滋賀県豊郷町立豊郷小学校の保存決定
24日、滋賀県豊郷町の町立豊郷小学校の保存が全国注視のもとで決まりました。工事差し止めを命じた裁判所の決定を踏みにじってまで学校を解体しようとした大野和三郎町長は、全国から「無法町長」と指弾されるなか、自らの強硬方針を変更しました。
豊郷小学校は、W・メレル・ヴォーリズ氏が敷地計画から設計した全国でただ一つの小学校です。耐震・耐火・通風・採光など当時の近代建築の粋を集めた校舎の階段の手すりには、イソップ童話のウサギとカメの彫刻があり、設計者の教育に対する信条・理想が込められています。(写真上)
23日には、解体工事強行のニュースを聞いて豊郷小学校にかけつけ、破壊された現場を視察しました。(写真中)
私は、現地の共同会見で、近代建築としての高い価値だけでなく、教育施設としてもすぐれた構造になっていると感想をのべたうえで、暴挙に抗議する住民のみなさんの声に賛成と表明。これまで何回も石井郁子衆議院議員が文部科学省に申し入れてきたことを紹介し、学校施設を残すため、あらためて超党派の運動を呼びかけました。(写真下)
町長の学校解体断念は、各党が声をそろえて「保存を」と行動したことが力となりましたが、町長は保存に同意したものの、住民側が求める現校舎の補修・使用は否定。学校敷地内に別校舎を新築する考えで、現校舎の保存・再生運動は新たな段階に入りました。
[2002年12月24日(火)]
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