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【第183通常国会】 衆議院・消費者特別委員会 ○穀田委員 私は、食品表示法に関する法律について質問します。 この食品表示に関する主な法律三本を、本法案で、食品表示部分に関して一元化するというものであります。本法案は、簡単に言うと、国民生活との関係で現状がどう改善されるのか、端的にお答えいただければ幸いです。 ○森国務大臣 本法案が成立し、二年以内に施行するに当たって、まず、現行の三法に基づく表示基準を統合した、整合性のとれた、わかりやすい表示基準を策定することとしています。 それとあわせて、本法案により栄養表示の義務化が可能となることから、義務化を円滑に進めていくための環境整備を行っていくとともに、対象となる栄養成分等の義務化に向けて、必要な表示基準の検討を早期に行っていくこととしております。 以上の課題のめどがついた段階から、加工食品の原料原産地表示などの課題についても、消費者や事業者の方々などの意見を幅広く聞きながら、消費者にとって必要な情報が的確に伝えられる、わかりやすい表示制度とすべく検討してまいります。 このような取り組みを通じ、食品表示法における表示の充実を図ってまいります。 ○穀田委員 主婦連など消費者八団体で構成する、食品表示を考える市民ネットワークは、今大臣はお話ありませんでしたけれども、法の目的に消費者の権利を明記するよう強く求めてきて、法案で、第一条の目的には書き込まれなかったものの、第三条の基本理念の条項を設置して、その中に、消費者の権利の尊重と自立の支援、さらには小規模食品関連業者への配慮を明記している点は評価しているということが、大体の多くの団体の特徴であります。その点を余り言われなかったので、改めて言っておきたいと思うんです。 しかし、先ほど述べた、加え、次の課題へと言わはったところが問題でして、表示事項の具体化は、本法案が成立した後に内閣府令で定める事項とされ、今後も検討するということで、先送りされたわけであります。したがって、その点で失望した消費者団体も少なくないとお聞きしています。 日本は、世界でも最大級の食料輸入国であります。食料の自給率は特に先進主要諸国では一番低くて、輸入に依存している割合は高いわけであります。だから、原料原産地表示や食品添加物、遺伝子組み換え食品などについての国民の関心は高い、そういう現状にあるわけですね。 消費者庁は、これら国民、消費者団体の声に応えて、その国民の願いを実らせるために、本法案をつくるに当たってどのようなイニシアチブを発揮したのか、お答えいただきたいと思います。 ○森国務大臣 平成二十三年七月の消費者基本計画改定において、食品に関する一元的な法律について、平成二十四年度中の法案提出を目指すこととされたのを受け、消費者庁が主導して、食品表示一元化に向けた検討を進めてまいりました。 具体的には、平成二十三年九月から平成二十四年八月にかけて、消費者庁において食品表示一元化検討会を開催し、食品表示法案の立案に向けての基本的考えを取りまとめました。 その上で、意見交換会等を通じ、幅広い意見を集めた上で、食品表示法案を取りまとめ、同法を提出したところです。 また、食品表示法案においては、食品を摂取する際の安全性の確保及び自主的かつ合理的な食品の選択の機会の確保を目的に規定し、一般消費者の利益の増進を同法案の目的としたところです。 今後、食品表示基準の策定に当たっても、消費者庁がイニシアチブを発揮して、消費者や事業者の方々などの意見を幅広く聞きながら、消費者にとって必要な情報が的確に伝えられる、わかりやすい表示制度としてまいりたいと思います。 ○穀田委員 私は、残念ながら、端的に言って、国民の期待に応え切れていないと言わざるを得ません。 例えば、主婦連の山根さんなどは、事業者優先のコスト論が必要以上に強調され、真に消費者にとってわかりやすい表示とは何か、そもそも現状の表示のどこに問題があり、どう改善されるべきかについて議論が十分にされなかった、検討会開催までに課題が整理され、十回の会議で獲得すべき目標を全体で共有し、議論を積み上げていくべきところ、そうした運営とならなかったのは消費者庁の怠慢を言わざるを得ない、こう言っているんですね。 さらに、同じく、委員の一人であります中村さんは、委員の構成に問題があった、消費者を名乗る数名は、社会的コスト、遵守コスト、供給コスト、監視コストと口を開けばコストで、安全の確保や消費者の選択に資するということよりも、コストアップが大問題だと主張し、企業側の委員の発言内容と似たり寄ったりで、実質的には企業側に偏った人選であった、こんなふうにも言っているわけですね。参加している方々からもそんな意見が出る状況なわけであります。 ですから、私は、随分イニシアチブをとった、頑張ったなんという話をしているけれども、こういうような耳の痛い話にもやはり耳を傾けなくちゃならぬと思っていることが一つ。 それと、消費者庁の役割とは何かという問題なんです。やはり国民の期待との関係でこれも見る必要があります。もともと、シンドラーのエレベーター事件だとかパロマの湯沸かし器事件など、悲しい事件を二度と起こしちゃならぬということで、消費者事件や事故の遺族、それから被害者、支援する消費者団体などの国民的運動があって、その働きかけもあってこの庁は発足したわけであります。 だから、消費者庁は、設置法第三条で、「消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念にのっとり、」と、わざわざ基本理念まで、そこまで書いている。そして、「消費者による自主的かつ合理的な選択の確保並びに消費生活に密接に関連する物資の品質に関する表示に関する事務を行うことを任務とする。」つまり、消費者の立場に立たなければならない、こう書いてあるわけですね。だから、そういう立場から見て本法案はどうかということを検討しなければならないと思うんですね。 そこで、原料原産地表示、食品添加物、遺伝子組み換え食品、三つの課題について順次お聞きします。 二〇一〇年三月三十日に、消費者基本計画や食料・農業・農村基本計画で原料原産地表示の義務づけの拡大を盛り込んだわけですが、どのように書いているか、消費者庁、お答えください。 ○松田政府参考人 お答え申し上げます。 消費者基本計画におきましては、消費者庁の具体的な施策として、「加工食品における原材料の原産地表示の義務付けを着実に拡大します。」と記載されております。 他方、食料・農業・農村基本計画におきましては、「消費者にとって分かりやすい食品表示のあり方について検討を進めるとともに、加工食品における原料原産地表示の義務付けを着実に拡大する。」と記載されておるところでございます。 ○穀田委員 そこで、お聞きしたいんだけれども、まさに、二〇一〇年の消費者基本計画だとか今言った食料・農業・農村基本計画でわざわざ原料原産地表示の義務づけの拡大を盛り込んだわけだけれども、では、今回、なぜこれが法案に盛り込まれなかったのか、お聞きします。 ○松田政府参考人 今委員御指摘のところでございますけれども、閣議決定上は、そういう、確実に従来のベースで拡充に努めるということが両閣議決定で決まっておるというのは、今申し上げたところでございます。 法案につきましては、新たな目的、新たな基本理念のもとに、内閣府令による食品表示基準を新たにつくりまして、その上で、当面は、先般の答弁もございますけれども、今の基準、六十本の基準を見直して、内容的には横滑り、それから栄養表示につきましては義務化が入るということをまず第一ステップといたしまして、その上で必要な見直しを、新たな目的、基本理念のもとに見直すという考えで法律は組み立てられているというところでございます。 ○穀田委員 伊達さんは笑っているけれども、なかなか苦しい答弁だよね。はっきり言って、要するに、義務づけを拡大すると二〇一〇年に決まっておって、二〇一三年になって、今ごろあんなことを言っているということ自体が、誰が考えたかて、それこそ、誰が考えたかてという人がはやっているらしいけれども、おかしいと私は思います。 具体的にもう少し聞きたいと思うんですね。 では、例えば、カット野菜は表示対象だけれども、それにドレッシングをかけたものは表示対象外、ゆでダコは表示対象だけれども酢ダコは表示対象外、透明パウチに入ったレトルト食品は表示対象だが缶詰や瓶詰は対象外、スライスしたシイタケやニンニクは表示対象だが、フレーク状や粉末にしたものは対象外だ。今そうなっていることは事実ですね。簡単にでいいですよ、あれこれ要らぬ。 ○松田政府参考人 今委員御指摘のとおり、JAS法に基づく加工食品品質表示基準で定められている中には、今、カット野菜とかゆでダコ等ございまして、加工度の低い、生鮮食品に近い食品が選定されておりまして、加工度が増すと義務化の対象から外れるものがある、そういう中身になっております。 ○穀田委員 加工度と、よくそういうことが言えるね。ドレッシングをかけたら加工かいな。これは付加したと言うのや。情けなくなってくるね、そういう話。 私は思うんだけれども、当たり前に、いや申しわけないなという気で、わかるんだけれども、そういう手を入れたとかなんとかいう話を、もし、子供の、小学校でもいいけれども、これを学校で言ってごらんなさい。誰も信用せえへんようになるよ、ほんまに。情けなくて、もう誰が見てもおかしいんですよ。 国内農産物の五割は加工食品になる。そうしますと、自分が何を食べているのか、どこのものを食べているのかということを知りたいのは当たり前なんですよ。だから、さっきから言っているように、同じカット野菜が、ドレッシングがかかっていると、まあ、そこの松田さんのところのおうちはドレッシングがかかっていると加工なのかしらぬよ、だけれども、かかっているかいないかだけで、全く表示の対応が違ってくる。 だから、実態は、複雑だとかわかりにくいということじゃないんです。原料原産地表示は、これがどこのものなのか、何でつくられているのか、こういう消費者の要望に応えるものであって、これは本法の第一条、目的に明記されています。この食品に関する表示が、食品選択の機会の確保に関し重要な役割を果たすということになっているじゃありませんか。同じく第一条は、生産者の側から見たらどうかということで、「消費者の需要に即した食品の生産の振興に寄与することを目的とする。」こうまで書いているわけですよね。 内閣府の調査では、八九%が国産を選択したいと。しかし、国産品を選択しようとしても、原料原産地表示が不十分な現状では、国産を求める消費者の要望には応えられない。 つまり、今言いましたように、消費者の権利からしてどうなのか。生産者の側からしてどうなのか。さらに、以上のことからすると、日本の食料を守るということからも、全ての加工食品に原料原産地表示の表示義務を課すということは必要だと思うし、しかも、あえて言うならば、政府自身が決定したことをやるべきところと違うのかと思うのですが、大臣の見解をお聞きしたい。 ○森国務大臣 食品表示法案においては、一般消費者の商品選択上の判断に影響を及ぼす情報であれば表示の基準を策定できることとしているため、品質の差異にかかわらず、表示対象品目の選定を行うことができることになります。 したがって、食品表示法案の成立後においては、消費者や事業者の方々などの意見を幅広く聞きながら、原料原産地表示のあり方について、義務範囲の拡大も含め検討してまいりたいと思います。 先ほど委員の御指摘の、委員の選定が偏っていたのではないかとか、また、そういったところに消費者庁の怠慢があったのではないかというような御意見も謙虚に受けとめまして、今後の表示基準については、しっかりと検討してまいりたいと思います。 ○穀田委員 要するに、それは一番最初の答弁と大して変わっていないんですよ。同じことをしゃべっているんだけれども、後で議事録を見たらわかるんだけれども、ここの席にいる方は、それはおかしいとみんな思っているんですよ。先ほど述べたドレッシングの例なんかを見て、これをいいなんて思っている人は誰もいないんですよ。 そういう当たり前のことがなぜでけへんか。それは、みんな、さっきから言っていますように、コストがかかるということが一つの大きな理由なんでしょう。それを、あなた方は、いわばずっと事業者の側からの声を聞いてやっているわけですけれども、こういったものについて、コスト論、コスト論と言うんだけれども、では、この表示を変えることによってどの程度コストがかかると見ておられるか、ちょっと一度、伊達さん、どうですか。 ○松田政府参考人 コスト論につきまして、一概に申し上げかねますけれども、先ほどから出ております、加工度が低い加工食品というのは、やはり原材料の質をそのまま引きずっているものが高いという意味で、加工度が高いとそこまで言えない、そういった考え方から、今現在に至っておる。 もともと、生鮮食品の原料原産地から始まりまして、加工食品もやはりそれに準ずるものとしてということで漸次拡大してきたこの歴史的経緯につきましては委員も御承知かと思いますけれども、そうした経緯の中から、今回、この法案で、先ほども申し上げましたとおり、今まではJAS法の目的で、品質に関するそういったことをまずは表示しろということでありましたけれども、これからは、消費者の選択の機会の確保、それから安全性、こういうものがはっきり目的あるいは理念で明記されますことから、おのずからそれを踏まえたものが次の表示のあり方の基本となるということでございます。 今まではなかなか、そういう品質という言葉に引っ張られて、ある程度やれることが限られてきた。もうちょっと広くなるというふうに、私ども、期待しておるところでございます。 ○穀田委員 結局、まず私が聞いた、どの程度コストが高うなるのかといったことについては一言も答えていない。要するに、一概に言えないというだけでしょう、結論は。あとは何かいろいろなことを言っているけれども、コストはどれだけかかるのかと言ったら、一概に言えないと。ということは、余り高くかかるわけでもないということもある。 そこで、私は、この間、参考人質疑の際に指摘をしました。原料原産地表示に係るコストは販売価格の〇・〇七から〇・二五%にすぎない、事業者からも、公正な競争につながると評価が高いということを、韓国の農村経済研究会研究報告R632を引用して述べました。これは一元化検討会でも出されているんですね。韓国でも、結局、コストという話が随分出たわけだけれども、そこを政府が、原産地表示の拡大を決めたわけです。 ましてや、お話ししていますけれども、加工品というのは、国内農産物の五割を占めているんですよ。だから、その五割がそういうことになっているということに対してどないしようかという接近がなければ、国民の期待に応えられないというのは明らかじゃありませんか。 この間の質疑で、参考人からは、こう述べていました。表示の情報公開に取り組んでいる事業者も、JAの方などからも、大幅増というようなことはない、コストがそんなに上がることはない、曖昧な表示で問い合わせを多く受けることの方が手間暇がかかるというふうに、コスト論についても言ってきているわけです。なぜこのことが我が国でできないのか、もう一度、改めて聞きたいと思います。 ○松田政府参考人 お答え申し上げます。 費用、コストがどれだけかかるかというのは、個別にいろいろあろうかということでございます。ネグリジブルであるかどうかというのは、必ずしも申し上げにくいかと思います。 いずれにしても、それを、コストをのみ込んだ上で、手間ものみ込んだ上で、手間をどうコスト化して、どれだけの問題なのかということを踏まえながら、新たな原料原産地表示の見直しというのが当然あるだろうということは思っております。 ただ、なぜ今こうなっているのかといえば、そういった考え方でこれまで来て、徐々に見直しを行ってきた今、その過程にあるということを御理解いただきたいと存じます。 ○穀田委員 その過程は二〇一〇年からあると私は言っているんですよ。今始まった過程じゃないんですよ。 閣議決定された消費者基本計画で示された原産地表示拡大の考え方をどう進めるかということは、この問題について皆さんが行った検討会の中でも、こういう意見が出ているわけですよね。消費者庁が具体的な進め方のデッサンを描かない限り、前には進まないものである。加工食品原料原産地表示拡大の進め方に関する調査会の議論を振り返っても、消費者庁の意思が全く感じられず、委員任せの姿勢は変わらずであり、対立の構図が鮮明となって、議論が深まる段階で時間切れ、先送り、棚上げするというほぼ同様のパターンが、食品表示に関する共同会議と合わせると、これで三たび繰り返されたことになる。 だから、大臣の方に言いたいわけだけれども、その過程にあるんじゃなくて、過程が三回も繰り返されてやってきている。この点からも、消費者庁のイニシアチブではやっていないということを私は言っているわけですよ。何かありますか。 ○森国務大臣 委員の御指摘、重く受けとめまして、平成二十三年九月から平成二十四年八月にかけて消費者庁において行われた食品表示一元化検討会でございますけれども、その検討会の中で出た意見も謙虚に受けとめて、今後、しっかりとした基準をつくってまいりたいと思います。 ○穀田委員 決意はわかるけれども、この三回、こういうことをやってきた。次長は、これからの経過で頑張りますと言っている。違うと私は言っているわけ。 二〇一〇年から繰り返されてきた内容が今日に至るまで前へ進んでいない、この反省がなければ、幾ら同じことを言ったってだめですよ、そんなこと。三回もやってきたのは申しわけなかったな、その点ではやはりイニシアチブが発揮されていなかったなというならわかるけれども。 まあ、もちろん今、重く受けとめと言うてはるから、せっかく大臣がそう言うてはるのやから、重く受けとめてちゃんとやってやということだけ言っておきたいと思います。 では次に、食品添加物について聞きます。 現在の食品添加物の表示は、複数の物質が使用されていても、個々の成分まで全て表示するというのではなくて、調味料、乳化剤、香料などと、用途をあらわす一括名表示が認められています。これでは、消費者は、何が使われているのかわからない。 例えば韓国では、植物油脂が使用されている場合、そこには、パーム油、菜種油、ヒマワリ油なんという形で、それが使われていると表示されています。日本の表示は、植物油脂とだけであります。 添加物の表示については、一括表示をやめ、物質名と使用目的を明記すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ○松田政府参考人 今御質問ございました、添加物の表示、これを、一括名での表示をやめて、全て物質名と使用用途名表記の表示にすべきではないかということでございます。 原則として、使用した全ての食品添加物を物質名で食品に表示することとしておるのが原則でございますけれども、例外で、複数の組み合わせで効果を発揮するものが多いものなど、一括名表示できるものがあるといった中に、香料でありますとか調味料でありますとか乳化剤でありますとかといったようなところが例外としてあるわけでございます。 食品添加物のより詳細な情報提供を求める要望がありますことは承知いたしておりまして、この法案の成立後におきましては、消費者や事業者の方々などの意見を幅広く聞きながら、この添加物表示のあり方を検討してまいりたいと考えております。 ○穀田委員 他国と比べて、お隣と比べて違うねんから。今、やじではないですけれども、一々ごもっともとありましたけれども、ほんまにこんなもの、乳化剤、香料、調味料で、そんなもの、はっきりせなあかんというのは誰もが思いませんか。実際に自分が食べる側の身になってみたら、それは誰かてそう思いまっせ。そこは一言言っておきたいと思うんです。 きょう私が言いたいのは、現に今、国の指定外添加物を使った輸入食品が流通している問題であります。 アメリカ、カナダ、オーストラリアなどで、野菜や果物、食肉などの殺菌目的で使われている食品添加物は過酢酸製剤です。この過酢酸製剤は、日本では指定外食品添加物ではありませんか。 ○新村政府参考人 委員御指摘の過酢酸製剤でございますが、これは食品表面の殺菌目的で使用される混合製剤と承知しております。その内容としては、過酢酸、酢酸、過酸化水素、HEDP、オクタン酸及び過オクタン酸の六物質から成るということでございます。 現時点では、この過酢酸製剤に含まれる六物質のうち、酢酸及び過酸化水素は食品添加物として指定されております。それ以外の四物質につきましては、指定されておりませんが、国内の事業者から指定の要請がなされておりまして、現在、指定に向けた作業が進められているところでございます。 ○穀田委員 指定に向けた作業はしているというのはわかるんだけれども、要するに、今は指定外添加物だということははっきりしているんでしょう。うなずいているから、そうなんでしょう。 それで、食品衛生法十条、これによると、その基準に合わない方法によって食品もしくは添加物を製造し、加工し、使用し、云々かんぬんということをやってはならないということになっていますよね。だから、厚生労働大臣が定めるもの以外の添加物を含む食品の流通を禁じている。これに違反すれば、破棄、危険除去の措置をとることになっているはずだけれども、それはそのとおりですね。 ○新村政府参考人 御指摘のとおり、食品衛生法第十条では、厚生労働大臣が指定していない添加物並びにこれを含む製剤及び食品を販売し、または販売の用に供するために、製造し、輸入し、加工し、使用し、貯蔵し、もしくは陳列してはならないとされております。 また、食品衛生法第十条に違反する場合、食品衛生上の危害を除去するために、厚生労働大臣または都道府県知事は、同法第五十四条に基づきまして、公衆衛生に及ぼす影響を踏まえて必要な措置をとることが可能とされております。 このため、廃棄等の措置を講じるかどうかについては、個別の事例ごとに、公衆衛生に及ぼす影響等を踏まえて必要性を判断することとしております。 ○穀田委員 簡単に言うと、いずれにしても、破棄や危険除去の措置をとることができるし、違反すれば、こうやってやれるし、定めるもの以外の添加物を含む食品の流通は禁じている、こういう原則があるということですな。 そうすると、今回、厚生労働大臣が定める以外の添加物である過酢酸製剤を含む食品の流通はストップしたんですか。簡単に言ってください、法令はわかっているんだから。 ○新村政府参考人 この過酢酸製剤につきましては、諸外国の使用実態を調査いたしましたところ、既に、オーストラリア、カナダ、米国におきまして、野菜、果実、食肉等の幅広い食品に使用されておりまして、この添加物を含む食品が相当量輸入されている可能性があることが確認されました。 そのため、この製剤につきまして、薬事・食品衛生審議会の添加物部会で検討いたしました結果、一つは、国際的な専門家会議、JECFAと申しますが、この評価では安全性の懸念はないということ、また、米国及びEU等で安全性が評価されているということから、人の健康を損なうおそれはなく、安全性の懸念はないと考えられるという見解をいただいております。 これを受けまして、市場への影響等も考慮しまして、食品衛生法第五十四条に基づく輸入制限等の措置は行わないこととしております。 ○穀田委員 いや、それは全くおかしな話で、では、もう一つ聞きたいと思うんですけれども、指定外添加物が使用された輸入食品が流通している事実はつかんでいるし、それは認めている。どのような経過で、指定外添加物が流通していたことを知りましたか。 ○新村政府参考人 御質問の点につきましては、ことし三月中旬に、国内の企業から過酢酸製剤の添加物としての指定の相談がございました。 ○穀田委員 では、この業者はどこですか。 ○新村政府参考人 一般的に、添加物の指定の要請業者名につきましては、企業の競争上の地位や利益の保護の観点から、食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼するときに公表されるということになっております。そのため、それまでの間、要請業者名をお答えすることは差し控えさせていただきます。 ○穀田委員 業者のところでははっきりさせぬが、国民に影響があるという問題については誰も知らないというのでは全く、私はおかしいと思うんですね。 過酢酸製剤は、言いますよ、日本では指定されていない添加物なんですよ。 それから、新たに添加物を指定する際にはどういう手続が必要か。 一つは、これは「食品衛生の窓」ということで、厚労省がつくっている添加物の関係の、どうしてやるかということだとか、厚生労働省が、よくある質問ということで、どうしたら添加物が使用できるかというものを書いていますよ。 それによると、添加物の指定のために厚労省に申請が必要だ、二つ目に、厚労省が、その添加物の安全性を確かめるために、食品安全委員会にリスク評価を依頼する、三番目に、その結果、オーケーが出るというのが本来のシステム。これは、今言ったホームページに書かれているわけですね。 だから、はっきり言うと、リスク評価もしていないのに、安全だと流通を許している。諸外国で安全だから、そんなことを言ったら、何のためにそういうことがあるのかと言わざるを得ないと私は思うんですね。 しかも、今、新村さんが話した添加物部会の見解というもの、これは私も見ましたよ。それによると、「本件と同様の事例が起きないよう、各国に対し、我が国の添加物に関する規制の内容の周知を図るべきである。」これぐらい書いて、つまり、自分のところの、我が国ではそういうことがだめだというものをわからぬでやってきているということまで書いているんですよ。 そんな言いわけは通用しないんですよ。だから、私は、この問題は、結局のところ、食品添加物というのは科学的な根拠に基づいてリスク評価され、リスク管理されなければならない、この点の原則からいって逸脱しているということを言っているんです。 二〇〇二年にも同様のことがやられて、添加物の指定を急ぎ、日本消費者連盟等から疑問や意見が出されました。そして、約一カ月後に指定しました。これは、私が前々回の委員会で質問したけれども、国会決議、食品添加物の使用を極力抑制するとの原則から、やはり規制緩和の方向に大きくかじを切るものの一つとして私は見逃すことができないと思っているんですね。 だから、食品衛生法に違反したものが市場に流通している。表示以前の問題であって、輸入、販売の規制はせず、違反食品の流通を事実上認めた、こんなことは許されないと私は思っています。 ですから、大臣、こういうものは直ちに是正をして、ストップさせるということが必要じゃないですか。 ○森国務大臣 食品安全委員会への評価依頼は、準備の状況にもよりますけれども、評価をしていただいて、速やかに指定手続を行いたいと思います。 ○穀田委員 ということは、していないということでしょう、今のお話だと。普通に聞けば、したいと思いますということは、していないということなんですよ。 そうすると、私、何回も言っているんだけれども、もともと、厚生労働省のそういうシステムからいったって、リスク評価を依頼して、リスク評価を受けて、それでやるというのが普通じゃないのか。そういう原則に今戻すべきじゃないか。もし、そんなことで、これは安全だ、他国で安全だから、例もないからというようなことを言ってやるとしたら、それは原則を逸脱することになりはしないか。 しかも、先ほど述べた添加物部会の見解は、「食品安全委員会への食品健康影響評価の依頼及びその評価を踏まえた添加物の指定手続きを速やかに行うべきである。」その検討をしている人たちが、これはあかんで、はっきり言ってちょっとまずいなという話までしているんですよ。だから、その間は是正をして、とめるべきと違うのかという話。 今これからやるのは、それは大臣、わかりましたよ。だけれども、それをやられていない以上、そういうことを、決められた内容で、幾らそれは安全だといったって、自分たちだってこれはあかんなと言っている。人の健康を損なうおそれがなく、安全性に関係ないと考えるけれども、こういうことを言っている人たちの当たり前のことからしても、添加物部会だってこういうことを言っているし、本来の添加物のあり方について決められたルールからしてもおかしいのやから、ちょっと待ちなさいと言うのが筋と違うかと言っているんです。 ○森国務大臣 委員の御指摘は、所管省庁の厚労大臣の方にしっかりと伝えてまいりたいと思います。 消費者庁としましては、申請がありましたら、食品安全委員会の方で、科学的知見に基づき、しっかりと評価をしてまいりたいと思います。 ○穀田委員 それはわかるんですよね。厚生労働省に言ってじゃなくて、やはり、こういう問題について、消費者庁に、少なくともそういう厚生労働省のルール、それからいってまずいんじゃないかと。それで、今、安全だ、安全だと言っておられる人の話を聞いた場合でも、部会の発言からしても、こういうことまで言っている。やはりこれは普通のルールについてやるべきだと思っているんでしょう。 そして、最後に、先ほど引用しましたよ、各国に対して、本件と同様の事例が起きないよう、我が国の添加物に関する規制の内容の周知を図るべきとまで言っているわけですよ。つまり、相手方は知らないでやってきている。たまたまこれは、今調べたけれども、少しは安全かもしれぬという話にはなるけれども、そんなことをやり出したらだめだから、こうわざわざ提起しているんじゃないですか、この人たちだって。その意図を酌み取って、それはあきませんよというふうに言うのがあなたのお仕事だと私は思います。 これ以上言っても詮ないことだから、この辺にしておきますけれども。 次に、遺伝子組み換え表示について聞きます。 一九九六年九月、七品目の遺伝子組み換え食品の輸入が始まって、その後、拡大されていきました。遺伝子組み換え食品をめぐっては、今まで国民が食した経験のない食品であるだけに、国民の不安、反発が大きくて、その安全性をどう見るか、表示の義務づけをどうするかが問題となりました。 遺伝子組み換え表示の義務づけについては、国会がイニシアチブをとって表示させてきた。この経過は、大臣、御存じですよね。 ○森国務大臣 御指摘の報告は、一九九七年六月十二日の消費者問題等に関する特別委員会に設置された遺伝子組換え食品の表示等に関する小委員会の審議結果の報告であると承知しております。 当該小委員会は、消費者の遺伝子組み換え食品であるという表示が欲しいという要望から設置をされまして、遺伝子組み換え食品制度のあり方等の議論がなされ、遺伝子組み換え食品の表示問題について一定の結論に至ったということで、最終報告が一九九七年十二月十二日に出されております。 ○穀田委員 そのとおりです。 それで、これは、九七年二月二十日なんですが、我が党の当時の藤田スミ衆議院農林水産委員ですけれども、表示の義務づけを強く迫りました。当時の藤本孝雄農水大臣が、「消費者の側から見れば、そういうものであるということを承知の上でそれを食するとか食しないとかそういう判断の材料にしたいという御意見については、私ももっともな御意見だと思っております。」こう言って始めたんですね。 今お話あったように、小委員会を設置して、最終報告がまとめられました。その最終報告というのは、各党の合意形成というのは随分、私、当時、まだ国会対策委員長になりたてでしたけれども、そういう報告を聞きました。 三つの点で各党の合意が形成されたと小委員長報告にありますが、それを述べてください。 ○亀岡大臣政務官 平成九年十二月十二日の消費者問題等に関する特別委員会の遺伝子組換え食品の表示等に関する小委員会報告においては、まず一つ目に、厚生省は遺伝子組み換え食品に関する現行の情報公開の制度を全国的に改めるとともに、電子化された情報とデータベースで消費者の縦覧に供すべきであること、二つ目、安全性の確認の重要性に鑑み、現行のガイドラインを見直し、より一層の安全性を保証するものを策定するべきであること、三つ目に、遺伝子組み換え食品の表示そのものについては、消費者の権利を守るために、可能な限りにおいてきちんと表示をすべきであること、この三点について意見の一致を見たということであります。 ○穀田委員 一番目のところは、全国的にじゃなくて、全面的にじゃなかったですかね。 その中身で、今お話ありましたように、当委員会と、それから、当時、農水委員会とそれから小委員会の真摯な議論の中で、国会に議席を有する全ての政党が、遺伝子組み換え表示については、消費者の権利を守るために、可能な限りにおいてきちんと表示すべきであるという合意がなされたわけであります。現在の表示の義務づけが行われているわけであります。まさにそういう意味で、国会が、国民と消費者の権利を守るためにイニシアチブを発揮した例であります。 そこで、アメリカでは、遺伝子の組み換え食品の表示の義務づけはありません。TPP交渉をめぐっては、日本で行っている表示義務づけは非関税障壁だといって訴えられる可能性があるというのが指摘されていることは皆さん御存じだと思うんです。 そこで、アメリカとのやりとりの関係で、少しTPP問題について聞きます。 私は、前々回、この委員会で、TPPをめぐって、食の安全の問題などがアメリカと事前協議されていることを指摘しました。 そこで、大臣、幾ら首相が守るべきものは守ると言っても、重要農産物の聖域確保の保証はありません。四月十二日のアメリカとの事前協議合意文書では、日本の重要農産物について、アメリカ側の文書ではどんなふうに書いていますか。 ○森国務大臣 御指摘の事前協議文書については、日本のTPP交渉参加に関して日米間の協議がまとまり、本年四月十二日に、ワシントンにおいて、日米間の協議結果を確認する書簡の交換が行われたものであります。 現時点においては、当方よりその具体的な内容についての詳細に言及することは差し控えたいと思いますけれども、その書簡において、日米間でTPP交渉と並行して非関税措置に取り組むことを決定し、その対象分野の中に衛生植物検疫措置についての言及があることは承知しております。 ○穀田委員 この日米間の合意の中で、衛生植物検疫措置と書いていることは事実です。 問題は、その合意文書に、重要農産物の関税撤廃の聖域確保についてはちゃんと書いているのかということを聞いているんですよ。だって、守るべきものは守ると言うとるのやから、そこは大丈夫なのかということを聞いているので、それはアメリカ側の文書にも書いているのか。 というのは、この文書には、日米両政府が、日本に一定の農産品で貿易上のセンシティビティー、つまり重要品目が存在することを確認するとあるけれども、これも、二月の共同声明の域を一歩も出ていないんですよ。だから、この問題について、包括的で高い水準の協定を目指すということだけしかこの文書には書いていないわけだけれども、アメリカ側の文書には何と書いてるのやと。それは別に、交渉の内容をつまびらかにしてくれと言っているんじゃなくて、アメリカ側の文書には何と書いているのかと聞いているわけです。 ○森国務大臣 先ほどお答えしましたとおり、具体的な内容について詳細に言及することは差し控えたいと思います。 ○穀田委員 言及することを差し控えるという話のカテゴリーと違うんですよ。アメリカ側の文書は何と言っているかと聞いているんですよ。 何か詳細な協議の中身を言ってくれというのは、それはわかりますよ、できへん、できへん言うねんから、それは知っていますやんか。そうじゃなくて、アメリカ側も、日米共同声明と事前協議の合意文書の中で出している。これは日本側が発表した文書ですやんか。それはこう書いていると言っているわけです。アメリカ側の文書に何と書いてるのやと聞いたわけです。 だから、余りお答えがないから、簡単に言うと、アメリカ側の政府の発表文書には、はっきり言うと、日本の重要農産物についての記述はないということなんです。一切ないんです。だから、ないということだけ言っていただければわかるわけですよ。別に、交渉内容の具体的な話について、まだそんな話は私は聞いていないんですよ、これから聞こうと思っているけれども。 だから、要するに、農産品について聖域の関係でいろいろ議論しているけれども、その議論の中身は、いろいろあって、まだそれを聞いていないんだけれども、そういう重要農産品についての言及は一切ないよ、相手側は述べていないよと言っているんですよ。 そうしたら、それで済むかという話を次にします。 アメリカ通商代表部、USTRがことし四月に発表した二〇一三年版の外国貿易障壁報告書では、貿易障壁の一つとして、日本が新開発食品や栄養機能食品について成分と食品添加物の名称、割合、製造工程の表記を求めることを挙げ、負担が大きいと指摘しています。 それだけじゃないんです。先ほど大臣もおっしゃった衛生植物検疫措置、これは日米合意ということで対策本部が出している文書ですけれども、同時に出された、相手側の衛生植物検疫措置報告書、一三年版でも、食品添加物の認可の手続の迅速化や防カビ剤使用の規制緩和などを求めている、これは事実ですか。 ○亀岡大臣政務官 済みません、先ほど、全面的と全国的を間違えたことをおわび申し上げたいと思います。申しわけありません。 今御指摘になりました米国通商代表部の外国貿易障壁報告書においては、日本では健康強調表示が特定保健用食品と栄養機能食品にしか認められていないこと、また、特定保健用食品は許可手続に費用と時間がかかる等から、多くの栄養補助食品の製造業者にとって、特定保健用食品や栄養機能食品として販売することが困難なことなどがしっかりと報告されていることは承知しております。また、特定保健用食品及び栄養機能食品に一定の要件が設けられているのも事実であります。 ○穀田委員 政務官、ここからなんですけれども、そういうものに対して、我が日本は、こういうことは認められないとか、それはちょっとひどいねとか、何を言っているんですか。 そういうのがあるのはわかっている。それに対して日本側はどういう反論をし、どういう意見を述べておられるんですか。 ○亀岡大臣政務官 現段階において、特別に何かコメントしているということは承知しておりません。 ○穀田委員 何も言っていないということは困りますがな。だから言っているんですよ。 相手側は、まず段階があるわけですよ。事前協議という一番大事な根本の問題の中で、農業の問題については聖域とするという話は相手は一切触れていない、これがあると。一方、今お話ししたように、外国貿易障壁報告書では、これは負担が大きいと、物を言っている。それから、衛生植物検疫措置ということでは、これは食品添加物にかかわるものですやんか、それについては、認可の手続を早くせいと規制緩和を求めている。それに対して、冗談じゃないと言ったというならまだわかるけれども、何にも言っていない。相手は言いたい放題。 今言いましたように、わかりますか、事前協議は、そこの一番肝心な柱のところでは、農産物を重要な製品としてやっている、聖域を保っていますという話はまだない。相手はない。その一方で、具体的な問題については次から次へと言ってきている。この二つはわかっている。これに対して日本はどう言っているのやと。そうしたら、言ったことを承知していないと。それで守れるのか。国民の食品に対する安全や安心というのは本当に守ることができるのか。どないして、それを信用できますねんな。 どうですか。大臣でいいです、伊達さんでもいいですけれども。 ○森国務大臣 TPPについて、交渉事でございますので、交渉の具体的な内容については言及を差し控えたいと思いますけれども、消費者庁としては、食品表示を含め、消費者の安全、安心に資するために全力を尽くしてまいりたいと思います。 ○穀田委員 言及を差し控えるということだと、この間もそうおっしゃいましたよね。言及を差し控えているというんじゃないんですよ。 私は、相手はこう言ってきていると、大きな流れをまず一つ言いました。具体的な方策を言いました。この具体的方策というのは、今までアメリカがいつも対日要求、全部のませてきた経過があるんですよ。だから、よっぽど反論して、おかしいじゃないか、日本の食料の主権を我々は譲り渡すわけにいかないといってばんとやったというなら、それでいいんですよ。細かい話を、どんな交渉をした、相手がどう言った、こう言ったなんという話を聞いているんじゃないんですよ。それは、こういうやり方について、あんたのところが一方的に言うのはあかんのや、我々は我々の腹があるんだというようなことを言わなあかんでと言っているわけですやんか。それについても言及しないとしたら、ほんま情けないというか、だらしのないということを言わざるを得ない。 そこで、言及を差し控えたいというけれども、食品表示の目的は何なんですか。消費者基本法の理念に基づいて、消費者の知る権利、選択の権利が確保されることでありましょう。そうすると、本法案では、食品に関して必要な情報の提供を受けることは消費者の権利として明記したんでしょう。そのことを守り抜くということのために、それは頑張らなあかんというのが筋じゃないですか。 だから、TPPが食品表示に影響するということを心配する声は根強くあるわけであります。したがって、アメリカの要求は何で、日本の対応は何だ、それを知らせることができないなんということで、どないしてこの消費者の権利を守れますねんな。何のためにこの法律をつくったのか。この法律をつくったのは消費者の権利を守るためだ、そのことを背景に我々はこう言っているというのが筋だと私は思います。 ですから、それらのことを知らせることができないとか言及しないなんと言っていることは、そういう意味でいうと、まさしくTPPの秘密性というものの中身だと思っています。これでは消費者の権利を守ることもできないじゃないか、そういう角度から、私は、改めてこのTPP参加については、今までの話を聞いても、簡単に言えば、いかにだらしがないかということがはっきりしたということで、これはやめるべきだということを述べて、終わります。 |
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