すべての武器を楽器にという喜納さんの心意気に敬意
7月7日は七夕である。京都にとっては織姫、彦星の邂逅という意味合いだけではない。特別の想いがある。
戦前の「奢侈品等製造販売制限規則」いわゆる「七・七禁令」施行の日である。(1940年)金糸・銀糸を使用する“西陣織”などをぜいたく品であるとして、「ほしがりません勝つまでは」「ぜいたくは敵」と戦争遂行にとって邪魔者として刻印した日なのである。多くの織姫ならぬ織り手が忘れえぬ「日」として語り継いでいる。
この日この京都で、「すべての武器を楽器に」を合言葉に活動する沖縄出身の歌手・喜納昌吉氏が、「武器を溶かして平和モニュメントを」と提唱し、その第一弾として、インド政府から廃棄された小銃を受け取る贈呈式を行った。
喜納氏が、日印国交50周年記念コンサートに招かれた際に、同国国防大臣に平和モニュメントを創るための武器を貰い受けたいと、要請したことがとっかかりとのこと。
駐日インド大使が壊れたライフル銃を喜納さんに手渡し、喜納さんはお礼に沖縄の楽器、三線(さんしん)を贈ったときは、会場から感動の大きな拍手が起った。(写真上)
この歴史的瞬間の舞台となったのは、浄土宗の総本山知恩院。浄土宗の僧侶・袋中正人が沖縄に渡って伝えた念仏踊りが、沖縄の「エイサー」になっている縁。来年はその来琉400年にあたる。
セット大使は「この平和運動に協力できて光栄です。インドは釈迦とガンジーを生んだ国、平和を望むは自然なこと」とあいさつ。
釈尊の母国と、宗教者が宗派を越えてこの平和のイベントに参集したのも大きな特徴だ。
浄土真宗、真言宗、京都仏教会、大本教、近畿宗教婦人連盟など各宗派の代表お一人おひとりの言の葉に、真摯な平和への思いがこもっており、感動・感激したのは私だけではあるまい。
政党を代表して私も、京都にとっての7月7日と平和のイベントの意味、非同盟運動の創始国・インドが平和への取り組みで力を発揮するよう、期待を表明した。
思えば、この日は、日本が本格的な中国侵略に踏み込んだ1937年の盧溝橋事件勃発の日でもある。あの侵略戦争の反省もなく今再び海外での武力行使に道を開こうとする「有事法制」なんとしても廃案にと決意した。
贈呈式は、喜納昌吉&チャンプルーズの「すべての人の心に花を」演奏、「花」の熱唱で幕を閉じた。(写真下は、会場で喜納さんと握手する私)
当日の式次第より(敬称略)
祈り・・・・・・・・・・・・・・・浄土宗総本山知恩院式衆会 声明
主催者あいさつ・・・・・・PMN共同代表 川満信一
経過説明・あいさつ・・・インド文化協会会長 内田大円
来賓あいさつ・・・・・・・・社民党党首 土井たか子
民主党代表 鳩山由紀夫
自由党参議院議員 渡辺秀夫
日本共産党衆議院議員 穀田恵二
真言宗大本山護国寺貫首 岡本永司
大本山聖護院御門跡執事長 宮城泰年
真宗木邉波本山錦織寺お裏方 木邉美子
大本宣伝使 出口信一
伊勢神宮より 神宮文化芸能奉納会理事
石井利通・由美子
武器の授与
返礼:三線の贈呈
あいさつ・・・・・・・・・・・・すべての武器を楽器に 提唱者 喜納昌吉
「すべての人の心に花を」演奏
あいさつ・・・・・・・・・・・・浄土宗総本山知恩院執事長 牧達雄
[2002年7月7日(日)]
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