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【第183通常国会】 衆議院・議院運営委員会 ○穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。 予算委員会において、我が党の佐々木憲昭議員が、リーマン・ショックが起きた二〇〇八年二月から二〇一三年二月までの貨幣供給の実績を質問しました。岩田副総裁は、日銀が金融機関に貨幣を供給するマネタリーベースで四七%増、金融機関全体が経済に貨幣を供給するマネーストックで一〇%と答弁しました。 きのうの、供給量を大幅にふやす計画ですが、しかし、結局、日銀が幾ら貨幣供給をふやそうとしても、資金需要が伸びなければ、日銀と銀行の間にじゃぶじゃぶたまるだけであって、銀行から先にお金が流れなかった、これが実態ではないかと思うんですが、その辺の認識を。 ○黒田参考人 御指摘のような状況があったことは、そのとおりだと思います。 ただ、一方で、今回の量的・質的金融緩和は、量的な拡大だけでなく質的な拡張もしておりまして、両面相まって資金需要も出てくるし、それに対応して資金を供給するスムーズなメカニズムもでき上がってくるというふうに思っております。 ○穀田委員 しかし、資金需要が発生するといいますけれども、金融を緩和するだけでどうして資金需要が発生するのか、その理屈が示されていないと私は思うんですね。 一体どのような手段で需要をつくり出すのか、金融の手段だけではつくり出せないのではないかということについて、いかがでしょうか。 ○黒田参考人 この量的・質的金融緩和におきましては、イールドカーブ全体を引き下げる、さらに、リスクプレミアムを縮小するということで、当然ですけれども、いわば需給の関係でいえば、需要というのは条件に関係なく一定であるわけでなくて、条件と関係して需要が決まってくるわけですので、その条件、金利とかプレミアム、アベイラビリティーが拡大するということは、当然、与えられた需要曲線のもとでより多くの需要を賄ってくれるということになると思います。 それから、もう一つは、いわゆるポートフォリオリバランスという効果があると思いまして、こういったイールドカーブ全体が下がっていく際に、ほかの金融資産にシフトしていく、株とか外国の金融資産とかその他にシフトして、それが当然資産効果を持ってくる。これは、企業に対しても消費者に対しても持ってくると思います。 さらに、三番目には、そういったことも含めて、期待に対する効果があろうというふうに思っております。 ○穀田委員 期待の効果を相変わらず言っておられるわけですけれども、しかし、結局、日銀ができることはマネタリーベースでやることだと先ほどおっしゃっていましたし、日銀の力といいますかやることの限界はあると私は思うんです。 そこで、最後に聞きたいと思うんですが、消費税の増税で十三兆五千億円。これは、政府も四月二日の予算委員会で認めた戦後最大の増税であります。さらに、年金、医療、介護等の社会保障の負担が六兆五千億円。合わせまして二十兆円もあります。この負担が国民に押しつけられる。 これをどう見ていらっしゃいますか。 ○黒田参考人 これ自体日本銀行のマターではございませんが、私の考え方を申し上げれば、社会保障と税の一体的な改革を行うことによって社会保障の持続可能性を高める一方で、財政の持続可能性を高めるといったことがその背後にある、そういったことは、極めて重要であり、必要であるというふうに思っております。 ○穀田委員 日銀が一生懸命言っておられる物価安定目標は、結局、二%上げるということになるわけで、なおかつ、では賃金が上がる保証はあるのかというと、なかなかない。結局、賃金は上がらない、物価高、そして今お話しした負担増、その上に消費税ということになって、パンチを受けるという形になると思います。 結局、総需要をふやすといいますけれども、結果として、そういうことによってふえない事態がつくられて、私は、政策的な間違いだということだけ言って、終わっておきます。 |
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