|
【第177通常国会】 衆議院・国土交通委員会 ○穀田委員 私は、まず仮設の問題について、一言最初に質問します。 この間、国交委員会の質疑で、仮設住宅建設の問題について再三私は質疑してまいりました。また一方では、各党・政府合同会議というのがありまして、そこの中で私は、仮設住宅の建設に当たって、岩手県住田町の地元産材を使っての建設、そして値段も安いということを紹介し、この取り組みを広げるべきだと主張しました。大臣は早速、地元産材の活用が大事だと指示したと聞いております。 私は、その材料の問題と同様に、建設の担い手と地域経済の活性化に関連して提案したいと思います。 福島県から次のような要望が寄せられています。 県とプレハブ協会と、災害時の協定によって仮設住宅の発注をしている。プレハブ協会からは大手業者に発注し、地元業者は、二次、三次、四次と下請でピンはねされている。県に対して業者の実態を知らせると、そうした事実を認めている。県は、発注しているプレハブ協会に、地元優先、ピンはねを是正するよう要請している。 こういった声が私どもの関係者から寄せられています。 宮城県では、同様の事態に対して、供給促進に向けて、みずからの建設事業実施を希望する市や町でも発注できるように、仮設住宅の提供事務の一部を市や町に委任することで地元業者への発注やピンはねをできないようにしている。すぐれたやり方として、大事じゃないかと私は思ったんですね。 こういう点を他県にも指導して、地元業者に発注できる、そのことによってまたピンはねを阻止する、そしてまた地元経済の活性化に資する、こういうことが必要じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。 ○川本政府参考人 まず初めに、事実関係の方だけ先に御説明をさせていただきます。 委員今御指摘のとおり、応急仮設住宅につきましては、基本的に、各県がプレハブ業界と災害時の協定を事前に結んでおりまして、それに沿ってプレハブメーカーに対しまして県の方が発注をするというのが一般的なやり方になっております。 大量に迅速に供給するということではある意味そういう部分はやむを得ないと思っておりますが、各県とも、今委員の御指摘ございましたように、地元業者を使う、それによって地域の雇用あるいは地域の産業を活性化するという観点から、公募するということをスタートさせております。一番最初にやりましたのは福島県でございまして、これはもう公募手続は終わりまして、今、選定に当たっているということでございます。これに続いて、宮城県、岩手県もそういった公募手続をやっていくというふうに聞いております。 なお、宮城県で行います市町村への委託の分は、今申し上げました地元業者公募分に限る、大量に供給する必要があるという観点から、プレハブメーカーとの契約については基本的に県の方でやりたいというような御意向だというふうに承っております。 いずれにしましても、私どもも、大臣から御指示を受けて、各県の方には、いろいろなやり方がありますという御紹介はしているところでございます。 ○大畠国務大臣 ただいま穀田議員から、このような情報が寄せられたが、こういうお話であります。基本的に、こういうときにピンはねなんというのはおかしな話でありますから、ピンはねをするというような仕組みではなく、まさに私としては、現在、これまでの一つの発注ルートというのがありますが、柔軟に、それも、被災者、いわゆる避難者の方々の立場に立って、一日も早く仮設住宅を建設することが大事であります。 したがって、県の方々も一生懸命頑張っておりますが、基本的には、地方自治体の、市町村の方々が一番切実なんですから、このところが発注できるような形というのは大変大事なポイントだと私は思っております。 ○穀田委員 一番大事なポイントだと思うんです。私は、市町村で直接仕事をできるようにすることがかぎだと思っているんです。これは、地元の状況を一番よく知っているわけですから、下から積み上げていくことが大事であって、私が何度もこのことを言っているのは、復興にかかわる考え方もそこなんだというのは、哲学の問題だと思うんですね。そのことがまた今後の復興や経済のあり方にとっても極めて重要な礎石となる、こういう立場から言っているということを御承知おきいただきたいと思います。 そこで、次に、高齢者の対策、住まいのあり方についてですけれども、また被災地の高齢者の問題なんですが、被災地の復旧復興までに、現在直面している問題を直視して、必要とする生活支援の実行が求められていると考えます。 今、被災者、高齢者の置かれている現状はどうかということでいいますと、この間、日経新聞に、「多重被災」ということで、「行き場失う高齢者」というのが出ていました。そこによりますと、各地の特養ホームなど介護施設も閉鎖され、国が緊急避難措置として定員オーバーを認めたことで、残った施設に高齢者らが集まり過ぎた、受け入れを断られる人も続出した、こう報道して、さらに、一般の避難所でのケアは難しい、「看護師らが配置された「福祉避難所」はごくわずか。行き場がなく、自宅にとどまる人も多い。」「避難所のたらい回しは各地で起きている。」と述べています。 そこで、被災地での医療や介護、介助の必要な高齢者の被災者の実情をどのようにつかんでいて、どういう援助策をとっているのか、厚労省に聞きます。 ○宮島政府参考人 お答えいたします。 まず、被災地における状況でございますが、これについては、介護施設の高齢者の状況把握、それから被災地へケアマネジャーを派遣いたしまして高齢者の状況を把握する、それから医師、看護師が戸別訪問を行う、被災地の市町村からの医療ニーズの聞き取りなどを行っております。 そして、こういったニーズに応じまして、まず、介護施設が壊れてしまったというようなところでは、これは二千八百人の受け入れをほかの施設でお願いしました。この中には、福島原発に伴う受け入れが千五百名入っております。それから、全国から介護職員を六百六十人ほどお願いして現地で働いてもらっている。あるいは、避難所でもホームヘルパーが介護報酬を受けられるですとか、巡回診療を行っていただく。あるいは全国的には、日本医師会や日赤などの医療チームが現地に入っていただくというようなことでの支援を行っているところでございます。 ○穀田委員 こう聞くと、必ずこれをやっていると言うんですよ、大体パターンは同じで。それはわかっているんです。 問題は、この報道にあるように、その対策で十分だという認識かということなんですよね。現場で起こっている事態に対処し切れていないことが問題じゃないのか。これをやっている、これをやっている、それはいいんですよ。それを否定しているわけじゃないんですよ。 問題はやはり、私が、被災後の最初の委員会の質疑で、せっかく地震や津波などから逃れたのに、二次災害という形で命を失うことがあってはならないと指摘しました。この新聞はさらに、「大地震から助かった命が失われている。」「震災関連死は百人以上になるのではないか」と報道しているんですね。 だから、避難所は、地域単位で実情に合わせた簡易の医療・福祉避難所、介護施設をふやすべきじゃないのか。これについて、厚労省。 ○大塚副大臣 お答え申し上げます。 まず、問題意識、そして現状直面している課題についての認識は、委員と全く同じでございます。そういう中で、震災から被害に遭われずに助かった方々をさらなる被害に遭わせないために最善を尽くすという意味では、十分に対応しても十分過ぎるということはないと思いますので、引き続き全力で対応させていただきます。 その中で一つ御報告を申し上げますと、災害時に一般の避難所では生活に支障を来すことの多い高齢者や障害者などの要援護者の方々のために設置される避難所として、福祉避難所というものがございます。これは、援護の必要な高齢者等に対して介護員等が配置され支援が行われますほか、要援護者に配慮したポータブルトイレ、あるいは手すりや仮設スロープの設置等によるバリアフリー化等、こうしたことが行われる福祉避難所であります。これは、事前に各地に設置をされておりまして、東北三県で二百八十八カ所が福祉避難所に事前に指定されておりました。 発災後、被害が極めて大きく、避難所の設置箇所数もかなりの数に上りましたので、高齢者等多くの要援護者が避難生活を送っている中で、福祉避難所に指定されていない避難所においても、パーティションによる間仕切りをするなど、要援護者に配慮した支援を実施するなどの工夫をさせていただいております。 あわせまして、仮設住宅を現在建設している中で、先ほど他の委員の方の御質問のときにもお答えを申し上げましたが、国土交通省とも協力をしまして、仮設の介護のサポートセンターなども設置をしてまいる方針でございます。 ○穀田委員 今、大塚さんおっしゃいましたけれども、事前に二百八十八、つまり、宮城百七十七、岩手七十四、福島三十七と用意しているんですよね。では、その二百八十八が全部機能しているかどうかというと、多分二百八十八はつかめていないんですよ。 だから、数値は、これだけありますよというのはわかっているんですよ。では、それが本当に、この事態に及んで、事前に用意していたわけだからうまくいきました、これは今機能してまっせというようなことはなかなか言えないんですよね。では何ぼ機能してんねんというと、これは答えられないでしょう。だと思うんですよ。やはり、それはそれで、私が今、この避難所が大事だと言っているのは、さっき言ったように、被災地は実態がどうなっている、したがって避難所はこう体制をとる必要があると。 そこで、次は、今言ったように、仮設住宅においては、もう介護は今ありましたように、もう一度正確に聞きますと、私が言おうとしているのは、介護と医療の施設の併設を同時に行うべきじゃないのかと。その辺を詳しくちょっと言ってください。 ○大塚副大臣 お答えを申し上げます。 被災地におきまして、仮設住宅に住む高齢者の皆さんの安心した日常生活を支えるために、仮設住宅の建設にあわせまして、高齢者の皆さんに対して、繰り返しになって恐縮でございますが、主に介護を中心にしたサポート拠点を設置することに加えまして、当面の診療体制を確保するため、地域の実情に応じて仮設診療所を設置することも大変有効であると考えております。したがって、仮設住宅の建設にあわせまして、介護を中心としたサポート拠点とともに、医療を中心とする仮設診療所の整備が進むように、被災県とともに、しっかりと予算対応も含めて努力をさせていただきます。 ○穀田委員 やっていただくと。つまり、介護と医療ということでいうと、サポートセンターと仮設診療所みたいなものですよね。ただ、仄聞すると、やはりそれの件数が、今ありましたように、先ほど副大臣は十分過ぎることはないと言っていましたから、どの程度の計画なのかというのを今後またさらに詰めていきたいと思いますし、私は、現実を見て今後ともやっていきたいと思うんです。 そこで、今回、法案関連として一つ提案したいのは、大臣にお聞きしたいんですけれども、今言ったのは、避難地と、それから避難所と仮設、こうきましたよね。次の段階の問題なんですけれども、当然、復興公営住宅をつくる上で、デイサービス施設等を併設し、新しい町をつくっていく上でも、地域の福祉、介護拠点とすべきでないか。この点、いかがでしょうか。 ○大畠国務大臣 穀田議員からの御指摘でございますが、公営住宅をつくるときの要点は何かということであります。 確かに、高齢者の方々も大変多い状態がございますから、単に公営住宅をつくるだけでなく、今御指摘のデイサービスセンターという施設等も含めて生活支援をしていくということが大変大事でありまして、高齢者に配慮した環境を整備していくことは大変重要な視点だと考えております。 ○穀田委員 それはぜひやっていただかなければならないと思っています。 次に、このサービスつき高齢者住宅と有料老人ホームとの違いを簡単に説明していただきたい。 ○川本政府参考人 お答えを申し上げます。 有料老人ホーム、これは都道府県知事への届け出制度があるものでございますが、高齢者が入居しまして、食事や介護などのサービスを提供するといった施設でございます。 サービスつきの高齢者向け住宅、基本的に住宅でございまして、賃借権が基本になっているということで、それにサービスが付加をされるという仕組みになっております。事業者が任意に登録できる制度でございますけれども、いわば居住者あるいは入居者の保護という点について付加をいたしまして、それから、設備面等につきましても一定の基準を設けまして、安心してお住まいをいただけるような制度として深掘りをしたというのが一番適切な表現ではないかと思っております。 両者の違いということについていいますと、規模や設備については、有料老人ホームは、ガイドラインはございますが、基準はございません。今回のサービスつき高齢者向け住宅については、規模やバリアフリー等について一定の基準を定めております。 特に、今申し上げました契約という面につきましては、有料老人ホームの場合には利用権が大変多くなっておりますが、一方で、今回お願いをしておりますサービスつき高齢者向け住宅は、賃借権か、これ以外の場合につきましても、賃借権に準じる、例えば長期入院なんかの場合に退去が強制されることがないようにしたというようなことで、居住者の保護を強めているということ。それから、事業者の遵守義務として、前払い家賃の保全措置を定めているほか、工事完了前には前払い家賃を取っちゃいかぬというような受領禁止の措置などを定めております。こういった意味で、居住者保護を強めているということが言えるのでないかと思っております。 さらに、今回の住宅、五年ごとの登録ということにいたしておりまして、事業者に対する監督についてもしっかりできるような形で措置をさせていただいたところでございます。 ○穀田委員 違いの中でいうと、利用権と賃借権、ここをどうしても分けておかないと、しっかりつかんでおかないとあかんなと私は思っているものですから、そこはそのとおりやっていただきたい。 そこで、食事の提供や介護など、入居者の必要に応じて十分なケアが受けられるのか、サービスの質をどのようにして担保するのかということについてお聞きします。 ○市村大臣政務官 穀田委員にお答えします。 今回のサービスつき高齢者向け住宅につきましては、高齢者のニーズに応じまして、事業者の工夫により多様なサービスが提供されることが重要であります。このため、事業者がみずから、または提携する事業者が提供するサービスについて登録をし、情報提供することにより、高齢者が選択できるようにしております。あわせまして、サービスの内容や費用につきまして、入居前にあらかじめ書面をもって高齢者に説明することを義務づけることとしております。 また、加えまして、社会福祉法人や医療法人の職員等により生活相談サービスを提供することを義務づけていることから、高齢者の心身の状況やニーズの変化に応じまして、必要なサービスの提供につきまして、介護保険制度の利用も含め助言するなどの措置がとられると考えております。 これらの措置や、福祉、住宅両部局による行政の指導監督を通じまして、介護や医療と連携しました、高齢者が安心して暮らせる住まいの供給を促進してまいりたいと存じます。 ○穀田委員 要は、言葉で言うと、確かに、書面もあるし、それから、両省がやるんだ、こうくるんですよね。問題は、ほんまにこれは住み続けられるのかという問題が一つあるわけですよね。 もう一つは、やはり要介護度が実際上がった場合、当然、お年寄りですから変化しますよね。そういったときに、より手厚い介護が必要となる。そういったらば、自己負担がふえるんじゃないかとか、そのときに対応をきちんとできるのかとか、そういう問題が当然予測されるわけですよね。だから、字面ではない問題がこれはさまざまに起こってくるわけです。 しかも、当然指導対象になる、こうくるわけだけれども、やはり一番大事なのは、実際に出かけていってきちんと調査して指導しなければ、今言ったことは、確かに文章上ではそうなっているし法案上もそうなっているんですけれども、そういうことがやられることが担保されるというのは、実際に調査に行き、そして指導して、事業者任せにしないということが当然のことだと私は思うんですよね。 そこで、新しいサービスつき高齢者住宅の家賃の月額、並びに食事の提供などのサービスと合わせた支払い額は一月にどの程度と国交省は想定していますか。 ○川本政府参考人 お答えを申し上げます。 サービスつき高齢者向け住宅につきましては、高齢者の多様なニーズに対応できるように、家賃やサービス費用の水準も含めまして、さまざまなものが供給されるというふうに認識をいたしております。 具体の家賃ということになりますと、住宅の立地、規模、設備などによりまして大きく異なるわけでございますけれども、昨年度、試行的に予算制度でこういった事業につきまして支援を行っております。そのときのデータでは、家賃につきましては、一番多かったゾーンが平均で五万円から七万円程度というところでございました。 当然、地域や高齢者御本人の介護度によりまして負担の総額が異なってまいりますが、仮に、家賃が五万から七万の真ん中の六万というふうにいたしますと、サービス費は大体二万円ぐらい、それから月々の食費は四万円程度、これに介護保険の自己負担分が必要になるということではないかと思っております。 所得の低い方に対しては、サービスつきの住宅につきましては、例えば既存ストックを改修して提供していただく。これは、新築ということになりますとある程度コストが加わるということでございますので、既存ストックの改修でやれるようにするというようなこと。それから、都道府県が策定します高齢者居住安定確保計画に即していなければいかぬわけでありますが、それによります基準も柔軟にやってもらうというようなことから、家賃の低減化が図られるように誘導してまいりたい、このように考えております。 ○穀田委員 今、皆さんお聞きになったと思うんですが、想定額でいうと六万円、そしてサービスが二万円ぐらい、食費が四万。これだと、合わせて十二万は最低要る。こうなりますと、中程度の所得層の高齢者を対象にしていることになるというのはだれの目にも明らかだと思うんです。 問題は、先ほど局長が一生懸命、低いところにと言って予防線を張っていましたけれども、そうはいっても、低所得の高齢者は入れないことが予想される。低所得者向けのケアつき公営住宅をふやすべきじゃないか、これが私の一貫した主張なんですよね。現状、どうなっているのか、どのような目標を持って取り組んでいるのか、これを報告されたい。 ○大畠国務大臣 低所得者向けのケアつき公営住宅というのはどういう状況にあるのかという御質問を賜りました。 確かに、年金で生活をするということを考えますと、国民年金でいいますと四万円、満額でも六万六千円ですから、そういう意味では、先ほどの指摘のようなところにはなかなかお金を払えないということであります。 そういうことで、厚生労働省と国土交通省との連携によりまして、高齢者向けの公営住宅に生活援助員を派遣して安否確認や生活相談を行うシルバーハウジング・プロジェクトというものを実施してきており、平成二十一年度末現在では、八百六十九団地、二万三千二百九十八戸で展開をさせていただきました。 また、公営住宅の建てかえ等によりまして、福祉施設等の生活支援施設を併設して、地域の福祉拠点としての団地整備が進められているところであります。公営住宅等の公共賃貸住宅団地では、平成二十一年度末現在で、千七百七十一施設の高齢者や障害者、子育て世帯を支援する施設が併設されているところであります。 議員御指摘のように、低所得者向けのそのような体制というのも大変大事でありますから、今後とも、低所得者の安心して住居できる公営住宅の整備を進めてまいりたいと考えております。 ○穀田委員 調査室からも資料をいただきまして、そこにも、国土交通省からの、高齢者向け賃貸住宅のハード・ソフトのあり方調査という資料が出ていまして、そこの中に、今お話あった二万三千二百九十八戸というのは書いているんですよね。 これはやはり、そんなに進んでいないということなんですね、この程度だと。大体、高齢者の低所得者は何ぼいるのかということを考えますと、およそ進んでいないということになると思うんです。 今回のサービスつき高齢者住宅というのは、十年間で約六十万戸の目標なんですよね。これは、民間に協力を得てつくる数字です。一方、公がつくらなければならない低所得者向けのケアつき住宅の建設の目標がないというのでは、それでは高齢者全体を対象にした施設の前進は図られないということを指摘しておきたいと思うんです。 実は、そういう合間を縫って、すき間を縫って、私、〇九年度にもこれを質問しましたけれども、「たまゆら」のような事故が起きました、未届け有料老人ホームがはびこって、大きな事故になるということに。 ですから、では今回のような施策で「たまゆら」のような施設はなくなるのか、また、「たまゆら」のような未届け有料老人ホームの改善は進んだのかということについてお聞きします。 ○大塚副大臣 お答え申し上げます。 未届けの有料老人ホームの状況について先に御報告申し上げます。 平成二十一年三月十九日に「たまゆら」において発生しました火災以降、そうした施設についての実態把握を定期的に行っております。最新のデータは昨年の十月三十一日現在でございますが、未届けの有料老人ホームに該当し得る施設は二百四十八施設であります。一昨年の定期調査の際には四百四十六施設でございましたので、二百ほど減少はいたしております。 なお、ことしの十月末時点で第三回の調査をする予定でございます。 こうした未届けの有料老人ホームができる限り少なくなるように、老人福祉法に基づく届け出の促進、指導の徹底を図ってまいりたいと思っております。 ○川本政府参考人 委員の御指摘のように、こういった未届け有料老人ホーム、行き場のない御老人を集めるような施設というものは、これは私どもが申し上げるまでもなく、当然、できるだけ減らしていかなきゃいかぬ、なくしていかなきゃいかぬということではないかというふうに思っております。 そういった意味で、今回のサービスつきの高齢者向け住宅の供給といったようなことで、供給の層をできるだけ厚くしてまいりました。いろいろな形で高齢者のニーズに応じた住まいの提供、この点については、先ほど委員の方からは、低所得者向けの公営住宅の供給についてももっと力を入れるべきという御指摘もいただきました。それもあわせまして、全体として、高齢者がお住まいいただけるにふさわしい住宅、そして生活環境の整備を進めていくことによりまして、安心して暮らせる社会の実現というものを図ってまいりたい、このように考えております。 ○穀田委員 私が一番最初に、きょう仮設住宅の次に質問したときに、行き場のない高齢者、行き場を失う高齢者ということを指摘しました。この最後の問題も、行き場を失っている高齢者がいるわけですよね。 それで、私が質問した当時は、たしか六百近くの施設が掌握されていたと思うんですね。そのときに、当時の金子大臣というのは、届け出が問題じゃなくて、緊急点検でなくしていくということを言ったわけですね。だから、地道に努力することは当然必要なんですけれども、問題は、ではそれらの事態の根本に何があるのかということに目を向けなければ、いずれにしても、調査をして、それはやめなさいというのまではできても、次から次へと出てくるわけですよね。 その根本に、前回も指摘しましたが、私のキーワードは、行き場がないという問題なんですよ。そういう高齢者を大量に生み出している大もとを変えることが必要だ。これまで、公営住宅の建設を抑制し、特別養護老人ホームの建設も、さらには在宅サービスも抑制し、高齢者の住まいの安心を脅かしてきた、これがこの間の実態だ。先ほど、立場はいろいろ違いますけれども、反省をされていたわけですが、こうした政策を転換して、国と地方自治体の責任で、もう一度言いますけれども、低所得者の高齢者向けの公営住宅の整備、それから特別養護老人ホームやケアハウスの整備をすること、このことこそ必要だと思う。そのことを最後に大臣に一言賜れればと思います。 ○大畠国務大臣 穀田議員からの御質問をお伺いして私も思い出したわけでありますが、憲法第二十五条に、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」ということがございます。そういう意味では、現在の御指摘の点というのは大変大事な点でありまして、住むところというものをどうきちっと担保していくのか、こういうことについては、穀田議員の御指摘を踏まえて対応していくことが大変大事だと考えているところであります。 ○穀田委員 終わります。 |
|