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【第180通常国会】 衆議院・議院運営委員会 ○穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。 私は、二つ質問します。 一つは、国家公務員の労働基本権の早期かつ完全な回復の問題です。 憲法二十八条が保障する労働基本権、すなわち、団結権、団体交渉権、争議権、これは、本来、公務員にも保障されるべきものであります。 ILOが、消防、監獄職員の団結権や一般公務員の争議権、労働協約締結権の保障など、国際労働基準に沿った公務員制度改革をするように勧告しています。私は、我が国の国家公務員の状態が、国際労働基準に照らして重大な問題を持っていると考えますが、どのようにお考えかということです。 二つ目は、先ほど来意見もありましたけれども、私はどちらかといえば別な角度の方から質問しているわけですけれども、国家公務員給与改定臨時特例法についてです。 今国会では、この法案が、民主、自民、公明の三党によって提出され、成立しました。これは、国家公務員の労働基本権の回復なしに、いわばその手足を縛ったままで、人勧水準をはるかに超える平均七・八%もの給与削減という不利益を二年間にわたって強要するものであります。これは、憲法にも反し、労働基本権制約の代償措置である人事院制度をも否定するものだと言わなければならないと私は考えます。しかも、提出会派は、国家公務員を代表する労働組合に対し、法案についての説明、交渉、合意どころか、意見聴取さえも行っていませんでした。 これらの問題についてどのようにお考えか、御所見を承りたいと思います。 ○吉田参考人 まず、ILO、国際労働基準についての御質問です。 ILOについてはいろいろな議論が紹介されておりますが、我が国の労働基本権については、ILOの考え方として、国の行政に従事する国家公務員といいましょうか、国の行政に従事する者の交渉権については、制約があったとしても、それがILOの原則に反するものではない。他方、国の行政に従事しない公務員については、これは協約権を含んで交渉権を付与すべきであるという考え方をとっていると私は理解しております。 その中で、我が国の場合には、そのILOの条約を批准する際に、広く公務員、特に非現業の公務員、地方公務員も含めてですが、これを国の行政に従事する公務員というふうにしているために、結果として全て制限される対象になっているというのが現状で、ILOから言われていることは、日本は国の行政に従事する公務員の範囲をきちんと整理すべきであるというふうに指摘を受けていると私は理解しております。 それから、二点目の給与特例法の関係でございますが、この件につきましては、先ほどちょっと触れましたけれども、東日本大震災という千年に一度と言われる未曽有の国難に対処するために、国会において大所高所からの検討がなされ、結果として今般法律が成立したというふうに我々としては受けとめたいと考えております。 なお、このプロセスにつきましては、非常に臨時異例の形がとられ、職員団体等の関与がどうだったかという議論もあったというふうに承知しておりますけれども、これは、できるだけそういう機会があることが望ましいというふうに私は思っております。 ○穀田委員 いろいろ意見を承ったということにしておきたいと思います。 ただ、先ほど、最後にありましたように、私どもは考えを一定異にしている。しかも、もともとことしの法律を通した場合のその趣旨を見ますと、単なる千年に一度という話じゃないんですよね。この法律の中身を出すときに、消費税増税のための身を切る改革と位置づけたということについても知っておいていただければと思っています。 以上です。 |
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