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【第185臨時国会】 衆議院・国土交通委員会 ○穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。 私は、九月の事故以来、閉中審査も含めて開会を要求し、JR北海道を呼ぶべきだと一貫して主張してまいりました。ようやく実現したと思っています。 そこで、初めてお話を聞いて、野島参考人は、安全の問題で、浸透していなかったと一番最初にお話がありました。私は、こういう言い方というのはあるのかいなと、はっきり言って思いました。 つまり、浸透させ切れなかった責任がまずあるんじゃないのか。そこを反省しなくちゃならぬ。ただし、ここは糾弾の場じゃありませんから、事実を事実としてつかむことによって次の質疑に生かしていくということが必要だと私は考えています。 私の立場は、九月に、そのことを要求したと同時に、JR北海道にも直接足を運びまして、皆さんにお話を聞いてまいりました。そのときに、私が言ったのは、その当時、九月二十六日だったと思います。今も列車が動いている、道民を運んでいる、乗客の安全はどうなっているんだ、そのことが安全だと本当に言えるのかということを言ったことを今でも忘れることはできません。 そこで、まず第一に、データの改ざん問題について一言、長い文章で読まなくていいし、簡潔に言ってね。なぜデータを改ざんしたと考えているのか。先ほどは、技術力だとかなんとか言って、推察しているというような話がありましたけれども、社長自身は、なぜ改ざんしたと考えているのか、簡潔にお答えください。 ○野島参考人 今回、社員がレールの検測データを改ざんしたことについては、現在、その背後要因等についてはまだ調査中でございます。しかしながら、この安全の基本にかかわりますレールに関するデータが違っていたということについては、大きな事柄だと感じてございます。 冒頭、委員がおっしゃいました、安全が浸透していなかったというふうな部分、これは、安全を浸透させていなかった私どもの責任というふうにも考えてございます。 ○穀田委員 入っていますと言うから、そういう言い方はないだろうと私は言っているんですよ。それだったら最初からそう言ったらいいわけで、そんな人ごとみたいな話をしたらあきませんで。 それから、あなたは先ほども、技術力だとかなんとかと推察されると。そんな、レールの問題について、一歩間違えば事故につながり、命につながるという問題からしてどう考えているのかという、深い洞察が必要だということなんですよ。そういう点が全然ないね。 その上で、では二つだけ聞きますよ。現場に対して、上部組織が改ざんしたという事実はないのか、一つ。二つ目、データ改ざんは常態化していたんじゃないのか。この二つ。 ○野島参考人 レールのデータ改ざんについて、上部が関与していたという事実は、まだ私どもは、調査では判明している事実はございません。 それと、申しわけございません、もう一点……(穀田委員「常態化していたか」と呼ぶ)これにつきましては、先ほど御説明させていただきましたとおり、函館管理室のほかにまだ八カ所、新たに今回、現時点で判明をしております。それがいつから行われていたのかということについては、現在、調査中でございます。 ○穀田委員 判明していないと。これから事実を私どもも究明していきたいと思います。 そこで、データ改ざん前の数値は、レールの補修を急ぎやらなければならない箇所のはずなんですね。そうすると、改修しないで運行したら、安全の保証はない。補修をすぐしなければ列車を走らせることはできないんじゃないかと思うのは当然なんですね。 そうすると、いつまでにそういった事態について補修するのかということについて、端的にお答えください。 ○野島参考人 レールのデータの不一致があった箇所につきましては、早急に現在のレールの状態を確認いたしました。昨日現在までで、安全上、現在問題がないということを確認しております。 また、一部、確認に時間がかかっておりますようなところにつきましては、減速という措置をとり、安全を確保しているところでございます。 ○穀田委員 では聞きますけれども、分岐器は、線路の中でも、より厳格に扱わなければならない大事なところです。それが、二千百カ所も調査報告漏れがある。 軌道狂い検査が問題になったわけですよね。私、国労から、国鉄労働組合からも資料をいただきまして、こういうものの検査というのは、軌道の検査項目とあって、軌道狂い検査というのは、一般軌道の軌道狂い検査と、分岐器の軌道狂い検査がある。この軌道狂い検査の方はより重要である、分岐点、分岐ですからね。ということは、これは常識だと。 なぜ一般軌道と分岐器がある中で、分岐器の検査を外してしまったのかということについて、お答えください。 ○笠島参考人 お答えいたします。 軌道変位の計測方法につきましては、高速軌道検測車、マヤ車と申しますけれども、こういうものと、簡易型軌道検測装置、また手計算の三種類がございますが、このうち、マヤ車によります計測はデータ改ざんの余地がないということですので、マヤ車で計測した、主に特急等が走ります本線につきましては、データの信頼性が確認されておると考えております。 また、分岐器部分の本線側につきましても、改ざんの余地がないマヤ車の計測データを用いまして、計測変位に基準超過がないことを確認いたしましたので、現在、通常どおりの運行を行っているところでございます。 一方、マヤ車以外の方法で検査をいたしました副本線等につきましては、問題がないことが確認されるまでの間、減速する等の、安全確保のための措置を現在とっております。減速をしております副本線等につきましては、全ての確認を終了した時点で、今後、減速の措置を解除する準備を進めておるところでございます。 ○穀田委員 誰が考えたかて、かみ合うてへんやんか。分岐器の検査を外したのは何でかと聞いているんですよ。 これは私、聞いたけれども、分岐器の検査というのは本当に大変だというんですね。さっき、あなたが言っているのは、車でがあっとやるというんでしょう。あれは簡単なんですよ、それを動かせばいいんだから。そうじゃなくて、分岐器の場合、糸を張って、こうやって全部、何ぼなっているかということを丁寧に一つ一つやらなければならない、それほど重要なものなんですよ。そういうのについて、なぜ外したのかと聞いているんですよ。 ついでに、もう一つ聞いておきましょう。時間が余りないからね、もうちょっと時間があればやるんだけれども。 それでは、二つ目、よう答えてや。 調査漏れの分岐器の検査は全部終了したのか。二つ目、どうですか。 ○梶山委員長 笠島参考人、答弁は簡潔に願います。 ○笠島参考人 全道の分岐器の再検査、調査につきましては、全て終了いたしております。 ○穀田委員 もう一度。軌道狂い検査が問題になって、分岐器の検査が外れてしまうということが明らかになったと。分岐器の検査を外したのは何でやと聞いているんですよ。 では、外していないというわけですか。 ○笠島参考人 分岐器の検査につきましては、定期的な検査を実施しておりまして、その結果をまずは確認いたしました。 また、今回、こういった改ざんの事象が出てまいりましたので、私どもとしましては、早急な調査をするということで、分岐器のデータの確認を全て実施したところでございます。 ○穀田委員 実施したというけれども、本当かいなと。そんなふうにやれるほど、ずっとやっているものを報告しているにすぎないと僕は思うんだよね。 だって、あれは糸を張ってやって、二百七十カ所みたいな、ああいう二日間でやれるほどの簡単な話じゃないんですよ。二千百カ所について漏れていたというものなんやからね。それが、外しておいて、今やったという話は信用できないね。 それから、今、本線と副本線という話があったけれども、では側線のものはやったんですか。 ○笠島参考人 今回の調査につきましては、データの突合作業ということを実施いたしました。 一つは……(穀田委員「そんなことは聞いていないから、側線をやったのかというのだけ答えてくれればいいんです」と呼ぶ)はい。(発言する者あり)副本線……(穀田委員「側線」と呼ぶ) 側線の検査につきましても、確認につきましても、全て確認をいたしました。 ○穀田委員 側線はやったということを本当に、いや、ほんまかいな、現場では側線なんかやってへんと言うとるけれどもね。あなたはやったということなので、まあ、そういうことだということについては、明確にそれは答弁としてあったということだけ記録しておきましょう。現場ではやられていないというふうに私は聞いていますけれどもね。 それで、側線というのは、簡単に言うと車両基地などに入るところですよね。だから、仮にそこで脱線したら報告しないかというと、そんなことないんですよ。だから極めて大事な問題だと。 もう一度、社長に聞きますけれども、側線の検査はやったと今あったけれども、本当やね。 ○野島参考人 側線につきまして、直近のデータでの確認をきちっと行っております。直近のデータが確認できていないところは、全てここ数日で現地の確認を行っております。 ○穀田委員 では、側線の軌道狂いは一つもないということで認識していいわけね。 ○笠島参考人 側線につきましては、先ほど社長からも話がありましたけれども、データに残る、現場に生データというものが残されておりまして、その正しいものがありますので、それと現在の記録について突合、照合作業を行ったところでございます。 仮に、差異があるということにつきましては直ちに再検査、補修が必要な場合については補修をするということで措置をとったところでございます。 ○穀田委員 次に、チェック機能の問題について聞きます。私は、今の問題については今後も調べたいと思います。 JR北海道は、ホームページの第一ページに、線路の補修作業を社内ルールどおり行っていなかったことが判明した、こう書いています。その社内ルールは、日々の検査、特に基準値オーバーなどについてどう書いているかというと、「検査の記録様式は、工務部長が定めるもの及び線路検査マニュアルによるものとし、必要の都度、別途の指示により、保線所、工務所の所長、運輸営業所等の駅長及び助役等(必要により社長等)に報告するもの」となっているんですね。 ということは、必要なとき以外について報告せぬでええというシステムになっているということですね、社長。 ○野島参考人 その規定どおりの運用をしております。 ○穀田委員 そんな官僚の話をしているんじゃないんだから。その規定になっているということは、必要がなかったら、せぬでええということになってんねやなと聞いているわけ。 ○野島参考人 工務部長に管理をさせているということでございます。 ○穀田委員 時間を無駄にさせたらあきまへんで。必要がなかったら報告がなくてもいいというシステムになっているんですねと聞いているんです、この文書は。文書は知っているでしょう。 ○笠島参考人 軌道変位検測の結果につきましては、私どもとしましては、軌道が、やはり生き物でございますので常に変位するということで、的確に随時測定して管理しなければいけないということと、また、測定自体、その管理自体が非常に、数値の管理ということで、それほど技術的に難しくないということもございまして、基本的には、現地の管理室あるいは保線所等の方で管理、実施を任せておるという状況でございます。 ○穀田委員 だから、結局は、報告はするシステムにはなっていないということなんですよ。だから、あなたが言っている、線路の補修作業を社内ルールどおり行っていなかったことが判明している、こう言っているけれども、ルールどおりやっていたんだったら報告しなくてもいいということになるじゃないですか。 他の交通機関はどうか調べてみると、やはり少なくとも、そういうことでいうならば、例えば、運転保安に直結する整備基準値は、あくまでも検査を終了した段階で、検査実施者と検査実施責任者の間で、必ず確認すべきことである。これは、「軌道の検査における管理体制の徹底について」という、他社の文書は記述しているわけですよね。だから、必ず報告する、二重にチェックするというシステムになっているんですよ、ほかは。あなたのところはそうなっていないということが、これではっきりしたということですよ。 そこで二つ目に、安全推進委員会の問題について言います。 社長は、安全推進委員会について、経営会議でやったというような話をいろいろしています。では聞きますが、十月二十五日の国交省の改善指示で指摘を受けて、その後、この安全推進委員会を開きましたか。 ○野島参考人 ちょっと済みません。今、記憶が定かでございませんが、十一月に入りまして安全推進委員会を開催してございます。(穀田委員「えっ」と呼ぶ)十一月に入って安全推進委員会を開催してございます。 ○穀田委員 十一月に入ってようやく開催をしたということだけはわかった。 そこで、あなたはこう言っていますよね、安全問題について推進委員会はやらなかったけれども、経営会議で週一回やっていると。経営会議というのは経営全般の話であって、なぜ安全推進委員会というのを設けているかという趣旨がわかっていないということを、みずから告白したにすぎないと私は思います。 では聞きますけれども、記者会見などで、事故、トラブルについてあなたはいつも答えておられます。この間の事故、トラブルの安全対策はどこで議論していたのか。安全対策を会社としてとるとすれば、事故、トラブルにかかわるデータを集め、整理し、それを検討し、再発防止策を決定する、こういう部署がないと進まない。一体全体、それだったらどこでやっていたのか。それとも、その都度、個人的見解を表明していたのか。だったら、逆に言えば、安全問題について議論するところと経営会議と別個なはずでなければならないから、わざわざこのことを設けているわけですよ。 そういう趣旨からして、どういう対応をしてきたのかということについてお答えいただきたい。 ○野島参考人 先ほども申し上げましたが、安全推進委員会につきましては月一回開催ということでやってきておりましたので、発生した事象について、迅速にその推進委員会の場で検討するということができていなかったということについて反省をしてございます。 また、いろいろな発生した個々のトラブルにつきましては、すぐに関係者、それぞれの車両でございますとか、そういった関係者がおりますので、そういった関係者で会議を開催し、それに基づき、私は記者会見等で方針等を発表しているところでございます。 ○穀田委員 そうすると、月一回の安全会議で報告されなかった、議論されなかったということが指摘されています。つまり、週一回の会議でやったかどうかについて、我々は知る範囲ではないわけですね、公表もされていないわけですから。少なくとも、国交省が指摘したのは、月一回の会議で報告されていない事実もある、そして、議論されていない経過もある、この二つを指摘しているんですよね。結局のところ、安全推進委員会をJR北海道はまさに軽視していたということの事実は免れないと私は思っています。 しかも、いろいろ、迅速にと言うけれども、迅速にやった結果が、皆さんが何回もテレビで見ているように、何回、右顧左べんといいますか、右往左往して、しょっちゅう話を変えたりなんかしているのを見ると、いかにこれがまともでなかったかということは誰の目にも明らかだと思うんです。 そこで、今度は工務部長に、線路の補修に関して聞きます。 工務部長は、線路の専門家でもあるはずです。この日本の線路という本は知悉していますね。 ○笠島参考人 その本は、もちろん、あるということは承知してございます。 ○穀田委員 ちょっと待って。あるということは私も知ってんのやわ。専門家であるあなたは、あるということを承知しているということで、中身は知らないということですか。 ○笠島参考人 全て熟知しているかどうかということになりますと、私も努力の至らないところがあると思いますけれども、勉強はし続けているところでございます。 ○穀田委員 これは、「新しい線路 軌道の構造と管理」という、いわば線路に関するバイブルみたいなものですよ。ですから、それを工務部長として勉強し続けているという程度の話で済む話じゃないんです。これに基づいて、ずっと指導しているんです。これはどこが発行しているか。日本鉄道施設協会が発行している。そこの協会の事務局長は、たしか、おたくのところのもう一人の工務部長のはずですよ。 ですから、これに基づいて、鉄道の線路についての保線その他補修について、下請に対して指導しているんですよ。あなたは下請に指導しているトップでしょう、工務に関するトップでしょう。それが、これを、いや、勉強を続けていますというような話では済まないんですよ。あなたはさっきそう言ったよね。たしか、こう言ったよね。国鉄時代との途切れているというような話をしていますけれども、では、これを見てみましょう。 このところによりますと、国鉄時代における線路のミリ単位の問題についての扱いや経過が、全部、明治時代からずっと書いていますよ。だから、二重の基準があったなどといって、前のあれをずっと維持していたから知らなんだなんという話にはならないんです。 では、聞きましょう。この書いている方、執筆者、平田和敏さんというのは、おたくの会社にいませんか。何をやっていますか。 ○笠島参考人 私どもの工務部の専任部長をしてございます。 ○穀田委員 だから、書いた本人が専任の工務部長をやっているんですよ。だから、少なくとも、軌間、軌道の間の問題について、JR時代や国鉄時代はどうなっていたかなんということを知らないはずはないんです、書いている本人なんですから。だから、そんないいかげんな話をしたらあきまへんで。だから、まさにこれがどれほどの重大なことかということについて問われると私は思っているところであります。 そこで、先ほど、安全に関する外部の第三者委員会を設置するということについて答弁がありましたし、私もそういうことは必要だと思っているんです。 そこで、これは安全報告書、おたくのところが出しているものですけれども、そこによりますと、社長は、もちろん当時の社長は小池さんでしたけれども、あなたもかかわっているわけで、こう書いているんですよね。忌憚のない意見を賜りますようお願いしますと。さらに、安全綱領の中では、「安全の確保のためには、職責をこえて一致協力しなければならない。」こう書いている。 そこで、現場をよく知っているのは誰か。これは働いている労働者なわけですよね。私、先ほど言いましたように、国鉄労働組合の、さっきの方の、革マルとは違う方の、きちんとやっている方の組合ですけれども、その訴えによれば、国労北海道本部はJR北海道に対して、一連の事故原因の究明と再発防止の徹底を求め再三団体交渉を申し入れてきた。しかしながら、会社は、事故原因が調査中であるために明らかにできないとか、事故対策で忙殺されており交渉を行うことができない等との態度であり、極めて不誠実な対応と言わざるを得ない。加えて、ここからがまた大事なんです。他労組が要求していない。つまり、事故後、国鉄労働組合は、この問題について、原因を探るために話し合いをしようと言ったら、他労組が要求していない、交渉を求めていないことをもって、国労の交渉要求に応えないと言ってきた。そして、あわせて、申し入れを長期に放置したあげく、文書による回答にとどめるなど、信義誠実の原則に反し、不当労働行為に該当する態度を改めようとしていない、こういうことを訴えていますが、事実ですか。 ○小山参考人 お答えをいたします。 私どもの会社には四つの労働組合がございまして、委員御指摘の国鉄労働組合もその一つでございます。各組合とはそれぞれ労働協約を結びまして、その協約に基づき、団体交渉等を誠実に実施をしてまいっているところであります。 ただ、御指摘のように、今、事故その他の対応等も種々ございますので、その辺につきましては、時間その他についてはよく組合とも話をさせていただいた中で、必要な交渉等は実施をさせていただいているというふうに考えてございます。 ○穀田委員 誰も知らないからと思って、そういういいかげんな話をしたらだめですよ。申し入れは二〇一一年十一月十八日、回答は二〇一二年五月二十四日。六カ月放りっ放しということが誠実ですか。事態が大変だと言っているときに、何とかしようじゃないかという話し合いを申し入れたら、六カ月も放り出すことが誠実と言えるんですか。そういう話を全然せんといて、交渉をやりましたなんという話をしたらあきまへんよ、そんなこと。 しかも、この問題でいうならば、保線社員の実態について、会見について、こういうふうに交渉記録が載っています。 検査周期の問題では、新車と老朽化した経年車両とは違いがある、これまで規制緩和などがあり、検査周期の見直しをしてきたが、やはり要検と全検時にはしっかり検査をすべきじゃないかということをまず提起している。こういったこともあります。 それから、社長が記者会見で保線社員の社員数は以前と変わっていないと答えているが、管理室の統廃合などがあり、実態は違っている。こういう意見がある。 さらに、職場では、枕木を例にとれば、次年度に必要な本数を要求するが、要求どおり来たためしがないと訴えている。職場からの要求に応じなければ本当の保守とはならない、危険だということを言っておられる。 こういう申し入れについて、あなたは笑っているけれども、そういう申し入れが六カ月も放置されていいのかと聞いているんですよ。 ○小山参考人 御指摘の点についてでございますが、私どもといたしましては、各組合からいろいろな要求、申し入れをいただいて、その中で、それぞれの組合と結んでおります労働協約等に基づき、団体交渉等、誠実に対応させていただいているというふうに考えてございます。 ○穀田委員 同じ答弁していたらあきませんで。事実を言っているんだから、私のところは。 この文書は公式の文書として、他組合からは要求がないから、申し入れがないからといって断っているんだ、そういう事実はないと断言できますか。 ○小山参考人 お答えをいたします。 それぞれの組合からの申し入れに基づき、交渉はさせていただいております。 ○穀田委員 時間がないからね。 国土交通省に私は聞きました。そうしたら、他の組合からの申し入れ、具体的な問題についての要求の申し入れはなかったというふうに答えています、あなたはそうおっしゃらなかったけれども。 そこで、最後に一つだけ聞きますけれども、JR西日本では、二〇〇五年四月二十五日、福知山脱線事故の直後に、当時の四労働組合で直ちに労使安全会議を開催しているんですね。五月に、連休明けに、国鉄労働組合が申し入れた、会社と組合による各職種ごとの専門委員会を設置し、協議を進めているんですね。 ですから、私は、あなたは本当に忌憚のない意見を聞くとか職場が大事だからと言うんだったら、やはりこういう全組合を包括した形で、そういう形で話し合いを設けるというつもりはありませんか、社長。 ○野島参考人 先ほど小山が申し上げましたとおり、事故防止あるいは安全に関する事柄につきましては、現在でも、各労働組合との間において締結しています労使間の取り扱いに関する協約、労働協約に定めるルールにのっとりまして、団体交渉あるいは経営協議会などで個別に協議をしております。現在、特に弊害や問題などは発生しておりません。 今後も、各労働組合との間においては、信頼関係に基づきまして、労使間ルールにのっとり、誠意を持って対応していく所存でございます。したがいまして、現在のところ、四つの労働組合と同一テーブルで定期的に協議する機関の設置については考えてございません。 ○穀田委員 終わりますが、この点でも、本当に労働者の意見を聞く立場に立っていない、安全の問題について忌憚のない意見を聞いて、本当に自分のところに不都合なことも含めて話を聞いてやろうと。JR西だってやっているんですよ。別にJR西が悪いという意味じゃないですよ、そういうところだって、しかも事故が起こってすぐにやっているんですよ。あなたのところは事故が起こってからもう何年たっていますか。 ですから、本当に安全問題について、可能なあらゆることをやるという立場に立っていないということが明らかになったという点だけは指摘して、終わります。 |
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