ですよね、一言でいいですから。

○大畠国務大臣 おっしゃるように、地震、津波というものに加えて原子力の事故というものがありますので、この二つの固まりで考えなければならないというのは同じ考えであります。

○穀田委員 そこで、今の三千二百五十五戸というのは、私は、阪神大震災の折にいろいろな経験をして、当時、十万戸の住宅建設が必要だと小里大臣に最初に言いました。住宅再建の個人補償というのがないとできないよということも初めて私は提起したんですけれども、今の事態というのはそんなに早くない、遅いと私は思っているんですね。問題は、その原因は何かということについてどうお考えですか。

○川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 ただいま、阪神・淡路大震災と比べてというお話もございました。御指摘のとおり、阪神・淡路大震災の場合には、被災の二日後に応急仮設住宅の発注がございまして、三日後に、これはたしか淡路だったと思いますが、着工されたわけでございます。今回の震災の場合には、着工が被災の八日後の三月十九日ということで、五日ほど着工が遅いということでございます。

 この理由ということについて申しますと、被災地域が非常に広範で、これまでにないような災害の態様だったということもありまして、各県、では、実際にどの場所でどういう格好で応急仮設住宅をつくるのかというところについて、調整が当初なかなか進まなかったということが言えるのではないかというふうに思っております。

 ただ、供給の準備というものは、先ほど委員もお話がございましたように、被災後、早期に大臣の方から関係団体の方に要請を行うなど、準備自体はかなり早く入っておりまして、今週に入りまして用地の確保というのが進み始めました。その結果としまして着工も増加しておるというふうに認識をいたしておりまして、今後もその後押しをいたしまして、必要な応急仮設住宅が確保されますよう努力をしてまいりたいと考えております。

○穀田委員 用地の問題はある、調整があった、その二つなんですが、私は、先ほど来多くの方々も指摘しているし、また問題になっています資材の問題について聞きたいと思うんです。

 住宅関連資材不足に対応するために、三月十七日に四省で対策会議を設置し、対応を協議しています。その中で、実需に基づく適切な発注、過剰な在庫の保有の抑制を要請する、こうあります。この意味はどういうことか。つまり、実需に基づかない不適切な発注や在庫を過剰に抱えるという事態があるということなのか、お聞きしたいと思います。

○池口副大臣 資材の点ですが、まず、今いろいろ声を実はいただいております。仮設住宅を大変大量につくらなきゃいけないということの一方で、住宅資材メーカー自体が被災を受けてつくれないという状況なり、輸送も、資材があるけれども輸送ができないという状況の中で、住宅資材の供給不足を懸念する声があるというのは我々も承知しておりますし、私自身も、きのう、茨城県の方の住宅メーカーへ行きまして、実際につくっているところで聞いたところ、これからの懸念ということでこういう声を聞いております。

 それに対して、十七日に対策会議で今委員が御指摘の点を言ったわけですが、まだ具体的にこれがあったということではなくて、やはりこういう足りない状況というのは想定がされますので、足りない状況の中で起こり得ることを未然に防ぎたいという思いで言わせてもらったというふうに理解をいただきたいと思います。

○穀田委員 声をいただいているというのはどういう声なのか定かでないですが、私は、大震災による住宅関連資材の需要が大きくなることを見込んで、いわゆる売り惜しみがあるんじゃないかということを言いたいわけですよ。

 今副大臣がおっしゃいますけれども、資材不足は西日本でも顕著にあらわれています。関西のある建設業者の方から私も声をいただいたし、紹介したいと思います。

 震災翌日より建設資材、住宅機材を注文しても納期未定、商品なしと小売店が言う。急に商品がなくなるはずがない。問屋、商社あたりがハウスメーカーのために商品を流しているためじゃないか。建設資材、住宅設備機器類を大量に、すぐ使用しないのに持っている大手建設会社もある。このままでは販売店、工務店がすべて閉店に追い込まれてしまうということが私どもに来ています。

 また、私、京都に住んでいるんですけれども、京都で東日本大震災の救援活動を行っている建築労働組合の団体があります。京建労という団体ですが、そこの中で、救援ニュースという中にずっとあるんですね。コンパネ不足がある、千二百円だったコンパネが災害後千四百円に値上がりした、こういうニュースが出されていますし、パナソニックのシステムキッチンが入らなくなった、それから、設備屋さんから三月末から当分の間リンナイ製品、住宅機器ですね、それの出荷を停止しますとあった、それから、防水関係の業者でいいますと、コーキング剤も注文後三日程度待たないと入るかどうかわからないと。

 要するに、こういうことになりますと、結局のところ、自分のところまで干上がってしまうということまで起こってしまう。それは、何も突然物がなくなっているわけじゃないんですよ。ところが、突然そういうことが起こっておるというのは、明らかに売り惜しみその他の事態が生まれているんじゃないかということなんですよね。

 ですから、私は、厳格に調査した上で、売り惜しみ行為などはやめさせて、適切な供給を図るべきだと思いますが、大臣はいかがでしょう。

○大畠国務大臣 今、穀田議員からのお話をいただきましたが、もしも、この大災害、まさに未曾有の大災害の中で苦しむ人々がいる中で、それを契機として、売り惜しみとか、あるいは何らかの思惑があって値上がりを待つというような行為は許されるものじゃないと思います。

 したがいまして、国土交通省でももちろん調査をいたしますし、経済産業省の方でも調査してもらうことが必要でありますし、これが、私は、穀田議員からの質問があるというので内部でいろいろな話をしてまいりましたが、公正取引委員会の方の不公正取引というものに該当するのであれば、何らかの措置をするということも含めて、このような状況をぜひなくしたい。そして、一刻も早く、仮設住宅を待っている人がいるんですから、その方々のところに資材が届いて、仮設住宅が完成をして、その次のステップを踏むことができるような状況をつくるために、国土交通省としても全力を尽くしてまいりたいと思います。

○穀田委員 これは、杞憂に終わればいいんですけれども、そうはならないんですよ。

 ガソリンの場合でもそうですよね。供給量はあるのに末端まで届かない。そして、小さなところに手が届かないという問題を何回も私、各党・政府大震災合同対策会議のところでも提起しました。実際、価格は高騰しているんですよ。だから、こういうやり方があるとするならば、許されないというのは当然なんですが、私は、きちんと調査をしないとあかん、それで絶対やめさせなくちゃならぬと。もしもこの大震災の中で売り惜しみなどが行われて、火事場泥棒みたいな動きをもし我々がとめられないとしたら、被災者にどう釈明するのかという立場で臨まなければならないということを強く申しておきたいと思います。

 国交省は、確かに、三月二十四日にアンケートを配布して三十一日までに締め切りをするということで、この問題は調査をしているみたいです。問題は、それを待つのじゃなくて、私が今言っているように、既に東日本でつくられている、そういう合板の関係、確かにそれはあるでしょう。しかし、全部の機材、建設資材だけじゃなくて、住宅機器のことまで起こっているわけですから、それはもはや猶予ができない事態だということをよくつかまないとあきませんよということを言っておきたいと思います。

 次に、二つ目に、私、前々回に続いて民間の借り上げ住宅について聞きますけれども、まず、公営住宅やUR賃貸、公務員宿舎、雇用促進住宅等は、全国でどれだけ用意されたか。先ほどもいろいろありましたし、簡単に数字を述べていただいて、問題は、入居決定はどれほど進んでいるか、明らかにしていただきたいと思います。

○川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 全国で確保しております公的賃貸住宅でございますが、公営住宅が約一万九千戸、URの賃貸住宅が約二千六百戸、国家公務員の宿舎が九千五百戸、雇用促進住宅が一万三千戸でございまして、先ほども触れました公営住宅等情報センターで一元的な情報提供を行っております。

 入居の状況でございます。

 三月二十五日の時点で締めておりますが、公営住宅は一千七百戸、URの賃貸住宅は、その時点では二百五十戸ですが、二十八日時点ではふえておりまして、四百三十戸になっております。なお、公営住宅については、決定は千七百戸ですが、今週になりまして、先ほども触れましたが、東京都や神奈川県で、両方で七百戸が入居候補者を決めたということで、決定手続を今行っているということでございますから、これらを全部足し合わせますと、大体二千八百戸につきましておおむね入居が進んでおるということではないかと思います。

○穀田委員 そこで、民間住宅の活用について、前々回も質問しましたけれども、一体全体、民間賃貸住宅または持ち家などで空き家がどれだけあると考えているのか、全国と被災地の関係で数字を述べていただきたい。

○川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、全国の数字でございますが、平成二十年に住宅・土地統計調査、これは総務省が行った調査でございますが、この調査結果がございます。全国で住宅の総戸数は五千七百五十九万戸でございまして、そのうちの空き家になっているもの、これはもちろん別荘になっているとかいうようなものも込みでございますが、七百五十七万戸という数字になっております。

 次に、被災地における状況でございますが、被災地は今回非常に広うございますので、岩手、宮城、福島の三県分を御紹介申し上げます。

 岩手県の総住宅戸数は、この住宅統計調査によりますと、五十五万戸、このうち空き家は八万戸、宮城県では、総住宅戸数は百一万戸、空き家は十四万戸、福島県では、総住宅戸数が約八十一万戸、空き家は十一万戸となっております。ただ、各県とも、この空き家の中で、被災者の利用は可能だ、あるいは提供可能だということで私どもの方に寄せられておりますのは、岩手県で約四千五百戸、宮城県で三千二百戸弱、福島県で三千六百戸、こういった数字になっております。

○穀田委員 問題は、その可能なという話が、何で可能なのかという条件がなければ、何かそんなに少ないのかということになりますよね。どうしてそういう、四千五百戸、三千二百戸、三千六百戸なんて、そんな低い数字になるのか。本当に私、まじめに、そういうものがそれしかないのか、どこに問題があるのやと聞かなあかんと思うんですよね。そんな数字じゃないはずなんですよ。先ほどもありましたけれども、こういうやり方自身が、今必要としている現実に対して、必死さというところが出ないんだよね。ほんまにそうかと。

 そこで、私、同じように聞くんだけれども、どうも、さっきから言っているように、これを借り上げてやらなきゃならないんだ、これだけしかないのか、それでどないして人を住まわせるんだと。では、今空き家になっている数字がそれほどあるのに、実際使えるというのはこんなことか、それは金の問題なのか、部屋数の問題なのか、それとも人を入れられないという問題なのか、補修せなあかんという問題なのかと、もっと詰めなあかんですよ、それは。本当に被災者が一日も早く入らなくちゃならぬということに対して、そんな数字でいいのかということに対する詰めがないんです。

 私、被災地も何回も阪神のときに行ったけれども、そういう方々の、それこそ仮設住宅へ入ったって大変なんですよ。そういうときにあなた方は、仮設住宅の建設がおくれるだ、民間借り上げ住宅について言えば、それは建設資材の不足だとか土地の不足だとかというのは関係ないんですよ。すぐに住めるのは、民間賃貸の借り上げを私は改めて大臣に要求したいと思うんです。何回もこれは言っているんですけれども、どうですか。

○大畠国務大臣 御指摘のように、仮設住宅ということも大変大事な視点だと思いますが、しかし、現在ある民間の賃貸住宅等々の件、あるいは公的な住宅もございますから、それらをもう一度総ざらいして、現在、被災された方々にどこまで提供できるのかというのをもう一度調査させたいと思います。

○穀田委員 私は、これは、何としても二次災害を起こしちゃならないという決意がほんまもんかどうかということが問われているんだと思うんですね。

 被災地の住民を丸ごとを受け入れようとする地方自治体もあるんですよ。そして、どうぞ自分の家をという助け合いの精神の発露もあるんですよ。このときに、民間住宅の空き家があることがわかっていて、先ほどのような三つの県だけでも合わせれば一万一千三百戸ぐらいしかないなんということを、もし、それでそうかなんて言っているのでは、本気でないと言わざるを得ないと私は思うんですね。だから、こういう実態を、先ほどの局長の話でも、局長も別に悪いと言っているんじゃないですよ、そのまま数字を言っているんだろうけれども、そういうことで被災者に説明できるかということを言っているんですよ。そういう立場で当たっていかなければならないと思います。

 そこで、もう一つ、UR賃貸の問題について少し聞きます。仙台市内の既存のUR賃貸住宅の戸数、そのうち使用可能な空き家の戸数は幾らかということをお聞きします。

○川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 仙台市内のUR賃貸住宅の管理戸数、約四千戸でございます。そのうち、二月末時点で空き家となっている戸数が約三百三十戸でございました。

 なお、仙台市内においては、被災をしたところも随分ございまして、それらの補修の必要性なども含めて、現在、点検をいたしているところでございます。

○穀田委員 では、次に、仙台市内のストック活用以外の住宅、つまり団地再生、譲渡、用途転換などで空き家があるんじゃないか。それはどうなっていますか。

○川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 ストック活用のもの以外につきましても、当然、空き家はございます。こういった空き家につきましては、もちろん、耐震性能が足りなくて耐震改修が必要な住宅、こういったものについては被災者への提供というのはなかなか難しいと思っておりますが、それ以外のものについては、今回の震災での被災状況の確認をした上で、できるだけ補修をして、まさに身近にある公的賃貸住宅ということになりますから、積極的に被災者に提供できるよう、機構の方に求めているところでございます。

○穀田委員 今答弁があったものを表にしたのが、資料の一なんですね。

 そこで、全体の管理戸数は四千八十二戸、空き家戸数は三百三十三、こういうことです。左の下の方に、※1にもありますように、人が入っていない戸数ということで三百三十三戸あるわけですね。次に、※2ということで、非常に程度のよいもので提供できるものは十五、こうなっちゃうわけですね。大臣、わかりますよね。こういう仕掛けになっているんですよ。空き家は三百三十三戸ある、すぐ提供できるのは十五、こういう形に、さっきの話じゃないけれども、どんどんどんどん減る。

 三つ目に、被災状況の確認中で、補修等は必要だが使える可能性があるということなんかもあって、ここにありますように、土地所有者への譲渡、返還ということがあって、これは右の方にありますやろ、「基本的類型」と。そこで「土地所有者等への譲渡、返還等」と書いていますね。これは一部などでは、仙台市の土地で、震災前から協議が難航しているものもあるということなんですね。これを見ましても、調査中、調査中、調査中、そして、被災状況の確認、補修等が必要と。百万近くかかるものもあるでしょう。でも、二十万、三十万でしまいのものもあるんですよ。

 だから、これでいくと、ないみたいに見えるんだけれども、そうじゃないんですよ。この調査中、調査中、調査中と、人が入っていないものを含めて、どうしたらこれを埋めることができるかということがないんですよ。十五という数字が出てきて残りの数字が出ないところに、入れられるのかどうか、どうしたらいけるかという、その所作がおくれているんですよ。

 それで、やはり、既存賃貸住宅を十年間で八万戸削減すると決めた、二〇〇七年のUR賃貸住宅ストック再生・再編方針、この対象となって現在空き家となっている住宅が含まれていないというところに一番大きな問題がある。要は、まだまだ多数あるということなんですね。そういう見方をしなければならない。

 もちろん、今の数字を、すっすっすっと言われたことを、局長も大臣もそのとおり、額面どおり受けとっているかどうか、それはそんなことはないと思いますよ。だけれども、聞いたらそう報告するというところに、もっとあるはずだという話で今詰めていますという話はないでしょう、報告。なかったでしょう、先ほどの話は。したがって、努力はしているんだろうけれども、しかし、そういうものを数値として言わざるを得ない実態があるというところに、ここをあと二十万かければこれだけできます、何とかしたいと思っています、今努力中ですと言ってくれれば、いや、みんなにもそう言っているんですと言ったらわかるけれども、そうじゃないわけだから言っているんですよ。

 では、ついでに、全国の状況はどうか、空き家はどれだけあるのか、あわせてもう一度聞きますけれども、ストック活用以外の住宅については、はっきり言って全国で四万戸あるんだと私は思うんですね。それらを活用すべきじゃないかということについて、前半は数字を言ってもらったらいいし、後半は大臣に聞いてもいいでしょう。

○川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、先ほどの仙台市の関係ですけれども、実態をまず申し上げますと、仙台市内のURの賃貸住宅は県の住宅供給公社に管理を委託いたしております。供給公社の方の手が回らないということで、先ほどお話がありました、すぐ使えそうな十五戸以外の数字がなかなか上がってこなかったんですが、今、URの職員がじかに行って、個別団地を全部チェックして、出せるものをもう一遍洗い出すということはちゃんとやらせておる、これだけまず最初に御報告させていただきます。

 それから次に……(穀田委員「それで何戸だったの、何戸だって言っているの」と呼ぶ)その数字はまだ出てきておりません。申しわけございません。それはしっかりやりたいと思います。

 それから次に、全国の数字でございますが、建てかえ事業等に伴い募集を停止している住宅というのは約四万戸、これは耐震改修の予定をしているものも含めての数字でございます。一方で、それ以外に、二月末時点で募集をしている住宅というものが一万八千戸ございます。先ほど申し上げました、現在URの方で確保した住宅二千六百戸というのは、この中で補修が必要なくてすぐに入居いただけるものということで洗い出したものでございますが、これ以外にも簡単な補修をすれば使えるところは当然あると思っております。

 以上でございます。

○大畠国務大臣 後半の部分についてはというところをちょっと聞き漏らしたので、もう一度お願いします。

○穀田委員 だから、局長は調査をしているのは当然なんですけれども、私が言ったのはもう前々回なんですね。そのときに話をしているわけですやんか。それで、いまだにこういう数字を、十五戸というようなことを言って、いや、これは今ふやしている最中だと。さっきそうやって聞いたときにしゃべって、今、鋭意努力していますと言ってくれればいいじゃないですか。今これだけ既にあるのがわかっています、これは全国で調べたらもっとあると思いますと言って、励ますのが大事じゃないの。

 それを、聞かれたらそのとおり十五と言って、それで、いや、実は調べていますと。これは前から調べろと言っているわけじゃないですか。やりとりを聞いていたら、本当に何をやっているんだというふうに思わないですか。そこを言っているわけです。今必要とされていることにどう手当てして、どう心を寄せているかという角度から物事を言わなきゃならないんですよ。残念ながら、そこがあなたと私の違いなんだよ、はっきり言うと。これはわかるでしょう、皆さん。

 そこで、今の答弁を表にしたのが資料二です。そこにありますように、提供可能な戸数が二千五百八十五戸というのはいかにも低過ぎて、もちろん移住希望との関係で関東圏にならざるを得ないとしても、それは今言ったように一定補修すればできるというものを確保してほしい。それを積極的に活用することについては異議がないなということで、大臣、いかがですか。

○大畠国務大臣 改めて今御質問をいただきましたけれども、まさにその視点で、いわゆる被災者の人が本当に必死でこれから生活再建をするための場所を求めているわけですから、そういう意味で、御指摘のように、それだけの気持ちを入れてというのはおかしいんですが、真剣に精査した上でのものなのかどうか、私も再度そのような視点で見直しをして、努力をしていきたいと思います。

    〔委員長退席、田村(謙)委員長代理着席〕

○穀田委員 現場に行けば、局長の言葉をまつまでもなく、例えば辻堂の団地なんかでいうと、地元の人たちの調査では空き家は八百三十二あるんですよ。それだけで軽くオーバーするんですね。だから、現場へ行けば、今まで私どもが指摘した花畑団地、私は何回も質問してきましたよ。そういうことを踏まえれば、大体、ああいうことを震災があった直後に問題を質問しているわけやから、直ちに調査へ行って、どうだといって詰めるのが筋なんやね。それを平気で十五戸なんて言っているから、僕もかちんとくるわけです。きょうは余りかちんとこぬでおこうと思ったんやけど、そういうのをわかっていただけますやろ。

 私が言っているのは、URの賃貸住宅に住んでいる方々からも、もっと空き家や使用可能な住宅があるはずと指摘の声が上がっているんですよ。しかも、大臣はあらゆる立場で、つまりあらゆる可能性をということと被災者のということを言いますよね。その場合、ストック再生・再編方針を凍結してでもやるんだということが問われているということ、ここが私の言いたい話なんですよ。局長は、数字を調べているのはいいんですよ。問題は、そこから始まって、そういうところにまであるんじゃないかということを私は言っています。

 ですから、大震災という事態に直面してもURの従来の方針に固執するのか、それとも、突然の災害による被災はやはり国民全体で、国家全体で、この問題については可能なものは全部動員するという立場でやるのかということだと思っています。これは、なぜこんなことを言っているかというと、仮住まいの問題でも、こういう問題は何回指摘してもこういうふうになっているということは、将来の復興についても、やはり住民の生活とコミュニティーの再建というところを基礎にしてやるというときに、そうじゃないということの危険性を危惧せざるを得ないからなんですね。

 今、被災者の心持ちと言いましたけれども、そういう被災者の生活の再建やコミュニティーの再建ということなくして将来の復興もないよということに礎を据えるかどうかというところにあるんですよ。そういう立場から私は物を言っているんだということをぜひつかんでいただきたいと思います。何かありますか。

○大畠国務大臣 私も同感でありまして、確かに、例えば、たしか赤坂のプリンスホテルだったでしょうか、やめるところをまた使うとか、そういうふうな話もありますので、ここのところは柔軟に対応することも大変大事だと思います。

○穀田委員 終わります。